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審判番号(事件番号) データベース 権利
取消2012300417 審決 商標
取消2012300369 審決 商標

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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない X09
管理番号 1285515 
審判番号 取消2013-300208 
総通号数 172 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2014-04-25 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2013-03-14 
確定日 2014-02-10 
事件の表示 上記当事者間の登録第5294979号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5294979号商標(以下「本件商標」という。)は、「ANGEL EYE」の欧文字を横書きしてなり、平成21年8月13日に登録出願され、第9類「青写真複写機,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,パンチカードシステム機械,票数計算機,郵便切手のはり付けチェック装置,自動販売機,電池,電気磁気測定器,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,カード読取装置,電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、同22年1月15日に設定登録されたものである。
そして、本件審判の請求の登録は、平成25年4月3日にされたものである。

第2 請求人の主張
請求人は、商標法50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中、「電気通信機械器具」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び上申書において、要旨次のように述べている。
1 請求の理由
本件商標は、本件審判請求に係る指定商品について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。
2 上申書
合議体は、本件審判事件の口頭審理の開催に先立ち、請求人に対し、審理事項通知において、被請求人からの口頭審理陳述要領書に対しての意見を求めたところ、請求人は、口頭審理に出頭しない旨上申するのみで、何ら意見を述べていない。

第3 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を答弁書、口頭審理陳述要領書及び上申書において、要旨次のように述べ、証拠方法として、乙1号証ないし乙33号証を提出した。
1 答弁の理由
(1)主張の要約
被請求人は、本件審判の請求登録前3年以内(以下「要証期間内」という。)に、日本国内において、本件商標を請求に係る指定商品「電気通信機械器具」に使用している。
(2)本件商標の使用の事実
ア 被請求人について
被請求人は、トランプ、バカラ電子シュー等の国内・海外販売を主な事業内容とする会社である。
被請求人の所在地は、「京都府京都市下京区・・・」である(乙1:被請求人のホームページ抜粋)が、謄本上の住所は「大阪府大阪市中央区・・・」である(乙2:被請求人に係る現在情報)。なお、商標登録原簿の住所は、後者の住所と一致している。
イ 被請求人が使用する商標について
本件商標は、上記第1に示したとおり、「ANGEL EYE」の欧文字からなるところ、被請求人は、「コード化された情報を読み取るためのスキャナを内蔵した電気通信機械器具」(以下「本件商品」という。)に、「ANGEL EYE」の欧文字からなる商標、「ANGEL EYE II」(「II」はローマ数字の2を表す。以下同じ)の欧文字からなる商標及び「ANGEL EYE III」(「III」はローマ数字の3を表す。以下同じ)の欧文字からなる商標(これらの3商標を、以下順に「使用商標1」、「使用商標2」及び「使用商標3」という。また、これらを纏めていうときは、「使用各商標」という。)を使用している(乙3:被請求人の会社案内抜粋、乙4:被請求人のホームページ抜粋、乙5:ANGEL EYE IIの通信仕様書抜粋、及び乙6:ANGEL EYE IIIの通信仕様書抜粋)。
上記使用各商標中、使用商標1は、その構成文字から、本件商標と社会通念上同一と認められる商標であることは明らかである。
また、使用各商標中、使用商標2及び使用商標3は、ローマ数字の「II」及び「III」が付加されているが、該「II」及び「III」は、シリーズ商標にしばしば用いられる文字であるというのが取引の実情であり、被請求人自身も、使用商標1を付した商品のシステムのバージョンアップの際に「II」及び「III」を使用しているものである。
そうとすると、使用各商標中、使用商標2及び使用商標3に接する取引者、需要者は、使用商標1のシリーズ商標であると容易に認識し理解するため、これら使用商標2及び使用商標3についても、本件商標と社会通念上同一と認められる商標であることは明白である。
したがって、被請求人は、本件商標を本件商品に使用しているというのが相当である。
ウ 本件商品について
本件商品は、独特のコードが印刷されたカードをスキャナで読みとり、パソコンなど通信機能を備えた機器との間でデータを交信する機能をその本質的な要素とする通信機械器具であり、「電気通信機械器具」に属する「コード化された情報を読み取るためのスキャナを内蔵した電気通信機械器具」といえることは明らかである。
本件商品、パソコン、ディスプレイ、バックヤードが接続されている状況を簡単に示した模式図は、乙9号証「ENGEL EYE 使用図」のとおりである。
エ 被請求人の使用行為について
被請求人は、使用各商標を本件商品に日本国内で付し(商標法2条3項1号)、本件商品を世界各国に輸出している(同項2号)。
そして、被請求人が要証期間内に使用各商標の下で本件商品を取引している事実は、本件商品に係る取引書類から明らかである(乙12:平成23年8月8日付け、被請求人発行の請求書の写し及びその一部和訳、乙13:平成23年8月29日付け、被請求人発行の見積書及びその一部和訳、乙14:平成24年2月13日付け、被請求人発行の納品書の写し、及び乙15:平成24年2月13日付け、出荷関連書類の写し及びその一部和訳)。
したがって、被請求人が要証期間内に使用各商標を本件商品に使用しているものである。
2 陳述要領書における陳述
(1)被請求人による使用証明について
乙12号証ないし乙14号証(INVOICE及び納品書)における住所表記と、本件商標権者の原簿上の住所表記との相違については、乙16号証(平成20年11月20日、京都府税務課受付の事業開始等の届出書(法人用))に示すとおり、被請求人の主たる事務所等の所在地は商標登録原簿の住所と同一の「大阪府大阪市中央区・・・」であり、「京都府京都市下京区・・・」の住所表記は平成20年11月1日に設置(開設)した事務所の住所表記である。
したがって、「京都府京都市下京区・・・」所在のエンゼルプレイングカード株式会社と「大阪府大阪市中央区・・・」所在のエンゼルプレイングカード株式会社とは同一法人であるから、乙各号証に示す事実は商標権者による使用証明であることは明らかである。
(2)乙第3号証について
乙3号証(被請求人の会社案内抜粋)には、表紙や奥付がないことから、被請求人は、新たに乙17号証(被請求人の会社案内写し)を提出する。乙17号証により、乙3号証が被請求人の会社案内抜粋であることを確認することができる。
(3)乙12号証及び乙13号証について
答弁書において提出した乙12号証の「INVOICE」は、顧客の都合に応じて修正して送付することとなった修正前の請求書を誤って提出したものであり、再度、顧客に対して被請求人が発行した、平成23年8月29日付けの乙18号証の「INVOICE(請求書及びその一部和訳)を提出する。
他方、乙13号証の「PROFORMA INVOICE」は、「見積書」であり、該見積書の日付けは、乙18号証の「INVOICE(請求書)」の日付けと同日である。
これらの両号証は、「本件商品と遊戯用カード」の見積書及び請求書である。
(4)乙19号証及び乙20号証について
上記(3)において記載した、顧客の都合に応じて修正して請求書を送付することとなった事情については、乙19号証(顧客に請求書を送付したメールの写し及びその一部和訳)のとおりであり、また、平成23年9月2日に乙18号証のINVOICE(請求書)に対応した送金処理がなされていることは、乙20号証(国内の銀行からの通知書)から明らかである。このことは、乙13号証(見積書)、乙18号証(請求書)及び乙20号証(国内の銀行からの通知書)の各「INVOICE No.」が、いずれも「110829」で一致することからも理解できるものである。
(5)乙14号証と乙12号証、又は乙13号証の関係、乙15号証の具体的内容について
乙12号証(乙18として再提出。)及び乙13号証は、商品の販売に際して、顧客との間で取り交わされる書類であるのに対し、乙14号証(平成24年2月13日付け被請求人発行の納品書の写し)は、顧客から受注を受けた商品を納品したことを示す被請求人の社内保管用の書類である。被請求人は、海外の顧客に対しては、乙21号証に示す通関用の請求書を商品に同封しているため、これを納品書の代用としている。
また、乙15号証に示す保険証券は、出荷する貨物にかける海上保険の書類であり、保険対象の商品と運送会社の現地代理人の住所が記載されているものである。
被請求人は、海外の顧客に対しては、商品出荷前に、乙15号証に示す保険証券、乙21号証に示す通関用の請求書、乙22号証に示す船積書類、乙23号証に示すパッキングリストのそれぞれの写しをメールで送付し、出荷内容の案内をしている。
3 口頭審理後の上申書における主張
(1)乙14号証及び乙22号証における他の書類との対応関係について
乙14号証の平成24年2月13日付け被請求人保管用の納品書に記載された「ENGELEYE2」及び「エンゼルアイ2」は、乙18号証の平成23年(2011年)8月29日付け請求書(インボイスNo.110829)と同じ取引のものであるが、本件商品の顧客は、2年又は3年に一回の注文しかなく、顧客名、商品名、数量、単価、金額で容易に符合できるため、乙14号証の納品書においては、乙18号証のインボイスNo.を記載することはない。
また、乙21号証の通関用の請求書、乙22号証の船積書類、乙23号証のパッキングリストにも、乙18号証のインボイスNo.が記載されていないが、顧客名での管理が容易であったところから、顧客名で個別に管理したものである。
乙15号証の保険証券、乙21号証の通関用の請求書及び乙23号証のパッキングリストは、出荷に係る書類であり、乙18号証の請求書のインボイスNo.での管理をしておらず、乙22号証の船積書類に記載の出帆日(本件商品が大阪港を出港した日)である平成24年(2012年)2月16日の数字を通関用インボイスNo.「120216」として付与している。
(2)乙13号証に始まる本件商品の取引の流れについて
乙13号証の平成23年8月29日付け見積書により、顧客からの受注が確定し、乙18号証の請求書を同日付けで発行し、顧客に代金を請求。その後、乙20号証の同年9月2日付け日本国内の銀行からの被請求人宛て入金通知により、顧客の入金が確認できたため、本件商品の生産を開始。そして本件商品の生産が終了した後、乙14号証の平成24年2月13日付け納品書を作成し、本件商品を生産する工場から大阪港に向けて、本件商品を出荷。その後、本件商品は、同月16日に大阪港を出港し、ベトナムの港経由カンボジアの顧客に配送(乙15(船荷にかける保険証券)及び乙22(船積書類))、という流れである。
(3)乙17号証の作成日、作成部数を証明する取引書類(乙26等)について
乙17号証の会社案内は、平成24年4月25日に300部発行されており(乙26:平成24年4月24日発行の納品書No.27103、乙27号証:同年4月25日発行の納品書No.27134)、一部改定されたものが同年6月28日に500部発行されている(乙28:同年6月28日発行の納品書No.29087、乙29:同日発行の納品書No.29090)。
なお、乙17号証として提出した会社案内は、平成24年6月28日に発行されたものである。
(4)その他の使用の事実について
平成24年10月17日に、韓国において、被請求人の代理店をしている日本の法人(以下「本代理店」という。)により、本件商品を2台購入したい旨の注文(注文書No.は「1525」である。)がなされている(乙30:平成24年10月17日付け注文書)。
これに対して、被請求人は、同月22日に社内の関係部署との間で、注文内容の確認(注文書番号を「1525」、アイテムを「ANGEL EYE II」、数量を「2台」、受取予定日を「10月25日」と特定している。)と前受け金の確認を行った(乙31:平成24年10月22日付け受注確認書)。
そして、同月24日に、本代理店から代金の支払いの連絡があったため(乙32:同日付け書類送付の件)、被請求人は、本代理店に対して本件商品を納品している。
平成24年11月13日に本件商品に関して売上伝票(注文書No.を「1525」として特定している。)が発行されている(乙33:同日付け売上伝票)。
(5)結語
以上のとおり、乙30号証ないし乙33号証に示すとおり、被請求人は、本代理店との関係においても、少なくとも要証期間内に日本国内において本件商標を「電気通信機械器具」に使用していることは明白である。それゆえ、商標法50条1項及び同2項の規定により、本件審判の請求に係る指定商品について、その登録を取消し得ないものであることは明白である。

第4 当審の判断
1 被請求人の主張及び乙各号証によれば、以下の事実が認められる。
(1)乙1号証、乙2号証及び乙16号証について
乙1号証は、被請求人のホームページ抜粋であるとするところ、2009年4月現在の情報における所在地欄には、「京都府京都市下京区・・・」と表示され、一方、乙2号証の被請求人にかかる2013年5月16日現在の情報における本店欄には、「大阪市中央区・・・」(商標登録原簿と同一表示)と表示され、両表示が異なっていたものであるが、口頭審理陳述要領書に添付の乙16号証の京都府税務課による平成20年11月20日受付の事業開始等の届出書(法人用)の「事務所等の所在・開設の状況」欄には、事務所の所在地として、「京都府京都市下京区・・・」と記載されており、乙1号証の所在地欄の表示と同一である。
(2)乙3号証及び乙17号証について
乙17号証は、乙3号証(1枚紙)を含む被請求人の会社案内であるとするころ、これには、以下が記載されている。
ア 9枚目の「3 最近の開発事例」の見出しの下、「■高セキュリティ対応型のテーブルゲーム用電子シュー(「ENGEL EYE TM」)と記載されている(ただし、「TM」の文字は、他の文字に比して極めて小さく表示されている)。
併せて、該記載の右側には、その商品の写真が掲載されている。
イ 16枚目の「会社概要」における「商号」欄には、被請求人の名称である「エンゼルプレイングカード株式会社」と記載され、「所在地」欄には、「京都市下京区・・・」(上記(1)において記載した事務所等の所在地と同一住所である。)と記載されている。
ウ 20枚目の「世界を牽引する技術」における「ANGEL EYE TM Baccarat shoe」(ただし、「TM」の文字は、他の文字に比して極めて小さく表示されている。)の見出しの下、上記アにおいて記載した商品の写真と同一の写真とともに、該商品の説明として「カジノのバカラゲームにおいて、・・・エンゼルオリジナル開発商品です。・・・『シューの中でカードを事前に読まずに、カードを引いた時に出口で読む』などのシステムを採用し、バカラプレイヤーとカジノの両方から高い信頼を得ています。その結果、バカラ電子シューのマーケットでは、90%以上のシェアを占め・・・(2012年3月現在)」と記載されている。
(3)乙13号証、乙18号証及び乙20号証について
被請求人の発行に係る乙13号証(見積書)、乙18号証(請求書)及び乙20号証(日本国内の銀行から被請求人宛ての入金通知書)の各証拠には、インボイスNo.を表すものとして、いずれも「110829」が表示されていることから、これらはいずれも対応関係にあることが認められる。
このうち、乙13号証及び乙18号証においては、これらの訳文と併せ見ると「数量」欄に「27セット」、「品名」欄に「ANGEL EYE II」(使用商標2)及び「バカラ用シュー型カード検査器」と記載されているとともに、これらの発行日が2011年8月29日であることを示す「Aug 29,2011」の文字が記載されている。なお、上記インボイスNo.の付与方法について、被請求人は、口頭審理及びその後の上申書において、書類の発行日の日付けから採択している旨主張している。
また、乙20号証は、被請求人の主張によれば、上記したとおり、日本国内の銀行から被請求人宛ての入金通知書であるが、該号証の最上部には「外国送金・本支店間外貨送金計算書(被仕向送金)」と書されているものであるところ、口頭審理における請求人の主張と併せ見ると、海外の顧客がカンボジアの銀行からニューヨークの銀行を経由し、日本の銀行に送金され、それが被請求人の口座に送金(入金)された通知書であることが認められる。
(4)乙28号証について
乙28号証は、被請求人の会社案内(乙17)を2012年6月28日付け、被請求人に納品したことを示す「納品書」であるところ、これには、「商品名」欄に「会社案内<和文>*改定 500冊」と記載されている。
(5)乙6号証について
乙6号証は、「ENGEL EYE III」なる商品の通信仕様書抜粋であるところ、その1/20頁(表紙)には、「ENGEL EYE III」、つまり使用商標3が記載されてはいるものの、該仕様書の作成日及び作成者の記載が認められない。
2 以上の認定事実に基づき、以下判断する。
(1)使用商品及び使用商標について
乙17号証の請求人の会社案内の9枚目、20枚目、さらには、乙13号証及び乙18号証(和訳)からの認定事実によれば、被請求人が本件商標を使用しているとする本件商品(コード化された情報を読み取るためのスキャナを内蔵した電気通信機械器具)は、「テーブルゲーム用電子シュー」又は「バカラ電子シュー」若しくは「バカラ用シュー型カード検査器」と称される商品であるということができる。
そして、本件商品は、上記のとおり称されている商品であることに加え、乙9号証の「ENGEL EYE 使用図」及び被請求人の主張を併せ考慮すれば、「コードが印刷されたカードをスキャナで読み取り、パソコンなどとの間でデータ交換をする機能を有する商品」と認めて差し支えないことから、本件取消請求に係る「電気通信機械器具」に属する商品とみるのが相当である。
そして、同じく、乙17号証の請求人の会社案内の9枚目、20枚目に記載された本件商品の説明欄には、上記1(2)ア及びウにおいて認定したとおり、「ENGEL EYE TM」及び「ANGEL EYE TM Baccarat shoe」と記載されている(ただし、いずれも「TM」の表示は、他の文字に比して極めて小さく表示されている。)ものである。
ところで、これらの該「TM」の文字部分は、出願商標であることを表す記号として、しばしば日本においても見かける記号であり、また、同じく「Baccarat shoe」の文字部分も商品名を表すにすぎない、いわゆる出所識別機能を有しない部分と見るのが相当であるから、乙17号証に記載されたこれらの「ENGEL EYE TM」及び「ANGEL EYE TM Baccarat shoe」の記載は、実質的に使用商標1と見ることもでき得るものであり、前記第1において記載した本件商標「ENGEL EYE」と社会通念上同一と見て差し支えないものである。
また、乙13号証(見積書)及び乙18号証(請求書)に記載された商標は、「ENGEL EYE II」、つまり「使用商標2」であるところ、該商標中の「II」の部分は、商品の記号又は型番としてしばしば使用されるたぐいの記号にすぎない、いわゆる出所識別機能を有しない部分と見るのが相当であるから、乙13号証及び乙18号証に記載された使用商標2も社会通念上、本件商標と同一と見て差し支えないものである。
そのほか、乙6号証は、「ENGEL EYE III」なる商品の通信仕様書抜粋であるところ、その1/20頁(表紙)には、本件商標と社会通念上同一と見て差し支えない「ENGEL EYE III」、つまり使用商標3が記載されてはいるものの、該仕様書の作成日が不明である。
(2)使用者及び使用場所について
乙17号証の16枚目には、上記1(2)イにおいて認定したとおり、被請求人の商号及びその事務所の所在地が記載されていることから、該号証は、被請求人の作成に係る会社案内であることが確認できる。したがって、乙17号証中において、本件商品の説明に使用商標1が使用されている事実は、被請求人が、本件商品に関する広告に、本件商標を使用したものということができる。
そして、乙17号証は、日本語で書されていることからすれば、本件商標は、わが国において使用されたものということができる。
ところで、わが国においては、刑法185条及び186条(賭博及び富くじに関する罪)において賭博行為が禁止されているため、国内でのカジノの設置は認められていないが、カジノに関わる各種商品の広告宣伝が禁止されているものではないこと明らかである。
また、乙13号証及び乙18号証においては、上記1(3)において記載したとおり、被請求人の発行に係る本件商品の見積書(乙13)及び請求書(乙18)であることから、使用商標2の使用者は、被請求人であること明らかである。
そして、使用商標2は、日本から海外へ輸出される本件商品の取引書類に付して頒布しているものということができるとともに、実際に本件商品の対価が被請求人に送金されていることが乙13号証及び乙18号証と同じインボイスNo.が付された乙20号証により確認できるものである。
(3)使用時期について
乙28号証は、上記1(4)において認定したとおり、乙17号証の被請求人の会社案内を要証期間内である2012年(平成24年)6月28日付けで、被請求人に500部納品したことが認められることから、被請求人は、これを日本国内で展示若しくは頒布したものとみるのが自然である。なお、本件に関し、被請求人は、口頭審理の場において、国内の修学旅行生に自社の広告宣伝として乙17号証を配布したと主張しており、これを疑うべき特段の理由も見当たらない。
また、乙13号証(見積書)及び乙18号証(請求書)においては、上記1(3)において認定したとおり、その発行日がいずれも要証期間内(平成22年4月3日ないし同25年4月2日)である2011年(平成23年)8月29日であることが明らかである。
(4)小括
上記(1)ないし(3)を総合すると、要証期間内において、商標権者(被請求人)が、本件取消請求に係る指定商品である「電気通信機械器具」の範ちゅうに含まれる商品(「テーブルゲーム用電子シュー」又は「バカラ電子シュー」若しくは「バカラ用シュー型カード検査器」)の広告、見積書及び請求書に本件商標と社会通念上同一と認められる使用商標1(ENGEL EYE)及び使用商標2(ENGEL EYE III)を付して展示し、若しくは頒布したといえるものである。
そして、これらの行為は、商品に関する広告若しくは取引書類に標章を付して展示し、若しくは頒布する行為(商標法2条3項8号)に該当するというのが相当である。
3 まとめ
以上のとおり、本件審判の請求登録前3年以内に日本国内において、商標権者が、本件取消請求に係る指定商品である「電気通信機械器具」の範ちゅうに含まれる商品について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしていることを、被請求人が証明したものということができる。
したがって、本件商標の指定商品中、取消請求に係る指定商品についての登録は、商標法第50条1項の規定により、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
審理終結日 2013-11-25 
結審通知日 2013-11-27 
審決日 2013-12-27 
出願番号 商願2009-62012(T2009-62012) 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (X09)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 山本 敦子 
特許庁審判長 水茎 弥
特許庁審判官 野口 美代子
梶原 良子
登録日 2010-01-15 
登録番号 商標登録第5294979号(T5294979) 
商標の称呼 エンジェルアイ、エンゼルアイ、エンジェル、エンゼル、アイ、イイワイイイ 
代理人 藤森 裕司 
代理人 飯島 紳行 
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