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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
無効2013890076 審決 商標
不服201317252 審決 商標
不服20137631 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない W03
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W03
管理番号 1285497 
審判番号 不服2013-7630 
総通号数 172 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2014-04-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-04-25 
確定日 2014-02-06 
事件の表示 商願2012-46693拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「浸透ケア/コンディショナー」の文字からなり、第3類「せっけん類,洗浄剤(製造工程用及び医療用のものを除く。),ヘアーケア用化粧品,毛髪用着色剤,染毛剤,ヘアーローション,毛髪用ウエーブ剤,シャンプー,コンディショナー,ヘアースプレー,パウダー状頭髪用化粧品,整髪料,ヘアーラッカー,ヘアームース,頭髪のつや出し用化粧品,ヘアージェル,ヘアーモイスチャライザー,ヘアーリキッド,ヘアーオイル,ヘアートニック,ヘアークリーム,バス・シャワー用化粧品,身体用防臭剤,制汗用化粧品,化粧品」を指定商品として、平成24年6月11日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『浸透ケア/コンディショナー』の文字を横書きしてなるところ、その構成中『浸透』の文字は『しみこむこと』の意味を、『ケア』の文字は『手入れ』の意味を、『コンディショナー』の文字は『髪や肌を整える溶剤』の意味を表す語であり、『浸透ケア』の文字が、肌や髪の手入れ用品を扱う業界において『肌や髪の手入れ用品の成分が肌または髪にしっかりとしみこむこと』を表すものとして多数使用されている事実が存在する。そうとすると、本願商標をその指定商品中、『成分が肌または髪にしっかりとしみこむ効果を有するせっけん類・洗浄剤(製造工程用及び医療用のものを除く。)・ヘアーケア用化粧品・毛髪用着色剤・染毛剤・ヘアーローション・毛髪用ウエーブ剤・シャンプー・コンディショナー・ヘアースプレー・パウダー状頭髪用化粧品・整髪料・ヘアーラッカー・ヘアームース・頭髪のつや出し用化粧品・ヘアージェル・ヘアーモイスチャライザー・ヘアーリキッド・ヘアーオイル・ヘアートニック・ヘアークリーム・バスシャワー用化粧品・身体用防臭剤・制汗用化粧品・化粧品』に使用するときは、単に前記商品であることを認識させるもの、すなわち、商品の品質を普通に用いられる方法で表示したものと理解されるにとどまり、本願商標は、自他商品の識別標識としての機能を果たさないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号の該当性について
本願商標は、「浸透ケア」の文字と「コンディショナー」の文字をスラッシュ記号で一連に表してなるところ、その構成中、「浸透」の文字は、「しみとおること、しみこむこと」等の意味を、「ケア」の文字は、「介護、世話、手入れ」等の意味を有するもの(共に、広辞苑第6版)であるから、「浸透ケア」の文字部分は、「しみこんで手入れをする」ほどの意味合いを理解させるものといえる。また、「コンディショナー」の文字は、本願の指定商品の分野においては、「髪の状態を整えるもの。ヘア-コンディショナー」の意味を有する語(広辞苑第6版)であり、指定商品中の「コンディショナー」を表したものと認められることから、「浸透ケア」の文字と「コンディショナー」の文字をスラッシュ記号で一連に表示してなる本願商標からは、「成分がしみこんで髪の手入れをするコンディショナー」程の意味合いを容易に理解させるものということができる。
そして、指定商品中「ヘアーケア用の商品」との関係においては、その成分を髪に浸透させて、髪の手入れをする商品であることを謳った商品が取引され、「浸透ケア」の文字が使用されている実情も、別掲のとおりうかがうことができる。
そうとすると、上記意味合いを容易に理解させる本願商標を、その指定商品中「コンディショナー」に使用する場合には、これに接する取引者・需要者は、それが「成分がしみこんで髪の手入れをするコンディショナー」であると理解し、その商品の効能表示であると認識するにとどまるといえるから、「浸透ケア」の文字と「コンディショナー」の文字とをスラッシュ記号で介した構成からなる本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標と判断するのが相当である。
また、本願商標を、「コンディショナー」以外の商品に使用したときは、商品の品質について誤認を生じるおそれがある。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、「浸透ケア」の語が、本願の指定商品の分野で広く一般的に使用されているとはいえず、また、本件商標は、「浸透ケア」と「コンディショナー」との間にスラッシュを配して結合した特異な構成を有するものであるとし、過去の登録例を挙げて、本願商標も識別力を有する旨述べている。
しかしながら、本願商標は、上記(1)のとおり判断するのが相当であり、例え「浸透ケア」の文字と「コンデショナー」の文字との間にスラッシュを配したとしても、「/」(スラッシュ記号)は、言葉の切れ目や「または」の意などを示す時に用いられる記号であることから、この記号により「浸透ケア」と「コンデショナー」の二つの語を介する特異な構成になったものとまではいえないと判断するのが相当である。また、請求人が示す登録例に係る商標は、本願商標とその構成する文字が相違するなど、事案を異にするものであるから、請求人のいずれの主張も採用することはできない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
ア 株式会社講談社の「With online」のウェブサイトにおいて、「実はキレイな髪の秘密は“浸透ケア”トリートメントにあるんです♪髪の奥からうるおいたっぷりの“浸透ケア”で美髪を実現!」「ふんだんに配合された補修成分が、髪の奥まで入り込み、目に見えない傷みまで素早くケア」の記載とともに、商品「シャンプー、コンディショナー」が紹介されている。(http://with.woman.excite.co.jp/special/633/)
イ 「Dove Beauty Report」(報道用資料)において、「髪にも紫外線対策“うるおいケア”を!」の見出しの下、「新しいダブがご提案!紫外線対策によるパサつき対策」のポイントに「同じ時間で約2倍量 素早く浸透する成分配合!洗い流すトリートメントに『パワー浸透処方』採用」の記載があり、「髪の乾燥レベルで選べる2シリーズ ダヴ 浸透ケアシリーズ」として、パサつきが気になる方には「浸透モイスチャーケア」、ダメージが気になる方には「浸透ドライダメージケア」として、シャンプーとコンディショナーが紹介されている。(http://www.unilever.co.jp/Images/Dove_NL_A_0404_2_tcm56-262693.pdf)
ウ 楽天市場のウェブサイトにおいて、ツバキ(TSUBAKI)トリートメント(200g)【ツバキシリーズ】リンスコンディショナー」の見出しの下、商品詳細に「特に乾燥が気になって艶とうるおいが欲しいとき。高浸透処方で、パサつきやすい毛先までうるおってなめらかな仕上がりのスペシャル浸透ケア。」の記載がある。(http://item.rakuten.co.jp/soukai/4901872873241/)
エ 「SHISEIDO」のオンラインショップのウェブサイトにおいて、「TSUBAKIダメージケア トリートメントNc」の見出しの下、「パサついた髪の芯まで徹底補修する浸透トリートメント」「毛髪メラニンホール補修成分を配合した浸透トリートメントです。高浸透処方で、補修成分がパサついた髪の芯まで浸透し、ゴワつく毛先もしなやかにまとまめます。」の記載がある。(http://www.shiseido.co.jp/sw/products/SWFG070410.seam?online_shohin_ctlg_kbn=2&shohin_pl_c_cd=150601)
オ 花王株式会社のウェブサイトにおいて、「毛髪浸透ケアエッセンス」の商品説明に「毎朝、出かける前にサッと吹きかけてなじませるだけ。使うたび、 頭髪ケア成分が髪の「芯」まで浸透。」の記載がある。(http://www.kao.co.jp/success/vc/mouhatsu/product/index.html)


審理終結日 2013-08-28 
結審通知日 2013-09-04 
審決日 2013-09-19 
出願番号 商願2012-46693(T2012-46693) 
審決分類 T 1 8・ 272- Z (W03)
T 1 8・ 13- Z (W03)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 鴨田 里果箕輪 秀人 
特許庁審判長 村上 照美
特許庁審判官 高橋 幸志
梶原 良子
商標の称呼 シントーケアコンディショナー、シントーケア 
代理人 中山 健一 

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