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審決分類 |
審判 一部無効 外観類似 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) X33 審判 一部無効 観念類似 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) X33 審判 一部無効 称呼類似 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) X33 |
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管理番号 | 1285485 |
審判番号 | 無効2013-890017 |
総通号数 | 172 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2014-04-25 |
種別 | 無効の審決 |
審判請求日 | 2013-03-08 |
確定日 | 2014-02-07 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第5446843号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 登録第5446843号の指定商品中「第33類 ぶどう酒」についての登録を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5446843号商標(以下「本件商標」という。)は、「IDEALWINE」の欧文字を標準文字で表してなり、平成23年3月7日に登録出願、第33類「ぶどう酒」並びに第35類及び第43類に属する商標登録原簿に記載の役務を指定商品及び指定役務として、同年9月14日に登録査定、同年10月28日設定登録され、現に有効に存続しているものである。 2 引用商標 請求人が、本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する登録第4619491号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおり、「Ideal」の欧文字及び「アイデアル」の片仮名を2段に表示した構成よりなり、平成13年12月27日に登録出願、第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として、同14年11月8日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 3 請求人の主張 請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁の理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証及び甲第2号証(枝番を含む。)を提出した。 (1)無効理由 本件商標は、その指定商品・指定役務中、第33類「ぶどう酒」については、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とされるべきものである。 (2)本件商標と引用商標との類否 ア 本件商標 本件商標は、その構成中の「WINE」の文字が、「ワイン」又は「ぶどう酒」として知られる平易な英単語であり、指定商品第33類「ぶどう酒」については、単に商品の普通名称にすぎないから、本件商標の自他商品の識別機能を有する要部は、「理想、理想的な」の意の平易な英単語「IDEAL」に存し、これより「アイデアル(理想、理想的な)」の称呼と観念を生じるものである。 イ 引用商標 引用商標は、「Ideal」と「アイデアル」の文字を二段併記したものであり、これより「アイデアル(理想、理想的な)」の称呼と観念を生じるものである。 ウ 本件商標と引用商標との比較 両商標は、「アイデアル(理想、理想的な)」の称呼と観念を一にする類似の商標であり、かつ、両商標の指定商品・指定役務中、第33類「ぶどう酒」について抵触する。 エ 答弁に対する弁駁 本件商標の構成は、「IDEALWINE」と書されたものであり、「I deal wine.」と書されたものでもなく、「I DEAL WINE」と書されたものでもないから、これを「I」、「DEAL」及び「WINE]と解すべき理由はない。そして、乙第1号証に表示されているものは、「iDealWine」であって、本件商標とは異なるものであるから、被請求人の主張は理由がない。 (3) まとめ 以上のとおり、本件商標は、その指定商品・指定役務中、第33類「ぶどう酒」については、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。 4 被請求人の答弁 被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は、請求人の負担とするとの審決を求める。」と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証(枝番を含む。)(審決注:各証拠右上の「甲第1号証」の記載は、「乙第1号証」の誤記と判断した。)を提出した。 (1)本件商標と引用商標の類否 ア 称呼について 本件商標は、「IDEALWINE」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字は、同書、同大、等間隔で外観上まとまりよく一体的に表され、これから生じる「アイディールワイン」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものであり、格別冗長な称呼ではない。 そして、「IDEALWINE」の文字は、「I(私)」、「DEAL(扱う)」及び「WINE(ワイン)」の英単語を組み合わせてなる一つの英文からなるものであり、「私はワインを扱う」という意味を持たせたものである。また、このことは、本件商標の商標権者(以下「商標権者」という。)であるアイディールワインドットコム社の例えばホームページ内の表示等からも明らかである。 すなわち、乙第1号証の1?3に示すとおり、商標権者は、例えば、自社のホームページ内やスマートフォン用のアプリケーションの表示画面において、’Deal’の部分を赤色で表し、他の’i’及び’wine’の部分を白色で表しているように、「I」、「DEAL」及び「WINE」からなる一つの英文を意図した使用を行ってきており、請求人が主張する、「IDEAL(理想、理想的な)」及び「WINE」を意図した使用はしていない。 商標権者は、現実の商取引の場面においても、「IDEALWINE」を一体のものとして用い、「IDEAL」の部分のみが分離抽出されるようには用いていないから、この部分のみを分離抽出して、取引に資されるとはいい難いものである。 したがって、本件商標は、「アイディールワイン」の称呼のみを生じるものであり、称呼上、「アイデアル」の称呼を生じる引用商標「Ideal/アイデアル」と相紛れるおそれはないものである。 仮に、「IDEAL」の文字部分が、本件商標の自他商品の識別機能を有する要部であるとしても、「IDEAL」の文字部分から生じる「アイディール」の称呼と、引用商標から生じる「アイデアル」の称呼とは、音調及び音感が大きく異なり、本件商標は、称呼上、引用商標「IDEAL/アイデアル」と相紛れるおそれはない。 イ 外観について 本件商標は、標準文字により、同書、同大、等間隔で、外観上まとまりよく一体的に表された大文字の欧文字からなるものであって、上記のとおり、一体的に構成されてなるものである。これに対し、引用商標「Ideal/アイデアル」は、上段に小文字の欧文字、下段に片仮名を二段併記したものであるから、本件商標は、外観上明らかに引用商標と相紛れるおそれはないものである。 また、実際の商取引の場面を想定した場合においても、指定商品「ワイン」のボトルに、本件商標「IDEALWINE」を付したものに対して、引用商標「Ideal/アイデアル」を付したものを設けた場合、取引者・需要者は、その構成に明らかな差異を看取できるため、両者は、外観上、相紛れるおそれはないものである。 ウ 観念について 本件商標は、上記のとおり、「I」「DEAL」「WINE」、つまり「私はワインを扱う」という観念を生じる。これに対し、引用商標「Ideal/アイデアル」は、単に「理想、理想的な」という観念を生じる。 したがって、本件商標は、観念上、明らかに、引用商標と相紛れるおそれはないものである。 (2)まとめ 以上から、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれの点からみても、相紛れるおそれのない非類似のものである。 したがって、本件商標は、第33類「ぶどう酒」について、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。 5 当審の判断 (1)本件商標について 本件商標は、上記1のとおり、「IDEALWINE」の文字を標準文字により、同書、同大、等間隔に表してなるところ、本件商標の請求に係る指定商品との関係において、その構成中の「WINE」の文字は、「ぶどう酒」を意味する平易な英語であり、また、「IDEAL」の文字も、「理想、理想的な」の意味を有する比較的平易な英語である(プログレッシブ英和中辞典)ことから、本件商標は、「IDEAL」と「WINE」の二語を組み合わせたものと容易に看取されるものであり、全体として「アイディアルワイン」の称呼及び「理想的なワイン」の意味合いを生じる。 また、上記のとおり、「WINE」の文字は、「ぶどう酒」を意味するものであって、請求に係る商品「ぶどう酒」との関係においては、自他商品の出所表示機能を果たさない部分であることからすると、これを除いた「IDEAL」の文字のみが、独立して自他商品の出所表示機能を果たす部分といえることから、これより「アイディアル」の称呼及び「理想、理想的な」の観念をも生ずる。 (2)引用商標について 引用商標は、上記2のとおり、「Ideal」の欧文字及び「アイデアル」の片仮名を上下二段に横書きしてなるものであり、片仮名は欧文字の表音表記と認められるから、これよりは「アイデアル」の称呼及び「理想、理想的な」の観念を生ずる。 (3)本件商標と引用商標の類否 本件商標と引用商標は、それぞれ上記1及び2のとおりの構成よりなるものであるから、全体の外観においては相違するといえるが、本件商標について、独立して自他商品の出所表示機能を果たす「IDEAL」の文字部分と引用商標の「Ideal」の文字部分とは、綴り字が同じであり、2文字目以降の大文字と小文字の相違のみであることから、外観において、近似した印象を与える場合があるといえるものである。 また、上記(1)及び(2)のとおり、本件商標と引用商標は、「理想、理想的な」の観念を生ずるものであるから、観念において共通する。 さらに、本件商標から生ずる「アイディアル」の称呼と引用商標から生ずる「アイデアル」の称呼を比較すると、両者は、ともに同一の英語「ideal」から生ずる音であるところ、差異音である第3音の「ディ」と「デ」の音にしても、半母音「i」の有無の違いのみの近似した音であるから、両者をそれぞれ一連に称呼した場合、全体の音感、音調は極めて近似し、称呼上類似する。 以上よりすると、本件商標と引用商標は、外観上近似した印象を与え、観念において共通し、称呼においても類似するものであるから、これらを総合的に判断すると、両商標は、相紛れるおそれのある類似する商標といわざるを得ない。 (4)小括 以上のとおり、本件商標は、引用商標と類似する商標であり、請求に係る指定商品は、引用商標の指定商品に包含されるものと認められるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。 (5)被請求人の主張について 被請求人は、本件商標「IDEALWINE」は、「I(私)」、「DEAL(扱う)」及び「WINE(ワイン)」の英単語を組み合わせて、「私はワインを扱う」という意味を持たせたものである旨を主張し、白色と赤色により、「i(白)」、「Deal(赤)」及び「wine(白)」の3つの語の組み合わせからなるものと看取される態様で「iDealwine」と表示された商標権者のホームページの写し等(乙1)を提出している。 しかしながら、本件商標は、上記1のとおり、標準文字により表されたもので、必ずしも商標権者の意図が具現化された態様とはいえないものであり、上記(1)で述べたとおり、「IDEAL」及び「WINE」の2つの語を組み合わせたものと理解されるとみるのが自然である。 したがって、被請求人の主張を、採用することはできない。 (6)むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、本件審判請求に係る指定商品中の第33類「ぶどう酒」について、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 (引用商標) |
審理終結日 | 2013-09-17 |
結審通知日 | 2013-09-19 |
審決日 | 2013-10-01 |
出願番号 | 商願2011-16086(T2011-16086) |
審決分類 |
T
1
12・
261-
Z
(X33)
T 1 12・ 262- Z (X33) T 1 12・ 263- Z (X33) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 山田 正樹 |
特許庁審判長 |
野口 美代子 |
特許庁審判官 |
大森 健司 村上 照美 |
登録日 | 2011-10-28 |
登録番号 | 商標登録第5446843号(T5446843) |
商標の称呼 | イディアルワイン、アイディールワイン、アイデアルワイン、イディアル、イデアル、アイディール、アイデアル、アイディアル |
代理人 | 特許業務法人みのり特許事務所 |
代理人 | 井関 勝守 |