ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
審判番号(事件番号) | データベース | 権利 |
---|---|---|
異議2013900155 | 審決 | 商標 |
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 W09 審判 全部申立て 登録を維持 W09 |
---|---|
管理番号 | 1284392 |
異議申立番号 | 異議2013-900293 |
総通号数 | 171 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2014-03-28 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2013-09-02 |
確定日 | 2014-02-17 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5586477号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5586477号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第5586477号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)に示すとおりの構成からなり、平成24年3月27日に登録出願、第9類「自動車用バッテリー並びにその部品及び付属品,自動車用バッテリーのバッテリーターミナル,自動車用バッテリーの充電器,自動車用バッテリーのテスター,自動車用バッテリーの充電状態表示計,自動車用バッテリーのブースターケーブル,産業用バッテリー並びにその部品及び付属品,産業用バッテリーのバッテリーターミナル,産業用バッテリーの充電器,産業用バッテリーのテスター,産業用バッテリーの充電状態表示計,産業用バッテリーのブースターケーブル」を指定商品として、平成25年5月31日に設定登録されたものである。 第2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下の(1)?(3)のとおりであり、その商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。 (1)国際登録第997036号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)に示すとおりの構成からなり、2008年8月8日にSwitzerlandにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2009年(平成21年)1月27日に国際商標登録出願、第9類「Photofinish apparatus; photocell apparatus; electronic apparatus incorporating a time display; transponders; acoustic start apparatus; acoustic horns; loudspeakers; lap counters; shot counter; countdown timers; starting timers; starting guns; electronic starting gates; electronic starting blocs; electronic starting platforms; electronic touchpads; flashlamps; goal lamps; wind meters; scoreboards; displays; data processing apparatus; computer software; all the aforesaid goods intended for the field of sports.」を指定商品として、平成24年11月22日に設定登録されたものである。 (2)国際登録第765501号商標(以下「引用商標2」という。)は、「OMEGA」の欧文字を書してなり、2001年5月1日にSwitzerlandにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2001年(平成13年)9月24日に国際商標登録出願、第14類「Bijouterie, precious stones; horological and chronometric instruments.」を指定商品として、平成14年9月27日に設定登録されたものである。 (3)登録第409366号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲(3)に示すとおりの構成からなり、昭和25年12月7日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同27年3月7日に設定登録され、その後、平成15年4月9日に、指定商品を第14類「時計の部品及び付属品」とする書換登録がされたものである。 第3 登録異議の申立ての理由(要旨) 1 商標法第4条第1項第11号について (1)本件商標の指定商品と引用商標1の指定商品間の類否について 本件商標の指定商品中、「自動車用バッテリー並びにその部品及び付属品,自動車用バッテリーのバッテリーターミナル,自動車用バッテリーの充電器,産業用バッテリー並びにその部品及び付属品,産業用バッテリーのバッテリーターミナル,産業用バッテリーの充電器」は、審査基準上、11A01、11A03に該当する類似群であることが明らかである(甲2)。 これらの商品は、用途こそ異なるが引用商標1の指定商品中、「photocell apparatus」とは相互に類似関係にある。 (2)本件商標と引用商標1との類否について 本件商標は、黒塗りD型図形の上半分を等間隔で平行な白抜き線で描き、下方を白抜き欧文字「OMEGA」を書したものとその横に図案化された黒塗り欧文字「PRO」を配置したものからなる。 本件商標の白抜き欧文字「OMEGA」と黒塗り欧文字「PRO」とは、「同じ書体」ではなく、「同じ大きさ」ではなく、「同じ間隔」ではなく、「同じ色」で構成されているものではないことから、「オメガプロ」と一連に称呼する必然性がなく、かつ右横に配置した「PRO」は、専門家仕様を意味する英単語に該当するため商標としての識別力を欠くことから、「オメガ」と分離称呼するのが自然である。 これに対して、引用商標1は、ギリシア大文字の「Ω」と下段に配置した欧文字「OMEGA」で構成されていること、上下の文字とも「オメガ」と称呼されるものであることから、「オメガ」の称呼のみ生ずるものである。 この引用商標1は、二段併記で構成されているが、図形の「Ω」を有することにより識別力が認められたものではなく、電気製品、産業機械の分野において、文字商標「OMEGA」等が、識別力を有する商標として登録されていること(甲3?甲12)から、引用商標1は、片仮名「オメガ」又は欧文字「OMEGA」が登録されているものと認識されるものである。 してみれば、本件商標は、引用商標1と類似関係にある。 (3) 小括 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。 2 商標法第4条第1項第15号について 申立人は、第14類の指定商品「時計」等に、昭和27年3月7日から登録商標を所有する(甲4、甲8、甲9、甲13、甲14)と共に、これらを使用して今日に至っている。 そして、引用商標2及び3(以下、これらを「『OMEGA』商標」という。)は、「時計」等に使用された結果、申立人を表示する社標又は商標として、日本国内において広く知られている(甲15?甲30)。 しかして、「OMEGA」商標の「OMEGA」の文字を、本件商標のD図形内に含むこと及び欧文字「PRO」の部分は、本来識別力を有しない商標であること並びに同書・同大・同間隔・同色で構成されていないことから、本件商標を見た一般需要者、取引者は、「OMEGA」の文字の部分を注視する結果、申立人の製造又は販売にかかる商品であるかの如く混同を生じるおそれが極めて高いことから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものである。 3 まとめ 以上のとおり、本件商標は、その指定商品中、「自動車用バッテリー並びにその部品及び付属品,自動車用バッテリーのバッテリーターミナル,自動車用バッテリーの充電器,産業用バッテリー並びにその部品及び付属品,産業用バッテリーのバッテリーターミナル,産業用バッテリーの充電器」に関しては、商標法第4条第1項第11号に違反する。また、本件商標の上記商品を含むその指定商品については、商標法第4条第1項第15号に違反する。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1第11号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、商標法第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消されるべきである。 第4 当審の判断 1 商標法第4条第1項第11号該当性について 本件商標は、別掲(1)に示すとおり、黒塗りの半楕円形の上半部に、等間隔で平行な白抜き線を描き、下方の黒色部分内に、「OMEGA」の欧文字を白抜きにした図形(以下「半楕円形図形」という。)、と、図案化された黒塗りの欧文字「PRO」を配した構成からなるものである。そして、該「PRO」の欧文字中、「P」と「R」は、共にその縦軸の一部が欠落し、また、「O」は、稲妻状の図形を重ねて表示されている。 しかして、本件商標の構成中、半楕円形図形と「P」「R」「O」の各文字は、黒色で同じ大きさ及び同じ間隔に表示されているものであって、かつ、いずれも図案化されて表示されているところから、構成全体としてまとまりのよい印象を与えるものである。 そして、半楕円形図形中の「OMEGA」の文字は、ギリシア語の最終字母の表音を欧文字で表記したものとして、よく知られている語であって、自他識別標識としての機能は、さほど強いものとはいえないこと、さらに、「PRO」の文字にしても、「専門家」を意味するものとしてよく知られている語であって、自他識別標識としての機能は、さほど強いものとはいえないことから、看者をして、本件商標の構成中のいずれかの文字のみが着目され認識されることはないというべきである。 そうしてみると、本件商標は、その構成全体をもって、その指定商品の出所を表示する標章として認識されるとみるのが相当であるから、その構成文字部分である「OMEGA」と「PRO」の文字全体に相応して、「オメガプロ」の称呼のみを生ずるというべきである。 してみれば、本件商標の構成中、「OMEGA」の文字部分のみを分離、抽出して、これを前提に、本件商標と引用商標1とが称呼において類似するとする申立人の主張は、前提において誤りがあるというべきであり、採用することはできない。 その他、本件商標と引用商標1とが類似するとみるべき特段の理由は見いだせない。 したがって、本件商標と引用商標1とは、外観、観念及び称呼のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。 2 商標法第4条第1項第15号該当性について 申立人の提出に係る証拠によれば、「OMEGA」商標は、本件商標の登録出願時には、申立人の業務に係る商品「時計」を表示するものとして、取引者、需要者間に広く認識されるに至っていたものと認め得るものである。 しかし、前記したとおり、本件商標と、引用商標1の構成とほぼ同じくする「OMEGA」商標とは、外観、観念及び称呼のいずれの点からみても相紛れるおそれのない別異の商標であって、しかも、「OMEGA」商標を構成する「Ω」と「OMEGA」は、ギリシア語の最終字母とその表音を欧文字で表記したものであり、独創性が高いということはできず、かつ、上記「時計」と本件指定商品とは、関連性が高いものということもできない商品であるから、本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者が申立人又は「OMEGA」商標を連想、想起するようなことはないというべきであり、該商品が申立人又は同人と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、その出所について混同を生ずるおそれはないものというのが相当である。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。 3 まとめ 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものとする。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲(1) (本件商標) 別掲(2) (引用商標1) 別掲(3) (引用商標3) |
異議決定日 | 2014-02-06 |
出願番号 | 商願2012-23144(T2012-23144) |
審決分類 |
T
1
651・
271-
Y
(W09)
T 1 651・ 262- Y (W09) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 久保田 正文 |
特許庁審判長 |
内山 進 |
特許庁審判官 |
井出 英一郎 小川 きみえ |
登録日 | 2013-05-31 |
登録番号 | 商標登録第5586477号(T5586477) |
権利者 | 株式会社錦之堂 |
商標の称呼 | オメガプロ、オメガ、プロ、ピイアアルオオ |
代理人 | 山川 茂樹 |
代理人 | 山川 政樹 |