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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服20137767 審決 商標
不服201319510 審決 商標
不服201310666 審決 商標
不服201315715 審決 商標
異議2013900294 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商品(役務)の類否 取り消して登録 W16
管理番号 1283282 
審判番号 不服2013-5446 
総通号数 170 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2014-02-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-03-25 
確定日 2014-01-14 
事件の表示 商願2012-38568拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は,登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は,別掲のとおり,黒く塗られた長方形の中に「MAX」の欧文字を白抜きで表してなり,第1類「のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。但し,導電性接着剤を除く。)」,第3類「かつら装着用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,つけまつ毛用接着剤」及び第16類「事務用又は家庭用ののり及び接着剤」を指定商品として,平成24年5月15日に登録出願され,その後,指定商品については,原審における同年10月26日付の手続補正書及び当審における同25年3月25日付の手続補正書により,最終的に,第16類「事務用又は家庭用ののり及び接着剤」と補正されたものである。

2 引用商標
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして拒絶の理由に引用した登録第5198958号商標(以下「引用商標」という。)は,「MAX」の欧文字を標準文字で表してなり,平成18年11月17日に登録出願,第1類「導電性接着剤」を指定商品として,同21年1月23日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
(1)本願商標と引用商標との類否について
本願商標は,別掲のとおり,黒く塗られた長方形の中に「MAX」の欧文字を白抜きで表してなるところ,その構成中の「MAX」の文字に相応して「マックス」の称呼及び「最大,最大限」の観念が生じるものである。
一方,引用商標は,「MAX」の欧文字からなるものであるから,その構成文字に相応して「マックス」の称呼及び「最大,最大限」の観念が生じるものである。
そうすると,本願商標と引用商標とは,外観において相違するものの,「マックス」の称呼及び「最大,最大限」の観念を共通する類似する商標というべきものである。
(2)本願商標と引用商標の指定商品との類否について
商品の類否の判断は,取引の実情,即ち,商品の生産部門,販売部門,原材料及び品質,用途,需要者の範囲が一致するか否か,完成品と部品との関係にあるか否か等を総合的に考慮して判断をすべきものであり,その類否は,2つの商品に同一又は類似の商標が使用された場合,これに接する取引者,需要者が商品の出所につき誤認,混同を生ずるおそれがあるか否かによって判断すべきものである。
そこで,以下,本願商標の指定商品「事務用又は家庭用ののり及び接着剤」(以下「本願商品」と)と引用商標の指定商品「導電性接着剤」(以下「引用商品」という。)の類否について検討する。
ア 「のり」及び「接着剤」について
広辞苑第六版には,「のり【糊】」の項に,「米・正麩などの澱粉質から製した,粘り気のあるもの。広義には接着剤をいう。布地の形を整えこわばらしたり,物を貼りつけたりするのに用いる。」との記載が,また,「接着剤」の項に,「二つの物を貼り合わせるのに用いる物質。古くから膠や澱粉糊などを用い,最近では多く合成高分子物質を用いる。セメント・アスファルト・はんだなども広義の接着剤。接合剤。」との記載がある。
これらの記載から,「のり」及び「接着剤」は,二つの物を貼り合わせるのに用いる物質であるが,広義にいう接着剤には,家庭用のもののほか,工業用,建築用等多岐に亘る分野のものが含まれるものといえる。
イ 本願商品について
本願商品は,前記の「のり」及び「接着剤」のうち,その用途が事務用又は家庭用に限られているものであって,主に,オフィスや家庭,学校などで紙を貼り合わせたり,物を接ぎ合わせたりするために使用するものであり,その需要者は,子供から大人まで広く一般の人々といえる。
そして,その主たるメーカーは,不易糊工業株式会社,ヤマト株式会社,株式会社トンボ鉛筆などの文房具用品や事務用品を製造する事業者であり,その販売方法は,文房具店や一般小売店で販売され広く一般に流通する商品である。
ウ 引用商品について
(ア)独立行政法人 産業技術総合研究所「導電性接着剤に用いる塩素フリーの高純度エポキシ化合物を開発」(http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2013/pr20130603/pr20130603.html)には,「◆導電性接着剤」の項に,「固着を担う樹脂と,導電を担う金属(導電性フィラー)を混合したもので,電気を通す性質と物質同士を固着する性質を併せ持つ。一般には,エポキシ樹脂と銀を組み合わせたものが多い。」の記載がある。
(イ)EnplaNet.com「導電性接着剤の市場動向」(http://www.enplanet.com/Ja/Market/Data/y04403.html)には,「導電性接着剤」に関し,以下の記載がある。
●導電性接着剤は,主にプリント基板の導体に電子部品を接続する導電材料として使用されている。エポキシ,シリコーン,ポリイミド,ポリウレタン系樹脂をバインダとし,銀,ニッケル,カーボンなどの導電性フィラーから構成される。
■用途動向(2003年世界需要)
●当該製品の用途は,IC,LSIの2次実装(プリント配線板との接続)と水晶振動子,セラミック振動子などの振動子が2大用途である。
●その他にはコンデンサの電極材,LCDパネルの回路基板などに用いられている。
■参入企業とメーカーシェア(2003年世界需要)
藤倉化成23%,スリーボンド19%,福田金属箔粉工業10%,ナミックス10%,その他38%
●その他には,徳力化学研究所,田中貴金属,千住金属工業,ニホンハンダなどが参入している。
(ウ)以上の記載からすれば,「導電性接着剤」は,「接着剤」との表示はあるもの,単に二つの物を貼り合わせるためのものではなく,導電を担う金属(導電性フィラー)を混合することで,電気を通す性質を併せ持つものである。
そして,その主たる用途は,プリント基板の導体に電子部品を接続する導電材料として使用されるものであり,そのメーカーは,エレクトロケミカル,はんだづけ,電子材料関連の事業者であって,藤倉化成株式会社,株式会社スリーボンド等の数社がシェアの多くを占めている。
これらのことからすれば,「導電性接着剤」の需要者は,電子機器関連や工業関連の専門的な技術に関わる事業者といえ,その販売方法も,主にメーカーや問屋から事業者に直接販売されるものであると容易に推認し得る。
エ 前記アないしウを総合考慮すれば,本願商品と引用商品は,その商品の用途において,一部一致するところがあるとしても,原材料,品質,販売部門及び需要者の範囲等において相違し,また,完成品と部品等との関係にないことも明らかであるから,両商品に同一又は類似の商標が使用された場合,これに接する取引者,需要者が商品の出所につき誤認,混同を生ずるおそれはないものとみるのが相当である。
そうとすれば,本願商品と引用商品は,互いに類似しない商品といわざるを得ない。
(3)むすび
したがって,本願商標と引用商標は,商標において類似するとしても,その指定商品において類似するものとはいえないから,本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとして拒絶した原査定は妥当でなく,取消しを免れない。
その他,本願について拒絶の理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲(本願商標)



審決日 2013-12-24 
出願番号 商願2012-38568(T2012-38568) 
審決分類 T 1 8・ 264- WY (W16)
最終処分 成立  
前審関与審査官 津金 純子 
特許庁審判長 小林 由美子
特許庁審判官 西田 芳子
大森 健司
商標の称呼 マックス、エムエイエックス 
代理人 高田 修治 

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