• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服201315595 審決 商標
不服201317070 審決 商標
不服201316054 審決 商標
異議2013900111 審決 商標
異議2013900091 審決 商標

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない X35
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない X35
管理番号 1283278 
審判番号 不服2012-19744 
総通号数 170 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2014-02-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-10-09 
確定日 2013-12-09 
事件の表示 商願2011-80993拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「年賀チラシ」の文字を標準文字により表してなり、第35類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成23年11月11日に登録出願され、その後、原審における同24年5月16日付け手続補正書により、第35類「広告,広告の代理,試供品の配布,郵便による広告物の配布,ダイレクトメールによる広告,コンピュータネットワークにおけるオンラインによる広告,屋外広告物による広告,ビラ張り又ははり紙による広告,広告又は広報活動の企画,広告文の作成,広告宣伝物の制作,広告物の作成・レイアウト又は更新,広告又は販売促進のための模型制作,広告物の出版,商業又は広告のための展示会又は商品見本市の企画・運営,印刷物・広報誌・雑誌・書類・郵送物等の広告物又はパンフレットの配布及びこれに関する情報の提供,広告物・印刷物・広報誌・雑誌・書類・パンフレット・郵送物等の封入・封緘の代行及びこれに関する情報の提供,広告物・印刷物・広報誌・雑誌・書類・パンフレット・郵送物等の仕分け(郵便番号区分けを含む。)の代行及びこれに関する情報の提供,広告物・印刷物・広報誌・雑誌・書類・パンフレット・郵送物等の発送の代行及びこれに関する情報の提供,販売を目的とした各種通信媒体による商品の紹介,広告用具・広告場所又は広告タイムの貸与,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査,市場分析,価格比較の調査,経済予測,商品の販売に関する情報の提供,商業に関する情報の提供,消費者のための商品購入に関する助言と情報の提供,文書又は磁気テープのファイリング,コンピュータデータベースへの情報構築・情報編集,コンピュータによるファイルの管理,求人情報の提供,印刷物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,紙類及び文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『新年の祝い。年始の祝賀。』等の意味を有する『年賀』と『広告のためにくばる刷物。ビラ。』等の意味を容易に想起させる『チラシ』の文字を一連に『年賀チラシ』と表してなり、『年賀○○』の語が、例えば『年賀広告』『年賀セール』『年賀ポスター』のごとく、新年の祝いの際に行われる、商品の販売促進・役務の提供促進のための企画に使用されている実情が認められるから、本願商標は全体として『新年の祝いの際、広告のためにくばる印刷物』程度の意味合いを容易に認識させる。そうすると、本願商標をその指定役務中『新年の祝いの際、広告のためにくばる印刷物による広告に関する役務』に使用しても、単に役務の質(内容)、役務の提供の用に供する物を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものと認められることから、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあり、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり、「年賀チラシ」の文字を標準文字により表してなるところ、その構成中「年賀」の文字は、「新年を祝う挨拶。また、その意を込めて贈る品物」の意味を有し、「チラシ」の文字は、「広告・宣伝文を印刷した紙」の意味を有する(共に 大辞林第三版)ことから、全体として「新年を祝う挨拶が記載された広告・宣伝文などを印刷した紙」ほどの意味合いを理解させるものである。
そして、本願の指定役務に含まれる広告関連役務及び印刷物等の小売等役務の業界においては、別掲のとおり、事業者が店舗等に掲げる新年の挨拶に利用するポスターに「年賀ポスター」の語が、また、顧客に新年の挨拶をするための年賀状を利用して広告宣伝を行うことについて「年賀DM」の語が使用されるなど、「年賀」の語が「新年の挨拶」の意味で使用されている実情がうかがわれる。
さらに、チラシとの関係においては、春夏秋冬や梅雨などの季節やバレンタイン、中元、クリスマス、歳暮などのイベントの時期に応じた商品の品揃えや売り出しなどのサービスの提供を内容とするチラシが制作、配布されており、新年に配布されるチラシには、「謹賀新年」「新年あけましておめでとうございます」といった新年の挨拶が記載されている場合も少なくなく見受けられる。
してみれば、本願商標は、全体として「新年の挨拶とともに配布される広告・宣伝の印刷物」の意味を容易に認識させるといえるものであり、これを本願の指定役務中「広告,広告宣伝物の制作,広告文の作成,広告物の配布及びこれに関する情報の提供,広告物の発送の代行及びこれに関する情報の提供」などに使用するときは、これに接する取引者、需要者は、「新年に配布する新年の挨拶を表示した広告・宣伝用印刷物に関するもの」であることを認識するにとどまり、自他役務の識別標識としての機能を果たさないものというのが相当である。
したがって、本願商標は、単に役務の質(内容)を普通に用いられる方法で表示してなるものというのが相当であるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
また、本願商標は、新年に配布されるチラシに関する役務以外の広告に関する役務に使用するときは、それが「新年の挨拶を表示した新年に配布する広告・宣伝用印刷物に関するもの」であるかのごとく、役務の質の誤認を生ずるおそれがあることから、同法第4条第1項第16号に該当する。
請求人は、「年賀チラシ」は、季節性のない「チラシ」という用語に季節を示す「年賀」の文字を一連に合成したものであり、挨拶するための媒体ではないチラシに「年賀」という挨拶を想起できる用語を組み合わせており、さらに、「チラシ」という本来人気の高くない用語を使用しているのであるから、その構成から特定の意義を生じさせる単純な複合語ではなく、季節感及び挨拶をイメージする「年賀」と、季節性がなく及び挨拶状とはかけ離れた「チラシ」との組み合わせにより、取引者・需要者にとって意味不明となっている。したがって、本願商標は、「新年の祝いの際、広告のためにくばる印刷物」程度の意味合いを容易に認識させるといったものではない旨主張している。
しかしながら、チラシについては、上記のとおり、季節や時期に応じた内容のものが作成されており、かつ、新年には年始の挨拶が記載されている実情からすれば、チラシには季節性がなく、挨拶とかけ離れているという請求人の主張は採用することができない。
以上のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 ア フタバ装飾のウェブサイト(楽天市場内)
商品カテゴリ「年賀ポスター」において、「謹賀新年」、「迎春」、「新春」等の文字が書かれた商品見本と共に、「新年のご挨拶に!【年賀ポスター】年賀ポスター(干支置物)」や「初売セールの演出に!【年賀ポスター】新春初売ポスター(A3判)」等の記載がある。
(http://item.rakuten.co.jp/futaba-sousyoku/c/0000000204/)
イ 株式会社ササガワのウェブサイト
「年賀ポスター」の製品カテゴリーにおいて、「謹賀新年」、「迎春」等の文字が書かれた商品見本と共に、「年賀ポスター」の記載がある。
(http://www.taka.co.jp/product/ca_itiran.php?c1id=7&c2id=54&c3id=418)
(http://www.taka.co.jp/product/ca_itiran.php?c1id=7&c2id=54&c3id=418&pageid=2)
また、「年賀ポスターの製作の流れ」の見出しの下、「年賀ポスター」の製作例と共に注文の仕方についての説明が記載されている。
(http://www.taka.co.jp/original/nenga.html)
ウ 日本装飾造花株式会社のウェブサイト
「年賀ポスター・お正月・各種販売・NEW製品menu-index」の見出しの下、「謹賀新年」、「迎春」等の文字が書かれた商品見本と共に、「年賀ポスターメニュー」の記載がある。
(http://www.joaf.co.jp/shogatu/nenga/nenga.htm)
エ 株式会社東京ユニオンのウェブサイト
「2014年用『年賀ポスター』」の見出しの下、「謹賀新年」、「賀正」等の文字が書かれた商品見本と共に、「年賀ポスター」の記載がある。
(http://www.tokyounion.jp/nenga.html)
オ DM発送おまかせ便のウェブサイト
「年賀DM」の見出しの下、「年賀」等の文字が書かれた商品見本と共に、「毎年必ず出す年賀状。どうせ出すなら、DMも兼ねて『年賀DM』はいかがですか?」、「DM(ダイレクトメール)自体は一般的なマーケティング手法ですが、実際のところ封書を開封しない、はがきを読まないまま捨てられてしまうことも珍しくありません。しかし、年始のご挨拶である年賀状であればDMであっても好感を持ってもらえます。」との記載がある。
(http://www.dm-ya.biz/service/nenga_dm.html)


審理終結日 2013-10-07 
結審通知日 2013-10-11 
審決日 2013-10-23 
出願番号 商願2011-80993(T2011-80993) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (X35)
T 1 8・ 272- Z (X35)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 加藤 百宇椎名 実 
特許庁審判長 村上 照美
特許庁審判官 高橋 幸志
梶原 良子
商標の称呼 ネンガチラシ、ネンガ 
代理人 鈴木 健治 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ