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審判番号(事件番号) データベース 権利
異議2013900149 審決 商標
異議2013900153 審決 商標

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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W14203032
審判 全部申立て  登録を維持 W14203032
管理番号 1282417 
異議申立番号 異議2013-900190 
総通号数 169 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2014-01-31 
種別 異議の決定 
異議申立日 2013-06-11 
確定日 2013-12-05 
異議申立件数
事件の表示 登録第5565850号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第5565850号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5565850号商標(以下「本件商標」という。)は,「MONSTER PLANET」の文字を標準文字により表してなり,平成24年10月31日に登録出願,同25年2月21日に登録査定,第14類「キーホルダー,宝石箱,身飾品,貴金属製靴飾り,時計」,第20類「クッション,座布団,まくら,マットレス,うちわ,扇子,買物かご,タオル用ディスペンサー(金属製のものを除く。),家具」,第30類「茶,コーヒー,ココア,菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,調味料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリ,即席菓子のもと」及び第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料」を指定商品として平成25年3月15日に設定登録されたものである。

第2 登録異議申立ての理由の要点
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は,「MONSTER ENERGY」の文字を標準文字により表してなり,平成22年7月8日に登録出願,第32類「アルコール分を含まない飲料,清涼飲料,果実飲料」を指定商品として平成23年2月25日に設定登録された登録5393681号商標を始め,登録第5057229号,登録第5010968号,登録第5394526号,登録第5442171号,登録第5417815号,登録第5379390号,登録第5527566号,登録第5476620号,登録第5490798号,登録第5497766号,登録第5451361号,登録第5480373号,登録第5527567号,登録第5495941号,登録第5417769号,登録第5417770号,登録第5375090号,登録第5327467号,登録第5409580号,登録第5409582号,登録第5419507号,5409583号,登録第5542584号,登録第5043703号,登録第5431412号,登録第5562023号,登録第5423080号,登録第5389881号,登録第5590215号及び国際登録第1048069号の各登録商標並びに商願2013-000504号及び同2012-089483号に係る商標を引用した上で,要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1ないし第277号証(枝番号を含む。)を提出している。
(1)申立人の業務に係るエネルギー補給用飲料(エナジードリンク)製品,アパレル製品,アクセサリー類,その他の関連商品には,上記引用に係る商標に含まれる,モンスターの爪痕を象徴する「M」のロゴ(以下「M図形」という。),「MONSTER ENERGY」の文字,特徴的なレタリング文字で表された「MONSTER」の文字,上記M図形と「MONSTER ENERGY」の文字とを一体に表した「M MONSTER ENERGY」のブランドロゴ(以下,これらをまとめて「MONSTER ENERGYブランド」という。)が使用されているほか,「MONSTER」の文字と他の語や文字を結合した構成からなる商標(以下「MONSTERファミリー商標」という。)が使用されている。
(2)申立人は,2002年から現在に至るまで,全世界において,MONSTER ENERGYブランドのエナジードリンクに関する広告,マーケティング及び販売促進活動費用として,総額21億ドル以上を支出している。かかる販売促進活動の主な内容は,世界の有名アスリート・レーシングチーム及び競技会,アマチュア選手,音楽祭及びミュージシャン,ラスベガスの公共機関モノレールに対する支援活動(スポンサー提供),販売店用什器及び備品の供給であり,申立人が支援するアスリートやチームが着用・使用するスポーツウェア,レーシングスーツ,レーシングヘルメット,レーシングカー,オートバイ,サーフボード等には,MONSTER ENERGYブランドが付されており,これら選手,チーム,競技会場の写真やビデオ画像は,ウェブサイト,ニューズリリース,ソーシャルメディア等を通じて世界中のスポーツファンに配信され,全世界のエナジードリンクの需要者のみならず,スポーツファンを中心とする一般消費者の間にMONSTER ENERGYブランド及びMONSTERファミリー商標を広く一般に浸透させることに大きな効果を発揮している。
(3)日本においては,MONSTER ENERGYブランドのエナジードリンクは,2012年5月8日からアサヒ飲料株式会社(以下「アサヒ飲料」という。)を通じて販売され,たちまち人気商品となり,その販売数量は,販売開始から2013年3月までの約2年間で約5,500万缶に達し,総販売額は,4,900万ドル(40億円)以上になっている。MONSTER ENERGYブランドのエナジードリンクについては,販売開始直後から継続的にテレビコマーシャル放映,多数のスポーツイベント等へのスポンサー提供,サンプル配布等の大々的な宣伝広告活動が実施されている。
(4)MONSTER ENERGYブランドのエナジードリンクは,2002年に米国で販売開始して以来,世界中で90億缶以上販売し,毎年15億缶以上を売上げ,合計170億ドルを超える収益を上げている。現在,MONSTERファミリー商標を付したエナジードリンクの1種類以上が世界100以上の国及び地域で販売されている。
申立人の業績については,経済界でも高く評価され,数々の表彰を受けたほか,著名な経済ビジネス誌において,申立人の宣伝広告や有名アスリート,レーシングチーム等に対するスポンサー活動によるマーケティング戦略等に関する記事が多数掲載されている。
(5)以上の事実に照らせば,MONSTER ENERGYブランド及びMONSTERファミリー商標は,本件商標の登録出願前から,申立人の業務に係る商品を表示する商標として,本国米国を始めとする外国で広く認識されていただけでなく,日本国内の需要者の間でも広く認識されていたことが明らかである。
(6)他方,本件商標は,「MONSTER」の語と「PLANET」の語とを結合させたものと容易に認識し理解されるものであり,かかる構成は,申立人のMONSTER ENERGYブランドの各種エナジードリンク製品の個別商品名として使用しているMONSTERファミリー商標の構成と一致する。また,本件商標の指定商品は,申立人の取り扱いに係る商品と同一又は類似の商品を含むほか,申立人の商品と製造部門,販売場所,用途,需要者層等が一致ないし重複する関連性の深い商品である。
(7)したがって,本件商標がその指定商品に使用された場合,これに接する需要者は,MONSTER ENERGYブランドを始めとするMONSTERファミリー商標を想起,連想し,申立人のMONSTERファミリー商標の一つであると誤信し,又は申立人と経済的・組織的関係を有する者の取扱いに係る商品であると誤信することにより,商品の出所について混同を生ずるおそれがあるから,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当するものである。
(8)さらに,本件商標がその指定商品に使用された場合,MONSTERファミリー商標の強力な出所表示力を希釈するおそれが極めて高く,また,MONSTERファミリー商標が獲得した信用力,顧客吸引力にフリーライドする行為といわざるを得ず,申立人に経済的及び精神的損害を与えるものである。
したがって,本件商標は,社会一般道徳及び公正な取引秩序の維持を旨とする商標法の精神及び国際信義に反するものであり,公序良俗を害するおそれがあるから,商標法第4条第1項第7号に該当するものである。

第3 当審の判断
1 本件商標の商標法第4条第1項第15号該当性について
(1)MONSTER ENERGYブランド,MONSTERファミリー商標等の周知性について
ア 申立人の提出に係る証拠(不鮮明なものや原文(英文)のみで訳文のないものも含まれている。)によれば,以下の事実が認められる。
(ア)申立人は,2002年に米国においてエナジードリンク(エネルギー補給用飲料)の販売を開始したものであり,該エナジードリンクは,従来の清涼飲料容器とは異なる黒色ベースのボトル缶が用いられ,該ボトル缶には,M図形を大きく表示し,その下部に,図案化した「MONSTER」の文字と小さな「ENERGY」の文字を併記した構成からなる標章(以下「使用商標」という。別掲参照)が付されている(甲第37ないし第41号証及び甲第277号証のRCS-2)。
また,上記ボトル缶には,使用商標に加えて又は使用商標の構成中の「ENERGY」の文字部分に代えて,「KHAOS」,「ABSOLUTELY ZERO」,「JAVA」,「HAMMER」,「SUPER DRY」,「EXTRA STRENGTH」,「ANTI GRAVITY」,「BLACK ICE」,「Rehab」,「Baller’s Blend」,「Mad Dog」,「MUSCLE」,「M-8O」等の文字を表示したものもある(甲第37,第39ないし第41,第43,第44,第46ないし第48,第50,第52ないし第64,第66号証及び甲第277号証のRCS-3)。もっとも,これらは,「KHAOS」を除き,本件商標の登録出願後に日本国内で発売されたもの又は日本国内で発売されていないものである。
(イ)申立人は,2002年から現在に至るまで,MONSTER ENERGYブランドを使用したエナジードリンク製品に関し,全世界での広告,マーケティング,販売促進活動費として総額21億ドル以上を支出しているものであり,販売促進活動の主な内容は,様々なスポーツ分野で活動する有名アスリートやレーシングチーム,競技会,アマチュア選手,音楽祭,ミュージシャン,ラスベガスの公共機関モノレール等の支援活動(スポンサー提供),販売店用什器・備品の提供等であり,スポーツ分野では,モトクロスライダー,スケートボーダー,オートバイライダー,カーレーサー,カワサキオートバイのレーシングチーム等がある(甲第67ないし第77(枝番号を含む。)及び第277号証)。
上記支援活動は,スポンサー提供を受けるアスリートのウェブサイト,ビジネス誌,報道ニュース,スポーツファンのウェブサイト等を通じて発信され紹介されているが,殆どが「Monster Energy」又は「モンスターエナジー」として表示・紹介され,「Monster」又は「モンスター」のみで表示・紹介されているものは見あたらない(甲第67ないし第78(枝番号を含む。),第85,第86,第89及び第90号証)。
そして,上記スポンサー提供を受けるアスリートやチームが着用又は使用するウェア,レーシングスーツ,帽子,レーシングヘルメット,レーシングカー,オートバイ,サーフボード等には,使用商標又はMONSTER ENERGYブランドのうちの一つ(特にM図形)若しくは複数が付されているが,「MONSTER」の文字のみからなる標章やMONSTERファミリー商標と思しき標章が付されたものは見あたらない(甲第67ないし第77(枝番号を含む。)及び第79号証並びに第277号証のRCS-9ないし11,13ないし15,17ないし25,27ないし33,35ないし37,40及び45)。
また,ラスベガスの公共機関モノレール支援活動では,車両にMONSTER ENERGYブランドを付したモンスター列車が走行し,多くの人が乗車したことがマスメディア等で報道されたほか,エナジードリンクの販売用什器等にもMONSTER ENERGYブランドが付されているが,「MONSTER」の文字のみからなる標章やMONSTERファミリー商標と思しき標章が付されたものは見あたらない(甲第82及び第83号証並びに甲第277号証のRCS-38ないし40及び45)。
もっとも,甲第67の1及び2,第68ないし第74号証並びに第75号証の2及び3については,英文のみで訳文がなく,その内容の詳細は必ずしも明らかでない。
(ウ)申立人は,MONSTER ENERGYブランドについて商品化を第三者に許諾し,MONSTER ENERGYブランドを付した,Tシャツ,ジャージパンツ,レーシングジャケット,ジップフーディ,帽子,バッグ,ステッカー等の各種商品がライセンシーによって製造販売されており,これら商品は,インターネット通信販売業者を通じて日本でも購入できる(甲第80及び第81号証並びに第277号証のRCS-36)。
甲第80及び第81号証並びに第277号証のRCS-36に示された商品の写真によれば,各商品にはMONSTER ENERGYブランド,特にM図形が付されていることが認められるものの,「MONSTER」の文字のみからなる標章やMONSTERファミリー商標と思しき標章が付されたものは見あたらない。
(エ)MONSTER ENERGYブランドのエナジードリンクの開発・導入により急成長した申立人の業績は,経済界でも注目され,本件商標の登録出願前には既に,「Forbs」,「FORTUNE」,「Business Week」,「Newsweek」,「TIME」,「Beverage World」等の経済ビジネス誌において紹介されている(甲第82,第84ないし第90号証)。
しかしながら,これらの雑誌は,全て英文によるものであり,かつ,米国において発行されたものであって,これら雑誌に掲載された記事内容が我が国においても紹介されているか否かは明らかでない。
(オ)日本国内では,アサヒ飲料がMONSTER ENERGYブランドのエナジードリンクの国内独占販売権を取得し,2012年5月8日から2種類のエナジードリンク(「MONSTER ENERGY」及び「MONSTER KHAOS」)を発売したものであり,その販売は,好調に推移し,同年の9月には,年間目標100万箱を突破し,販売目標を120万箱に上方修正したことが発表された(甲第40及び第41号証)。なお,本件商標の登録出願後の2013年5月7日には,「MONSTER ENERGY ABSOLUTELY ZERO」が新発売され,現在では,上記3種類のエナジードリンクを,アサヒ飲料の通販サイト,ネットショッピングのアマゾンでも購入することができる(甲第43ないし第50及び第66号証)。
申立人は,本件商標の登録出願前である,国内販売開始直後の2012年5月17日から2か月間にわたり,50万缶のエナジードリンクのサンプルを路上配布したほか,同年6月2日及び3日に,渋谷における路上発表会で4万缶のサンプル配布,同年7月に,晴海フェリーターミナルにおけるパンクロックフェスティバルで5,500缶のサンプル配布,同月に,愛知県田原海岸におけるサーフィン大会で4,500缶のサンプル配布等を行った(甲第277号証及び添付されたRCS-4ないし6及び8)。
しかしながら,上記サンプル配布の対象者は,一部の若者が中心であるばかりでなく,RCS-4ないし6及び8に示す写真によれば,使用商標又はMONSTER ENERGYブランド,特にM図形が使用されていることが認められるものの,「MONSTER」の文字のみからなる標章やMONSTERファミリー商標と思しき標章は一切見あたらない。
他に,本件商標の登録出願前に,使用商標及びMONSTER ENERGYブランドを始め,MONSTERファミリー商標を使用したエナジードリンクについて,新聞,雑誌,テレビ等のマスメディアにおいて宣伝広告された事実を示す証拠はない。
イ 上記アの事実を総合勘案すると,本件商標の登録出願時には,MONSTER ENERGYブランドが,申立人の業務に係る商品「エナジードリンク」を表示する商標として,米国における取引者,需要者の間に広く認識されていたものといえるとしても,MONSTER ENERGYブランドは,使用商標と同様の構成全体をもって一体のものとして,又はM図形が独立して知られていたものというべきであり,「MONSTER」の文字のみをもって広く知られていたものということができない。
他方,我が国においては,市場参入から日が浅く,また,米国におけるMONSTER ENERGYブランドの周知性について紹介するものも少なく,宣伝広告も限られていることから,本件商標の登録出願時に,使用商標及びMONSTER ENERGYブランドが,申立人の業務に係る商品を表示する商標として,取引者,需要者の間に広く認識されていたものとまでは認められない。まして,「MONSTER」の文字のみからなる標章及びMONSTERファミリー商標が,広く認識されていたものとは認められない。
仮に,使用商標及びMONSTER ENERGYブランドが,我が国の若者の一部においてある程度知られているとしても,あくまでもその構成全体をもって一体のものとして,又は特徴的なM図形が独立して認識されているというべきであり,「MONSTER」の文字のみをもって知られているものとはいえない。
(2)本件商標と使用商標及びMONSTER ENERGYブランドとの対比
本件商標は,「MONSTER PLANET」の欧文字を,同書,同大にまとまりよく一体に表してなるものであり,全体の構成が格別冗長というほどのものではなく,これより生ずると認められる「モンスタープラネット」の称呼も,よどみなく一連に称呼することができるものである。
加えて,その構成中の「MONSTER」又は「PLANET」の文字部分のみを分離抽出して観察すべき格別の理由は見いだし難く,また,両者に観念上又は外観上の軽重の差はみられない。
そうすると,本件商標は,全体をもって一体のものとして看取され,「モンスタープラネット」の一連の称呼のみを生ずるものというべきである。
他方,使用商標は,別掲のとおりの構成からなるところ,中央上方に大きく顕著に描かれたM図形部分と,その下部に表された「MONSTER」(やや図案化されているものの,「MONSTER」の文字を表したものと容易に認識できるものである。)及び「ENERGY」の文字部分とは,常に不可分一体にのみ認識されるべき格別の理由は見いだし難く,それぞれが独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものといえる。
そして,使用商標は,読み易い上記各文字部分を捉え,これより生ずる称呼をもって取引に資される場合が少なくないというべきであるから,該各文字部分より,「モンスターエナジー」又は「モンスター」の称呼を生ずるというのが相当である。
同様に,MONSTER ENERGYブランドも,「モンスターエナジー」又は「モンスター」の称呼を生ずるものといえる。
そこで,本件商標から生ずる「モンスタープラネット」の称呼と,使用商標及びMONSTER ENERGYブランドから生ずる「モンスターエナジー」又は「モンスター」の称呼とを対比すると,両者は,構成音数が異なるばかりでなく,「プラネット」と「エナジー」の音の差異又は「プラネット」の音の有無という顕著な差異により,それぞれを一連に称呼するときは,全体の音感,音調が著しく相違し,容易に区別することができるものである。
そして,本件商標と使用商標及びMONSTER ENERGYブランドの各標章とは,それぞれの構成に照らし,外観上判然と区別し得る差異を有するものである。
また,本件商標は,親しまれた既成の観念を有する成語を表したものとはいえないから,使用商標及びMONSTER ENERGYブランドの各標章と観念について比較することはできない。
してみれば,本件商標と使用商標及びMONSTER ENERGYブランドとは,称呼,外観及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標であって,別異のものとして認識し把握されるものと認められる。
(3)商品の出所の混同のおそれについて
前示のとおり,MONSTER ENERGYブランド,使用商標及びMONSTERファミリー商標は,本件商標の登録出願時において,いずれも申立人の業務に係る商品を表示する商標として取引者,需要者の間に広く認識されていたものとは認められないし,これらの商標と本件商標とは,相紛れるおそれのない別異のものであるから,本件商標をその指定商品に使用しても,これに接する取引者,需要者が,使用商標及びMONSTER ENERGYブランドはもとより,MONSTERファミリー商標や申立人を連想,想起するようなことはないというべきであり,該商品が,申立人又は申立人と経済的,組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く,その出所について混同を生ずるおそれはないものと判断するのが相当である。
(4)小括
以上のとおりであるから,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。
2 本件商標の商標法第4条第1項第7号該当性について
本件商標は,全体をもって一体のものとして看取され,「MONSTER」の文字部分のみを分離抽出して観察すべき格別の理由はなく,「モンスタープラネット」の一連の称呼のみを生ずるものであり,使用商標及びMON
STER ENERGYブランドとは相紛れるおそれのない別異の商標であること,使用商標及びMONSTER ENERGYブランドはもとよりMONSTERファミリー商標が,申立人の業務に係る商品を表示する商標として取引者,需要者の間に広く認識されているものとはいえないこと,使用商標及びMONSTER ENERGYブランドが,米国において又は我が国の一部若者の間にある程度知られているとしても,単に「MONSTER」として知られているものとはいえないこと,そして,本件商標をその指定商品に使用しても,使用商標及びMONSTER ENERGYブランドを連想,想起するようなことはないことは前示のとおりである。
そうとすれば,たとえ本件商標が「MONSTER」の文字を有するとしても,MONSTERファミリー商標の信用力又は顧客吸引力にフリーライドするものとはいえないばかりでなく,本件商標をその指定商品に使用することが社会一般の道徳観念に反し,公正な取引秩序を乱すものとはいえないし,国際信義に反するものともいえない。
もとより,本件商標は,その構成自体がきょう激,卑わい,差別的若しくは他人に不快な印象を与えるような文字又は図形ではないし,他の法律によってその使用等が禁止されているものでもない。
したがって,本件商標は,公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標とはいえないから,商標法第4条第1項第7号に該当するものではない。
3 むすび
以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第7号及び同項第15号のいずれの規定にも違反して登録されたものではないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,その登録を維持すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲 別掲 <使用商標>




異議決定日 2013-11-27 
出願番号 商願2012-88209(T2012-88209) 
審決分類 T 1 651・ 22- Y (W14203032)
T 1 651・ 271- Y (W14203032)
最終処分 維持  
前審関与審査官 山根 まり子 
特許庁審判長 寺光 幸子
特許庁審判官 手塚 義明
田中 亨子
登録日 2013-03-15 
登録番号 商標登録第5565850号(T5565850) 
権利者 グリー株式会社
商標の称呼 モンスタープラネット 
代理人 小林 彰治 
代理人 鳥海 哲郎 
代理人 佐久間 剛 
代理人 中熊 眞由美 
代理人 柳田 征史 
代理人 田中 克郎 
代理人 廣中 健 

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