ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 査定不服 称呼類似 登録しない W25 審判 査定不服 観念類似 登録しない W25 審判 査定不服 外観類似 登録しない W25 |
---|---|
管理番号 | 1282408 |
審判番号 | 不服2013-4007 |
総通号数 | 169 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2014-01-31 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2013-03-01 |
確定日 | 2013-11-27 |
事件の表示 | 商願2012- 10994拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、第25類に属する願書に記載の商品を指定商品として、平成24年2月16日に登録出願され、その後、指定商品については、同年9月13日付けの手続補正書により、第25類「ブーツ,靴及び運動用特殊靴,靴中敷き,靴用裏張り,アンダーウェア,ベルト,ビブオーバーオール,帽子,手袋,ジャケット,ネックゲートル,オーバーオール,ズボン,パーカー,シャツ,靴下及びベスト」と補正されたものである。 2 原査定の拒絶の理由(要点) 原査定は、「本願商標は、次の(1)及び(2)の登録商標と同一又は類似の商標であって、その商標に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。」旨判断し、本願を拒絶したものである。 (1)登録第1665024号商標(以下「引用商標1」という。) 引用商標1は、「IRISHSETTER」の欧文字を書してなり、昭和56年10月27日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和59年3月22日に設定登録、その後、平成16年12月22日に指定商品を、第25類「ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト」及び第26類「腕止め」を含む同類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品並びに第3類、第6類、第8類、第10類、第14類、第18類及び第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。 (2)登録第1744069号商標(以下「引用商標2」という。) 引用商標2は、「IRISHSETTER」の欧文字を書してなり、昭和56年10月27日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和60年2月27日に設定登録、その後、平成17年1月19日に指定商品を、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子」並びに第5類、第9類、第10類、第16類、第17類、第20類、第21類、第22類及び第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。 以下、これらをまとめていうときは「引用商標」という。 3 当審の判断 (1)本願商標と引用商標との類否について 本願商標は、別掲のとおり、外側を黒の円で囲んだ黒塗りの円を配し、該黒塗りの円内の上部に弧を描くように「RED WING SHOES」の欧文字を白抜きで書し、中央に、内部に犬と思われる黒塗り図形を有する櫛形図形を白抜きで配し、その左右に小さく「19」及び「05」の数字を白抜きで書し、下部に「IRISH SETTER」、「?BRAND?」及び小さく「TM」の文字をそれぞれ白抜きで書してなるものである。 本願商標の構成中「RED WING SHOES」、「19」及び「05」、「IRISH SETTER」、「?BRAND?」並びに「TM」の各文字部分は、文字の大きさ及び書体を異にするため、それぞれが視覚上分離して観察されるものであり、また、これら文字部分は、全体として特定の観念を生じるものではなく、これらを常に不可分一体のものとして把握しなければならない特段の事情は見いだせないものであるから、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとは認められないものである。 そして、本願商標の構成中「RED WING SHOES」及び「IRISH SETTER」の文字は、他の文字よりも大きく表されているため、見る者に対して注意を引く部分であるといえる。 また、「IRISH SETTER」の文字(語)は、「アイリッシュセッター(黒茶色のセッター種の犬)」を意味する英語(株式会社研究社発行「新英和中辞典」)であり、該種類の犬を認識させるものである。 そうとすると、本願商標は、中央に犬の図形が表されていることとも相まって、「IRISH SETTER」の文字が取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるというのが相当である。 そうとすれば、本願商標は、その構成中「IRISH SETTER」の文字部分を分離、抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されるというべきであり、該文字部分が独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものといえる。 してみれば、本願商標は、その構成中「IRISH SETTER」の文字部分から「アイリッシュセッター」の称呼を生じ、「アイリッシュセッター種の犬」の観念を生じるものである。 一方、引用商標は、「IRISHSETTER」の欧文字を書してなるものであり、該文字(語)は「アイリッシュセッター種の犬」を意味する「IRISH SETTER」の語を認識させるものであるから、「アイリッシュセッター」の称呼を生じ、「アイリッシュセッター種の犬」の観念を生じるものである。 そこで、本願商標の構成中「IRISH SETTER」の文字部分と引用商標とを比較すると、外観においては、両者は中間におけるスペースの有無の差を有するのみであり、他の文字全てを共通にするものであるから、相紛らわしいものである。 また、両者は、いずれも「アイリッシュセッター」の称呼を生じ、「アイリッシュセッター種の犬」の観念を生じるものであるから、称呼及び観念を共通にするものである。 してみれば、本願商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛らわしい類似の商標というべきである。 そして、本願の指定商品中「アンダーウェア,シャツ」は、引用商標2の指定商品中「下着」の範ちゅうに含まれる商品であり、「ベルト」は、引用商標1の指定商品中「ベルト」と同一の商品であり、「ビブオーバーオール,ジャケット,オーバーオール,ズボン,パーカー,ベスト」は、引用商標2の指定商品中「洋服」の範ちゅうに含まれる商品であり、「帽子,手袋,靴下」は、引用商標2の指定商品中「帽子,手袋,靴下」と同一の商品であり、また、「ネックゲートル」は、首を覆うものであるから、引用商標2の指定商品中「えり巻き,マフラー」と生産部門、販売部門、用途、需要者の範囲を共通にする類似の商品と判断するのが相当である。 さらに、本願商標と引用商標とが出所の混同を生じないというべき取引の実情は見いだせない。 したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。 (2)請求人の主張について 請求人は、「RED WING SHOES」及び「IRISH SETTER」の表示は、請求人によるブーツ等に関連する商標として、本願の指定商品の取引者、需要者の間に広く認識されているものであるといえ、これらの文字は、取引者、需要者に対し、商品の出所標識として強く支配的な印象を与えるものであるといえるから、該文字部分から「レッドウィングシューズアイリッシュセッター」の称呼を生じ、「『RED WING SHOES』の『IRISH SETTER(モデルの商品)』」の観念を生じる旨主張している。 しかしながら、請求人の提出した証拠によれば、「RED WING SHOES」及び「IRISH SETTER」の文字が商品「ブーツ」に使用されていることは認められるものの、本願の指定商品中、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品については、使用されていることが認められず、また、本願の指定商品の取引者、需要者の間に広く認識されているとも認めることができない。 そうとすれば、前述のとおり、本願商標からは、「アイリッシュセッター」の称呼及び「アイリッシュセッター種の犬」の観念を生じるものというべきであり、請求人の主張は採用できない。 (3)以上のとおりであるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 本願商標 |
審理終結日 | 2013-06-25 |
結審通知日 | 2013-07-02 |
審決日 | 2013-07-18 |
出願番号 | 商願2012-10994(T2012-10994) |
審決分類 |
T
1
8・
262-
Z
(W25)
T 1 8・ 261- Z (W25) T 1 8・ 263- Z (W25) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 小川 敏 |
特許庁審判長 |
渡邉 健司 |
特許庁審判官 |
山田 啓之 前山 るり子 |
商標の称呼 | レッドウイングシューズ、レッドウイング、ウイングシューズ、ウイング、アイリッシュセッターブランド、アイリッシュセッター |
代理人 | 磯野 道造 |
復代理人 | 多田 悦夫 |