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審判番号(事件番号) データベース 権利
異議2013900224 審決 商標

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審決分類 審判 全部無効 商8条先願 無効としない X030925414445
審判 全部無効 商4条1項15号出所の混同 無効としない X030925414445
審判 全部無効 称呼類似 無効としない X030925414445
審判 全部無効 商4条1項10号一般周知商標 無効としない X030925414445
管理番号 1282399 
審判番号 無効2012-890055 
総通号数 169 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2014-01-31 
種別 無効の審決 
審判請求日 2012-06-27 
確定日 2013-11-29 
事件の表示 上記当事者間の登録第5295900号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5295900号商標(以下「本件商標」という。)は、「Blogirls」の欧文字を標準文字で表してなり、平成21年7月16日に登録出願、第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,つけづめ,つけまつ毛」、第9類「電気式ヘアカーラー,眼鏡,家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,レコード,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる音楽ファイル,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物」、第25類「被服,履物」、第41類「電子出版物の提供,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏」、第44類「美容,美容に関する情報の提供」及び第45類「ファッション情報の提供」を指定商品又は指定役務として、同年12月14日に登録査定がなされ、同22年1月22日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張
請求人は、本件商標の登録は無効とする、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第29号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号、同第15号及び同法第8条第1項に該当するものであるから、同法第46条第1項に基づき無効とされるべきものである。
(1)引用商標
請求人が本件審判に引用する商標は、以下の(ア)ないし(キ)のとおりである(以下、これらをまとめていうときは「引用商標」という。)。
ア 登録第3327415号商標(以下「引用商標1」という。)は、「BLUGIRL」の欧文字を横書きしてなり、平成7年6月8日に登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同9年6月27日に設定登録され、その後、同19年4月24日に商標権の存続期間の更新登録がされたものであり、現に有効に存続しているものである。
イ 登録第4213953号商標(以下「引用商標2」という。)は、「BLUGIRL」の欧文字を標準文字で表してなり、平成9年10月22日に登録出願、第18類「皮革,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,かばん金具,がま口口金,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,乗馬用具,愛玩動物用被服類」を指定商品として、平成10年11月20日に設定登録され、その後、同20年8月5日に商標権の存続期間の更新登録がされたものであり、現に有効に存続しているものである。
ウ 登録第5098745号商標(以下「引用商標3」という。)は、「BLUGIRL」の欧文字を標準文字で表してなり、平成19年1月18日に登録出願、第9類「サングラス,眼鏡,眼鏡の部品及び附属品」を指定商品として、平成19年12月14日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。
エ 国際登録第1014858号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成21年3月30日に国際商標登録出願、第25類「Clothing for men, women and children in general, including: dresses made from skins; shirts; blouses; skirts; ladies' suits; jackets; trousers; shorts; vests; knitwear; pyjamas; socks; knitted underwear; bodices; suspender belts; briefs and pants; brassieres; slips; hats; scarves; neckties; raincoats; overcoats; coats; swimsuits; sports outfits; anoraks; ski trousers; belts; furs; sashes for wear; gloves; dressing gowns, footwear in general, including: slippers; footwear; sports footwear; boots and sandals.」を指定商品とするものである。
オ 登録第5071679号商標(以下「引用商標5」という。)は、「BLUGIRL FOLIES」の欧文字を標準文字で表してなり、平成19年1月18日に登録出願、第18類「皮革及び擬革,トランク,旅行かばん,ナップザック,かばん類,ハンドバッグ,ショルダーバッグ,袋物,美容かばん,美容ケース,携帯用化粧道具入れ,財布,キーケース,小銭入れ,傘,パラソル,つえ,ステッキ,乗馬用具」及び第25類「被服,下着,スポーツウェア,ジーンズ製パンツ,水着,履物,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、平成19年8月17日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。
カ 登録第5071680号商標(以下「引用商標6」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成19年1月18日に登録出願、第18類「皮革及び擬革,トランク,旅行かばん,ナップザック,かばん類,ハンドバッグ,ショルダーバッグ,袋物,美容かばん,美容ケース,携帯用化粧道具入れ,財布,キーケース,小銭入れ,傘,パラソル,つえ,ステッキ,乗馬用具」及び第25類「被服,下着,スポーツウェア,ジーンズ製パンツ,水着,履物,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、平成19年8月17日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。
キ 請求人の使用に係る商標(以下「引用商標7」という。)は、別掲3のとおりである。
(2)請求人適格
請求人は、前記引用商標を所有する者であることから本件商標登録に関する利害関係人であり、本件審判請求の請求人適格を有する者である。
(3)商標法第4条第1項第11号及び同法第8条第1項について
ア 称呼
本件商標からは、「Blogirls」の文字より「ブロガールズ」の称呼が生じるといえる。
一方、引用商標1ないし3からは、「BLUGIRL」の文字に相応して「ブルガール」の称呼が生じるといえる。
また、引用商標4は、「blugirl」の文字部分と「Blumarine」の文字部分とが二段に配してなること、「blugirl」の文字部分が大きく太い文字で顕著に表されていることから、「blugirl」の文字部分のみに相応した「ブルガール」の称呼を生ずるといえる。
引用商標5は、「BLUGIRL FOLIES」を標準文字で書してなるところ、商標全体に相応した「ブルガールフォーリーズ」の称呼がやや長いことから「ブルガールフォーリーズ」の称呼以外に「ブルガール」の称呼をも生ずるといえる。
引用商標6についても、全体より生ずる称呼「ブルガールフォーリーズ」の称呼がやや長いことから「ブルガールフォーリーズ」の称呼以外に「Blugirl」の文字部分に相応した「ブルガール」の称呼をも生ずるといえる。
してみれば、引用商標1ないし6は、「ブルガール」の称呼を生ずるものといえる。
ここで、本件商標より生ずる「ブロガールズ」と引用商標1ないし6より生ずる「ブルガール」の称呼とを比較すると、a)第2音目が「ロ」と「ル」で異なり、b)本件商標の称呼は末尾に「ズ」の音を有する点という、c)2点で相違する。
称呼の類否判断(審査基準、審決例)から、本件商標と引用商標1ないし6の称呼は、2音相違するものの、それぞれ5音、6音というやや長い音からなり、相違する1音が50音図の同行「ラ行」に属し母音が「オ」と「ウ」という近似した音、及び、明瞭に聴取し難い末尾に位置する弱音「ズ」の有無の差にすぎず、これらの音の相違が称呼全体に及ぼす影響は大きくなく、全体の音感が近似しているものといえる。
したがって、本件商標と引用商標1ないし6は、称呼について非常に紛らわしいというのが相当といえる。
イ 外観
本件商標と引用商標1ないし6とを外観上比較すると、両者は、2文字目と本件商標の語尾に「S」を有し「girl」の語の複数形を構成している点において相違し、大文字と小文字の別はあるものの「B」「L」「G」「I」「R」「L」の6文字において共通する。相違する文字は構成語の中間や語尾に位置するものであり、外観の識別上重要な語頭の文字を含む6文字について共通にする本件商標と引用商標1ないし6は、商標全体として互いに相紛らわしく、外観上類似する商標といわざるを得ない。
ウ 観念
本件商標は、「girls」の文字部分を有し、引用商標1ないし6は、「GIRL」又は「girl」の文字部分を有することから、「女の子」の意味を有する英単語「girl」を共通しているから、共に「女の子」の観念を共通にするといえる。
以上より、本件商標と引用商標1ないし6とは、外観・称呼・観念について類似の商標であるといえる。
エ 結論
したがって、本件商標と引用商標1ないし6とは、外観・称呼・観念について類似の商標であって、かつ、本件商標の指定商品のうち、第3類「つけづめ,つけまつ毛」、第9類「眼鏡」、第25類「被服,履物」は、引用商標1ないし6の指定商品と同一又は類似するものであるから、先願登録商標である引用商標1ないし3、5及び6との関係においては、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、先願の引用商標4との関係においては、本件商標は、商標法第8条第1項により無効とされるべきである。
(4)商標法第4条第1項第10号について
ア 引用商標4及び7は、前記(1)のとおり。
イ 引用商標4及び7の周知・著名性
請求人は、1977年にAnna MolinariとGianpaolo Tarabini Castellaniによって立ち上げられたBlumarineをルーツとする服飾企業であり、「Blugirl」のほか、「Blumarine」、「ANNAMOLINARI」等の国際的に著名な服飾ブランドを手がける世界有数の服飾企業である(甲17及び18)。
請求人は、VERSACE、PRADA、ROBERTO CCAVALLI等が所属するイタリア・ファッション業界で最大の極めて重要な協会であるイタリア・ファッション協会に所属しており、当該協会が開催する世界規模のファッションショーであるミラノ・ファッションショー「Moda Donna」やこれに関連するイベントに参加し、「Blugirl」に係る商品を発表し、自らのホームページにも、それらの商品を公開している(甲19ないし22)。
世界規模のファッションショーは、服飾業界における取引者・需要者に極めて重要視される実情にあり、国際的ファッションショーにおけるキャットウォークでの発表により、当該ブランドは、世界の取引者・需要者に注目され、国際的地位及び名声が付与されるものである。
請求人の「Blugirl」に係る商品を販売する店舗は、世界中に所在し(甲17及び21)、アジアでは、日本をはじめ、中国(香港、北京、上海、広州)、シンガポール、台湾(台北)、韓国(ソウル、ソンナム、インチョン、テグ、プサン)、マレーシアに所在する。
請求人の商品の日本における輸入販売会社であるブルーベルジャパン株式会社のホームページには請求人の商品と共に引用商標4が掲載され、日本においては、東京、仙台、名古屋、大阪、神戸、京都、福岡の、全国各地の大手百貨店等に店舗を有することが示されている(甲23)。
また、請求人は、ブルーベルジャパン株式会社を介し、モード雑誌「SPUR」に引用商標5(審決注:甲には引用商標4が表示されているので誤記と認める。)を使用して広告、記事を掲載するなど、積極的な宣伝活動を行っている(甲24ないし29)。
以上の事実より、引用商標4及び7は、請求人の業務に係る商品を表示する商標として広く知られているといえる。
ウ 本件商標と引用商標4及び7との類似性
本件商標と引用商標4とは、外観、称呼、観念について類似する商標である。
引用商標7は、矢で射抜かれたハートを表した図形を中心として囲むように、当該図形の上部に「BLUGiRL」の文字部分を配し、下部に「BLUMARiNE」の文字部分を配してなる商標であるところ、当該文字部分全体に相応した称呼「ブルガールブルマリン」は、やや長く、かつ、「BLUGiRL」と「BLUMARiNE」の文字部分は、図形部分を介して上下に分断されていることから、引用商標7は、「BLUGiRL」の文字部分に相応した「ブルガール」の称呼をも生ずるものといえる。
そうすると、「ブロガールズ」の称呼を生ずる本件商標と「ブルガール」の称呼を生ずる引用商標7とでは、称呼の点で相紛らわしい類似商標であるというのが相当である。
以上のことから、本件商標と引用商標4及び7とは、出所混同の生じ得る類似の商標である。
エ 結論
したがって、本件商標は、請求人の業務に係る商品「被服」を表示するものとして需要者の間に広く認識されている引用商標4及び7と類似であって、同一又は類似の商品について使用するものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものである。
(5)商標法第4条第1項第15号について
ア 引用商標4及び7の周知・著名性
本件商標の出願時及び査定時において、引用商標4及び7が周知・著名であったことは、前記(4)のとおりである。
イ 本件商標と引用商標4及び7の類似性
本件商標と引用商標4及び7が類似する商標であることは、前記(3)のとおりである。
ウ 出所混同のおそれ
本件商標の指定商品・指定役務のうち、第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品」、第9類「電気式ヘアカーラー,家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,レコード,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる音楽ファイル,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物」、第41類「電子出版物の提供,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏」、第44類「美容,美容に関する情報の提供」、第45類「ファッション情報の提供」は、服飾業界における請求人が行う業務において密接に関連するものである。
よって、本件商標が、その指定商品・指定役務に使用された場合、被請求人が請求人と経済的又は組織的に何らかの関係がある者であるとの誤認を生ずるおそれがあることから、商品又は役務の需要者が商品又は役務の出所について混同を生ずるおそれは極めて大きいといわざるを得ない。
エ 結論
したがって、引用商標4及び7は、請求人の商標として、広く一般に知られており、これと類似する本件商標がその指定商品・指定役務に使用された場合、商品又は役務の出所について混同を生ずるおそれがあるから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。
2 答弁に対する弁駁
被請求人は、答弁書の称呼の項において、本件商標から生ずる「ブロガールズ」の称呼と引用商標1ないし3から生ずる「ブルガール」の称呼を比較した場合、第2音において、「ロ」と「ル」の差異、末尾において「ズ」の有無の差異を有し、差異音「ロ」と「ル」は母音を異にし、末尾における「ズ」は有声摩擦音として重く響く音であるとして、これらの差異音が、6音又は5音という比較的短い両称呼全体に及ぼす影響は大きく、これらをそれぞれ一連に称呼した場合、全体の語調、語感が明らかに相違し、互いに聞き誤るおそれはない、と主張している。
しかしながら、「ロ」と「ル」は50音図の同行に属し、その母音「オ」と「ウ」は審査基準および甲第9号証から甲第13号証の審決例にもあるように音感が近似して聴覚される。また、「ズ」の音は、甲第14号証から甲第16号証の審決例からも、明瞭に聴取し難い末尾に位置する弱音である。そして、これらの音の相違が称呼全体に及ぼす影響は大きくなく、全体の音感が近似しているものである。
3 むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項11号、同第10号、同第15号及び同法第8条第1項の規定に違反してされたものであり、同法第46条第1項の規定によりその登録は無効とされるべきである。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証を提出した。
1 答弁の理由
(1)商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同法第8条第1項について
ア 外観
本件商標は、「Blogirls」の文字を横一連に書してなるものであるのに対して、引用商標1ないし3は、「BLUGIRL」の文字を横一連に書してなるものであるところ、両者は、語頭において大文字「B」を共通にするものの、他の構成文字については、小文字と大文字の差異を有し、かつ、第三文字目において「o」と「U」、末尾において「S」の有無の差異を有するものである。すなわち、外観上共通する構成要素は、語頭における「B」のみにすぎない。したがって、通常の注意力をもってすれば、外観上これらを見誤るおそれはなく、よって、これらは、外観上明らかに非類似の商標である。
さらに、引用商標4ないし7についても、それぞれ以下の理由により、外観上非類似の商標である。
引用商標4は、やや図案化した「blugirl」の文字と「Blumarine」の文字とを上下二段に書してなるものであり、「Blogirls」の文字を横一連に書してなる本件商標とは、明らかに外観上の印象を異にするものである。引用商標5は、「BLUGIRLFOLIES」の文字を横一連に書してなるものであるところ、引用商標1ないし3に「FOLIES」の文字が加わったことから、あえて論証するまでもなく、外観上非類似の商標である。引用商標6は、「Blugirl Folies」の文字と「ハートに刺さった矢」のごとき図形とからなるものであり、また、引用商標7は、「BLUGIRL BLUMARINE」の文字と当該図形とからなるものであるところ、当該図形部分が看者に与える影響は極めて大きく、よって、これらについても明らかに本件商標とは、外観上非類似の商標である。
イ 称呼
本件商標からは、その構成文字「Blogirls」に相応して「ブロガールズ」の自然称呼のみが生ずる。他方、引用商標1ないし3からは、その構成文字「BLUGIRL」に相応して「ブルガール」の自然称呼が生ずるほか、請求人が提出した甲第23号証、甲第24号証、甲第26号証及び甲第28号証によれば、「ブルーガール」の称呼が生ずるものと認められる。また、引用商標4及び7からは、その構成文字「Blugirl(BLUGIRL)/Blumarine(BLUMARINE)」に相応して「ブルガールブルマリン」又は「ブルーガールブルマリン」の称呼が生ずるほか、顕著に表された「Blugirl」の文字部分に相応して「ブルガール」又は「ブルーガール」の称呼が生ずる。さらに、引用商標5及び6からは、その構成文字「BLUGIRL FOLIES(BlugirlFolies)」に相応して「ブルガールフォリーズ」又は「ブルーガールフォリーズ」の称呼が生ずる。
そこで、本件商標から生ずる「ブロガールズ」の称呼と引用商標1ないし7から生ずる称呼とを比較する。まず、引用商標1ないし3から生ずる「ブルガール」の称呼と比較した場合、それらは、第2音において「ロ」と「ル」の差異、末尾において「ズ」の有無の差異を有するものである。差異音「ロ」と「ル」は、母音を異にするものであり、また、末尾における「ズ」は、有声摩擦音として重く響く音である。してみれば、前記差異音が、6音又は5音という比較的短い両称呼全体に及ぼす影響は大きく、これらをそれぞれ一連に称呼した場合、全体の語調、語感が明らかに相違し、互いに聞き誤るおそれはない。この差異は、引用商標1ないし3が「ブルーガール」と称呼された場合にはより顕著となる。
したがって、本件商標と引用商標1ないし3とは、称呼上明らかに非類似の商標である。
次に、引用商標4及び7から生ずる「ブルガールブルマリン」又は「ブルーガールブルマリン」の称呼並びに引用商標5及び6から生ずる「ブルガールフォリーズ」又は「ブルーガールフォリーズ」の称呼との比較においては、語頭部において「ブ」の音及び中間部において「ガール」の音を共通にするのみで、他のすべての構成音を異にするばかりか、構成音数を大きく異にするものである。したがって、これらの商標についても、本件商標とは、称呼上明らかに非類似の商標である。
なお、請求人は、請求人の主張を裏付ける審決例として、甲第9号証ないし甲第16号証を提出しているが、これらは、いずれも1音相違の称呼について審理判断された事案であり、2音以上を異にする本件商標と引用商標1ないし7との比較においては、何ら参考となるものではない。
ウ 観念
本件商標は、特定の観念を生じないものである。よって、本件商標と引用商標1ないし7とを観念上比較することはできない。したがって、両者は、観念上も明らかに非類似の商標である。
なお、請求人は、本件商標及び引用商標1ないし6からは、構成文字の一部に相応して「女の子」の観念を生ずる旨述べているが、あえて理由を述べるまでもなく、明らかに誤りである。
エ まとめ
以上のとおり、本件商標と引用商標1ないし7とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても互いに相紛れるおそれのない非類似の商標である。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同法第8条第1項及び同法第4条第1項第10号のいずれにも該当するものではない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
ア 引用商標4及び7の周知性について
請求人は、引用商標4及び7が請求人の業務に係る商品を表示する商標として、日本国内において広く知られていると主張し、その証拠として甲第17号証ないし甲第29号証を提出している。しかし、当該証拠からは、引用商標4及び7が日本国内において周知であるとは認められない。以下、その理由について詳述する。
(ア)甲第18号証は、請求人自身が作成した資料にすぎず、かつ、すべて外国語で記載されてものである。当該資料が日本国内で頒布等された事実は認められず、また、仮に頒布された事実があるとしても、すべて外国語で記載された当該資料の内容を一般的な日本国民が理解し得るとは、到底考え難い。
(イ)甲第19号証は、イタリアファッション協会のウェブサイトのプリントアウトとのことであるが、当該ウェブサイトは、すべて外国語で記載されており、その内容を一般的な日本国民が理解し得るとは、到底考え難い。さらに、当該資料が提出された趣旨そのものが理解し得ないものである。
(ウ)甲第20号証は、「Moda Donna」スケジュール表の写しとのことであるが、当該資料が何であるのか、また、引用商標4及び7の日本における周知性とどのような関係にあるのか不明である。さらに、当該資料は、すべて外国語で記載されており、その内容を一般的な日本国民が理解し得るとは、到底考え難い。
(エ)甲第21号証及び甲第22号証は、いずれも請求人の業務に係る商品「被服」に係るカタログのようであるが、請求人自身が作成した資料にすぎず、かつ、すべて外国語で記載されているものである。また、当該資料が日本国内で頒布等された事実も認めらない。さらに、当該カタログは「2012年春夏コレクション」との記載があることから、少なくとも本件商標が出願された平成21年(2009年)7月16日以降に作成されたものと考えられる。そうとすれば、そもそも証拠として採用されるべきものではない。(オ)甲第23号証は、ブルーベルジャパン株式会社のウェブサイトのプリントアウトとのことであるが、これによれば、請求人の業務に係る商品「被服」が都内デパート数店舗で販売されていることがうかがわれるが、販売時期及び期間、販売数量及び売上高等は、一切不明であり、商標の周知性を示す証拠としては、適格性に欠けるものといわざるを得ない。
(カ)甲第24号証ないし甲第29号証は、日本国内で発行された雑誌の抜粋(写し)であるが、これらが発行された期間は、2008年4月号から2009年5月号までの僅か1年間にすぎず、また、どの地域において、どの程度の部数が発行されたのも定かではない。
また、甲第25号証、甲第27号証及び甲第29号証は、単なる広告にすぎない。数多くの女性ファッション誌が刊行され、その中で国内外の無数のファッションブランドが紹介されている昨今において、僅か5回の雑誌掲載によって、引用商標4及び7が日本国内で周知になっていたとは認め難いところである。
さらに、甲第24号証、甲第26号証及び甲第28号証の記事によれば、引用商標は、「ブルーガール」と称呼されているものと理解し得る。仮に、引用商標が周知であるとすれば、例えば「CHANEL(シャネル)」が「チャネル」と称呼されないのと同じように、それが「ブルガール」と称呼されることは、起こり得ないことである。にもかかわらず、請求人は、審判請求書において、「BLUGIRL」からは、「ブルガール」の称呼が生ずると主張し、「ブルーガール」の称呼が生ずるとは、一言も述べていない。このことからも、引用商標が日本国内で周知となっていないことが容易に理解し得るところである。
イ 商標の類否について
すでに述べたごとく、本件商標と引用商標4及び7は、互いに非類似の商標である。
ウ まとめ
前述のごとく、請求人が提出した証拠資料は、いずれも引用商標4及び7の日本国内における周知性を裏付けるものではなく、その他、引用商標4及び7の周知性を推認するに足る事実も認められない。
また、本件商標と引用商標4及び7は、互いに非類似の商標であるから、本件商標が請求人の業務に係る商品等と混同を生ずるおそれは認められない。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。
(3)結び
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第10号及び同第15号に該当するものでないから、同項の規定に違反するものでなく、また、同法第8条第1項の規定に違反して登録されたものでもない。
したがって、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすべきものではない。

第4 当審の判断
1 本件商標について
本件商標は、「Blogirls」の欧文字を標準文字で表してなり、同じ書体、同じ大きさ、等間隔をもって外観上まとまりよく表現されており、構成文字全体に相応して生じる「ブロガールズ」の称呼も、無理なく一連に称呼し得るものである。
そして、その構成中の「girls」の文字部分が「女の子」の複数の意味合いを有するとしても、かかる構成においては、その構成全体をもって一体のものとして認識されるものであって、特定の観念を有しない造語からなるものと判断するのが相当である。
してみれば、本件商標は、その構成文字に相応して、「ブロガールズ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
2 引用商標について
(1)引用商標1ないし3は、「BLUGIRL」の欧文字を書してなり、構成各文字は、同じ書体、同じ大きさ、等間隔をもって外観上まとまりよく表されているものであり、その構成文字に相応して「ブルガール」又は「ブルーガール」の称呼を生じ、特定の意味合いを有する語とはいえず、特定の観念を生じないものである。
また、引用商標4は、前記第2 1(1)エのとおりの構成からなるところ、その構成中顕著に表された「blugirl」の文字部分が自他商品識別標識としての機能を強く発揮する部分と認められるものであり、該文字部分に相応して「ブルガール」又は「ブルーガール」の称呼を生じ、特定の意味合いを有する語とはいえず、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標5は、「BLUGIRL FOLIES」の欧文字を書してなり、また、引用商標6は、前記第2 1(1)カのとおりの構成からなるところ、その構成文字間に図形を有するものの、該文字部分は、同じ書体、同じ大きさで外観上まとまりよく表されており、いずれかの部分のみをもって印象し記憶されるものとはいえず、また、いずれかの部分のみをもって取引に資されるとすべき特段の理由も見いだせないものであるから、一連一体の造語として看取されるとみるのが自然というべきである。
そうとすると、引用商標5及び6は、その構成文字に相応して「ブルガールフォーリーズ」又は「ブルーガールフォーリーズ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(3)引用商標7は、前記第2 1(1)キのとおりの構成からなるところ、その構成文字間に図形を有してなるものの、「BLUGIRL」と「BLUMARINE」の欧文字は、同じ書体、同じ大きさで外観上まとまりよく表されており、これらより生ずる「ブルガールブルマリーン」又は「ブルーガールブルーマリーン」の称呼は、やや冗長であったとしても無理なく一連に称呼し得るものであり、特定の観念を生じないものである。
3 引用商標4及び7の周知・著名性について
請求人提出の証拠によれば、1995年にティーンエイジャーや若い女性をターゲットとするプレタポルテラインとして、Anna MolinariがデザインするBlugirlが誕生し、BLUGIRLを有するBLUFIN S.P.Aは、Camera Nazionaledella Moda Italiana(イタリア・ファッション協会)の会員であり、2002年及び2006年のMilano Moda Donna(ミラノファッションショー)にBLUGIRLを発表したことが認められる(甲17ないし20)。
そして、Blugirl Spring Summer 2012 Collection 及びBlugirl Spring Summer 2012 Fashion Show Collectionのオンラインカタログのトップページ(甲21及び22)及び、「blugirl(ブルーガール)」の店舗(伊勢丹新宿店、高島屋新宿店、渋谷東急本店、高島屋日本橋店、日本橋三越店等)が紹介されているブルーベルジャパン株式会社のホームページ(甲23)には、引用商標4が表示され、さらに、集英社発行の雑誌「SPUR(シュプール)」の2008年9月号、同年12月号、2009年4月号及び同年5月号(甲25、甲27ないし29)には、引用商標7が記載されてことを認められる。
しかしながら、我が国における引用商標4及び7を使用した商品の販売数量、売上高及び市場占有率、宣伝広告費など周知著名性に関する客観的な証拠が明らかにされていない。
してみれば、請求人の提出した証拠によっては、我が国において本件商標の登録出願時及び登録査定時に、引用商標4及び7が請求人の業務に係る商品を表示するものとして、需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
4 商標法第4条第1項第11号及び同法第8条第1項該当性
(1)本件商標と引用商標1ないし4との類否について
ア 外観
本件商標は、「Blogirls」の欧文字からなり、引用商標1ないし3は、「BLUGOIRL」の欧文字からなるものであって、両者は、第3文字において「o」と「U」の文字の差異、末尾において「s」の文字の有無の差異及び語頭のみ大文字で、他の文字は小文字であるか、全て大文字であるかの差異をそれぞれ有するものであり、該差異が両商標の外観の印象に与える影響は小さくなく、これらを時と所を異にして離隔的に観察した場合においても、通常の注意力をもってすれば、互いに見誤るおそれはないというべきである。
また、本件商標と引用商標4とは、それぞれの構成から、外観上明確に区別し得る差異を有するものである。
イ 観念
本件商標と引用商標1ないし4は、いずれもその構成全体で、特定の観念を有しないものであるから、観念上類似するとはいえない。
ウ 称呼
本件商標から生ずる「ブロガールズ」の称呼と引用商標1ないし4から生ずる「ブルガール」の称呼とは、前者が6音、後者が5音の異なる構成音数からなり、第2音にて「ロ」と「ル」の音の差異及び語尾において「ズ」の音の有無の差異を有し、長音を含む6音という短い音構成にあっては、その差異が称呼全体に与える影響は大きく、それぞれを一連に称呼するときは、その語調,語感が相違し、十分聴別できるものである。
また、本件商標から生ずる「ブロガールズ」の称呼と引用商標1ないし4から生ずる「ブルーガール」の称呼とは、同じ6音からなるとしても、上述した差異を同じくするものであるから、称呼上十分に区別できるものである。
エ したがって、本件商標と引用商標1ないし4とは、外観、観念及び称呼のいずれの点においても、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
(2)本件商標と引用商標5及び6との類否について
ア 外観
本件商標と引用商標5及び6とは、それぞれの構成から、外観上明確に区別し得る差異を有するものである。
イ 観念
本件商標と引用商標5及び6とは、いずれもその構成全体で、特定の意味を有しない造語であり、観念においては比較することができず、観念上類似するとはいえない。
ウ 称呼
本件商標から生ずる「ブロガールズ」の称呼と引用商標5及び6から生ずる「ブルガールフォーリーズ」又は「ブルーガールフォーリーズ」の称呼は、それぞれの音構成及び構成音数が明らかに異なるものであるから、その語調、語感が明らかに相違し、称呼上互いに紛れるおそれはないものである。
エ したがって、本件商標と引用商標1ないし6とは、外観、観念及び称呼のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標である。
以上によれば、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同法第8条第1項に該当しない。
5 商標法第4条第1項第10号及び同第15号該当性について
前記3の認定のとおり、引用商標4及び7は、請求人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
そして、本件商標と引用商標4とは、前記4(1)のとおり非類似の商標である。
また、引用商標7は、「ブルガールブルマリーン」又は「ブルーガールブルーマリーン」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものであるから、本件商標と引用商標7とは、外観上明確に区別し得る差異を有するものであり、観念においては比較することができず、類似するとはいえないものであって、称呼において、それぞれの音構成及び構成音数が明らかに異なるものであって、その語調、語感が明らかに相違し、称呼上互いに紛れるおそれはないものである。
そうとすると、本件商標と引用商標7とは、非類似の商標というべきである。
してみれば、本件商標と引用商標4及び7とは、いずれも別異の商標であり、本件商標をその指定商品及び指定役務に使用した場合、これに接する取引者・需要者が、引用商標4及び7を想起し連想して、当該商品及び役務を請求人あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く誤信するとは認められず、他人の業務に係る商品と混同を生じさせるおそれがあったと認めることもできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第15号にも該当しない。
6 まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号、同第15号及び同法第8条第1項に違反して登録されたものではないから、同法第46条の規定により無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲1 引用商標4


別掲2 引用商標6



別掲3 引用商標7





審理終結日 2013-06-25 
結審通知日 2013-06-28 
審決日 2013-07-24 
出願番号 商願2009-54215(T2009-54215) 
審決分類 T 1 11・ 4- Y (X030925414445)
T 1 11・ 25- Y (X030925414445)
T 1 11・ 262- Y (X030925414445)
T 1 11・ 271- Y (X030925414445)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 箕輪 秀人 
特許庁審判長 関根 文昭
特許庁審判官 田中 亨子
前山 るり子
登録日 2010-01-22 
登録番号 商標登録第5295900号(T5295900) 
商標の称呼 ブロガールズ、ブロ、ビイエルオオ 
代理人 西川 巌 
代理人 吉川 俊雄 
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