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審決分類 審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 X1130
審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 X1130
審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 X1130
管理番号 1282364 
審判番号 不服2012-650087 
総通号数 169 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2014-01-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-10-05 
確定日 2013-10-23 
事件の表示 国際登録第1077699号に係る国際商標登録出願の拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第11類及び第30類に属する日本国を指定する国際登録において指定された商品を指定商品として、2010年6月16日にスイス連邦においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2010年(平成22年)12月15日に国際商標登録出願され、その後、指定商品については、原審における平成24年3月2日付け手続補正書により、別掲2のとおり補正された。
2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれも、現に有効に存続しているものである。
(1)登録第3192038号商標(以下「引用商標1」という。)は、「PRESSO」の欧文字を上下二段に書してなり、平成5年6月29日登録出願、第30類「コーヒー及びココア,茶,米,脱穀済みの大麦,食用粉類,穀物の加工品,即席菓子のもと,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー」を指定商品として、同8年8月30日に設定登録され、同18年9月19日に存続期間の更新登録がなされたものである。
(2)登録第4989386号商標(以下「引用商標2」という。)は、「Teapresso」の欧文字を標準文字で表してなり、平成16年5月21日登録出願、第30類「茶,紅茶」を指定商品として、同18年9月22日に設定登録されたものである。
(3)登録第5083819号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲3のとおりの構成よりなり、平成18年10月17日登録出願、第7類ないし第11類、第14類、第16類、第19類ないし第21、第24類、第35類、第37類、第38類、第41類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同19年10月12日に設定登録されたものである。
以下、これらをまとめて「引用商標」という場合がある。
3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなるところ、その最左に位置する横なみ線2本とたて線からなる部分は、その外形的特徴に照らせば、看者をして、欧文字の「T」を表したものとして無理なく認識できるものであって、かつ、その図案化された該「T」の文字と、その右側に位置する「Presso」の各文字とが外観上まとまりよく一体的に表されているものである。
そして、近時商業広告等においては、しばしばそれに使用する文字の一部あるいは全部を図案化することが一般に行われているところである。
そうとすると、本願商標は、該「T」の文字部分が図案化され、「Presso」の文字部分とは異なる大きさ及び書体で表されているとしても、その構成全体をもって、「TPresso」の語を表したものとして看取されるとみるのが自然である。
よって、本願商標は、「TPresso」の文字より、「ティープレッソ」の称呼を生じるとみるのが相当であり、また、該文字は、辞書等に掲載されていない造語であり、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標1について
引用商標1は、前記2(1)のとおり、「PRESSO」の欧文字を上下二段に書してなり、「プレッソ」の称呼を生じるものである。
また、「PRESSO」の文字は、「近くに」等を意味するイタリア語であるが、我が国におけるイタリア語の普及度を考慮すれば、これより直ちに特定の観念を生じるとはいい難いものである。
(3)引用商標2について
引用商標2は、前記2(2)のとおり、「Teapresso」の欧文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、辞書等に掲載されていない造語であるが、これは、その指定商品との関係において、「Tea」と「presso」の文字から構成されたものと容易に認識されるものであり、その構成文字に相応して「ティープレッソ」の称呼が生じ、特定の観念を生じないものである。
(4)引用商標3について
引用商標3は、別掲3のとおり、「P」、「R」及び「E」の文字がやや図案化され、一連に「PRESSO」の欧文字を朱色にて横書きしてなる(「E」の一部は、朱色から黄色へグラデーションが施されている)ところ、その構成文字に相応して「プレッソ」の称呼を生じるものであり、該文字は、前記(2)と同様、特定の観念は生じないものである。
(5)本願商標と引用商標1及び引用商標3との類否について
本願商標と引用商標1及び引用商標3との類否について検討するに、外観においては、それぞれ前記のとおりの構成よりなるものであるから、明確に区別できる差異を有するものである。
次に、称呼においては、本願商標から生ずる「ティープレッソ」の称呼と引用商標1から生ずる「プレッソ」の称呼及び引用商標3から生ずる「プレッソ」の称呼とは、「ティー」の音の有無につき、その構成音及び音数において明らかに相違するものであるから、それぞれ一連に称呼しても、称呼上、互いに相紛れるおそれのないものである。
また、観念については、共に特定の観念を生じない造語であるから、観念については比較できない。
そうとすると、本願商標と引用商標1及び引用商標3は、観念においては比較できないものの、外観及び称呼において相紛れるおそれのない非類似の商標である。
(6)本願商標と引用商標2との類否について
本願商標と引用商標2との類否について検討するに、外観においては、それぞれ前記のとおりの構成よりなるものであるから、明確に区別できる差異を有するものである。
次に、称呼においては、本願商標から生ずる称呼と引用商標2から生ずる称呼とは、「ティープレッソ」の称呼を共通にする。
観念については、両者共に造語であり、特定の観念が生じないことから、一義的には観念について比較できないとしても、図案化された「T」の文字を語頭に有する本願商標から受ける印象と「茶、紅茶」の意を容易に看取する「Tea」の文字を語頭に有する引用商標2から受ける印象は大きく異なるといえる。
そうとすると、本願商標と引用商標2は、たとえ「ティープレッソ」の称呼を共通にするとしても、その外観において明確に相違し、各々から受ける印象等を総合的に考察すれば、両商標は、商品の出所の誤認、混同を生ずるおそれのないものであり、全体として非類似の商標というのが相当である。
(7)まとめ
以上のとおり、本願商標と引用商標とは、互いに類似しない商標であって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当でなく、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 【別記】

別掲2(本願の指定商品)
第11類
Electric apparatus for use in the preparation of hot beverages;machines for the preparation of hot beverages,particularly machines for injecting hot water and pressurized steam for the preparation,from capsules,of non-medicinal infusions and teas.
第30類
Teas;non-medicinal infusions and herbal teas;tea extracts;tea-based preparations and beverages;non-medicinal infusions,herbal teas and teas in capsules,tea-based preparations and beverages made with tea in capsules.

審決日 2013-10-11 
国際登録番号 1077699 
審決分類 T 1 8・ 262- WY (X1130)
T 1 8・ 263- WY (X1130)
T 1 8・ 261- WY (X1130)
最終処分 成立  
前審関与審査官 津金 純子薩摩 純一 
特許庁審判長 小林 由美子
特許庁審判官 大橋 良成
大森 健司
商標の称呼 テイプレッソ、プレッソ 
代理人 香原 修也 
代理人 藤田 雅彦 

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