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審決分類 審判 書換登録無効(一部) 商品(役務)の類否 無効としない X29
管理番号 1282359 
審判番号 無効2012-890037 
総通号数 169 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2014-01-31 
種別 商標書換無効の審決 
審判請求日 2012-04-24 
確定日 2013-01-04 
事件の表示 上記当事者間の登録第0377187号の1商標の商標書換登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第377187号の1商標(以下「本件商標」という。)は、「羽衣」の文字からなり、昭和23年1月15日に登録出願、第45類「他類ニ属セサル食料品及加味品」を指定商品として、昭和24年7月30日に設定登録され、その後、昭和27年3月1日に受付(申請)された商標権の分割移転登録により、その指定商品は、第45類「他類ニ属セサル食料品及加味品、但シ『鳥獣魚介類、蔬菜果物きのこ類』ノ味付水煮ノ缶詰、瓶詰、及ビ是ニ類スル商品ヲ除ク」となった。
さらに、平成21年4月16日に書換登録の申請(書換2009-507985)がされ、その指定商品を第29類「食肉,卵,食用魚介類(生きているものを除く。),塩干し魚介類,素干し魚介類,煮干し魚介類,その他の干し魚介類,くんせい魚介類,かつお節,寒天,削り節,食用魚粉,とろろ昆布,干しのり,干しひじき,干しわかめ,焼きのり,納豆,加工卵,カレー・シチュー又はスープのもと,ハヤシライスのもと,お茶漬けのり,ふりかけ,なめ物」、第30類「みつまめ,ゆで小豆,甘酒,みそ,ごま塩,するごま,セロリーソルト,うま味調味料,香辛料,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,即席菓子のもと,酒かす」、第31類「ホップ,食用魚介類(生きているものに限る。),海藻類(てんぐさを除く。),種卵」及び第32類「ビール醸造用ホップエキス」とする指定商品の書換登録が平成22年6月2日にされた。

第2 請求人の主張
1 請求の趣旨等
請求人は、「本件商標につきなされた指定商品の書換登録のうち、第29類に関する部分を無効とする。審判費用は、被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由を次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第3号証を提出している。
2 請求の理由
本件書換登録は以下に述べるように、少なくとも商品の区分第29類に関する限り、申請に係る商標権の指定商品の範囲を実質的に超えており、この区分に関する書換登録は無効とされるべきである。
(1)本件商標の指定商品は、前記第1のとおり「他類ニ属セサル食料品及加味品、但シ『鳥獣魚介類、蔬菜果物きのこ類』ノ味付水煮ノ缶詰、瓶詰、及ビ是ニ類スル商品ヲ除ク」というものであった。ここにいう「是ニ類スル商品ヲ除ク」とは、次のイ・ロ・ハ・ニの商品と類似する商品を除外するという意味である。
したがって、このイないしニの商品及びこれに類似する商品は、書換登録申請時には、本件商標の指定商品中には存在していなかった。
イ.鳥獣魚介類の味付けをした缶詰・瓶詰
ロ.鳥獣魚介類の水煮の缶詰・瓶詰
ハ.蔬菜・果物・きのこ類の味付けをした缶詰・瓶詰
ニ.蔬菜・果物・きのこ類の水煮の缶詰・瓶詰
(2)ところが、書き換えられた商品は、前記第1のとおりであって、その中の「塩干し魚介類,素干し魚介類,煮干し魚介類,その他の干し魚介類,くんせい魚介類」は、明らかに魚介類の加工品であるから、上記イ・ロの商品と類似する商品である(甲3)。
(3)このように、書換後の指定商品は、「但シ『鳥獣魚介類、蔬菜果物きのこ類』ノ味付水煮ノ缶詰、瓶詰、及ビ是ニ類スル商品ヲ除ク」という原指定商品の但し書きの存在を看過してなされたものであり、書換登録は、附則第14条第1項第1号にいう「指定商品の範囲を実質的に超えて」なされたものというべきである。
したがって、本件書換登録は、附則第4条第1項に規定する書換登録の要件を満たしいるものとはいえず、商品の区分第29類に関する部分は無効とされるべきである。

第3 被請求人の主張
1 答弁の趣旨等
被請求人は、答弁の趣旨について「第一次的には、本件審判の請求を却下する。審判費用は、請求人の負担とする。との審決を求め、第二次的には、本件審判の請求は、成り立たない。審判費用は、請求人の負担とする。との審決を求める。」と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証を提出した。
2 答弁の理由
(1)請求人に対する求釈明1、及び「第一次的」な審決を求める理由1
ア 請求人は、「請求の趣旨」において、前記第2のとおり「登録商標第377187号の1につきなされた指定商品書換登録のうち、商品の区分・第29類に関する部分を無効とする…[中略]…との審決を求める。」と記載しているが、被請求人は、かかる記載からは、請求人が庁に求めている「審決」について正確・的確に把握し理解することができない。
イ しかし、請求人は「…少なくとも商品の区分第29類に関する限り、…この区分に関する書換登録は無効とされるべきである。」と記述しており、さらに、「…商品の区分第29類に関する部分は無効とされるべきである。」と記述していることを考え併せ、被請求人が推察してみれば、請求人が「請求の趣旨」において求めているのは「本件商標の書換後の指定商品のうち『第29類の総ての指定商品』について書換登録を無効とする」旨ではないか、と思われるが、これは被請求人の側からの一方的な推察であって、これが正しいか否か不明である。
ウ したがって、被請求人は、「請求の趣旨」の記載を明確にするように釈明を求めるとともに、もしも、請求人の企図が「本件商標の書換後の指定商品のうち、第29類の総ての指定商品について書換登録を無効とする旨の審決を求める」との趣旨であるならば、「請求の趣旨」を「商標登録第377187号の1の指定商品中、第29類『食肉,卵,食用魚介類(生きているものを除く。),塩干し魚介類,素干し魚介類,煮干し魚介類,その他の干し魚介類,くんせい魚介類,かつお節,寒天,削り節,食用魚粉,とろろ昆布,干しのり,干しひじき,千しわかめ,焼きのり,納豆,加工卵,カレー・シチュー又はスープのもと,ハヤシライスのもと,お茶漬けのり,ふりかけ,なめ物』については、その書換登録を無効とする…との審決を求める」とするような適切な表記となるように補正するよう求める。
エ そして、請求人が上記の求釈明に応じて「請求の趣旨」を明確化しない限りは、「不適切・不適法な審判請求」であるから、本件審判請求は、却下されて然るべきである。
(2)「第一次的」な審決を求める理由2
附則第14条の書換登録無効審判も商標法第46条の商標登録無効審判と同じく、請求人適格として利害関係が存在することが必要である、と解釈される。しかるに、請求人は、請求人に利害関係が存在している旨は、立証はおろか主張すら行なっていない。
したがって、請求人が利害関係の存在について一切主張・立証をしておらず利害関係の有無が明らかでない以上は、本件審判請求は却下されて然るべきである。
(3)請求人に対する求釈明2、及び「第一次的」な審決を求める理由3
ア 本件書換登録後の第29類の指定商品は前記第1のとおりであるところ、請求人は、この中の「塩干し魚介類,素干し魚介類,煮干し魚介類,その他の干し魚介類,くんせい魚介類」(以下「塩干し魚介類等」という)は「是ニ類スル商品」の範囲に含まれる商品であるから、書換登録前の時点では「塩干し魚介類等」は、本件商標の指定商品には含まれていなかった商品であるので、附則第14条第1項第1号の「その書換登録が申請に係る商標権の指定商品の範囲を実質的に超えてされたとき」に該当すると主張していることは、理解することができた。
イ しかしながら、「食用魚粉」については「…なお『食用魚粉』も魚介類の加工品であるが、これは類似群「32F02」に属するものとされている。(この類似群は「32F01」とともに包括概念を表す2点鎖線で囲まれている。)」との記述があるものの、何故にかかる記述が「食用魚粉」の書換登録の無効の理由となるのか、被請求人には理解できない。
ウ また、上記ア及びイ以外の第29類の商品(以下「食肉等の残余の商品」という。)については、請求人は、いかなる理由により書換登録が無効であると主張しているのか、全く理由を説示していない。
エ よって、被請求人は、請求人がいかなる理由から「食用魚粉」及び「食肉等の残余の商品」についての書換登録が無効であると主張しているのか、理由を明確にするよう釈明を求める。
オ そして、請求人が上記の求釈明に応じて、その理由を明確にしない限り、理由が不明なままでは「不適切・不適法な審判請求」であるから、本件審判請求は、却下されて然るべきである。
(4)「第二次的」な審決を求める理由
被請求人は、請求人が上記(1)及び(3)の求釈明に応じて、個々の商品ごとについての書換登録無効の理由を明確にし、さらに、上記(2)の「利害関係」の瑕疵が治癒されたと仮定した場合には、「答弁の趣旨」の「第二次的には」に記載のとおりの「審決」を求めることとなる。
しかしながら、現時点で請求人が主張している書換登録無効の理由が何とか理解できたのは「塩干し魚介類等」に関してのみであり、「食用魚粉」及び「食肉等の残余の商品」については、請求人がいかなる書換登録無効理由を主張し立証するのか解らない状況にあり、現時点で中途半端に「塩干し魚介類等」に関してのみの被請求人の反論を述べるのではなくして、請求人が「食用魚粉」及び「食肉等の残余の商品」についての書換登録無効の理由を明らかにした後に、「塩干し魚介類等」、「食用魚粉」及び「食肉等の残余の商品」の総てに関し、まとめて被請求人の反論を述べ、主張・立証することとしたい。

第5 当審の判断
1 利害関係について
請求人は、前記した昭和27年4月2日の分割移転登録により、商標登録第377187号の2として設定登録された商標権の権利者であり、その分割移転により譲り受けた指定商品についてまで、本件商標の書換登録されているものであれば、直接不利益を受ける者というが相当である。そうすると、本件審判についての請求の利益は、これをもって足りるというべきであって、請求人は、本件審判請求についての利害関係人ということができるから、被請求人のこの点に係る主張は採用できない。
2 「請求の趣旨」について
被請求人が述べるように、請求人は「…少なくとも商品の区分第29類に関する限り、…この区分に関する書換登録は無効とされるべきである。」と記述しており、さらに「…商品の区分第29類に関する部分は無効とされるべきである。」と記述していることを考え併せ、被請求人が推察してみれば、請求人が「請求の趣旨」において求めているのは「本件商標の書換後の指定商品のうち『第29類の総ての指定商品』について書換登録を無効とする」旨ではないかとする点は、当審もこれを認めるものである。
そうとすれば、「請求の趣旨」での「商品の区分・第29類に関する部分」の記載は、被請求人が述べるように「…第29類『食肉,卵,食用魚介類(生きているものを除く。),塩干し魚介類,素干し魚介類,煮干し魚介類,その他の干し魚介類,くんせい魚介類,かつお節,寒天,削り節,食用魚粉,とろろ昆布,干しのり,干しひじき,千しわかめ,焼きのり,納豆,加工卵,カレー・シチュー又はスープのもと,ハヤシライスのもと,お茶漬けのり,ふりかけ,なめ物』については、…」との表記、若しくは「第29類 全指定商品」について、その書換登録を無効とすることを求める趣旨と解釈できるから、商標法附則第14条第1項第1号で規定する「その書換登録が申請に係る商標権の指定商品の範囲を実質的に超えてされたとき」に該当するものであるかの当否について、殊更、そのような補正を求めるまでもなく、審理できるというのが相当である。
その他、「食用魚粉」及び「食肉等の残余の商品」についての書換登録が無効であるとの理由についても、その釈明などを求めるまでもなく、以下のように認定できるから、「塩干し魚介類等」、「食用魚粉」及び「食肉等の残余の商品」の総てに関する被請求人の反論をまたずに審理した。
3 書換登録前の指定商品について
(1)本件商標は、昭和23年1月15日に登録出願されたものであり、かつ、その後の当該商標権の分割移転登録申請は、昭和27年3月1日を受付(申請)日とするものである。
ところで、特許庁商標課編「商品類別集」(社団法人発明協会発行)に集録された「昭和28年4月改訂 類似商品例集(改訂版)」の冒頭の「類似商品例集改訂の趣旨と商品の類否判定に関する今後の運用について」の項の「第三、商品類否判断新基準実施に伴う処置」とする運用の説明において、「F、この基準は昭和28年4月1日以降の商標の登録出願に係るもの、又は商標権の分割による移転登録申請に係るものについて適用される。」との記載がされている。
してみれば、本件商標の登録出願時及び分割移転申請時に採用されていたものは、前出特許庁商標課編「商品類別集」に集録されている「昭和7年3月調 類似商品例集」であるということができる。
(2)「昭和7年3月調 類似商品例集」
ア 「昭和7年3月調 類似商品例集」の表紙には「(註)各種別内における商品の類否については、符号イ行に所属するものとして例示されてある商品と符号ロ行に所属するものとして例示されてある商品と符号ハ行・・・・(以下同じ)とは、互に非類似の商品群として取扱いされていたものである。」との記載がされている。
イ 第45類については、本件商標の分割移転前に係る指定商品と同じ「第45類 他類に属せざる食料品及加味品」との記載がされており、その左側には、上段に記号と総括名称、及び下段に符号と類似商品の名称が、以下の(ア)ないし(エ)のとおり例示されている。
(ア)「一 食料品」の下に、「イ 鳥肉、獣肉」、「ロ 魚介類」、及び「ハ 卵」との記載がされている。
(イ)「二 加味品」の下に、「イ 胡椒、芥子、蕃椒」、「ロ 鰹節、粉末鰹、グルタミン酸曹達ヲ主成分トスル調味料」、「ハ 昆布、荒布、和布」、「ニ 甘酒」、「ホ 佃煮」、「ヘ 海苔、青海苔(海苔佃煮を含む)」、「ト 漬物」、「チ 味噌、嘗物、納豆」、「リ 蒲鉾、竹輪、はんぺん」、「ヌ 乾魚、乾貝、塩魚、燻製魚、鯣、乾鮑、灰鮑」、「ル ハム、ベーコン、ソーセージ、コンビーフ」、「ヲ 鳥、獣、魚介類の味噌漬、粕漬、塩漬等」、「ワ 田麩類」、「カ 蔬菜、果物、蕈類の味付、水煮の缶詰」との記載、
そして、「(ホ)(ト)(カ)の項商品は互に類似す」との記載、及び「ヨ ホップス」との記載がされている。
(ウ)「三 越幾斯類」の下に、「イ 塩辛、このわた、うに」、「ロ ジャム」、及び「ハ 寒天」との記載がされている。
(エ)「四 寿司及弁当」との記載がされている。
(3)分割移転により除かれた指定商品
ア 前記第1のとおり、当該商標権の分割移転登録により、本件商標の指定商品は、第45類「他類ニ属セサル食料品及加味品、但シ『鳥獣魚介類、蔬菜果物きのこ類』ノ味付水煮ノ缶詰、瓶詰、及ビ是ニ類スル商品ヲ除ク」となったものである。
すなわち、分割移転された商品「『鳥獣魚介類、蔬菜果物きのこ類』ノ味付水煮ノ缶詰、瓶詰、及ビ是ニ類スル商品」は、上記(2)イ(イ)の「二 加味品」に属する商品中、「ヲ 鳥、獣、魚介類の味噌漬、粕漬、塩漬等」、「カ 蔬菜、果物、蕈類の味付、水煮の缶詰」と、「及ビ是ニ類スル商品」として、「(ホ)(ト)(カ)の項商品は互に類似す」との記載からして「ホ 佃煮」及び「ト 漬物」についても、分割移転された商品と推認できるものである。
(4)小括
してみれば、少なくとも、上記例示商品の「二 加味品」に属する商品中、「(ヲ)(ホ)(ト)(カ)の項商品」を除き、「一 食料品」に属する「イ 食肉、獣肉」、「ロ 魚介類」、及び「ハ 卵」、「二 加味品」に属する「イ 胡椒、芥子、蕃椒」、「ロ 鰹節、粉末鰹、グルタミン酸曹達ヲ主成分トスル調味料」、「ハ 昆布、荒布、和布」、「ニ 甘酒」、「ヘ 海苔、青海苔(海苔佃煮を含む)」、「チ 味噌、嘗物、納豆」、「リ 蒲鉾、竹輪、はんぺん」、「ヌ 乾魚、乾貝、塩魚、燻製魚、鯣、乾鮑、灰鮑」、「ル ハム、ベーコン、ソーセージ、コンビーフ」及び「ワ 田麩類」、「三 越幾斯類」に属する「イ 塩辛、このわた、うに」、「ロ ジャム」及び「ハ 寒天」、及び「四 寿司及弁当」については、本件商標の書換登録前の範囲内の指定商品ということができる。
4 書換登録前と書換えられた第29類に属する指定商品との対比について
(1)第29類に属する指定商品
前記第1のとおり、書換登録された第29類に属する指定商品は、「食肉,卵,食用魚介類(生きているものを除く。),塩干し魚介類,素干し魚介類,煮干し魚介類,その他の干し魚介類,くんせい魚介類,かつお節,寒天,削り節,食用魚粉,とろろ昆布,干しのり,干しひじき,干しわかめ,焼きのり,納豆,加工卵,カレー・シチュー又はスープのもと,ハヤシライスのもと,お茶漬けのり,ふりかけ,なめ物」である。
(2)そこで、上記商品と、前記3(4)で認定した旧第45類に属する書換登録前の商品とを対比すれば、以下のとおりである。
ア 第29類「食肉,卵,食用魚介類(生きているものを除く。)」については、旧第45類の「一 食料品」に属する「イ 食肉」、「ロ 魚介類」及び「ハ 卵」に対応し、これを書換登録したものといえる。
イ 第29類「塩干し魚介類,素干し魚介類,煮干し魚介類,その他の干し魚介類,くんせい魚介類」については、旧第45類の「二 加味品」に属する「ヌ 乾魚、乾貝、塩魚、燻製魚、鯣、乾鮑、灰鮑」に対応し、これを書換登録したものといえる。
ウ 第29類「かつお節,削り節」については、旧第45類の「二 加味品」に属する「ロ 鰹節、粉末鰹」に対応し、これを書換登録したものといえる。
エ 第29類「寒天」については、旧第45類の「三 越幾斯類」に属する「ハ 寒天」に対応し、これを書換登録したものといえる。
オ 第29類「とろろ昆布,干しのり,干しひじき,干しわかめ,焼きのり」については、旧第45類の「二 加味品」に属する「ハ 昆布、荒布、和布」及び「ヘ 海苔、青海苔」に対応し、これを書換登録したものといえる。
カ 第29類「納豆」及び「なめ物」については、旧第45類の「二 加味品」に属する「チ 嘗物、納豆」に対応し、これを書換登録したものといえる。
キ その他、「食用魚粉,加工卵,カレー・シチュー又はスープのもと,ハヤシライスのもと,お茶漬けのり,ふりかけ」については、書換登録前ないし「昭和7年3月調 類似商品例集」の第45類「他類ニ属セサル食料品及加味品」に属する商品として例示されていないものであるが、特許庁商標課編「商標権の指定商品の書換のための 書換ガイドライン」(財団法人日本特許情報機構発行)や、同課編「大正10年法書換マニュアル -全類指定対応編-(国際分類第8版対応)」などによれば、いずれの指定商品も、分割移転された商品を除く、第45類「他類ニ属セサル食料品及加味品」に係る書換可能な商品として申請され、登録されたものであって、それに係る商標権(登録第377187号の1)の指定範囲を実質的に超えるものでないというのが相当である。
5 請求人の主張について
(1)「塩干し魚介類等」について
請求人は、書き換えられた商品中の「塩干し魚介類,素干し魚介類,煮干し魚介類,その他の干し魚介類,くんせい魚介類」(「塩干し魚介類等」)について、「イ.鳥獣魚介類の味付けをした缶詰・瓶詰」及び「ロ.鳥獣魚介類の水煮の缶詰・瓶詰」と類似する商品である旨述べている。
しかして、前記したように、本件商標の登録出願及び分割移転登録は、「昭和7年3月調 類似商品例集」を基準として取扱われ登録されたものであり、「塩干し魚介類等」は、「二 加味品」に属する「ヌ 乾魚、乾貝、塩魚、燻製魚、鯣、乾鮑、灰鮑」に対応し、また、「イ.鳥獣魚介類の味付けをした缶詰・瓶詰」及び「ロ.鳥獣魚介類の水煮の缶詰・瓶詰」は、「ヲ 鳥、獣、魚介類の味噌漬、粕漬、塩漬等」に対応する商品といえるものであり、そして、符号ヌ行に所属するものとして例示されてある商品と符号ヲ行に所属するものとして例示されてある商品とは、互に非類似の商品群として取扱いされていたものである。
そして、類似商品・役務審査基準〔国際分類第10版対応〕(甲第3号証)において、加工水産物の例示商品として「塩干し魚介類,素干し魚介類,煮干し魚介類,くんせい魚介類」が採り上げられ「水産物の缶詰,水産物の瓶詰」とともに併記されているとしても、これらは、上記した本件商標の登録出願及び分割移転時における類似基準ないし取扱いでなく、これに従わなければならない格別の理由も見当たらない。したがって、請求人の上記主張は採用できない。
(2)「食用魚粉」について
「食用魚粉」(フィッシュ・ミール)については、「魚粉」が魚を乾燥して粉末にしたものであり(広辞苑第五版)、上記のとおり、第45類「他類ニ属セサル食料品及加味品」に係る書換可能な商品、すなわち、「二 加味品」に属する「ヌ 乾魚」ないしは「ロ 粉末鰹」の例示商品との関連からして、「加工水産物」に属する商品というのが相当である。
(3)したがって、「塩干し魚介類等」及び「食用魚粉」が請求人の述べる理由によって、本件商標権の指定範囲を実質的に超えるものであるということはできない。
6 まとめ
以上のとおり、本件商標(登録第377187号の1)の書換登録前の指定商品、第45類「他類ニ属セサル食料品及加味品、但シ『鳥獣魚介類、蔬菜果物きのこ類』ノ味付水煮ノ缶詰、瓶詰、及ビ是ニ類スル商品ヲ除ク」について、平成21年4月16日に書換登録申請(書換2009-507985)され、平成22年6月2日に書換登録された指定商品中、第29類「食肉,卵,食用魚介類(生きているものを除く。),塩干し魚介類,素干し魚介類,煮干し魚介類,その他の干し魚介類,くんせい魚介類,かつお節,寒天,削り節,食用魚粉,とろろ昆布,干しのり,干しひじき,干しわかめ,焼きのり,納豆,加工卵,カレー・シチュー又はスープのもと,ハヤシライスのもと,お茶漬けのり,ふりかけ,なめ物」の書換登録後の指定商品は、本件商標の指定商品の範囲を実質的に超えてされたものと認められない。
したがって、本件商標の指定商品中、第29類に属する商品として書き換えられた、上記指定商品は、商標法附則第14条第1項第1号により、無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2012-11-06 
結審通知日 2012-11-09 
審決日 2012-11-22 
書換登録申請番号 書換2009-507985(T2009-507985) 
審決分類 T 1 18・ 264- Y (X29)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 清棲 保美渡邉 あおい 
特許庁審判長 関根 文昭
特許庁審判官 内山 進
田中 亨子
登録日 2010-06-02 
登録番号 商標登録第377187号の1(T377187-1) 
代理人 吉村 仁 
代理人 新垣 盛克 
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