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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W03
審判 一部申立て  登録を維持 W03
審判 一部申立て  登録を維持 W03
審判 一部申立て  登録を維持 W03
管理番号 1281594 
異議申立番号 異議2013-900234 
総通号数 168 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2013-12-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2013-07-22 
確定日 2013-11-21 
異議申立件数
事件の表示 登録第5573087号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第5573087号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5573087号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲のとおりの構成からなり,平成24年2月3日に登録出願され,同25年2月26日に登録査定,第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,つけづめ,つけまつ毛,香料,薫料」並びに,第4類,第10類,第16類,第18類,第21類,第24類,第25類及び第26類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,同年4月12日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は,以下のとおりであり,いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第5487056号商標(以下「引用商標1」という。)は,「ファーファ」の片仮名と「FAFA」の欧文字とを上下二段に書してなり,平成23年10月25日に登録出願,第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,口臭予防消臭スプレー,せっけん類,歯磨き,ボディーリンス,浴用化粧品,その他の化粧品,消臭芳香剤,その他の香料類」を指定商品として, 同24年4月13日に設定登録されたものである。
(2)登録第5458503号商標(以下「引用商標2」という。)は,「ファーファ」の片仮名と「FAFA」の欧文字とを上下二段に書してなり,平成19年9月18日に登録出願,第3類「せっけん類」を指定商品として,同21年8月21日に設定登録されたものである。
(3)登録第1977957号商標(以下「引用商標3」という。)は,「ファーファ」の片仮名と「FAFA」の欧文字とを上下二段に書してなり,昭和60年3月28日に登録出願,第1類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,昭和62年8月19日に設定登録されたものである。その後,2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ,指定商品については,平成20年3月26日に,第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり」並びに,第1類,第2類,第4類,第5類,第8類ないし第10類,第16類,第19類,第21類及び第30類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品に,指定商品の書換登録がされたものである。
以下,これらをまとめていうときは「引用商標」という。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は,本件商標の登録は商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してなされたものであるから,同法第43条の2第1号により,その指定商品中,第3類「せっけん類,歯磨き」についての登録は取り消されるべきであるとして,登録異議の申立ての理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として,甲第1号証ないし甲第131号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標について
本件商標は,楕円形内に装飾されたカリグラフィ様の「Tell a Tale」,その下に大きく「fafa」(「a」の文字部分にはいずれもウムラウト記号が付されている。以下「fafa」と記載する。)の文字を,右側に子グマの図柄を配置した構成である。特に「fafa」の文字は,上段の「Tell a Tale」の文字の高さに比して3倍強と大きく目を惹く態様で表示されている。
本件商標からは,「Tell a Tale」の文字に相応して「テルアテール」の称呼と「物語,おはなしをする」といった観念が,また子グマの図柄からも,子グマの称呼・観念が生じる。
一方,本件商標中,最も顕著な要部である「fafa」の文字からは,特定の観念を生じないものの,英語風の読みで(装飾記号が付された「a」の文字を単なる「a」として)「ファファ」の自然的称呼が生ずる。
たしかに,「a」にドイツ語等にみられるウムラウトのような記号が付されており,これにしたがえば「フェフェ」,「フェーフェー」のように発音,称呼できる。
しかし,ウムラウト記号が付された文字(またその発音規則)は,我が国で一般に使用され認識されているとはいえず,通常は,これに接した需要者は,義務教育として学習し広く親しまれた外国語である英語又はローマ字読みとして称呼するのが自然である。特に,本件商標においては,上段の「Tell a Tale」が一語のフレーズであるため,需要者や取引者は,「fafa」の文字を英語風に(ウムラウト記号が付された「a」を単なる「a」として)「ファファ」と称呼すると思われる。本件商標の称呼(参考情報)として「ファファ」の称呼が掲載されている(甲1)ことからも,本件商標から生じる自然的称呼が「ファファ」であることを裏付けているというべきである。
イ 引用商標について
引用商標は,申立人の提供する商品,特に衣料用洗剤・柔軟剤,せっけん等のブランドとして需要者らに広く知られるに至った著名商標であり,その商品に関して使用するぬいぐるみの子グマのキャラクターの名称としても親しまれている。引用商標からは「ファーファ」及び/又は「ファファ」の称呼を生じる。
ウ 本件商標と引用商標の類似性について
本件商標は,その主たる構成要素(要部)であり,最も顕著に表された「fafa」の文字部分のみをもって商品識別標識として使用され機能する場合があるところ,一般にはこれら標章は同一の構成文字(FAFA又はfafa)として取り扱われているという実情に照らせば,引用商標と同一の称呼を生じ,外観においても同一であり,観念においても区別できないことから,本件商標は,引用商標と極めて類似する商標といわざるを得ない。
そして,本件商標の指定商品中,第3類「せっけん類,歯磨き」は,引用商標1及び2の指定商品「せっけん類,歯磨き」と同一であり,また,引用商標1及び3の指定商品「洗濯用柔軟剤」とは,製造・販売ルート,取引者・需要者,使用目的などを共通とする類似商品である。
以上述べたとおり,本件商標は,引用商標と同一の称呼を生じる類似商標であり,この引用商標の指定商品と同一又は類似の商品「せっけん類,歯磨き」についての登録は,商標法第4条第1項第11号に反して登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第15号該当性について
ア 「FaFa」商標の著名性について
申立人が製造販売する衣料用洗剤や洗濯用柔軟剤等の商品の「FaFa」商標及び「ファーファ」商標(以下,両商標を総称して「FaFa商標」という。)は,申立人の使用によって,既に衣料用洗剤や洗濯用柔軟剤等の商品に関して著名な商標に至っていることは明らかである。なお,「FaFa」及び「ファーファ」は,「フワフワな心地よさ」という意味を込めて創造された造語標章(創造標章)であり,また,「FaFa」ブランドのシンボルキャラクターである子グマ(フワフワ,いい香りのシンボルであり,テディベアをモチーフに創造された子グマのキャラクター)の名称である(甲7)。
申立人は,平成23(2011)年9月1日に社名を「ニッサン石鹸株式会社」から「NSファーファ・ジャパン株式会社」に変更しているため,「FaFa商標」は,申立人のハウスマークにもなっている。
(ア)「FaFa商標」を使用した商品について
申立人は,平成18(2006)年,ユニリーバ社から「FaFa」ブランドの譲渡を受け,その全ての商品に「FaFa商標」が使用された「FaFa」ブランドの商品の製造販売を開始した。それ以降,平成25(2013)年で7年目を迎えるが,「FaFa」ブランドの持つ「優しさ」や「かわいらしさ」などの情緒的な特長を訴求しつつ,商品ラインの拡充を積極的に行ってきた。その結果,これまでに,衣料用洗剤,柔軟剤,台所用洗剤,芳香消臭剤,入浴剤を取り揃え,好調に「FaFa」ブランドの商品の売上げを伸ばしている。
(イ)「FaFa商標」を使用した商品の販売開始時期,使用期間
「FaFa商標」を使用した「FaFa」ブランドの洗濯用柔軟剤等の商品は,昭和58(1983)年から日本でも販売されるようになった。それ以降,ユニリーバ社の日本における子会社である日本リーバ株式会社によって日本全国にて幅広く販売されており,その宣伝広告も新聞,雑誌,TV広告等,頻繁,かつ,多岐にわたり,同社の柔軟剤の世界的ブランドとして日本市場に浸透した(甲8ないし甲14)。なお,「FaFa」ブランドのシンボルキャラクターである子グマのキャラクター標章については,申立人が,ユニリーバNV社からライセンスを受けており,日本におけるライセンシーである。
(ウ)「FaFa商標」を使用した商品の売上高
申立人は,「FaFa」ブランドの洗剤や柔軟剤メーカーとして業界4位に位置している(甲26)。売上高は,平成25年2月期で,全体で118億円であり,「FaFa」ブランドは,その中枢を担っている。楽天市場の柔軟剤の売上ランキングの2位,4位,及び,12位に「FaFa」ブランドの柔軟剤がランキングしている(甲15)。
(エ)「FaFa」ブランドの商品の販売網(販売地域)
「FaFa」ブランドの衣料用洗剤や洗濯用柔軟剤等の商品は,日本各地のスーパーマーケット,ドラッグストア,「イトーヨーカドー」や「イオン」等の大型スーパーマーケット(GMS),日常用品を広く扱う大型量販店(大手家電チェーン店を含む。)や,その他一般の小売店で販売されており,また,ネットや通販でも商品を購入することができる(甲16)。
(オ)「FaFa」ブランドの商品の広告宣伝活動
(a)雑誌や新聞等での商品広告の掲載
申立人は,「FaFa」ブランドの衣料用洗剤や洗濯用柔軟剤等の商品の知名度と信頼をより向上させるため,新聞や,女性雑誌に継続的かつ活発に広告宣伝活動を行っている。そのため,「FaFa」ブランドの衣料用洗剤や洗濯用柔軟剤は,主婦層を中心とする女性層に,可愛らしい子グマのキャラクターとともに柔軟剤の定番ブランド「FaFa」として広く周知・浸透している。
「FaFa」ブランドの商品の広告宣伝活動のために,平成24年1月から平成25年6月までの約1年半の間に,少なくとも100回以上にわたって雑誌等に宣伝広告を掲載している(甲17ないし甲125)。
(b)その他の宣伝広告活動
申立人は,販促キャンペーンや他社とのコラボレーション企画を行っている(甲126ないし甲128)。
(カ)「FaFa」ブランドの商品に関する消費者の認知・人気度
「FaFa商標」を使用した商品の人気度については,たとえば,「人気柔軟剤トップ15」(2012年秋)で,「ファーファトリップ ドバイ」が14位を取り,部門別では「リネン類柔軟剤」ジャンルで「ファーファトリップ ロシア」が3位を獲得,「タオル類柔軟剤」ジャンルで「ファーファトリップ フィンランド」が4位,「パパ&息子アイテム」ジャンルでファーファファインフレグランス オム」が3位,「ママ&娘アイテム」ジャンルでファーファファインフレグランス ファム」が1位をそれぞれ獲得している(甲28)。
また,平成25(2013)年には,「柔軟剤ベストランキングTOP20」(2013年)(香り重視にて選出)で,「ファーファファインフレグランス ポーテ」が首位を獲得,また「ファーファトリップ ドバイ」が6位を獲得している(甲55)。
さらに,「楽天ランキング」でも,売上ランキングの2位,4位及び12位に,それぞれ「FaFa」ブランドの商品がランキングされているほか,注目ランキングでもトップ20位のなかで「FaFa」ブランドが6商品(5位,8位,10位,12位,14位及び19位)ランキングされているなど,「FaFa」ブランドの柔軟剤が消費者に人気の高いブランドであることが裏付けられている(甲15)。
(キ)以上のとおり,「FaFa商標」は,昭和58(1983)年から約30年間にわたり使用されている「FaFa」ブランドの象徴的な商標であり,ユニリーバ社及び申立人が,その間,継続的に,新聞,雑誌,CM,インターネット等のメディアを利用した「FaFa」ブランドの宣伝広告活動をおこなった結果,雑誌の柔軟剤のランキングで1位をとるなど,消費者に高い人気を誇る著名な商品・ブランドとして確立され,「FaFa商標」は,需要者に広く知られた著名な商標となるに至っている。
イ 本件商標と「FaFa」ブランドとの類似性について
本件商標が,申立人の周知著名な商標である「FaFa」ブランドと類似する商標であることは,前記(1)で述べたとおりである。
さらに,「FaFa」ブランドのシンボルキャラクターである子グマのキャラクター標章についても,消費者に深く浸透した周知著名な「FaFa」ブランド標章であるところ,本件商標でも,「FaFa」の文字の右側にテディベアを想起させる子グマの図柄が配されている。
したがって,この点でも本件商標からは,申立人の「FaFa」ブランドを容易に想起させる相紛らわしい類似商標といわざるを得ない。
ウ 本件商標を使用した場合の申立人の業務に係わる商品と混同を生じるおそれについて
申立人は,主として石鹸・洗剤等の製造・販売を行うメーカーであるが,石鹸や洗剤のような日用品のメーカーは,歯と口のケア(歯磨きを含む),体のケア(ヘアケア,フェイス・ボディケア(石鹸やハンドソープ),衣類のケア(衣料用洗剤,柔軟剤),住まいや台所のケア(台所,浴室や住宅用洗剤)など幅広く日用品を取り扱うことは周知の事実である(甲129ないし甲131)。
本件商標の指定商品のうち「第3類 せっけん類,歯磨き」は,上記の「歯と口」,「体」のケアに属する商品であるが,これらと,衣類のケアや住まいや台所のケアに属する商品は,製造・販売ルート,取引者・需要者が一致・共通しているため,互いに類似商品とされる関係にある。
実際,申立人も「FaFa」ブランドで「化粧せっけん・ハンドソープ」や「マウスウォッシュ」の商品を製造販売しており(甲7の2),本件商標をその指定商品である,第3類「せっけん類,歯磨き」に使用した場合には,申立人の業務に係わる商品と混同を生じるおそれがあることは明白である。
よって,本件商標の商標権者が,本件商標をその指定商品中,第3類「せっけん類,歯磨き」に使用した場合には,消費者が当該商品について申立人の業務に係わる商品と混同を生じるおそれ,すなわち,本件商標の商標権者が提供する商品を,申立人の商品であると誤認する可能性があることは明らかである。
エ まとめ
以上のとおり,本件商標は,申立人が提供する衣料用洗剤・柔軟剤,せっけん等を指称するものとして需要者らに広く知られた著名商標「FaFa商標」及びクマのキャラクターの図柄と類似し,故に,これらの商品と同一又は類似する指定商品「せっけん類,歯磨き」に使用した場合,申立人の業務にかかる商品との誤認又は出所の混同を生ずるおそれがある。
したがって,本件商標につき,第3類「せっけん類,歯磨き」の指定商品についての商標登録は,商標法第4条第1項第15号の規定に反して登録されたものである。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標について
本件商標は,楕円形内に,カリグラフィ書体様にデザインして表した「Tell a Tale」の欧文字と,その下に当該欧文字に比べ,大きく顕著に表された「fafa」の欧文字とを二段に書し,その右に当該二段の欧文字と同じ高さの黒塗りのクマと思しき動物の図形を,まとまりよく配置した構成により表されてなるものである。
そして,本件商標の構成中,「Tell a Tale」は,「テルアテール」と発音され,「fafa」の文字は,「a」(ウムラウトがある。)が「e」に近い音で発音されるから(広辞苑第五版参照),「フェフェ」と発音されるものであることからすると,上記のとおり,まとまりよく表された構成文字全体から,「テルアテールフェフェ」の称呼を生ずるほか,顕著に表された「fafa」の文字部分から「フェフェ」の称呼を生ずるものと認められる。
また,本件商標の構成中,「Tell a Tale」の文字部分は,「物語の語る」程の意味合いを認識させるものであるが,「fafa」の文字部分は,特定の意味合いを有しない一種の造語と認められるから,構成文字全体としては,格別の観念を生ずるとまではいえず,本件商標の文字部分からは,特定の観念は生じない。なお,クマと思しき図形部分についてみても,直ちに特定の称呼及び観念が生ずるものではない。
イ 引用商標について
引用商標は,「ファーファ」の片仮名と,「FAFA」の欧文字とを上下二段に書してなるところ,上段の「ファーファ」の片仮名は,下段の「FAFA」の欧文字の読みを表したものと無理なく理解させるものであり,これらからは「ファーファ」の称呼を生じ,両文字は,特定の意味合いを有しない一種の造語といえるものであるから,特定の観念が生じないものである。
ウ 本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標との類否について検討するに,外観においては,それぞれの構成態様に照らし,明らかな差異を有するものであるから,両商標は,外観上,明確に区別できるものである。
次に,称呼においては,本件商標から生ずる「テルアテールフェフェ」の称呼と,引用商標から生ずる「ファーファ」の称呼とは,その構成音及び構成音数の相違により,明確に聴別できるものであり,また,本件商標から生ずる「フェフェ」の称呼と,引用商標から生ずる「ファーファ」の称呼をみても,構成音及び長音の有無により,十分に聴別できるものである。
また,観念においては,本件商標及び引用商標からは,いずれも特定の観念が生じないものであるから,比較することができず,両商標は,観念上,類似するところはないものである。
そうとすれば,本件商標と引用商標とは,外観,称呼及び観念のいずれの点からみても十分に区別することができる非類似の商標である。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)引用商標の周知性について
申立人の主張及び同人の提出に係る証拠によれば,申立人は,昭和12年6月の創業,同49年11月に設立した「衣料用洗剤・柔軟剤・パーソナルケア製品等」の製造,販売を事業内容とする会社であって,その主張によれば,平成18(2006)年に,ユニリーバ社から「FaFa」ブランドの譲渡を受け,その商品の製造販売を開始したものであり,その後,平成23(2011)年9月1日に「ニッサン石鹸株式会社」から現在の名称に社名を変更したものである。
そして,「FaFa商標」を使用した「FaFa」ブランドの洗濯用柔軟剤等の商品は,1983年に日本で販売が開始され(甲7の1),1998年から2000年に,ユニリーバ社の子会社である日本リーバ株式会社により,新聞広告(甲8ないし甲13)及びテレビ広告(甲14)がされたことが認められる。
また,申立人は,キャラクターである「FaFa/ファーファ」を用いて,他社のキャラクターとともに,平成23(2011)年6月20日から節電をテーマとしたコラボレーションを行ったこと(甲126),及び,平成23年11月14日からエコ生活をテーマとしたコラボレーションを行ったこと(甲127)が認められる。
なお,提出されたその余の証拠は,本件商標の登録出願日後の事実を証するものであって,本件商標の登録出願時における周知,著名性の証拠ということができない。
そして,「FaFa商標」を使用したそれぞれの商品の譲渡の数量・売上高を確認できる証拠はなく,上記のとおり,ユニリーバ社から「FaFa」ブランドの譲渡を受け,その後から本件商標の登録出願前までに行った,商品の広告宣伝等を把握できる証拠は極めて少ない。
そうとすれば,申立人が提出した証拠からは,「FaFa商標」が,本件商標の登録出願時に,我が国において,申立人の業務に係る商品を表すものとして広く認識されているものと認めることができない。
(3)商標法第4条第1項第15号該当性について
「FaFa商標」は,前記(2)のとおり,本件商標の登録出願時に,我が国において申立人の業務に係る商品を表すものとして広く認識されているものと認めることができず,また,本件商標と,「FaFa商標」と同一の構成文字からなる引用商標とは,前記(1)のとおり,非類似の別異の商標と認められるものである。
そうとすれば,商標権者が本件商標をその指定商品中「せっけん類,歯磨き」に使用しても,これに接する取引者・需要者は,申立人の引用商標を連想又は想起しないものであって,その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように,その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(4)申立人の主張について
申立人は,「FaFa」ブランドのシンボルキャラクターである子グマのキャラクター標章についても,消費者に深く浸透した周知著名な「FaFa」ブランド標章であるところ,本件商標でも,「FaFa」の文字の右側にテディベアを想起させる子グマの図柄が配されている。したがって,この点でも本件商標からは,申立人の「FaFa」ブランドを容易に想起させる相紛らわしい類似商標といわざるを得ない,旨主張する。
しかしながら,本件商標の構成中に表されている図形は,顔の一部分を白抜きし,全体を黒塗りで表したクマと思しき形状の図柄であり,かかる態様で表された図柄からは,直ちに特定の称呼及び観念が生ずるものということができず,該図柄と,申立人が使用する,例えば,衣料用洗剤に表示されたクマのキャラクター図形(甲7の1,7葉目)とは,明らかな差異を有するものであるから,両者は,外観上,明確に区別できるものである。
(5)まとめ
以上のとおり,本件商標は,その指定商品中,第3類「せっけん類,歯磨き」について,商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものではないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,その登録は,維持すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲 別掲 <本件商標>




異議決定日 2013-11-11 
出願番号 商願2012-7321(T2012-7321) 
審決分類 T 1 652・ 271- Y (W03)
T 1 652・ 261- Y (W03)
T 1 652・ 262- Y (W03)
T 1 652・ 263- Y (W03)
最終処分 維持  
前審関与審査官 小松 孝 
特許庁審判長 内山 進
特許庁審判官 井出 英一郎
田中 亨子
登録日 2013-04-12 
登録番号 商標登録第5573087号(T5573087) 
権利者 株式会社テル・ア・テール
商標の称呼 テルアテールフェフェ、テルアテール、フェフェ、ファファ 
代理人 渡辺 広己 

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