• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない W012930
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W012930
管理番号 1281541 
審判番号 不服2013-4806 
総通号数 168 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2013-12-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-03-13 
確定日 2013-11-05 
事件の表示 商願2012-38274拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第1類「人工甘味料」、第29類「レトルトパウチされた乳製品,乳製品,レトルトパウチされた肉製品,肉製品,レトルトパウチされた加工水産物,加工水産物,レトルトパウチされた加工野菜及び加工果実,加工野菜及び加工果実,レトルトパウチされた加工卵,加工卵,レトルトパウチされたカレー・シチュー又はスープのもと,カレー・シチュー又はスープのもと,レトルトパウチされたカレー・シチュー・スープ,カレー,シチュー,スープ,レトルトパウチされたリゾットのもと,リゾットのもと,レトルトパウチされたチャーハンのもと,チャーハンのもと,レトルトパウチされたチキンライスのもと,チキンライスのもと,レトルトパウチされたお茶漬けのり,お茶漬けのり,レトルトパウチされたふりかけ,ふりかけ」及び第30類「あめ,その他の菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,パスタ用ソース(調味料),パスタ用ドレッシング,すき焼きのたれ,ぽん酢,その他の調味料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,穀物の加工品,レトルトパウチされた粥,粥,レトルトパウチされた米飯,米飯,レトルトパウチされたリゾット,リゾット,レトルトパウチされたチャーハン,チャーハン,レトルトパウチされたチキンライス,チキンライス,レトルトパウチされたカレーライス,カレーライス,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリ,おにぎり,冷凍おにぎり,焼きおにぎり,調理済みパスタ,即席菓子のもと,レトルトパウチされたパスタソース,パスタソース」を指定商品として、平成24年5月15日に登録出願されたものである。

2 当審における拒絶の理由
当審において、請求人に対し、平成25年6月18日付け拒絶理由通知書をもって、要旨次の理由を通知した。
本願商標は、「自然派甘味料」の文字を横書きしてなるところ、別掲2の各種情報によれば、「自然派甘味料」の文字は、はちみつ、メープルシロップ、アガベシロップ、米飴、きび砂糖、黒糖、麦芽水飴等の「自然由来の甘味料」を意味する語として広く一般に用いられていると認められるものである。
また、「甘味料」は、「食品に、甘味をつけるために用いる調味料。」(「広辞苑 第六版」、株式会社岩波書店発行)であって、各種食品の味付けに用いられるものである。
してみれば、該商標をその指定商品中、第29類及び第30類に属する各種商品について使用しても、これに接する取引者、需要者は、味付けのために自然由来の甘味料を用いていること、すなわち、商品の品質表示と理解するにとどまり、該商標は、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものと認める。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、これを「自然由来の甘味料」以外の商品、すなわち、第1類「人工甘味料」に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。

3 当審における拒絶の理由に対する意見
請求人は、前記2の「拒絶理由通知」に対して、平成25年7月31日付け意見書を提出し、要旨以下の主張をしている。
(1)「自然由来の甘味料」を意味する一般的な用語は、「天然甘味料」である。
(2)「自然派甘味料」の語は、請求人に係る造語であって、請求人は、本願商標を1998年から現在に至るまで使用しており、該語が本願の指定商品の取引者、需要者の間に浸透しているのは、本願商標が用いられている商品「ラカントS」についての広告宣伝に請求人が力を入れてきたことによるものである。
(3)甘味料について該語を使用しているのは、請求人のみと言っても過言ではない状況であるから、本願商標が登録されたとしても、各社が商品のパッケージや説明文の表示を変更する必要はなく、市場が混乱するおそれは一切ない。
(4)以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものではない。

4 当審の判断
本願商標は、別掲1のとおり、「自然派甘味料」の文字を手書き風に横書きしてなるものの、該文字は、いまだ普通に用いられる方法の範囲内で表してなるものと認められるものである。
そして、本願商標は、前記2のとおり、「自然由来の甘味料」を意味する語として広く一般に用いられていると認められるものであって、「甘味料」が各種食品の味付けに用いられるものであることからすれば、本願商標をその指定商品中、第29類及び第30類に属する各種商品について使用しても、これに接する取引者、需要者は、自然由来の甘味料を用いていること、すなわち、商品の品質表示と理解するというのが相当である。
また、本願の指定商品中の「人工甘味料」は、「化学的に合成した甘味料。」(「広辞苑 第六版」、株式会社岩波書店発行)であり、「自然由来の甘味料」とは原材料、製造方法などが相違するものの、甘味をつけるために用いる点で共通し、類似する商品である。
したがって、本願商標は、これをその指定商品中、第29類及び第30類に属する各種商品に使用するときは、商標法第3条第1項第3号に該当し、これをその指定商品中、第1類「人工甘味料」に使用するときは、「自然由来の甘味料」であるかのように、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。
なお、請求人は、「自然由来の甘味料」を意味する一般的な用語は、「天然甘味料」であり、「自然派甘味料」の語は、請求人に係る造語であって、請求人は、本願商標を1998年から現在に至るまで使用しており、該語が本願の指定商品の取引者、需要者の間に浸透しているのは、本願商標が用いられている商品「ラカントS」についての広告宣伝に請求人が力を入れてきたことによるものであり、甘味料について該語を使用しているのは、請求人のみと言っても過言ではない状況であるから、本願商標が登録されたとしても、市場が混乱するおそれは一切ない旨主張し、第5号証ないし第35号証を提出している。
しかしながら、「自然由来の甘味料」を意味する最も一般的な用語が「天然甘味料」であるとしても(第10号証及び第11号証)、今日においては、「自然派甘味料」の語が「天然甘味料」の語と同様の意味合いの語として理解され、使用されていることは、前記2の「拒絶理由通知」において示した各種情報(別掲2参照)からも明らかであり、本願商標をその指定商品中、第29類及び第30類の各種商品について使用した際に、商品の品質表示と理解されるものであることは上記認定、判断したとおりである。
また、請求人は、遅くとも2002年11月頃より、商品「ラカントS」についての広告宣伝を継続的に行っていることはうかがわれるものの(第5号証ないし第9号証及び第15号証ないし第35号証)、これらは「ラカントS」等の自他商品識別力を有する語と共に用いられたものであり、「自然派甘味料」の語が自他商品識別力を有することを明らかにするものではないことに加え、請求人が本願商標を使用開始したと主張する1998年以前の1989年時点において、該語が、請求人以外の者により「自然由来の甘味料」の意味合いで用いられており(別掲2の(1)参照)、今日においては、請求人以外の者が提供する「自然派甘味料」の語が用いられた甘味料(別掲3参照)も存在していることからすれば、該語は、請求人に係る造語とはいえず、本願商標が登録された際に、市場が混乱するおそれが一切ないとも認め難いものである。
したがって、請求人の上記主張は、採用することができない。
以上によれば、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
1 本願商標


2 平成25年6月18日付け拒絶理由通知書において示した各種情報
(1)1989年5月1日付け「読売新聞」東京夕刊(3頁)に、「コーヒー用ハチミツを発売/サクラ印ハチミツ」の見出しの下、「サクラ印ハチミツ(東京都台東区千束一の一の五)は、コーヒー、紅茶などに入れる自然派甘味料『ザ・ハニー』をこのほど発売した。超精密ろ過方式を採用、ハチミツのまろやかさと栄養分を抽出したもので、コーヒー、紅茶の色を濁さないのが特徴。ビタミン類、カルシウムなどを含む健康食品。」との記載がある。
(2)「AllAbout」のウェブサイトにおいて、2007年3月19日に更新された「FOODEX JAPAN 2007 自然派甘味料と紅茶」の見出しの記事中、「ナチュラルでヘルシー人気のメープルシロップ」の項の下、「パンケーキだけでなく料理にも使われすっかり食卓に定着した感のあるメープルシロップ。北アメリカの一部地域で生育している砂糖カエデの樹液から作られます。本来、樹液は無色透明であり煮詰めていくことで、黄色から茶色の透き通った液体となります。カルシウム、鉄分などのミネラル分が豊富で糖質が砂糖と比べると低いためにヘルシーで天然甘味料として人気があります。」及び「注目のブルーアガベ」の項の下、「アメリカやヨーロッパでは人気急上昇、日本でこれから注目を浴びることが予想される天然甘味料のブルーアガベ。テキーラというアルコールの原料でもある竜舌蘭(リュウゼツラン)科、アガベ属『ブルーアガベ』という多年生植物です。」との記載がある(http://allabout.co.jp/gm/gc/218274/)。
(3)「treep STORE」のウェブサイトにおいて、「白砂糖や人工甘味料を使わずに、自然派甘味料を使用しています。」の見出しの下、「もうひとつ、一般的なお菓子と違うのは、使用する甘味料です。アロハフーズラボでは、身体への吸収が穏やかで、ミネラルやビタミンが豊富に含まれている日本の米飴やカナダ産のピュアなメープルシロップ、メキシコ産のアガベシロップなど自然由来の甘味料を使用しております。・・・また、私たちの製造するスイーツには、私たちも含め『食べる人』の健康を考えて、白砂糖や人工甘味料を使用しておりません。」との記載及び自然派甘味料の例として挙げられたアガベシロップ、米飴、メープルシロップの瓶の写真がある(http://www.treep.jp/store/cat_normal/cake_sweets.html)。
(4)「美人が『キレイ』で世界を救う!美レンジャー」のウェブサイトにおいて、2012年5月19日19時に更新された「『健康にいい』と話題のチョコレートをもっと楽しむ方法3つ」の見出しの記事中に、「■1:純ココア+ミルク+手持ちの自然派甘味料(はちみつ・きび砂糖・黒糖など)で、チョコレートドリンクを楽しむ 糖化の心配の少ない甘味料で、リッチな純ココアを甘く楽しみましょう!」との記載がある(http://www.biranger.jp/archives/41189)。
(5)「全国の地方新聞社厳選お取り寄せサイト 47CLUB(よんななクラブ)」のウェブサイトにおいて、「懐かしい味!『麦芽水飴』」の見出しの下、「多くの栄養を含んだ大麦もやしと北海道のじゃがいもから作られた水飴で、そのまま舐めてもおいしく、せんべい等につけていただくと、一層美味しくいただけます。各種料理の甘味料としてご使用いただけます。自然派甘味料!」との記載及び「麦芽水飴」の商品の写真がある(http://www.47club.jp/01M-000073iql/goods/detail/10021490/)。
(6)「楽天市場」内の「北海道からのめぐみ」のウェブサイトにおいて、「メキシコの大地が育む、ブルーアガベからできた自然派甘味料。有機アガベシロップ NATUREL(ナチュレル)165g」の見出しの下、「世界遺産であるメキシコのテキーラ村の契約農園にて約8年の年月をかけて栽培されるブルーアガベを100%使用した天然の甘味料です。」との記載及び「有機アガベシロップ」の商品の写真がある(http://item.rakuten.co.jp/kusumoto/521300/)。

3 「自然派甘味料」語が用いられた商品(甘味料)の情報
「楽天市場」内の「サンドラッグe-shop」のウェブサイトにおいて、「商品説明」の項目中に、「●カロリーが気になる方に、自然派甘味料。●使う量、甘さは砂糖と同じなのに、カロリーはゼロです。●ブドウ糖を発酵して作る『エリスリトール』と、ウリ課の『ラカンカ』、キク科の『ステビア』から作った、カロリーゼロの植物由来の甘味料です。」(下線は、原文のとおり)との記載、「使用上の注意」の項目中に、「●自然由来の原料を使用しているため、色調が異なったり、羅漢果による黒い粒がございますが、品質には問題ありません。」との記載及び「自然派甘味料」の語がパッケージにも用いられている商品の写真がある(http://item.rakuten.co.jp/sundrug/4571229541057/)。

審理終結日 2013-09-05 
結審通知日 2013-09-06 
審決日 2013-09-19 
出願番号 商願2012-38274(T2012-38274) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (W012930)
T 1 8・ 272- Z (W012930)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 津金 純子 
特許庁審判長 寺光 幸子
特許庁審判官 原田 信彦
山田 和彦
商標の称呼 シゼンハカンミリョー、シゼンハ 
代理人 特許業務法人森本国際特許事務所 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ