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審判番号(事件番号) データベース 権利
異議2013900052 審決 商標
異議2013685010 審決 商標
異議2013900089 審決 商標
異議2012900296 審決 商標
異議2012900211 審決 商標

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審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) X03
管理番号 1280155 
異議申立番号 異議2012-900207 
総通号数 167 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2013-11-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2012-07-24 
確定日 2013-09-07 
異議申立件数
事件の表示 登録第5487771号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5487771号商標の商標登録を取り消す。
理由 1 本件商標
本件登録第5487771号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおり、「パイレーツソープ カリビアン」の片仮名と「Pirates Soap Caribbean」の欧文字を上下二段に書してなり、平成23年10月7日に登録出願、同24年3月6日に登録査定がなされ、第3類「せっけん類」を指定商品として、同年4月20日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由(要旨)
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、登録異議の申立ての理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第70号証を提出している。
本件商標は、申立人の使用に係る周知・著名商標と外観及び称呼上類似し、また、本件商標に係る指定商品は、当該周知・著名商標の使用に係る商品・役務と高い共通性を有し、類似する。
よって、本件商標がその指定商品について使用された場合には、申立人の提供に係る商品及び役務との間に、出所の混同を生じるおそれがあるから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号及び同項第11号に該当する。
また、本件商標は、申立人の使用に係る周知・著名商標と類似の商標であって、不正の目的をもって使用をするものであるから、商標法第4条第1項第19号に該当する。
さらに、本件商標の登録を許すことは、公正な取引秩序を乱すものであって、商標法第4条第1項第7号に該当する。

3 本件商標についての取消理由
商標権者に対して、平成25年5月22日付け取消理由通知書で通知した本件商標の取消理由は、要旨次のとおりである。
(1)本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当するか否かについて検討する。
申立人の提出に係る証拠によれば、以下の事実が認められる。
ア 申立人の使用に係る商標の周知・著名性について
(ア)ウォルト・ディズニーによって、米国カリフォルニア州に開園されたディズニーランドには、数多くのユニークなアトラクションが設けられており、その一つとして1967年3月にオープンした「pirates of the caribbean」と称するアトラクションは、カリブ海を荒らし回った海賊をコンセプトにし、オーディオ・アニマトロニクス(ディズニーが独自に開発した技術で、人形や動物ロボットの声や動作をコンピュータで制御するシステム)を使用するものであって、オープン当初から爆発的な人気となり、今でも来訪者が一番好きなアトラクションとして挙げるほどに人気が高いものとなっている(甲第11、第12、第14及び第25号証)。
(イ)1983年に東京ディズニーランドが開業したところ、同園では、開業年に1,036万人の来場者を迎えて以来、今日に至るまで毎年1千万人以上の来場者があり、本件商標の登録出願時の2011年には2,500万人余に達している(甲第13及び第17号証)。
(ウ)東京ディズニーランドでは、「カリブの海賊(pirates of the caribbean)」が、開業当初から、米国で人気の上記アトラクション「PIRATES OF THE CARIBBEAN」とほぼ同じ内容で再現され、同園のアトラクションの入り口上部の看板には、「×」状に交差させた刀の上に髑髏を描いた図形を配し、その下の中央に「PIRATES」「of the」「CARIBBEAN」の欧文字を3段に表され、そのうち「PIRATES」「CARIBBEAN」の欧文字が大きく掲げられている(甲第26号証)。また、該アトラクションは、東京ディズニーランドを紹介するガイドブック、図鑑、パンフレット等の各種印刷物やインターネットのウェブサイトには「PIRATES OF THE CARIBBEAN」、「pirates of the caribbean」又は「カリブの海賊」と表示され紹介されている(甲第11、第12、第14ないし第16、第18ないし第26号証)。
(エ)2003年には、前記(ア)のアトラクション「PIRATES of the CARIBBEAN」を原案とした映画が制作され、「PIRATES of the CARIBBEAN」「THE CURSE OF THE BLACK PEARL」(邦題「パイレーツ・オブ・カリビアン」「呪われた海賊たち」)」として公開された(審判注;定冠詞にあたる「THE」の音を表記していない。)。この映画は、全米で3億ドル以上、我が国で68億円の興行収入という大ヒットとなり、米国アカデミー賞に5部門でノミネートされ、これら一連のニュースが連日大きく報道された。続いて、シリーズとして2006年に「PIRATES of the CARIBBEAN」「DEAD MAN’S CHEST」(邦題「パイレーツ・オブ・カリビアン」「デッドマンズ・チェスト」)が、2007年に「PIRATES of the CARIBBEAN」「AT WORLD’S END」(邦題「パイレーツ・オブ・カリビアン」「ワールドエンド」)が、2011年に「PIRATES of the CARIBBEAN」「ON STRANGER TIDES」(邦題「パイレーツ・オブ・カリビアン」「生命の泉」)が公開され、我が国での興行収入がそれぞれ100億円、109億円、88億円と、いずれも大ヒットした(甲第11、第27ないし第30及び第39号証)。
上記映画作品は、我が国において、雑誌、新聞、ニュース番組、テレビ、全国店頭プロモーション、ポスター、屋外広告、交通広告、芸能人によるイベント等種々の媒体を通じて宣伝広告、紹介され、公開前から大きな話題を集めた。また、映画公開終了後は、上記各作品がDVD等として販売され、全国各地で様々なキャンペーンやプロモーションが行われたほか、1作目から3作目は地上波によるテレビ放映も行われ、いずれも高視聴率を獲得した。そして、上記映画については、別掲(2)のとおり、「PIRATES of the CARIBBEAN」又は「パイレーツ・オブ・カリビアン」(以下、これらをまとめて「申立人商標1」という。)として表示されているほか、別掲(3)のとおり、「PIRATES」と「CARIBBEAN」又は「パイレーツ」と「カリビアン」の文字を大きく表し、その間に髑髏の図形を配した態様で表示されたもの(以下、これらをまとめて「申立人商標2」という。また、「申立人商標1」と「申立人商標2」を併せて「申立人商標」という。)が多く用いられている(甲第27ないし第38、第40ないし第43号証)。
(オ)前記映画に登場するキャラクターやデザイン等を用いたクリアファイル、レターセット、ノート、メモ帳、シール、マグカップ、ストラップ、ピンバッジ、カンバッジ、キーホルダー、ペンケース、子供用衣装、バッグ、人形等の各種商品が販売されており、これら商品の多くには「PIRATES of the CARIBBEAN」の文字が表示されているほか、インターネットのウェブサイトでは「シネマストア パイレーツ・オブ・カリビアン キャラクターグッズリスト」として、「PIRATES of the CARIBBEAN」及び「パイレーツ・オブ・カリビアン」の見出しの下、各種商品が掲載されているものも見られる。また、申立人は他社の商品とのタイアップやコラボレーションを通じて上記映画のプロモーション活動を行っており、その中で、化粧品、清涼飲料、即席めんなどに「PIRATES of the CARIBBEAN」又は「パイレーツ・オブ・カリビアン」の文字構成のほか、「PIRATES」「CARIBBEAN」及び「パイレーツ」「カリビアン」の文字を大きく表し、それぞれの間に髑髏の図形を配した態様で表示されたものも多く使用されている(甲第45ないし第53号証)。
イ 前記アの事実によれば、東京ディズニーランドは、我が国において人気のある有名なテーマパークであり、そのアトラクションの1つである「カリブの海賊」は、その英名を「PIRATES OF THE CARIBBEAN(pirates of the caribbean)」とするものであり、開園当初から人気のあるアトラクションと認められ、該標章は開園当初から継続して使用され、広く認識されていたということができるものである。
そして、申立人は、該標章のみならず、その構成中の「PIRATES」と「CARIBBEAN」及び「パイレーツ」と「カリビアン」の文字を大きく表示した構成も同時に使用しており、かかる使用の場合には、該構成文字のみが強く看者の印象に残るとみることができるものである。そうとすると、「PIRATES」と「CARIBBEAN」又は「パイレーツ」と「カリビアン」の文字をその構成に含む標章をもって、申立人の業務に係る役務及び商品を表示する商標として、本件商標の登録出願時には、既に取引者、需要者の間に広く認識されていたものというべきであり、その状態は本件商標の登録出願時及び登録査定時においても継続していたものと認められる。
(2)本件商標と申立人商標の対比
本件商標は、前記1のとおり、「パイレーツソープ カリビアン」の片仮名及び「Pirates Soap Caribbean」の欧文字を上下二段に表してなるところ、その構成中には「パイレーツ」「カリビアン」及び「Pirates」「Caribbean」の文字を含むものであり、また「Soap」「ソープ」の文字は、本件指定商品である「せっけん」の英訳とその読みの片仮名表記であって、いずれも親しまれた語といえるものである。
しかして、本件商標と申立人商標とは、「PIRATES(Pirates)」と「CARIBBEAN(Caribbean)」の文字の綴り及び「パイレーツ」と「カリビアン」の文字を共通にし、中間において「OF THE」と「Soap」の文字及び「オブ」と「ソープ」の文字とが相違するものである。
そこで、上記相違する語についてみると、申立人商標は、その構成中の「OF THE」の文字が短い綴りの前置詞と定冠詞であり、それ自体が特別強い識別力を有するものとはいえず、また、本件商標は、その構成中の「ソープ」「Soap」の文字は、前述したとおり、それ自体が特別強い識別力を有するものとはいえないものである。
また、本件商標と申立人商標とで、欧文字の綴りを共通にする「PIRATES(Pirates)」と「CARIBBEAN(Caribbean)」及び「パイレーツ」と「カリビアン」の共通の文字は、前述したとおり、取引者、需要者間に広く認識されている申立人商標の主要な語であり、さらに、申立人商標においては、該「PIRATES」及び「CARIBBEAN」の文字が大きく顕著に表示して使用されていることも併せ考慮すると、「PIRATES」及び「CARIBBEAN」の文字が看者の注意を惹き強く印象に残るものといえる。
そうすると、申立人商標と本件商標との上記相違点は、看者の受ける印象に強い影響を与えるものとまではいえず、本件商標に接する取引者、需要者は、その構成中の「Pirates」と「Caribbean」の文字に着目し、申立人商標を連想、想起することが少なくないとみるのが相当である。
(3)本件商標の指定商品と申立人の業務に係る商品等との関連性について
本件商標の指定商品「せっけん類」は、日用衛生品である。
他方、申立人は、前述のとおり、数多くの映像作品及びテーマパークを提供するばかりでなく、種々の商品について使用許諾を行い、申立人商標は、役務はもとより種々の商品について広く使用されており、これら商品の多くは、文房具、身飾り品、被服等であって、主に個人を対象としたものである。また、前述の映画に関連して、他社とのタイアップ商品として化粧品等が販売されている事実もある。
そうすると、本件商標の指定商品と申立人商標の使用に係る商品は、いずれも日常生活において消費される商品であり、需要者等を共通にするものであるから、少なからぬ関連性を有するものというべきである。
(4)フリーライド・ダイリューションの意図について
申立人の提出に係る甲第56及び第57号証によれば、本件商標は、商品「せっけん類」について実際に使用されているところ、その使用態様は、「Pirates」及び「Soap」の文字の間に、「×」状に交差させた骨の上に髑髏を描いた図形を配し、その下に「Caribbean」の文字を小さく表した構成からなるものであり、申立人の提供に係る上記映画のタイトルロゴとして用いられた文字及び図形(甲第27ないし第30号証)と、配列・態様を同じくするものであって、構成の軌を一にするものといえる。
特に、上記商品の宣伝用のパンフレットと思しき写真に表された上記文字及び図形部分は、「Pirates」及び「Soap」の文字を上記映画のタイトルロゴ(甲第28及び第29号証)と同じ金色に着色していることなどから、全体として酷似した印象を与えるものである。また、上記商品の宣伝用のパンフレットと思しき写真には、「有名AV男優に口コミで広がり、撮影前の男優たちが奪い合う!幻の石鹸」、「プロの男優が大絶賛」、「S級男優・・・大絶賛!!」、「これでお前も夜の海賊王!!」等の語句が記載されている。
しかしながら、本件商標を上記のように使用すべき必然性はなく、申立人商標の周知著名性に照らせば、その使用態様は、偶然の一致ということはできない。むしろ、本件商標の上記使用態様は、申立人商標にただ乗り(フリーライド)し、申立人商標に化体した顧客吸引力、信用、評判等を不正に利用するものといわざるを得ない。しかも、本件商標の使用に係る商品は、卑猥な観念、イメージを与える広告文句の下に販売されていることからすると、申立人が長年提供してきた映像作品やテーマパークに係るブランドイメージを希釈化(ダイリューション)又は汚染するおそれもある。
(5)まとめ
以上を総合すると、本件商標をその指定商品に使用した場合には、これに接する取引者、需要者は、周知著名となっている申立人商標ないしは申立人を連想、想起し、該商品が申立人又は申立人と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれがあるものというべきである。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当するものであるから、その登録を取り消すべきものである。

4 商標権者の意見
商標権者は、前記3の取消理由に対して、指定した期間を経過するも何ら意見を述べていない。

5 当審の判断
本件商標は、前記1の構成からなるものである。
そして、本件商標について通知した前記3の取消理由は、妥当なものと認められる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものであるから、他の申立ての理由について判断するまでもなく、同法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
(1)本件商標



(2)申立人商標1




(色彩は原本参照。)

(3)申立人商標2




(色彩は原本参照。)


異議決定日 2013-07-31 
出願番号 商願2011-71952(T2011-71952) 
審決分類 T 1 651・ 271- Z (X03)
最終処分 取消 
前審関与審査官 堀内 真一 
特許庁審判長 関根 文昭
特許庁審判官 井出 英一郎
原田 信彦
登録日 2012-04-20 
登録番号 商標登録第5487771号(T5487771) 
権利者 株式会社エドニス
商標の称呼 パイレーツソープカリビアン、パイレーツソープ、パイレーツ、カリビアン 
代理人 辻居 幸一 
代理人 中村 稔 
代理人 松尾 和子 
代理人 井滝 裕敬 
代理人 藤倉 大作 
代理人 熊倉 禎男 
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