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審判番号(事件番号) データベース 権利
不服20137937 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W29
管理番号 1280080 
審判番号 不服2012-20726 
総通号数 167 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2013-11-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-10-22 
確定日 2013-09-20 
事件の表示 商願2012-4258拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲Aのとおりの構成からなり、第29類「長野県に展開する高原で放し飼いにして育てた豚の豚肉,長野県に展開する高原で放し飼いにして育てた豚の豚肉製品」を指定商品として、平成24年1月25日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は「本願商標は、『信州高原放牧豚』の文字を書してなるところ、『信州』は、長野県の旧国名『信濃』の別称であって、現在においても、同県を指すものとしてしばしば使用されているものであり、『信州高原』の文字部分は、『長野県に展開する高原』の意味合いを認識させ、実際に、同県の高原を指すものとして用いられている実情も見受けられる。また、『放牧豚』の文字部分は、豚舎を使わずに放牧飼育される豚といった意味合いで、様々な産地において、また、農家、事業者によって使用されている実情をうかがうことができる。そうとすれば、本願商標は、全体として『長野県に展開する高原で放牧によって育った豚』といった意味合いを認識させるので、これを、その指定商品に使用をしても、これに接する需要者は、本願商標を、上記意味合いの産地及び品質を表示したものと理解するにすぎず、これを特定の事業者の業務に係る商品であることを表すための識別標識とは認識し得ないというのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審においてした証拠調べ
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、別掲Bに示す事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し、平成25年5月22日付け証拠調べ通知書によって、当該事実を通知し意見を求めた。

4 証拠調べに対する請求人の意見の要旨
請求人は、「証拠調べの結果をみても、本願商標を拒絶とする理由は何ら存在しないから、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当しない。」旨主張し、その理由を要旨次のように述べた。
(1)本願商標の「信州高原放牧豚」は、同大及び同一字体の漢字7文字を一体に書したものであり、「信州」、「高原」、「放牧」及び「豚」をそれぞれ分離して取引する蓋然性はなく、「放牧豚」の語が一般に用いられている普通名称の度合いが強く、平地の牧場のみならず高原で放牧する事例も見受けられるから、あえて分離観察するとすれば、「信州高原」と「放牧豚」を組み合わせた結合商標と見ることが自然であり、「信州高原」の位置づけが商標の要部として最も大きなポイントとなる。
(2)証拠調べ通知で挙げられた証拠のうち、「信州高原トレッキングガイド」と「信州高原ドライブ」は、信州(長野)の高原を総称した意味として単なる観光ガイドのフレーズとして用いており、産地としての使用ではない。また、「信州高原野菜ジュース」、「信州高原ぶどう」、「信州高原蕎麦」は、信州高原の名称を使用するも、その使用する物品は、「野菜ジュース」、「ぶどう」、「蕎麦」であり、「信州の高原で採れた」野菜や果実というイメージアップを図る狙いがあるから、特定の産地を表示するというよりも「信州高原」のイメージを利用する意図が大きい。
(3)「信州高原」の語は、あくまでも信州の高原全体をイメージ、すなわち、一定の観念を想起させるための「造語」であって、産地として普通に使用される名称ではない。

5 当審の判断
本願商標は、別掲Aのとおり、「信州高原放牧豚」の文字を横書きにしてなるところ、その構成文字に照らせば、「信州」、「高原」、「放牧」及び「豚」の各文字を結合してなるものと容易に看取され得るものである。
ところで、「信州」の文字が「信濃(しなの)国の異称」、「高原」の文字が「山地のある、海抜高度の高い平原。」、「放牧」の文字が「馬・牛などの家畜を放し飼いにすること。」(いずれも、「大辞泉」、株式会社小学館発行)をそれぞれ意味する語であり、いずれも広く親しまれた平易な語と認められるから、これらの語と「豚」の語を結合して表された「信州高原放牧豚」の文字全体からは、それを構成する各単語の語義から、「信州(長野県)の高原で放し飼いされた豚」の意味合いを容易に理解させるものである。
そして、本願の指定商品の分野においては、別掲Bの2の(1)ないし(8)の新聞記事によれば、長野県を始め、他県においても、高原で放し飼いにした豚の飼育が普通に行われており、また、同じく2の(9)ないし(12)の新聞記事及び3の(3)ないし(5)のインターネットのホームページにおける記載によれば、放牧された豚の豚肉製品も製造・販売されている実情がうかがえる。
そうすると、「信州高原放牧豚」の文字からなる本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「信州(長野県)の高原で放し飼いされた豚の豚肉又は豚肉製品」であることを理解するに止まり、単に、商品の品質を表示するものであると理解、認識するといわざるを得ない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものである。
なお、請求人は、「放牧豚」の文字は、普通に使用され、放牧された豚という普通名称と判断されるが、「信州高原」の文字は、信州の高原全体をイメージさせ、一定の観念を想起させる「造語」であって、産地として普通に使用される名称ではない旨主張する。
しかしながら、本願商標の「信州高原放牧豚」の文字全体からは、それを構成する各単語の意味から「信州(長野県)の高原で放し飼いされた豚」の意味合いを容易に理解、認識させるものであること、上記認定のとおりであり、「放牧豚」の文字が一連に普通に使用されていることをもって、「信州高原」の文字を本願商標の要部となる一連の造語として認識しなければならないというような実情は見いだすことができないから、請求人の上記主張は採用できない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
A 本願商標


B 証拠調べ通知の内容
1 「大辞泉 増補・新装版」(1998年12月1日 株式会社小学館発行)における記載
(1)「信州」の項に、「信濃国の異称。」との記載がある。
(2)「信濃」の項に、「旧国名の一。東山道に属し、現在の長野県にあたる。信州。」との記載がある。
(3)「高原」の項に、「山地にある、海抜高度の高い平原。起伏のゆるやかな台形の地形。」との記載がある。
(4)「放牧」の項に、「馬・牛などの家畜を放し飼いにすること。」との記載がある。
2 新聞記事情報における記載
(1)1993年6月24日付け日本農業新聞 ブロック版/信越
「オーナー制度の放牧豚300頭めざす、荒廃地も復活、長野」の見出しの下、「長野県のJA大北は、四年前からオーナー制度と組み合わせた放牧豚の飼育に取り組んでいるが、北安曇郡小谷村の小林守さん(五六)も、今年からこの仲間入り。既に二百頭を放牧しているが、今年中には三百頭にまで拡大したいと意欲を燃やしている。」との記載がある。
(2)1999年1月24日付け中日新聞 朝刊 20頁 近郊北部版
「放牧豚の試食に舌鼓 小牧のにんじんCLUB 生産者と交流も」の見出しの下、「【愛知県】小牧市の有機農産物流通団体『にんじんCLUB』による放牧豚のバーベキュー交流会が二十三日、同市中央二の同CLUBで開かれ、名古屋市や小牧周辺の会員ら百二十人が集まった。」との記載がある。
(3)2000年2月16日付け日本農業新聞 ブロック版/信越
「アルプスシャモ、野豚特産化へ足固め、長野・北アルプス協議会」の見出しの下、「長野県大北地域の農林業の活性化を目的とした北アルプス農林業活性化協議会が進めている、アルプスシャモと信州放牧豚(野豚)が試食会で好評を得て、同地方の特産品としての芽を出し始めた。」との記載がある。
(4)2004年2月19日付け日本農業新聞 7頁 営農
「[有機畜産 生産現場から](3)放牧養豚」の見出しの下、「静岡県富士宮市の松〓文人さん(54)は、約二ヘクタールの放牧地で肥育した『放牧豚』を、年間五百頭ほど出荷している。一牧区に二十?四十頭を放牧。一頭当たり約六十六平方メートルという、ゆとりの面積が特徴だ。豚は出荷までの三カ月以上、自然に恵まれた高原で自由気ままに過ごす。」との記載がある。
(5)2005年4月11日付け西日本新聞 朝刊 7頁 0版7面1段
「[農漁食]放牧育ちで、健康、味よし『走る豚』人気 熊本・菊池市の『やまあい村』 流通・消費者が買い支え 肥育場を畑に活用 有畜複合経営を実現」の見出しの下、「草原で草をはむ牛馬と同じように、地面を走り回っている肉用豚が熊本県菊池市にいる。・・・■広がる支援の輪/二年前、そんな武藤さんに手を差し伸べたのが、福岡市の宅配会社『九州産直クラブ』。良心的な生産者が再生産できる『適正価格』を追求する同クラブは、放牧豚を『走る豚』とネーミングし、普通の豚肉の約一・五倍の価格で購入。『安全でおいしい肉』として売り出したところ、消費者にも受け入れられ、同クラブの目玉商品になった。・・・『まだ眠っている土地を活用し、将来は放牧数を百五十匹ぐらいに増やしたい』と語る武藤さん。豚とともに、菊池高原を突っ走っている。」との記載がある。
(6)2007年5月10日付け朝日新聞 東京朝刊 10頁 2経済
「(うごく地域)国産豚、ブランド勝負 安い輸入肉に対応 各地で次々誕生」の見出しの下、「●放牧、糞尿で植林も 鹿児島・・・『放牧豚は健康で医薬品をほとんど使わない。ストレスも少ないので肉質がよくなる』と横井さん。いまは肥育まで約200頭の規模だが、このシステムを各地に広げたいと考える。」との記載がある。
(7)2007年9月29日付け朝日新聞 西部地方版/熊本 32頁 熊本全県
「(火の国をゆく)水俣市・石飛集落 高台一面、在来種の茶畑 /熊本県」の見出しの下、「『豚は根っこから草をほじるけん、いい草取りになり、耕しにもなる。豚が土を食べるけん、土中のミネラル分が豚の肉質をようしてくれる』放牧豚のにおいにつられて野生のイノシシも近づいてくるらしい。」との記載がある。
(8)2008年9月17日付け中日新聞 夕刊 3頁 3面
「中部発 長野県大町市 荒廃農地を再生 子ブタ放牧 エコ農業」の見出しの下、「長野県大町市八坂の山奥で子ブタの放牧が始まった。・・・この事業を持ち掛けたのは、県内の農業団体や企業などでつくる『環境にやさしい信州循環型エコ農畜産物事業化研究会』(会長・宮沢敏文県議)。副幹事長を務めるJA大北営農企画課長の武田昭彦さん(53)は、二十年ほど前から全国に先駆けて『放牧豚』の生産に取り組んできた。」との記載がある。
(9)2010年4月7日付け読売新聞 東京朝刊 26頁
「県産ブランド食材 日本航空機内食に=長野」の見出しの下、「メニューは、信州プレミアム牛肉のローストビーフ、黒姫高原放牧豚のポークハム、信州産野菜のピクルス、プレーンヨーグルトなど。4?6月に成田発シカゴ、ニューヨーク、ロンドン、パリ、フランクフルト行きの各線で、1機あたり8?11席のファーストクラス利用客に、計約3000食を提供する。」との記載がある。
(10)2011年12月20日付け朝日新聞 西部地方版 山口31頁 山口
「祝島の朝市復活 会うのが一番、お年寄り笑顔 移住の若者も出店、交流に一役/山口県」の見出しの下、「18日朝、会場の農協倉庫に十数人の島民が次々と商品を並べた。ダイコンやネギ、ミカン、魚、放牧豚の肉やソーセージといった生鮮食品のほか、手作りのパンや餅、弁当、温かいぜんざいや、正月飾りも並んだ。」との記載がある。
(11)2012年11月8日付け朝日新聞 東京地方版 山形29頁 山形
「『ニュー豚』給食に登場 朝日の小学校など、『赤身おいしい』 /山形県」の見出しの下、「この秋デビューした朝日町の放牧豚『あっぷるニュー豚(とん)』の豚肉30キロが、町から町内の小学校や保育園に提供され、7日、約550人の子どもたちが学校給食で試食した。」との記載がある。
(12)2013年4月11日付け朝日新聞 東京地方版/長野 26頁 長野全県
「(食材の旅:13)脂身にうまみ、安曇野放牧豚 安曇野市明科 /長野県」の見出しの下、「『脂身なのに口に入れたときの食感はシャキシャキ。融点が低く、すぐに柔らかくなる』。藤原仁さん(29)は、『安曇野放牧豚』の特徴をそう語る。自慢の脂身のうまみは、放牧で発達した筋肉へとしみこみ、肉自体のうまみへとつながる??。安曇野市の『ふじわらファーム』は、JR明科駅から車で坂を上がった先、標高800メートルの山中にある。豚舎の隣には幅30メートル、長さ60メートルほどの「運動場」があり、90頭が行き来しながら過ごす。」との記載がある。
(13)2004年3月19日付け 日本食糧新聞
「『信州からの贈り物』発売(ナガノトマト)」の見出しの下、「ナガノトマト(長野県松本市、0260・58・2288)は、3月から『信州高原野菜ジュース、食塩無添加』をリニューアルしたのに伴い、ギフトセット『信州からの贈り物』を改廃した。」との記載がある。
(14)2006年3月22日付け朝日新聞 東京夕刊 7頁 マリオン3
「食 マリオン」の見出しの下、「◆ブドウ果汁入り炭酸飲料/アサヒ飲料(電話0120・328124)が、『三ツ矢 信州高原ぶどう』=写真=を発売。」との記載がある。
(15)2010年8月16日付け日本食糧新聞
「長野・山梨地区夏期特集:信州そば動向=猛暑到来で出荷好調」の見出しの下、「◆桝田屋食品/さらに付加価値型製品のラインアップとして8月2日から次の5品を新発売した。(1)『信州高原蕎麦』=国産そば粉使用で海藻つなぎ。・・・」との記載がある。
3 インターネットのホームページにおける記載
(1)「amazom.co.jp」のウェブサイトにおいて、(「信州高原トレッキングガイド[単行本(ソフトカバー)]との記載がある。
(http://www.amazon.co.jp/%E4%BF%A1%E5%B7%9E%E9%AB%98%E5%8E%9F%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%83%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89-%E6%97%A5%E9%87%8E-%E6%9D%B1/dp/4784070028)
(2)「MapFanWeb」のウェブサイトにおいて、「夏のビーナスラインを走る!信州高原ドライブ」との記載がある。
(http://www.mapfan.com/kankou/drive/course005.html)
(3)「放牧豚肉・平飼い卵/ぶうふううう農園」のウェブサイトにおいては、「山梨県韮崎市・南アルプス北部の山々に面した丘で日本初の放牧養豚を始めた『ぶぅふぅうぅ農園』のページです。」との記載がある。
(http://boohoowoofarm.blog50.fc2.com/)
(4)「有限会社えこふぁーむ」のウェブサイトにおいては、「食べる-放牧豚のご購入」との記載がある。
(http://www.eco-pig.net/eat/pig/)
(5)「銀座野菜蔵JIMI」のウェブサイトにおいては、「銀座野菜蔵JIMIでは【味菜自然村】林さんのご協力のもと、抗生物質や配合飼料を与えず大自然の中で育った放牧豚を使用しています。」との記載がある。
(http://www.ginza-jimi.jp/happy_pork.html)

審理終結日 2013-07-22 
結審通知日 2013-07-24 
審決日 2013-08-08 
出願番号 商願2012-4258(T2012-4258) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (W29)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 茂木 祐輔 
特許庁審判長 酒井 福造
特許庁審判官 原田 信彦
手塚 義明
商標の称呼 シンシューコーゲンホーボクブタ、シンシューコーゲンホーボクトン、シンシューコーゲンホーボク、コーゲンホーボクブタ、コーゲンホーボクトン、コーゲンホーボク、ホーボクブタ、ホーボクトン、ホーボク、シンシューブタ、シンシュートン 
代理人 下田 茂 
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