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審判番号(事件番号) データベース 権利
取消2013300204 審決 商標

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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Z14
管理番号 1280058 
審判番号 取消2011-300871 
総通号数 167 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2013-11-29 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2011-09-20 
確定日 2013-09-20 
事件の表示 上記当事者間の登録第4561902号商標の商標登録取消審判事件についてされた平成24年6月19日付け審決に対し、東京高等裁判所において審決取消の判決(平成24年(行ケ)第10277号平成24年12月5日判決言渡)があったので、さらに審理のうえ、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
登録第4561902号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成13年4月11日に登録出願され、第14類「貴金属,貴金属製の花瓶・水盤・宝石箱,貴金属製のがま口・靴飾り・コンパクト及び財布,貴金属製喫煙用具,身飾品,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,時計,記念カップ,記念たて」の商品の他、第9類、第16類及び第34類に属する商標登録原簿に記載されたとおりの商品を指定商品として、同14年4月19日に設定登録されたものである。
また、本件審判の請求の登録日は、平成23年10月11日である。

第2 請求人の主張
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中、第14類「身飾品,宝玉及びその模造品,時計」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第8号証(枝番号を含む。)を提出している。
1 請求の理由
本件商標は、その指定商品中、第14類「身飾品、宝玉及びその模造品、時計」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
被請求人(サボイ株式会社、以下「サボイ」という場合がある。)は、東京都台東区に本店を持つ法人であり、バッグ類の製造及び販売を事業内容としている(甲2の1)。
被請求人は、インターネット上のサイトでも製品を紹介し、販売しているが、商品はバッグ類に限られ、第14類「身飾品、宝玉及びその模造品、時計」に本件商標を使用している形跡は見られない(甲2の2)。
また、インターネットの検索によっても、本件商標を使用したこれらの商品は検索されない。
さらに、本件商標の商標登録原簿には、使用権の設定についての登録もない(甲1の1)。
したがって、本件商標は、その指定商品中、第14類「身飾品、宝玉及びその模造品、時計」について、継続して3年以上使用されていない。
2 弁駁の理由
(1)答弁書に対する弁駁の趣旨
被請求人は、本件商標に係る通常使用権者が、本件審判請求の登録前3年以内に日本国において指定商品中の「チャーム」について本件商標を使用している、と主張しているが、提出された証拠によっては、本件商標が本件審判請求登録前3年以内にその指定商品中「身飾品、宝玉及びその他の模造品、時計」について使用されていることは証明されていない。
(2)使用商品が「チャーム」との主張について
被請求人は、商品「チャーム」について、本件商標を使用したとして、商品画像カタログとおぼしきものを二種提出している。
しかし、被請求人の商品カタログにあるのは、単なる「チャーム」ではなく、「ロゴチャーム」である。即ち、乙第1号証のカタログ中には、「LOGO charm O」から「LOGO charm W」までの商品名と、その画像、及び価格がそれぞれ記載されている。
これらの商品がいかなる商品であるかは、先ずは、記載されている商品名称から判断すべきであり、記載されているのは単なる「チャーム」ではなく、「ロゴチャーム」である。
乙第1号証のそれぞれの画像データの上部には、「LOGO charm O」のように、商品名が書かれており、商品が「ロゴチャーム」であることを示している。
「ロゴチャーム」とは、自社ブランドを表すロゴマークをデザインした飾りの小物で、乙第1号証の商品の画像には、自社ロゴマークの飾りが含まれている。
乙第1号証の画像は、暗くて細部が見えにくいが、リングに複数の飾りが繋がれて成り、この飾りの中には、被請求人の以下の幾何図形をデザインしたロゴの飾りが一つ含まれている。
つまり、この「ロゴチャーム」は、被請求人のハート変形図形(本件商標の図形部分)をデザインしたロゴ飾りを、同じような大きさの他の飾りと共にキーホルダー状のリングに付けて、かばん類の飾りとして商品化したものである。
このことは、被請求人のロゴチャームに含まれているロゴの飾りが、被請求人の主要な商品である「かばん」に、現在でも付されていることからも分かる。即ち、甲第4号証は、請求人代理人が被請求人の銀座のショップで撮影した写真であるが、被請求人の商品には、ロゴ飾りが鎖でつり下げられている。
このように、被請求人のかばん類には、現在、ロゴ飾りが付されており、被請求人が提出した乙第1号証カタログのロゴチャームの中にも、同様のロゴ飾りが含まれているのである。
そうすると、乙第1号証のロゴチャームは、自社の主要な商品「かばん類」の装飾として販売されるべく商品化され、カタログが作成されたことを示している。
したがって、乙第1号証のカタログにある商品は、本件商標の指定商品に含まれる身飾品ではなく、そこに記されているとおり、第18類「かばん類」の付属品としての飾り、「ロゴチャーム」である。
同様に、乙第10号証として提出された商品カタログも、その商品名は、「LOGO CHARM」と記載されており、被請求人のロゴをデザインした飾りに他の飾りを組み合わせて、かばん類の飾りとして販売が企画されたものである。
よって、本件商標の指定商品に含まれる「身飾品」ではなく、第18類「かばん類」の付属品としての飾りである。
(3)「ロゴチャーム」について
このような「ロゴチャーム」は、昨今、かばん類にしばしば見受けられる付属品の一種であり、かばんの持ち手に金属や皮革などで作られた飾りで、商品に付して販売するのがトレンドとなっている。
甲第6号証の1は、マザーハウスというかばんメーカーが、自社のロゴチャームについてインターネット上で紹介しているページであるが、その用途として、「普段のバッグにつければ表情も変わり、新鮮な気分で使え」、さらには、「キーチェーンとして鍵につける」こともできる、としている。
「ロゴチャーム」という言葉は、比較的新しい言葉であるため、ファッション用語集等にも掲載されていないが、「ロゴ」については、「モードの世紀ファッション用語集」に掲載されている。
(4)「ロゴチャーム」の用途について
請求人は、新宿伊勢丹1階かばん売場で、ロゴチャームが、かばん類の飾りとして商品そのものに付され、あるいは個別の商品として販売されている事実を見て、伊勢丹でロゴチャームの用途を確認したが、まさに、かばんに装飾として付けるか、キーチェーン、つまりキーホルダーとしても使用できる商品という説明であった。
例えば、新宿伊勢丹の1階のかばん売り場には、フルラ(FURLA)、フェンデイ(FENDI)、グッチ(GUCCI)、プラダ(PRADA)、イヴ・サンローラン(YVE SAINT-LAURENT)、クロエ(CHLOE)等の著名ブランドの商品が並べられているが、その中の多くの商品にロゴチャームが飾りとして付けられていた。
また、キーホルダー等にも使用できる独立した商品としてもロゴチャームは展示販売されていた(甲7の4及び5)。
甲第7号証の1ないし3は、伊勢丹新宿店1階かばん売場に展示されている「ロゴチャーム」が付されたかばんの例であるが、フェンディ、クロエ、イヴ・サンローランの商品写真である。
さらに、インターネット上にも、このような例は多数見受けられるので、クリスチャン・ディオールのCDロゴをチャームとして付した卜ートバッグ、グッチのショルダートートバッグ、フォションのロゴチャーム付きエナメルトートバッグを、甲第8号証として提出する。
このように、商品の識別標章である商標は、著名ブランドにおいては、ロゴそのものが価値を持ち、デザイン化され、おまけの飾りとして使用されているのである。
被請求人は、まさに、このようなトレンドに乗って、自社の図形商標をロゴチャームとして商品化しようとしたものと思われるが、現在は、商品としては販売されておらず、かばんの付属品として付されている。
(5)商品の包装写真等について
被請求人が「チャーム」と呼んでいるのは、自社の「ロゴ」を宣伝も含めて飾りとして商品化した「かばん類の付属品、飾り」としてのロゴチャームであり、明らかに本件商標の取消の対象となっている指定商品「身飾品、宝玉及びその他の模造品、時計」に含まれる商品ではない。
(6)被請求人が証拠として提出した商品そのものが、使用を証明すべき商品には当たらないので、その他の証拠について弁駁するまでもないが、念のため、その他の点についても、以下に言及する。
ア 乙第2号証の写真について
被請求人は、「LOGO charm O」の商品の現物とその使用状態の画像デー夕として、6枚の写真を提出しているが、いつ、誰が、どこで、撮影したものか特定しておらず、証拠能力はないに等しい。
また、「LOGO charm O(5)」の写真は、ロゴチャームを首から下げている状態を表しているが、これは「身飾品」と見せたいがために撮られた写真であり、通常、被請求人カタログにある商品が、このように使用されることはあり得ない。万が一、このように首から下げる人がいたとしても、それで、被請求人のカタログ商品が身飾品と分類されるわけではない。
同様に、乙第3号証ないし乙第7号証についても、審判請求登録後に、作成され撮影された証拠と思われる。
イ 乙第11号証及び乙第12号証の写真について
被請求人は、乙第10号証カタログの商品として、乙第11号証及び乙第12号証の写真を提出しているが、これらの写真も、いつ、誰が、どこで撮ったものか定かでなく、証拠価値は低い。
ウ 乙第8号証の納品書(控)について
被請求人は、サボイを名宛人とし、山陽商事株式会社(以下「山陽商事」という。)の名称の入った納品書のフォームを提出しているが、これらの納品書(控)をもって何を証明しようとしているのか定かでない。
これらの納品書(控)は、被請求人の本件商標の使用時期を証するものではなく、乙第1号証のカタログ商品が販売されたことを証するものでもない。
エ 乙第13号証の納品書(控)について
被請求人は、乙第13号証の最下段に記載された「LOGO CHARM 11SM4350101」が、乙第10号証カタログの商品であるかのように主張するが、納品書(控)に書かれた商品名とカタログの商品名は一致しない。
乙第14号証ないし乙第17号証及び乙第19号証についても、同様に、納品書(控)の商品名とカタログの商品名とは一致しない。
したがって、カタログの商品が販売されたことの証明にはならない。
オ 以上のとおり、乙第1号証ないし乙第18号証の証拠は、そもそも使用しているとされる商品は「ロゴチャーム」であり、「身飾品」ではなく、提出された商品写真は審判請求登録後に撮影されたものであり、納品書(控)に記載されている商品とカタログ商品、商品の現物とされる写真とは一致しない。
したがって、本件商標が審判請求登録前3年以内に、その指定商品中「身飾品、宝玉及びその他の模造品、時計」に使用されたことを証するものではない。

第3 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求める、と答弁し、その理由及び弁駁に対する答弁の理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第138号証(枝番号を含む。)を提出している(審決注:なお、乙第39号証ないし乙第138号証は、平成24年(行ケ)第10277号事件において知的財産高等裁判所に提出した甲各号証である。)。
1 第1答弁
(1)本件商標に係る通常使用権者は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において指定商品中の「チャーム(鎖用宝飾品)」について本件商標を使用している。
(2)乙各号証について
ア 乙第1号証は、「LOGO charm O」ないし「LOGO charm W」の商品リスト、乙第2号証は、「LOGO charm O」の商品の現物とその使用状態の画像データ、乙第3号証ないし乙第7号証は、それぞれ「LOGO charm P」、「LOGO charm Q」、「LOGO charm S」、「LOGO charm T」、「LOGO charm U」の商品の現物の画像データである。
イ 乙第8号証及び乙第9号証は、納品書(控)であり、山陽商事は、2009年1月8日には、サボイに、「LOGO CHARM W」を4個、「LOGO CHARM V」を6個販売して」いる(乙8)。同年4月3日には、株式会社ニシムラ(静岡県藤枝市志太)に、「LOGO charm P」、「LOGO charm Q」、「LOGO charm S」、「LOGO charm T」、「LOGO charm U」、「LOGO CHARM W」を各2個販売している(乙9)。
ウ 乙第10号証は、「LOGO CHARM CL0901-1 11SM04350101」ないし「LOGO CHARM CL0901-9 11SM04350901」の商品リスト、乙第11号証及び乙第12号証は、それぞれ「LOGO CHARM CL0901-3 11SM04350301」、「LOGO CHARM CL0901-4 11SM04350401」の商品の現物の画像データである。
エ 乙第13号証ないし乙第18号証は、納品書(控)であり、山陽商事は、2009年4月15日には、Ladies Shoes & Bag Pier(岡山県岡山市北区野田)に、「LOGO CHARM 11SM4350101」を50個販売している(乙13)。
同年4月20日には、株式会社イノウエ(大阪市中央区船場中央)に、「LOGO CHARM 11SM4350301」を3個、「LOGO CHARM 11SM4350801」を3個販売している(乙14)。
同年4月30日には、株式会社ルフラン コレクションズS福井(福井県福井市高木町)に、「LOGO CHARM 11SM4350901」を1個、「LOGO CHARM 11SM4350601」を1個、「LOGO CHARM 11SM4350401」を2個販売している(乙15)。
同年11月27日には、株式会社京王百貨店(新宿店)に、「LOGO CHARM 11SM4350101」を3個、「LOGO CHARM 11SM4350201」を4個、「LOGO CHARM 11SM4350301」を4個、「LOGO CHARM 11SM4350401」を5個、「LOGO CHARM 11SM4350501」を4個販売している(乙16)。
同年12月8日には、サボイに、「LOGO CHARM 11SM4350101」を1個販売している(乙17)。
2010年9月3日には、三中井株式会社京王モール店602(東京都渋谷区富ヶ谷)に、「LOGO CHARM 11SM4350101」を1個、「LOGO CHARM 11SM4350301」を1個販売している(乙18)。
(3)使用主体について
乙第19号証及び乙第20号証の会社登記簿謄本に示すように、被請求人であるサボイの代表取締役は山田陽一氏であり(乙19)、同氏は山陽商事の代表取締役も兼任している(乙20)。そして、両社は密接な関係を有しており、山陽商事は被請求人の通常使用権者として、被請求人に係る商品の国内販売を行っている。
したがって、上記の「LOGO CHARM W」等の販売(乙8、乙9、乙13ないし乙18)は、いずれも山陽商事が被請求人の通常使用権者として行ったものである。
(4)使用時期について
本件審判については、平成23年10月11日に予告登録がなされた。
したがって、上記の「LOGO CHARM W」等の販売(乙8、乙9、乙13ないし乙18)は、いずれも本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において行われたものである。
(5)使用商品について
上記の「LOGO CHARM W」等(乙8、乙9、乙13ないし乙18)はいずれも「チャーム(鎖用宝飾品)」と呼ばれるものである。
すなわち、乙第22号証の「ファッション用語集◆1000◆」によれば、「【charm】チャームとは、時計やブレスレット、ネックレスなどの装飾品の鎖部分などにつける小さな飾りのことです。チャームは『お守り』あるいは『魅力』を意味します。オーナメント、アクセサリーをさらに飾る小さな光モノやコイン、ビーズなどをいいます。近頃では、多種多様なフックの普及に伴い携帯電話やバッグ、直接洋服にチャームを付ける場合もあります。さらにはネイルアートとの一つとして爪に付けられていることもあります。」のように説明されている。
また、乙第23号証及び乙第24号証の商品・役務名リストにおいても、「チャーム」、「鎖用宝飾品(Charms[jewellery,jewelry(Am.)])」は、第14類(21A02)に属する商品であるとされている。
したがって、上記の「LOGO CHARM W」等は、いずれもネックレスやバッグ等に付ける「チャーム(鎖用宝飾品)」であり、第14類の指定商品中の「身飾品」に含まれるものである。
(6)使用商標について
上記の「LOGO CHARM W」等(乙8、乙9、乙13ないし乙18)に取り付けた台紙には幾何図形と「SAVOY」の欧文字とからなる商標が大きく表示されており、これは本件商標と同一構成よりなるものである。
したがって、本件商標を使用している。
(7)以上のとおり、被請求人の通常使用権者である山陽商事が本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、指定商品中の「チャーム(鎖用宝飾品)」について本件商標を使用していることは明らかである。
したがって、本件商標の登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものではない。
2 第2答弁
(1)「ロゴチャーム」について
請求人は、弁駁の理由の全体を通して、被請求人の商品は、単なる「チャーム」ではなく、「ロゴチャーム」であり、かばんの飾りとして商品化したものであると決め付けているが、請求人の都合のよいように理由付けをしているにすぎない。
請求人は、「ロゴチャーム」とは、自社ブランドを表すロゴマークをデザインした飾りの小物と説明しているが(弁駁書3頁)、かばんに付ける小物であるとは定義しておらず、一般的にカバン用の飾り物とのみ認識されているものではない。
請求人は、被請求人の銀座のショップで撮影した写真(甲4の1ないし3)を提出して、被請求人のかばん類にロゴ飾り付いていることをもって、被請求人の主要な商品「かばん類」の付属品としての飾り、「ロゴチャーム」であると決め付けている。
被請求人が追加して提出する乙第25号証の1及び2は、同じく銀座のショップで販売している被請求人の「バッグ」であり、これに付いているロゴチャームは、確かにかばんの飾り小物であるが、これは、かばんの製造過程で付けるもので、鎖はかしめてあるので取り外しは利かず、被請求人及び山陽商事が個別に単品の商品として製造販売している「チャーム」若しくは「ロゴチャーム」とは異なる。
請求人は、「ロゴチャーム」という言葉は、比較的新しい言葉であるため、ファッション用語集などにも掲載されていないが、と説明しているとおり、業界で定着している用語ではない。
本来「チャーム」とは、「時計やブレスレット、ネックレスなどの装飾品の鎖部分などにつける小さな飾りのこと」であり、特許庁の商品・役務リストにも第14類に属する商品として「チャーム」あるいは「鎖用宝飾品」があり、個別独立した商品として取り扱われているのは明らかである。
(2)乙各号証の証拠能力について
請求人は、各証拠について、「答弁書提出日の直前に作成された資料と思われる。」あるいは「審判請求登録後に、作成され撮影された証拠と思われる。」と述べている。
請求人からこのような審判が請求されることが事前に分かっている訳ではなく、審判請求を受けて始めて、審判請求登録前3年以内には製造販売している商品であることを主張立証するために、証拠資料を整え、かつ、商品の写真を撮影するのであり、このようなことを行うのは答弁書提出前であるのは当然である。
また、乙第10号証の商品リストの商品名と写真の商品名が一致しないと主張している。
しかし、乙第10号証には、「Date 2008/11/29」の日付があり、「Collection」として「11SM435」シリーズであることが明示されているので、現物の商品の表示、あるいは納品書などの取引書類にはシリーズの番号が入っていることにより特定されるのである。
さらに、請求人は、乙第8号証納品書(控)の日付について、「09.01.08」と記されているのみで、平成9年1月8日を表しているのか、欧米風に2008年9月1日を表しているやも知れず、不明であると主張している。
しかし、乙第13号証ないし乙第18号証の納品書についてみれば、これらは乙第10号証の商品リストに対応する商品であり、乙第10号証の日付が「2008年11月2日」(審決注:「2008年11月29日」の誤記と認められる。)であることから、その後に納品された乙第13号証の日付である「09.04.15」は「2009年4月15日」であることは明らかであり、このような日付記入は、他の納品書も同様である。
そして、各納品書の商品名の欄には、本件商標の一部である文字商標「SAVOY」が全ての商品に記載されている。
(3)「ロゴチャーム」の用途について
請求人は、新宿伊勢丹の1階のかばん売り場に、フルラ、フェンディ、ダッチ、プラダ、イヴ・サンローラン、クロエなどの著名ブランドのかばんにロゴチャームが飾りとして付けられていたとして甲第7号証の4及び5を提出しているが、立証の趣旨が不明である。
また、請求人は、キーホルダー等にも使用できる独立した商品としてもロゴチャームが展示販売されていたとして写真も提出しているので、「ロゴチャーム」が個別独立した商品として存在していることを認めている。
被請求人は、自社のかばん類にロゴチャームを取り付けていることを否定しているものではない。すでに説明したとおり、被請求人のかばん類のロゴチャームは、かばん製造の過程で取り付けるもので取り外しは利かない。それ故、ロゴチャームを取り付けた被請求人のかばん類と、単品として製造販売している「ロゴチャーム」とは別商品である。
(4)「ロゴチャーム」の販売及び商品性等について
被請求人は、山陽商事を経て仕入れた「LOGO CHARM」を当時、ネット販売をして各商品を完売した(乙35)。すなわち、乙第35号証の1ないし4は、商品番号と写真から明らかなように、乙第10号証の商品リストに掲載の商品であり、2009年6月から7月にかけてネット上に掲載したところ、「この商品は完売いたしました」の記載のとおり、同年11月から12月までに完売した。
また、乙第35号証の5の商品である「チャーム(ハート)」は、2007年7月31日から2010年3月9日の期間ネット上に掲載したもので、この商品もすでに完売した。
このように、被請求人白身も「LOGO CHARM」を単品のチャームとして販売を行ったのである。
被請求人のロゴチャームは、ブランドロゴをデザインしたものだけではない。ハート型、星型、トランプのスペード、ハート、クローバー型、てんとう虫型、きのこ型、魚型、蝶々型など(乙1ないし乙7、乙10ないし乙12)、かわいらしくデザインされたチャームがいくつもあり、ひとつあるいは2つ?3つ組み合わせて、ペンダントのトップやキーホルダーなどに、あるいは手持ちのバッグ類にも好みに応じて使用することができる(乙36)。このような商品が「チャーム」といわれるものである。
また、乙第37号証は、被請求人のロゴチャームをブレスレットに付けたときの使用例であり、このようにおしゃれに使用することができる。
さらに、ウエブサイト検索によると、他社商品の使用例がある。すなわち、「アルファベット チャーム」、「イニシャルペンダント」としてチャームがペンダントトップとしてお洒落に使用されているのである(乙38)。
(5)以上のとおり、本件商標を使用した商品である「チャーム(CHARM)」若しくは「ロゴチャーム(LOGO CHARM)」は、製造元である山陽商事から複数の取引先へ販売されており、また、被請求人白身も山陽商事から仕入れてネット上で販売している。
これらの事実により、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、指定商品中の「チャーム」について使用していることは明らかである。

第4 当審の判断
1 本件商標の使用状況について
(1)認定事実
被請求人の主張及び提出に係る証拠によれば、以下の事実が認められる。
ア 山陽商事は、被請求人の代表者が代表者を務める会社であり、本件商標権の通常実施権者である(乙19、乙20及び乙128)。
イ 山陽商事は、遅くとも平成21年1月8日から平成22年9月3日にかけて、「ロゴチャーム(LOGO Charm)」と称する商品(以下「本件商品」という。)を販売した。
本件商品の商品名及び商品番号は、「LOGO Charm O」、「LOGO Charm CL0901-311SM04350301」等である(乙1ないし乙18及び乙26ないし乙34)。
ウ 本件商品には、表面に本件商標が大きく表示された下げ札が結び付けられ、又は、本件商標が表面上部に大きく表示されている台紙に本件商品が取り付けられた態様で販売されている(乙1ないし乙7、乙10ないし乙12、乙35及び乙52)。
(2)上記認定事実によれば、本件商標の通常使用権者である山陽商事は、本件審判請求の登録前3年の間に、本件商標をその包装に付した本件商品を譲渡したものと認められる。
そこで、以下、本件商品が本件審判の請求に係る「身飾品」に当たるか否かについて検討する。
2 本件商品の「身飾品」該当性について
(1)「身飾品」の意義
商標法施行規則別表及び「商品及び役務の区分解説[国際分類第9版対応]」(乙40)によれば、「身飾品」とは、おしゃれを目的として使用される装飾品であり、イヤリング、ネックレス、ブレスレットなど、直接身体に付けて使用される商品のほか、ネクタイピンや貴金属製バッジ、宝石ブローチなど、直接身体に身に付けるものではないが、衣服等に付けて使用することにより間接的に身体に付ける商品も含む概念である。
(2)認定事実
被請求人の主張及び提出に係る証拠によれば、以下の事実が認められる。
ア 本件商品の商品名は、「ロゴチャーム(LOGO Charm)」であり、その構成は、フック、リング、チェーン及びチェーンの先端に付いたチャームで構成されており、リングにフック及びチェーンがつながれているが、フック及びチェーンは、それぞれリングから容易に取り外すことが可能なものである(乙1ないし乙7及び乙10ないし乙12)。
イ 本件商品は、被請求人のホームページにおいては、「キラキラ☆ラインストーンが輝くチャーム」、「ハート型の赤いハートと鍵がポイントのアクセサリー」などと紹介されている(乙35)。
ウ 本件商品の商品名は、「ロゴチャーム(LOGO Charm)」であるところ、「ロゴ(LOGO)」とは、商標等のデザインされた文字又は図形を意味している。
また、「チャーム(Charm)」とは、「お守り」又は「魅力」を意味し、時計やブレスレット、ネックレス等の装飾品の鎖部分などに付ける小さな飾りをいい、近年では、多種多様なフックの普及に伴い、携帯電話やバッグのほか、直接洋服に付ける場合もある(乙22)。
なお、「チャーム」及び「鎖用宝飾品」(Charms[jewellery])は、いずれも、商標法施行令別表第14類に属する(乙23及び乙24)。
エ 山陽商事の取引先は、本件商品が、バッグ、携帯電話、キーホルダー等の飾り物としての使用を含め、客の好みに応じていろいろな用途に使用されるものと認識している(乙27及び乙29)。
オ 本件商品と同種の商品は、フックの部分をバッグの金具等に飾りとして付けることができるほか(バッグチャーム)、ズボン等のベルトループに通し又はベルトの穴に付けたり(ベルトチャーム)、キーホルダーに付けたり(キーチャーム)、ブラウスに付けたりして使用することができ、また、それ自体をブレスレットやネックレスとして使用することもでき、ファッション雑誌等において上記のような使用状況が掲載されている。そして、このようなものも「チャーム」とも呼ばれている(乙83ないし乙91、乙97、乙98、乙108、乙115、乙116、乙118、乙119。なお、乙54ないし乙82は、平成24年8月又は9月に印刷したウェブページであるが、本件審判請求の登録の日である平成23年10月11日の前3年間においても、同様であったものと推認することができる。)。
カ 本件商標を付した山陽商事の平成22年の商品カタログには、「SAVOY」ブランドのバッグが約860点掲載されているが、バッグ自体にチャームを取り付けることができるものは、そのうち約94点にすぎない(乙127及び乙128)。
(3)本件商品の「身飾品」該当性
前記(2)認定の本件商品の名称や構成、販売時の広告態様、本件商品及びこれと同種の商品についての使用状況やこれから推認される取引者及び需要者の認識等に照らせば、本件商品は、時計やブレスレット、ネックレス等の装飾品の鎖部分などに付ける飾りであるが、バッグに取り付けて使用するのみならず、これを洋服に付けたり、それ自体をブレスレットやネックレスとして、使用することもできるものであり、「アクセサリー」として紹介されているものということができる。
このように、本件商品は、洋服に付けたり、それ自体をブレスレットやネックレスとしても使用することができるものであるから、前記(1)認定の、おしゃれを目的として使用される装飾品である「身飾品」にも該当するということができる。
3 請求人の主張について
請求人は、本件商品は、「身飾品」ではなく、第18類「かばん類」の付属品としての飾りであると主張する。
しかしながら、上記2(3)のとおり、本件商品は、バッグに取り付けて使用するのみならず、洋服に付けたり、それ自体をブレスレットやネックレスとしても使用することができるものであるから、おしゃれを目的として使用される装飾品である「身飾品」にも該当するということができる。
したがって、請求人の主張は、採用することができない。
4 まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件審判の請求に係る指定商品中「身飾品」について、通常使用権者が本件商標を使用していたことを証明したものと認めることができる。
したがって、本件商標の登録は、本件審判の請求に係る指定商品について、商標法第50条の規定により、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲(本件商標)



審理終結日 2013-04-18 
結審通知日 2013-04-23 
審決日 2013-05-13 
出願番号 商願2001-33420(T2001-33420) 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (Z14)
最終処分 不成立 
特許庁審判長 小林 由美子
特許庁審判官 前山 るり子
大森 健司
登録日 2002-04-19 
登録番号 商標登録第4561902号(T4561902) 
商標の称呼 サボイ、サボワ 
代理人 田中 克郎 
代理人 鳥羽 みさを 
代理人 廣中 健 
代理人 稲葉 良幸 
代理人 太田 雅苗子 
代理人 長門 侃二 
代理人 宮川 美津子 
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