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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 130
管理番号 1280047 
審判番号 取消2012-300794 
総通号数 167 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2013-11-29 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2012-10-11 
確定日 2013-09-09 
事件の表示 上記当事者間の登録第1951404号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第1951404号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)に示すとおりの構成からなり、昭和60年4月30日に登録出願され、第30類「菓子、パン」を指定商品として、同61年11月28日に登録査定、同62年5月29日に設定登録されたものであり、その後、平成9年10月7日及び同19年6月5日に商標権の存続期間の更新登録がされ、指定商品については、同年12月19日に、第30類「菓子,パン」として、指定商品の書換の登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
なお、本件の審判請求の登録は、平成24年10月25日になされた。

第2 請求人の主張
請求人は、商標法第50条第1項により、本件商標の登録を取消す。審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、審判請求書及び弁駁書並びに口頭審理陳述要領書(口頭審理における陳述を含む。)において、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証?甲第3号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標の使用状況について調査したところ、本件商標について、少なくとも継続して3年以上日本国内において使用した事実が認められず、また、商標登録原簿(甲2)からも明らかなように本件商標を使用する使用権者も存在していない。
よって、本件商標については、商標法第50条第1項の規定によって、取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
(1)被請求人の概要について
ア 商標を使用する者
被請求人は、東京都足立区在住の佐々木正人(以下「佐々木」という。)が、商標権者から通常使用権の許諾を得ているとしている。
しかしながら、正当な権限を有する通常使用権者を立証する契約書や対価の支払いを証する書面は一切提出されていない。
よって、本件商標の正当な使用者とは言い得ない。
イ 商品の販売場所
乙第7号証?乙第16号証では、各地百貨店でのイベント販売をしていることについて資料を提出している。
この資料は、単に常設店舗は存在しないことを証明するもので、請求人の調査においても、以前本店が存在していた「東京都台東区蔵前4丁目20-12 福谷ビル 1F」は、3年以上前に閉鎖されている。
したがって、具体的な販売場所が明らかにされておらず、使用するとの主張を裏付ける資料は一切提出されていない。
よって、継続して3年以上使用されていない、と判断せざるを得ない。
ウ 被請求人が販売する商品
赤い円筒状の缶に、カブの絵が表示された「丸缶煎餅詰合せ」なる商品が販売されていること(乙8の3、乙9「カブの形を型どったもの」(家富/かぶ)と「カボチャの形を型どったもの」(南瓜/かぼちゃ)の2種類からなる「八百家せんべい」を製造販売していることが認められるが、本件商標の使用の事実を示すものではない。
エ 八百家せんべいについて
乙第7号証?乙第16号証では、「丸缶せんべい詰合せ」(25枚入)2,100円という一種類のみ販売されていることが立証されている。
乙第15号証と乙第16号証に表示されている「特別企画品」「せんべい詰合せ」(8枚)525円については、せんべいの形状が通常の円形であって「八百家せんべい」ではなく、本件商標の使用を立証するものではない。
オ 「赤丸缶せんべい詰合せ」について
各地百貨店で販売されている「赤丸缶せんべい」については、赤い丸缶にカブの絵が表示されている(乙3、乙7?乙16、乙18)。
また、商品の個別包装袋には、「カボチャの絵/浅草/八百屋せんべい」の表示がされている(乙4、乙7?乙16、乙18)。
しかしながら、各地百貨店で販売されている「八百家せんべい」には、本件商標の表示は一切存在せず、本件商標の使用を立証するものではない。
カ 「家富/かぶ」について
「八百家せんべい」は、「カボチャの形」と「カブの形」をした2種類のせんべいで、「カボチャ」あるいは「カブ」の、いずれかのみを購入することはできず、常に「詰合せ」として販売されている。
「八百家せんべいの歴史」(乙18)によれば、「家富/かぶ」は、野菜の「カブ」を表す際に縁起をかつぐために用いた当て字で、「南瓜」についても「成金」の当て字を用いていたことが窺えるが、現在では「カブ」の当て字のみが残った状態になっている。
かかる状況を鑑みれば、「家富/かぶ」は、商品「せんべい」の需要者が、ある特定の商品を購入する際に目印として用いるものや、一定の商品の品質を表示するために用いるものでもなく、商品「八百家せんべい」のうち、「カブの形をしたせんべい」を表すために用いているものにすぎない。
よって、提出された乙各号証に示された「家富/かぶ」は、その使用態様から、商標としての機能を発揮させるために表示するものではないため、登録商標の使用に該当しない。
証拠書類(乙1?乙21)が登録商標の使用に該当しない詳細については、甲第3号証に記載のとおりであるが、乙第6号証については、下記に詳述する。
(2)乙第6号証について
乙第6号証には、「カブ」と「カボチャ」の形をしたせんべいが9枚入っているもので、「浅草 八百家せんべい」と記載され、上部に「内部に『家富』の漢字が包含されたカブの図形」が表示されている。
しかしながら、上記の態様は、「カブ」と思われる図形の内部に、「家富」の漢字を左横書きするもので、全体として非常に纏まりよく一体的に表示されている。これに対し、本件商標は、縦書きされた漢字「家富」の左側に「かぶ」の平仮名を縦書きしたもので、当該平仮名は、漢字の「家富」の称呼を特定するものと判断される。
よって、前記乙第6号証に表記された商標は、本件商標とは同一性を有するものではなく、社会的同一性を首肯すべき特段に理由もないので、本件商標の使用に該当しないものである。
特に、漢字「家富」を構成する文字中「富」は、漢和大辞典(学研)によれば、「とみ」又は「フ」と称呼されるものであるので、その自然な称呼は「いえとみ」もしくは「かふ」であって、「カブ」の称呼するのには無理である。
してみれば、使用されていたと仮定しても、その称呼は「カブ」ではなく「カフ」であるため、同一性を有しないこと明らかである。
さらに、乙第6号証とされた商品の存在自体に疑義が生ずる。
前述したように、被請求人は、全国各地の百貨店のイベントのみで商品を販売しているにもかかわらず、乙第6号証はいずれの百貨店チラシにも掲載されておらず、実際に販売したことを示す書類も存在していない。
また、乙第18号証の「浅草 八百家せんべいの歴史」からは、「昭和48年のカタログ」には「家富」の漢字が角缶に表示されているが、以後は業務の縮小に伴い、《商品内容》 2006年現在の商品として記載された内容では、「赤丸缶せんべい」「箱詰めの八百家せんべい」のみが掲載され、「ポリプロピレン製容器の八百家せんべい」は存在しておらず、既にこの時点において、本件商標は使用されていない状態であったことが窺える。
なお、乙第6号証とされた商品は、本件審判請求の予告登録日より前に、実際に使用している事実は一切立証されていない。
もし、乙第6号証について実際に販売していると主張するのであれば、商品の「販売年月日」「販売場所」「販売先」「販売数量」「検乙第1号証に現れた商品ラベルの作成年月日・作成者・作成枚数・作成に要した費用」などについても当然容易に立証できるはずである。
してみれば、被請求人の提出に係る証拠からは、本件商標を、その指定商品「菓子、パン」について使用していないものと言わざるを得ない。
(3)まとめ
本件商標は、「八百家せんべい」のうち、「カブの形をかたどったもの」を指すための語として使用されてきたものであることが窺える。
しかしながら、商標法第50条による登録商標の不使用取消審判の制度趣旨は、商標法上の保護は、商標の使用によって蓄積された信用に対して与えられるのが本来的な姿である。
したがって、単に商品の形状を意味するにすぎず、商品の識別機能・出所表示機能・品質保証機能・宣伝広告機能を発揮するために用いられている本件商標については、一定期間登録商標の使用をしない場合には保護すべき信用が発生しないか、あるいは発生した信用も消滅してその保護の対象は喪失しているため、不使用の登録商標に対して排他的独占的な権利を与えておくのは国民一般の利益を不当に侵害し、かつ、その存在により権利者以外の商標使用希望者の商標選択の余地を狭めるものにすぎないため、登録は取り消されるべきである。
3 平成25年6月5日付け口頭審理陳述要領書
(1)通常使用権者について
乙第19号証は、株式会社折原米菓工場から株式会社中央軒煎餅への納品書(一部に「佐々木商店様直送」の記載がある。)で、乙第20号証は、注文書と納品書のセットであって、単に、株式会社中央軒煎餅が「佐々木商店」に「煎餅の生地」を納品したことを示すにすぎず、乙第21号証は、佐々木が商品「煎餅」の実演販売していたことを陳述するも、本件商標の通常使用権者であることを示す記載は全くなく、これら書証で、佐々木が本件商標の通常使用権者であるとの合理的な根拠は一切存在しない。
特に、権利者である「株式会社中央軒煎餅」と「佐々木商店こと佐々木」との関係が一切明らかでなく、陳述書(乙21)からも、同氏が(a)株式会社中央軒煎餅の元社員であったこと、(b)独立後も個人で「八百家せんべい」を実演販売していたこと、(c)同氏の継続した実演販売の結果、「八百家せんべい」は広く知られた商標となったこと、との記載があるものの、両者の関係は不明である。
よって、被請求人は、佐々木が真正な通常使用権者であることを立証するため、積極的に通常使用権許諾契約書などの証拠の提出すべきである。
(2)商標としての使用について
乙第1号証には「由来」の記載があって、「野菜のなかより縁起の良い家富と南瓜を型取り原料には最高の米を吟味して芯まで黄金色に焼きあげる手法を八十年来守って居る真正堅焼の手焼が八百家せんべいです。」との記載が明瞭に記載されている。前記記載からは、「野菜のなかより縁起の良い家富」は、「アブラナ科の蕪」を意味していることは明らかであって、商標として使用しているものではなく、「商品の形状」を表示していることは、「南瓜/かぼちや」の文字が併記されていることからも明らかである。
特に、同号証には「蕪」の図形が大きく表示されていることからも、前記主張は容易に首肯し得るものである。
さらに、同号証の記載からは、「八百家せんべい」は、「カブの形」と「カボチャの形」を型取った堅焼せんべいであることを明記している。
してみれば、乙第1号証の「代表商品名」欄の「手焼せんべい」の文字の下に表示されている「家富」の漢字とその右横の「かぶ」の平仮名の表記を常識的に判断すると、乙第1号証は、八百家煎餅本舗の代表商品が手焼せんべいで、その手焼せんべいは「蕪」と「南瓜」の形をしたものを意味するものに他ならない。
ところで、商標法第50条の適用上、指定商品について商標が使用されているというためには、自他商品の識別標識たる商標として使用されている必要がある。
しかしながら、乙第1号証に表示された「かぶ/家富」は、「かぼちや/南瓜」の文字と共に「八百家せんべい」のせんべいの形状のひとつを表示するもので、野菜の「カブ」の文字を当て字で表したにすぎないもので、商品「せんべい」の自他商品識別標識としての機能を果たし得ないものであるから、商品「せんべい」について商標として使用されているものとは認められない。
なお、請求人は、「家富」の文字が商品「せんべい」との関係においては自他商品識別機能を有する構成からなるものであることは請求人も争うつもりはない。
しかしながら、ある文字が商標として機能するかどうかについては、他の文字との兼ね合いや表示の仕方によって決定されるもので、乙第1号証における「かぶ/家富」は、「かぼちや/南瓜」の文字と共に、商品「せんべい」の形状を表すために用いられているにすぎず、決して商標としての機能を発揮する状態に置かれているものではない。
よって、かかる状況では、「かぶ/家富」は、「八百家せんべい」の詰め合わせのひとつであって、縁起を担いだ当て字によって「カブ」の形状を型取ったことを示すものにすぎず、自己と他人の商品を識別するために用いられている商標は「八百家せんべい」であって、「かぶ/家富」ではない。
してみれば、乙第1号証に表示された「家富/かぶ」の文字は、自他商品識別標識としての機能を果たしうる商標ではなく、単に商品の「形状」を表すために用いられているものであるため、商標の使用に該当せず、本件登録商標の使用を立証するものではないことは明白である。
(3)商品に対する使用について
「八百家せんべい」は、常に「かぶ/家富」と「かぼちや/南瓜」がセットになって詰め合わせとしてされ販売されている(乙2?乙4等)もので、「八百家せんべい」の購入者は、「かぶ/家富」のみを買うことはできない。
すなわち、提出された商品を購入する際に、購入者は「『八百家せんべい』下さい」と言って注文するもので、「『かぶ/家富』下さい」と言っても購入できない。
そうとすれば、乙第1号証に表示された「かぶ/家富」は、商標としての使用に該当せず、本件商標の商品「せんべい」についての使用を立証するものではない。
してみれば、「かぶ/家富」は、「かぼちや/南瓜」と詰め合せされる「八百家せんべい」の種類のうちの一つにすぎず、独立して商取引の対象となる商品に使用されるものではないので、「かぶ/家富」は、商品に対する商標の使用でないため、本件商標の使用に該当しないものである。
(4)額の掲示について
乙第7号証などの催事において、乙第1号証の写真の額(以下、単に「額」という場合がある。)が掲示されていることを示す証拠は一切提出されていない。さらに、乙第5号証についても、いつ撮影された写真であるかは立証していない。
したがって、「催事場に額を掲載していた」と主張するのは乙第21号証の「陳述書」のみで、実際に陳述書のとおりであるかどうかを立証する証拠は一切存在していない状況にある。
乙第5号証の上の写真は、乙第18号証として提出された「浅草 八百家せんべい本舗の歴史」のうち、後ろから2ページ目の「販売の歴史」として表れている「昭和57年 広島そごう 実演催事」(左上の写真)と同一人の女性客(現在使用されていない「そごう」の紙袋を所持)が撮影されているところから、乙第5号証の写真は昭和57年に広島そごうで撮影されたものであることが分かる。
また、昭和57年に撮影された乙第5号証の上に表された写真と、平成24年6月14日から6月19日に開催された催事である乙第7号証の1に表された写真は同一であり、この点においても提出された証拠の信ぴょう性について疑問が残るものである。
さらに、乙第5号証の下の写真についても、写真に表れているレジの形状からするとかなり以前に撮影されたことは明白であり、また、店のレイアウト、和服を着た女性の帯の柄、催事を表す「(そごう)江戸情緒老舗めぐり」の文字、及び後方の店舗が「新宿 中村屋」である点で乙第18号証の写真と一致するため、同じく昭和57年に広島そごうで撮影されたものであると認識できる。
常識的に考えれば、全国津々浦々のデパートにおいて好評を博していると請求人が主張する乙第7号証などの実演販売において、乙第21号証において主張するように、額が掲示されていたとすれば、今から30年も前の写真をわざわざ使用する必要はなく、売り場写真が1枚も存在しないのもきわめて不自然であって、この点においても疑問が残る立証であると言わざるを得ない。
これらの事由を考慮すれば、乙第7号証などにおいて提出されている実演販売場においては額は掲示せず、乙第21号証の陳述内容が虚偽であると判断されるのが相当である。
(5)まとめ
以上述べたように、「かぶ/家富」は、商品「八百家せんべい」との関係において、「カボチヤ」及び「カブ」の形を型取った煎餅であることを表すために用いられている語であって、商標としての使用に該当しないため、商標法上の使用を立証するものではない。
また、「かぶ/家富」は、「八百家せんべい」の詰め合わせの一つであって、「かぶ/家富」のみで取引されるものではないため、独立して商取引の対象となる「商品」に付されるものではなく、登録商標の使用に該当しないため、商標法上の使用を立証するものではない。

第3 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、答弁書、手続補正書、証拠方法提出書及び口頭審理陳述要領書(口頭審理における陳述を含む。)において、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証?乙第21号証(枝番を含む。ただし、以下、枝番のすべてを引用する場合は、その枝番の記載を省略する。)及び検乙第1号証を提出した。
1 理由
(1)本件商標の使用事実の概要
本件商標は、被請求人が本件商標に係る商標権に基づいて許諾をする通常使用権者である佐々木が、少なくとも本件審判の登録前3年以内である平成22(2010)年3月以前から同24(2012)年10月まで製造し、熊本、大分、三重などのデパートにおける催事において販売若しくは実演販売する商品「せんべい」について、継続して使用をしているものである。
(2)本件商標の来歴、営業の形態と被請求人の承継
本件商標は、江戸南町奉行所筆頭与力の佐久間長敬の次男が明治33年に現在の浅草橋三丁目において、せんべいを製造販売するにあたり、次男が八百屋であったことから、「かぶ」と「かぼちゃ」をかたどった「せんべい」を「浅草八百家せんべい」とし、「かぶ」を縁起の良い「家富かぶ」としたことに由来するものである(乙4、乙17、乙18)。その後も株式会社八百家せんべい本舗として営業を継続し、駒形橋に移転後、蔵前に店舗を移したが(乙17、乙18)、手焼せんべいの有名店として店舗販売を行うと共に、江戸前の老舗として、都内のイベントや地方のデパートの催事における実演販売等を通して「家富かぶ」と「かぼちゃ」とからなる「八百家せんべい」の製造、販売を行っていた(乙18)。
その後、被請求人は、平成7年に株式会社八百家せんべい本舗からすべての業務を引き継いだことに伴い、本件商標の商標権も被請求人に譲渡され、「八百家せんべい」すなわち「家富かぶ」と「かぼちゃ」のせんべいをそっくりそのまま継承して製造販売をし、同時に株式会社八百家せんべい本舗が行っていた地方での催事についてその営業活動の内容を変えることなく継続して行った。
(3)通常使用権者による本件商標の使用
被請求人は、その後、経済情勢の変化などから、平成12年に「八百家せんべい」に関する営業を、株式会社八百家せんべい本舗からの社員であり職人であり、被請求人が株式会社八百家せんべい本舗を承継した際も、被請求人の社員であり職人として催事などの実演販売を継続して行っていた佐々木が、被請求人から独立して東京都足立区において個人商店の佐々木商店としてそのまま承継することとし、「八百家せんべい」及び本件商標を使用することを佐々木に許諾し、佐々木は佐々木商店として現在に至るまで、同じ経営を引き続き行っているものである(乙7?乙16)。
また、うるち米を原材料とするせんべいについては、メーカーは一般的には生生地を製造する業者から、生生地を購入して、これを味付け、焼き上げて製品「せんべい」とすることが行われているが、被請求人は「八百家せんべい」、すなわち本件商標の「家富かぶ」と「かぼちゃ」を製造販売していた時から引き続いて埼玉県久喜市の株式会社折原米菓工場からこれらの生生地を購入し(乙19の1?8)、これらを佐々木に納品している(乙20の1?6)。
このような経緯から、被請求人と佐々木との間では書面による契約書を取り交わしてはいないが、佐々木は本件商標に関する許諾による正当な通常使用権者であることは明らかである。
なお、乙第19号証の1?8及び乙第20号証の1?6の納品書は平成20年4月?同24年9月までのものであり、その中に記載された「カブ」は、本件商標に係る商品せんべいの生生地であることを表している。
また、検乙第1号証のラベルは、被請求人がかなり以前から在庫として所有していたものをそのまま佐々木が譲り受けて現在も使用し続けているものであるので、このラベルの製造や納品時期については明らかでないが、佐々木が佐々木商店として独立した平成12年当時に被請求人から納品されたものと推察される。
(4)本件商標の使用事実
佐々木は佐々木商店として、少なくとも平成22(2010)年3月以前から同24年(2012年)10月の間に、株式会社八百家せんべい本舗と被請求人が行っていた地方のデパートでの催事、すなわち昔からの江戸の風情を色濃く承継している東京(江戸)の老舗による商品の販売や実演販売を目的とする催事をそのまま継続をして行っており、従来どおりの形態のままに出店をし(乙7?乙16)、ポスター、案内書、包装も株式会社八百家せんべい本舗当時からのもので被請求人が引き継いだものをそのまま使用をし、商品の販売(乙6の1?4)と実演販売も佐々木が行うなど、本件商標に係るせんべいを継続して販売をしている(乙1?乙16)。
すなわち、乙第4号証のポップ(店頭にかざる商品の説明書)、乙第5号証の写真及び乙第18号証の「浅草 八百家せんべい本舗の歴史」(特に最後から2頁目の「販売の歴史」の写真)にあるように一貫して同じ様式により出店をするとともに、とりわけ、乙第5号証の写真では背後の壁に掲げられ、また乙第18号証の「浅草八百家せんべい本舗の歴史」の最後から2頁目の「販売の歴史」の3枚の写真の3枚ともにおいて、店舗の前面や背後の壁の掲げられている額を常に目立つところに掲げ、同時に乙第2号証の「定価表」、乙第3号証のPOP(ポスター)や、必要に応じて乙第4号証のPOP(説明書)を掲げている。
また、例えば、乙第7号証の1の佐々木の写真は、株式会社八百家せんべい本舗当時のものと推測される乙第5号証の上の写真の一部をそっくり転用しているものであり、このように用いる資料なども変えずに一貫した営業を行っていることが了解できる。
額では、「代表商品名 手焼せんべい」として「かぶ家富」が大きく表示され、説明文にも「かぶ家富」が用いられている。
乙第2号証の定価表では「家富」が、また乙第3号証のPOPでは「かぶ家富」が表示されている。
また、乙第7号証の1及び乙第11号証の3等の新聞広告では「野菜の家富(かぶ)と南瓜(かぼちゃ)を型どったせんべい」として説明文が用いられているが、「南瓜(かぼちゃ)」はともかくとして「家富(かぶ)」は本件商標をそのまま表示しているものである。
これらの催事は、例えば乙第12号証?乙第16号証の新聞広告の「大江戸のれん市」は熊本のTOKIWA、県民百貨店及び熊本阪神でそれぞれ30回以上、乙第10号証の「大江戸老舗まつり」は16回などと長期にわたって開催がされ、その地方の有力新聞などのマスコミを通して宣伝広告がされていることから(乙7の3、乙12の1、乙16など)、本件商標の「家富かぶ」は、それらの地域では相当の実績と知名度を得ているといえる。
してみれば、例えば、乙第6号証及び検乙第1号証のように商品に直接付されている「家富」の形態が、本件商標と異なっているとしても、「蕪」を「家富」とわざわざ当て字として「カブ」と称呼されるものであることは、すでに顧客の間では十二分に認識されているものであるから、かかる行為は商品「せんべい」の商標として商品に付する行為(商標法第2条第1項第1号)となり、これを譲渡、譲渡のために展示する行為(同2号)に該当する。また乙第1号証の「額」の「家富かぶ」、乙第2号証の「定価表」の「家富」、乙第3号証のPOP(ポスター)の「家富かぶ」は、本件商標の商品の広告、価格表に付して展示する行為(同8号)となり、さらに乙第7号証の1及び乙第11号証の3の広告の「家富(かぶ)」についても、本件商標の広告(同8号)に該当する。
これらの本件商標の使用行為は、平成22年10月6日から(乙16の1?3)同24年10月9日まで継続して行われているものである(乙7?乙16)。
(5)結論
以上のとおり、本件商標の「家富かぶ」は、その指定商品について継続して本件審判の予告登録日前3年以内に日本国内において通常使用権者が使用していたものである。
2 平成25年6月19日付け口頭審理陳述要領書
(1)通常使用権者について
陳述書(乙21)において、被請求人と佐々木との雇用関係とその後の独立、原材料の供給について明らかにされ、また原材料の供給という格別の両者の関連について納品書、注文書(乙19、乙20)とにより明らかにされている。納品書及び注文書には「カブ」「八百家煎餅生地カブ」などと明記されている。
かかる状況から、被請求人と佐々木との間の格別の取引・信頼関係から、両者の間に正当な通常使用権が成立していたことは明らかである。
陳述書において、佐々木が通常使用権に言及しなくとも、両者の間の合意によって、契約書の有無にかかわらず、通常使用権は成立し、佐々木は正当な権限(通常使用権)により本件商標を使用するものである。
(2)商標としての使用について(乙1の「額」における「かぶ家富」について)
請求人は、「家富」自体には識別力があることを認めながら、識別力がある商標でもその使用の方法によって、商標としての識別力を発揮しないこともあるとの前提に立って、(a)「八百家せんべい」の詰め合わせのひとつであること、(b)当て字であるが「蕪」の形状を型取ったことを示すにすぎない、の2点から、「額」(乙1)の「かぶ家富」は商標ではないとする。
しかしながら、詰め合わせ商品の中のそれぞれの特定の商品に使用される標識は、それぞれの「商品」に使用されるのであるから「商標」である。
乙第1号証の「額」では、「八百家せんべい」は2種類の商品で構成されており、それぞれの商品(蕪型と南瓜型の手焼せんべい)の「商標」として「かぶ家富」「かぼちや南瓜」が表示されている。
「額」の中の「由来」での「かぶ家富」の文言や「蕪の図形」は「かぶ家富」が野菜の蕪に由来することから用いられているのであり、先の商標の表示としての「かぶ家富」の識別力や商標としての使用に格別の影響があるものではない。
(3)商品に対する使用について
請求人の主張は、要するに「家富」と「かぼちや」がセットされている「八百家せんべい」では、八百家せんべいのみが商品であって、中の「かぶ家富」は単独で販売されていないので「商品」とは言えないとされている。すなわち、「かぶ家富」単独では購入できないから、蕪型のせんべいは商品ではなく、したがって「かぶ家富」は商標の使用とは言えないとする。
しかしながら、単独であろうと、なかろうと商品「せんべい」に「かぶ家富」が使用され、かつ、「かぶ家富」は商品に関する標識であり「商標」の使用である。
(4)「額」の掲示について
この点に関する請求人の主張は、単なる憶測の域をでないものであり、その主張には根拠が認められない。

第4 当審の判断
1 被請求人が提出した乙各号証によれば、以下の事実が認められる。
(1)乙第1号証は、商品の由来などを記載した口上書ともいうべきものを納めた額(以下「本件額」という。)の写真であり、その額には、「浅草 八百屋せんべい本舗」と記載され、その左側に「代表商品名」として「手焼せんべい」の文字(以下「使用商品」という。)と記載され、さらに、その下に「家富」と「南瓜」の文字が太く大きく記載され、その「家富」と「南瓜」の各漢字の右側には、それぞれ「かぶ」「かぼちゃ」の文字が小さく記載され(なお、以下、上記「家富」と「かぶ」の文字部分を「使用商標」という。)、このほか、商品名の由来と蕪の図形記載されている(なお、上記各文字は、いずれも毛筆体で書かれ、図形は墨絵風に描かれている。)。
(2)乙第5号証は、百貨店の催事における佐々木による実演販売を撮影した写真(2葉)として提出されたものであるが、上方の写真には、職人が、壁に掲記された本件額(乙1)を背にして、せんべいを焼きながら接客している様子が写されている。また、下方の写真は、上方の写真の店舗全体の様子が写され、「浅草 八百屋/せんべい本舗」の文字が書かれたのれんや「八百屋せんべい」の文字が書かれた看板などが写されている。
(3)乙第6号証は、透明な袋に入ったせんべいを写した写真3葉であるが、この表面のラベルには、蕪の図形と「家富」の文字とを組み合わせた標章と「浅草/八百屋せんべい」の文字が書かれている。また、その裏面のラベルには、品名として「八百屋煎餅」、賞味期限として「13.02.21」の記載や、東京都足立区所在の佐々木の記載がある。
(4)乙第7号証は、平成23年6月9日?14日に開催された「YAO/矢尾」秩父店における催事に関するチラシに、「花畑 佐々木商店」「『八百屋せんべい』野菜の家富(かぶ)と・・・を型どったおせんべい。」や「実演」の文字と共に、職人の写真(乙5の写真の一部分と認められる。)が掲載されている。
(5)乙第8号証は、平成24年10月2日?8日に開催された「県民百貨店」(熊本県)における催事に関するチラシに、「花畑 佐々木商店」「丸缶煎餅詰合せ」「実演」等の文字と共に、商品の写真が掲載されている。
(6)乙第10号証は、平成24年1月7日?15日に開催された「松菱百貨店」(三重県)における催事に関するチラシに、「[花畑]佐々木商店」「丸缶煎餅詰合せ」「実演」等の文字と共に、商品の写真及び実演販売の写真(乙5の写真の一部分と認められる。)が掲載されている。
(7)乙第12号証?乙第14号証は、平成24年3月15日?21日、平成23年3月10日?16日及び平成22年3月11日?17日に開催された「トキハ」本店(大分県)における催事に関するチラシに、「花畑 佐々木商店」「赤丸缶 八百屋せんべい詰合せ」又は「赤丸缶 八百屋せんべい」「実演」等の文字と共に、商品の写真が掲載されている。
(8)乙第15号証は、平成23年10月12日?18日に開催された「県民百貨店」(熊本県)における催事に関するチラシに、「花畑『佐々木商店』」「丸缶煎餅詰合せ」「実演」等の文字と共に、商品の写真が掲載されている。
(9)乙第16号証は、平成22年10月6日?11日に開催された「くまもと阪神」(熊本県)における催事に関するチラシに、「花畑【佐々木商店】」「丸缶煎餅詰合せ」「実演」等の文字と共に、商品の写真が掲載されている。
(10)乙第19号証は、平成20年4月8日?同24年9月13日の間の、株式会社折原米菓工場から商標権者である株式会社中央軒煎餅(商標権者)宛の納品書であり、これらには、「カブ」、「カボチャ」との品名の商品が納品されている旨、乙第19号証の6には「佐々木商店様直送」との記載がある。
(11)乙第20号証は、平成22年2月16日?同24年4月11日の間の佐々木商店からの注文書及び商標権者から佐々木商店宛の納品書であり、納品書には、「八百屋煎餅生生地カブ」、「八百屋煎餅生生地家富」、「カブ」、「家富生生地」との品名により、せんべいの生生地が納品されている旨の記載がある。
(12)乙第21号証は、平成25年1月24日付けの佐々木の署名と押印がある陳述書であるが、これによれば、佐々木は、もともとは、本件商標の旧権利者である株式会社八百屋せんべい本舗の社員、いわゆるせんべい職人としてせんべいの製造及び実演販売をおこなっていたこと、平成7年4月に株式会社八百屋せんべい本舗が商標権者に吸収合併されたことに伴い、そのまま商標権者の社員となり、百貨店での催事において「八百屋せんべい」の実演販売をしていたこと、その後、佐々木は、平成12年に独立し、佐々木商店として、当該実演販売事業を継承していること、当該実演販売に用いるせんべいの生生地と包装缶は商標権者から購入していること、百貨店の催事においては、株式会社八百屋せんべい本舗及び現在の商標権者当時から使用していた本件額などをそのまま使用し、乙第5号証の写真と同様の店構えで、「八百屋せんべい」の実演販売を行っていること、当該催事での実演販売は、昭和53年頃から新宿伊勢丹で始め、35年以上に亘って継続して行われていること等、陳述している。
2 上記1の事実からすれば、以下のとおり判断されるものである。
(1)通常使用権者について
佐々木は、もとは商標権者の社員であり、その当時から百貨店での催事において、使用商標に係る「八百屋せんべい」の実演販売をしていたが、平成12年に独立し、佐々木商店として、当該実演販売事業を継承し、後述するとおり、現在も継続して行っているものと推認される。
そして、佐々木は、当該せんべいの生生地を「カブ」「カボチャ」用として、商標権者から購入していたものと認められる。
してみれば、商標権者は、佐々木の営業内容を熟知していたものと推認されるから、佐々木は、商標権者により、本件商標を使用することについて、黙示の許諾(通常使用権)を受けていたというべきである。
この点、請求人は、商標権者と佐々木との関係が一切明らかでなく、被請求人は、佐々木が真正な通常使用権者であることを立証するために通常使用権許諾契約書などの証拠の提出すべきである旨主張している。
しかしながら、上記したとおり、商標権者は、佐々木の営業内容を熟知していたものと推認されるものであって、加えて、商標権者から購入した当該せんべいの生生地を使用して、百貨店の催事において、「八百屋せんべい」の実演販売等行っているとの佐々木の陳述は、他の乙各号証に照らしみても、全体として不自然な点は認められず、信用性があるものと判断されるから、かかる請求人の主張は採用することができない。
(2)本件額の掲示等について
平成23年6月9日?14日に開催された「YAO/矢尾」秩父店(乙7)、平成24年10月2日?8日に開催された「県民百貨店」(熊本県)(乙8)、平成24年1月7日?15日に開催された「松菱百貨店」(三重県)(乙10)、平成24年3月15日?21日、平成23年3月10日?16日及び平成22年3月11日?17日に開催された「トキハ」本店(大分県)(乙12?乙14)、平成23年10月12日?18日に開催された「県民百貨店」(熊本県)(乙15)並びに平成22年10月6日?11日に開催された「くまもと阪神」(熊本県)(乙16)の各百貨店における催事(以下、単に「本件催事」という場合がある。)において、佐々木が「手焼せんべい」の実演販売を行ったことが認められる。
そして、佐々木は、乙第21号証で陳述するとおり、実演販売において、乙第5号証の写真で示されているように、本件額を掲示し商品を販売しているものであり、本件催事においても同様に、本件額を掲示する方法により商品を販売したことが認められる。
これに対して、請求人は、本件催事において本件額が掲示されていることを示す証拠は一切提出されておらず、また、「催事場に本件額を掲載していた」と主張するのは「陳述書」のみで、これを立証する証拠は一切存在せず、さらに、乙第5号証の写真は、昭和57年に広島そごうで撮影されたものであり、これを本件催事における実演販売を行った際に、本件額が掲示されていることを示すものとして、今から30年も前の写真をわざわざ使用する必要はなく、売り場写真が1枚も存在しないのもきわめて不自然であることから、本件催事における実演販売を行った際に、本件額は掲示されず、陳述内容が虚偽である旨主張している。
しかしながら、実演販売は、江戸の伝統商品の催事で行われていることからすると、その商品の由来を掲示して行うことは自然であり、他に、上記佐々木の陳述内容が不自然とする理由は認められない。
なお、催事に出店した際に、必ずしも写真を撮るとは限らないから、最近の催事での写真がないとしても、不自然とはいえないし、現在も実演販売していることは上記のとおりである。
よって、かかる請求人の主張は採用することができない。
(3)使用商標及び使用商品について
ア 本件額に表示された使用商標は、本件商標とは、その書体の違いはあるものの、同一の「家富」と「かぶ」の文字からなるものであるから、社会通念上同一の商標といえる。また、使用商品(せんべい)は、請求に係る指定商品の範疇に属する商品であること明らかである。
イ 請求人は、本件額に表示された「家富/かぶ」の文字は、単に商品の「形状」を表すために用いられているものであるため、商標の使用に該当しない旨、主張する。
確かに、本件額には、「由来」に関する記述があり、そこには「手焼せんべい」について、「野菜のなかより縁起の良い『家富(かぶ)』と『南瓜(かぼちゃ)』を型取った真正堅焼の手焼が八百屋せんべいです」との旨の説明がされているが、この額を見た需要者は、「家富/かぶ」に関する「由来」の部分から、「手焼せんべい」の下に書かれた「家富」の漢字とその右横の「かぶ」の平仮名を記載した部分が、「手焼せんべい」の「形状」を表すために用いられているものであると理解し得る場合があるとしても、「家富」の文字は、「代表商品名」のもとに、顕著に、太く、大きく強調するように表記されているところからすると、同時に、出所識別標識としての標識(商標)であると解することができる。
また、請求人は、「八百屋せんべい」は、常に「かぶ/家富」と「かぼちや/南瓜」がセットになって詰め合わせとして販売されているもので、「八百家せんべい」の購入者は、「かぶ/家富」のみを買うことはできず、「かぶ/家富」は、独立して商取引の対象となる商品に使用されるものではない旨、主張する。
確かに、請求人のいうように、本件催事における実演販売を行った際に、「家富(かぶ)」と「南瓜(かぼちゃ)」が詰め合わされた状態で販売されていたとしても、使用商標は、その詰め合わされた商品中、特定のせんべいを表示するものとして使用されているのは明らかであるから、独立して商取引の対象となる商品「せんべい」について使用されているといえる。
よって、請求人の主張は、いずれも採用することができない。
(4)小括
以上、前記(1)?(3)によれば、本件商標の通常使用権者と認め得る佐々木は、本件審判の請求の登録前3年以内(平成22年3月?同24年10月頃)に開催された本件催事における「手焼せんべい」の実演販売を行った際に、本件商標と社会通念上同一の使用商標及び使用商品である「手焼せんべい」が表示された本件額を掲示したことが認められる。
そして、かかる行為は、商品「せんべい」に関する広告に標章を付して展示する行為ということができ、これは、商標第2条第3項第8号に規定する標章についての「使用」に該当する。
3 被請求人による証人申請について
被請求人は、平成25年6月19日付けで証人尋問申出書及び尋問事項書を提出し、佐々木の証人申請をしているところ、当合議体は、尋問の内容は、乙第21号証において既に証人が陳述しており、改めて証人に尋問する必要はないと判断し、証人尋問は行わないこととした。
4 まとめ
してみれば、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者が、請求に係る指定商品に含まれる「せんべい」について、本件商標と社会通念上同一の商標を使用していたことを証明したものと認めることができる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
なお、請求人は、審理終結後、平成25年7月11日付けの審判弁駁書を提出し、百貨店での実演販売した場合であっても、売り場スペースの問題から、本件額は掲示されていない旨主張しているところ、かかる請求人の主張は憶測の域にとどまるものであるから、当合議体は、当該審判弁駁書を徴するも上記判断を左右するに足らないと認め、審理再開する必要がないと判断した。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲(1)
本件商標


別掲(2)
乙第1号証の額(色彩及び詳細は原本参照のこと。)


審決日 2013-07-31 
出願番号 商願昭60-44299 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (130)
最終処分 不成立 
特許庁審判長 内山 進
特許庁審判官 小川 きみえ
井出 英一郎
登録日 1987-05-29 
登録番号 商標登録第1951404号(T1951404) 
商標の称呼 カブ、カフ 
代理人 齋藤 理絵 
代理人 幸田 全弘 
代理人 梅村 莞爾 
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