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審判番号(事件番号) データベース 権利
異議2013900128 審決 商標
異議2013900100 審決 商標
異議2013900123 審決 商標
異議2013900145 審決 商標
異議2012900296 審決 商標

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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W25
審判 全部申立て  登録を維持 W25
審判 全部申立て  登録を維持 W25
審判 全部申立て  登録を維持 W25
審判 全部申立て  登録を維持 W25
管理番号 1279028 
異議申立番号 異議2013-900067 
総通号数 166 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2013-10-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2013-03-13 
確定日 2013-09-17 
異議申立件数
事件の表示 登録第5542911号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5542911号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5542911号商標(以下「本件商標」という。)は、「さらさらーだ」の平仮名及び長音符号を標準文字で表してなり、平成24年6月14日に登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同年11月12日に登録査定、同年12月14日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものとして引用する登録商標は、以下のとおりである。
(1)登録第3196621号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲のとおり、「ANDRE SARDA」(「E」の文字と最後の「A」の文字には、アクセント記号が付されている。)の欧文字を表してなり、平成5年9月16日に登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同8年9月30日に設定登録がなされているものである。
(2)国際登録第1070155号商標(以下「引用商標2」という。)は、「ANDRES SARDA」の欧文字を表してなり、2011年(平成23年)2月28日に国際商標登録出願、第25類「Clothing, footwear, headgear」を指定商品として、平成24年3月30日に設定登録がなされているものである。
上記引用商標1及び2は、いずれも現に有効に存続するものであり、以下、これらを一括して「引用商標」という。

3 登録異議申立ての理由
(1)本件商標の識別力について
本件商標は「さらさらーだ」を標準文字にて書してなるところ、これは「油気・粘り気・湿気がなく心地よく乾いているさま」の意味を有する(甲第4号証)「さらさら」に「断定を表す」「だ」を結合した「さらさらだ」の「ら」に長音符をつけて語呂よく表現したものであることが容易に見て取れる。ここで本件指定商品の属する業界においては、近年ハイテク素材を使用した機能性商品が一大マーケットを形成しており、とりわけ春夏は「涼感」「速乾」を訴求した商品が定番になっているという事情がある(甲第5号証)。そして「さらさら」は、この「涼感」「速乾」を表す語として「さらさら吸汗速乾」「さらさら涼感」「さらさら感」「さらさらコットン」「さらさらの肌触り」「さらさら素材」など、商品の品質や効能を表すものとして一般に使用されている(甲第6号証)。そうとすると、本件商標をその指定商品に使用しても、該商品が「さらさらした肌触りの商品」、「さらさらした素材を使用した商品」、「汗をかいてもさらさら感が変わらず涼しさを感じさせる商品」であること、即ち、商品の品質、効能を表示するものであることを容易に理解し認識するにとどまり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないため、本件商標は商標法第3条第1項第3号に該当する。
さらに、上記品質、効能を有しない指定商品について本件商標を使用した場合は、その指定商品があたかも上記品質、効能を有する商品であるがごとく商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるため、本件商標は商標法第4条第1項第16号に該当する。
(2)本件商標と引用商標1及び2との類否
本件商標はこれを構成する文字に応じて「サラサラーダ」の称呼が生じるが、後半部の「サラーダ」に長音が含まれることから、当該後半部が前半部に比べて比較的強く発音されることになると考えられる。一方、引用商標1及び2は、それぞれを構成する文字に応じて「アンドレサルダ」、「アンドレ」又は「サルダ」の称呼が生じる。引用商標は後述するようにデザイナーの氏名であるが、氏名は時に氏と名に分離され、氏のみで「サルダ」と称呼されることもある(甲第7号証)。そして、本件商標の後半部の「サラーダ」と引用商標1及び2の後半部の「サルダ」を比較すると第二音において「ラ」と「ル」が相違するが、この相違音は調音位置を同じくするラ行の同行音に属する近似音で両称呼全体に及ぼす影響は小さく、一連に称呼するときは、その語調、語感が相似たものとなる。
ここで、引用商標1及び2は、スペイン国バルセロナ出身のデザイナーの氏名であり、同氏が提供する水着とインナーウェア(ランジェリー)のブランド名として1962年以降スペインを始め世界各国で使用され、広く知られている商標でもある(甲第7号証ないし甲第25号証)。日本においては、現在百貨店、高級下着店、通信販売で広く取り扱われている(甲第12号証ないし甲第23号証)。このような本件商標の周知性にかんがみれば、本件商標をその指定商品に使用した場合にはその出所について混同を生じるおそれが生じる程類似していると言わざるを得ない。
以上のとおり、本件商標と引用商標1及び2は、互いに紛れるおそれのある類似の商標である。
してみれば、本件商標は、引用商標1及び2と類似する商標であり、かつ、引用商標1及び2の指定商品と同一又は類似する商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号について
本件商標は、「さらさらーだ」の平仮名及び長音符号を標準文字で表してなるものである。
そして、本件商標から長音符号を除いた「さらさらだ」の文字は、例え申立人が主張するような意味合いを想起させるとしても、「さらさらだ」、「サラサラダ」、「SARASARADA」、「さらさらーだ」又は「サラサラーダ」の文字等が申立に係る指定商品について、当該商品の品質、効能を表示するものとして、取引上、一般に使用されている事実は発見できず、また、当該商品の取引者・需要者が当該文字を商品の品質、効能等を表示したものと認識するというべき事情も認められない。
そうとすると、本件商標は、これを指定商品のいずれについて使用しても、商品の品質、効能等を表すものではなく自他商品の識別標識としての機能を果たし得る商標であり、また、商品の品質について誤認を生じさせるおそれもない商標といわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものではない。
(2)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標
本件商標は、「さらさらーだ」の平仮名及び長音符号を標準文字で表してなるところ、該文字は、同じ書体、同じ大きさ、等間隔で表され、構成全体として、まとまりよく一体的に表されてなるものであって、「さらーだ」の文字部分が取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものとは認められないものである。
そうすると、本件商標は、その構成全体として不可分一体の商標としてのみ認識されるものであるから、これよりは、「サラサラーダ」の称呼のみが生じ、一種の造語として認識され特定の観念を生じないというべきである。
イ 引用商標
(ア)引用商標1は、別掲のとおり、「ANDRE SARDA」(「E」の文字と最後の「A」の文字には、アクセント記号が付されている。)の欧文字を表してなるところ、「ANDRE」と「SARDA」の欧文字の間には、半文字程度の間隔を有するとしても、該文字は、同じ書体、同じ大きさで表されているものであるから、その構成に照らし「アンドレサルダ」の称呼のみを生じ、特定の観念を生じないというべきである。
(イ)引用商標2は、「ANDRES SARDA」の欧文字を表してなるところ、「ANDRES」と「SARDA」の欧文字の間には、半文字程度の間隔を有するとしても、該文字は、同じ書体、同じ大きさで表されているものであるから、その構成に照らし「アンドレスサルダ」の称呼のみを生じ、特定の観念を生じないというべきである。
ウ 本件商標と引用商標との類否
本件商標と引用商標について比較するに、両者は、それぞれ前記のとおりの構成よりなるから、外観上、明らかに区別し得るものである。
また、本件商標より生ずる「サラサラーダ」の称呼と引用商標より生ずる「アンドレサルダ」又は「アンドレスサルダ」の称呼とを対比すると、両者は、音構成及び構成音数が異なり、それぞれを一連に称呼するときは、全体の音感・音調が明らかに異なり、容易に区別することができるものである。
さらに、本件商標と引用商標は、いずれも特定の観念を生じないから、観念上、類似するとはいえない。
してみれば、本件商標と引用商標は、外観、称呼及び観念のいずれの点についても互いに相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
エ 申立人の主張について
申立人は、引用商標はデザイナーの氏名であるが、氏名は時に氏と名に分離され、氏のみで「サルダ」と称呼されることもあると主張している。
しかしながら、仮に、引用商標が「サルダ」と称呼されることがあるとしても、本件商標より生ずる「サラサラーダ」の称呼と「サルダ」の称呼とを対比すると、音構成及び構成音数が異なり、それぞれを一連に称呼するときは、全体の音感・音調が明らかに異なり、容易に区別することができるものである。そして、本件商標と引用商標は、いずれも特定の観念を生じないから、外観、称呼及び観念のいずれの点についても互いに相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
してみれば、申立人の上記主張は採用することができない。
オ まとめ
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第3条第1項第3号、同法第4条第1項第16号及び同第11号のいずれにも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
引用商標2



異議決定日 2013-09-06 
出願番号 商願2012-48087(T2012-48087) 
審決分類 T 1 651・ 272- Y (W25)
T 1 651・ 13- Y (W25)
T 1 651・ 263- Y (W25)
T 1 651・ 262- Y (W25)
T 1 651・ 261- Y (W25)
最終処分 維持  
前審関与審査官 田口 善久 
特許庁審判長 渡邉 健司
特許庁審判官 大森 健司
前山 るり子
登録日 2012-12-14 
登録番号 商標登録第5542911号(T5542911) 
権利者 株式会社ワコール
商標の称呼 サラサラーダ 
代理人 海田 浩明 

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