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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W11
管理番号 1278911 
審判番号 不服2013-1659 
総通号数 166 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2013-10-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-01-29 
確定日 2013-08-15 
事件の表示 商願2012- 19986拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「ハイブリッド輻射空調」の文字を標準文字で表してなり、第11類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成24年3月15日に登録出願され、その後、指定商品については、当審における同25年1月29日付け手続補正書により、第11類「輻射式暖冷房装置,輻射式家庭用電気式暖冷房装置」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『ハイブリッド輻射空調』の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中『ハイブリッド』の文字は『複合型』の意味を、『輻射』の文字は『車の輻のように一点から周囲に射出すること。放射。』の意味を有する語として、それぞれ知られているものである。そして、本願商標の指定商品に関する業界において、空調の方式の一つとして『輻射空調』があり、また、空調に関する複数の方式を組みあわせることを指す語として『ハイブリッド』の文字が使用されている実情が伺えることからすれば、本願商標は全体として『複合型の放射状の空調』程の意味合いを容易に認識させるものである。そうとすると、本願商標をその指定商品中の、例えば『複合型の輻射式暖冷房装置』等の、複合型、かつ、輻射式の空調に関する商品に使用しても、これに接する需要者・取引者は、前記の意味合いを認識するにとどまるというのが相当であるから、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示するものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり、「ハイブリッド輻射空調」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「ハイブリッド」の文字は、「異種のものを組みあわせたもの。」、「輻射」の文字は、「車の輻(や)のように、中央の一点から周囲に射出すること。放射。」を意味するものであり、また、「空調」の文字は、「空気調節(エアコンディショニング)」の略語であって、「室内の空気の温度・湿度・清浄度などの調節。空気調節。空気調和。空調。エアコン。」を意味するもの(いずれも「広辞苑第六版」、株式会社岩波書店発行)である。
そして、別掲の1のインターネット及び新聞記事情報によれば、「輻射空調」の文字が、「冷温風や冷温水を用いて天井や床の温度をコントロールし、室内に輻射(放射)効果を発生させる空調方式」を表す語として用いられていることが認められる。
また、別掲の2のインターネット及び新聞記事情報によれば、例えば、機械冷房と自然換気等の複数の技術を組みあわせたものについて「ハイブリッド」の文字を用いて「ハイブリッド空調」と称していることが認められる。
そうとすると、「ハイブリッド輻射空調」の文字は、「複数の技術を組みあわせた輻射式空調」程の意味合いを表したものと認識されるものであり、これを補正後の指定商品「輻射式暖冷房装置,輻射式家庭用電気式暖冷房装置」に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、「複数の技術を組みあわせた輻射式空調による暖冷房装置,複数の技術を組みあわせた輻射式空調による家庭用電気式暖冷房装置」であること、すなわち、商品の品質を表示したものと理解するにとどまり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものとは認識し得ないというのが相当である。
してみれば、本願商標は、「ハイブリッド輻射空調」の文字を標準文字で表してなるものであるから、その指定商品の品質を普通に用いられる方法で表示したものといわざるを得ない。
なお、請求人は、本願商標がその補正後の指定商品の品質等を表示するものとして取引上一般に使用されてなく、該指定商品の取引者、需要者をして直ちに特定の品質を表示したにすぎないものと認識されるものではないから、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものではない旨主張する。
しかしながら、商標登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号の品質表示に該当するというためには、取引者、需要者が品質を表示するものとして認識するものであれば足りるといえるのであって、実際に商品の品質を表示するものとして使用されていることまでは必ずしも必要としない旨判示されている(平成13年(行ケ)第207号 東京高裁平成13年12月26日判決言渡参照)。
そうすると、たとえ、「ハイブリッド輻射空調」の文字が商品の品質等を表すものとして実際に使用されていないとしても、これに接する取引者、需要者は、商品の品質等を表示するものとして認識し得るものであることは上記のとおりである。
さらに、商標登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するかどうかは、当該商標の構成態様と指定商品又は指定役務の取引の実情等に基づいて、個別具体的に判断されるべきものであって、かつ、その判断時期は、査定時又は審決時と解されるべきものであるから、請求人の挙げた登録例は、いずれも、本願商標とはその商標の構成又は指定商品、指定役務が相違し、本願とは事案を異にするものといわざるを得ないものであり、それら登録例の存在によって、前記判断は何ら左右されないというべきである。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
1 冷温風や冷温水を用いて天井や床の温度をコントロールし、室内に輻射(放射)効果を発生させる冷暖房空調方式について「輻射空調」と称している例
(1)三建設備工業株式会社のウェブサイト中の「技術情報」において、「放射空調(ふく射空調)」の見出しの下、「放射空調の特徴\空気を冷やしたり暖めたりして吹き出す従来空調に対し、放射空調では天井面や床面、壁面等の温度をコントロールすることで、居住者の身体が発する熱を吸収したり、熱放射を抑えたりして温冷感を感じます。そのため、従来の空調に比べて気流感が無く、音も静かです。また、送風による冷温風の空気対流がないので、その弊害である場所によっての寒すぎ、暑すぎのムラが起こりません。」との記載がある(http://www.skk.jp/technology/radiant/feature.html)。
(2)1998年11月12日付け「建設通信新聞」に、「竣工特集・東葛テクノプラザ」の見出しの下、「南西に面したコミュニケーションプラザにおけるダブルスキン手法の展開、テクニカルスリットや階段スペースを風や光の道として利用した自然採光、自然換気の展開、巨大な蓄熱壁や天井輻射空調等による快適な環境づくり、ガラス簾による日射制御など、建築計画と一体になった積極的な環境共生技術の展開によって大幅な省エネルギーを実現している。」との記載がある。
(3)2009年6月19日付け「建設通信新聞」に、「未来志向の超環境型オフィスへ/新本社に輻射空調,LED照明採用/清水建設」の見出しの下、「清水建設は、東京・京橋に建設中の新本社プロジェクトで、最先端の環境対策技術を採用する。天井パネル内部のパイプに冷温水を流す『輻射空調システム』やLED(発光ダイオード)照明を全面的に採用する計画だ。運用段階での二酸化炭素(CO2)排出量は、一般的なオフィスビルに比べて半減できる見通し。『未来志向の超環境型オフィス』(同社)を目指す。輻射空調システムやLEDの全館的な採用は、日本のオフィスビルでは初めて。輻射空調は、天井パネル内部に冷温水を流す仕組みで、室内の上下温度差が小さいほか、気流感が少ないなどのメリットがある。これまで天井パネルの結露などが課題だったが、吸湿材を使って外気を取り込む『デシカント空調システム』を採用して湿度を制御する。」との記載がある。
2 複数の技術を組み合わせた空調について「ハイブリッド空調」と称している例
(1)2004年7月26日付け「建設通信新聞」に、「エネ消費を半減/東京本店新社屋に環境配慮技術/竹中工務店」の見出しの下、「竹中工務店は、二酸化炭素(CO2)排出量と1次エネルギー消費量を、これまでの一般的なビルの約半分に抑えるため、一連の環境配慮技術を開発し、建設中の東京本店新社屋に採用した。自然風をオフィスに取り入れるハイブリッド空調や低温水利用システム、集熱ダクト換気などを導入するほか、国内で初めて空調ダクト材に段ボールを利用する。・・・建物全体の8割程度をカバーする空調システムは、低温水蓄熱、大温度差搬送、低温送風技術の3要素で構成する。低温水利用は3.5度の冷水を建物内に循環させ、各送風機から11度の冷風を吹き出す。」との記載がある。
(2)2007年11月19日付け「建設通信新聞」に、「特集・日本設計創立40周年(8)」の見出しの下、「<床涼温房を利用したハイブリッド空調>\小学校の教室への冷房設備導入については、ヒートショック(室内外温度差による体調不良)等の問題もあり、見解はさまざまである。そこで、武蔵野市立大野田小学校では児童にやさしい空調方式として床涼温房システムを計画した。床冷房と自然換気を併用するハイブリッド空調により、省エネルギーで健康的な冷房である“涼房”を実現している。26度設定の通常空調と比較すると約75%のエネルギー削減効果がある。」との記載がある。
(3)2009年5月26日付け「建設通信新聞」に、「特集・低炭素社会への取り組みと技術(2)」の見出しの下、「ハイブリッド空調\自然換気併用ハイブリッド空調システムを開発し、仙台市に立つ『WIND ECO・POWER MKD-9(竣工2001年)』への導入を図る等、展開を図っている。中高層の事務所ビルは、窓が開かず自然通風が行えない場合が多く、OA機器等による内部発熱の増加も影響し、中間期でも多くの冷房用エネルギーを消費している。自然換気併用ハイブリッド空調システムは、自然エネルギー利用技術として近年注目されている技術。機械冷房を基本としながらも、夏季の夜間や中間期で屋外が涼しい時には自然換気口を自動開放し、屋外の涼気を積極的に室内に採り入れる。冷房エネルギーを削減し、また清浄な室内空気環境が実現できる。」との記載がある。
(4)2010年3月10日付け「建設通信新聞」に、「運用段階でエネ20%削減/竹中工務店の東京本店ビル」の見出しの下、「現在の東京本店ビルは、Low-Eガラスや自然通風併用のハイブリッド空調、高効率熱源システムなどを備えるなど、省エネルギー性に配慮している。このため、旧東京本社ビルからの移転によって、エネルギー消費のm2当たり原単位は19%削減。エネルギー消費総量ベースで、旧ビルでの3カ年平均値と現ビルの09年度実績値を比べると47%もの削減となる。」との記載がある。
(5)特許庁のウェブサイト中の「標準技術集」の項目中に、「【技術名称】4-2-3-2 ハイブリッド空調」の見出しの下、「【技術内容】ここでいうハイブリッド空調とは、自然換気とシーリングファン(室内の空気を循環させるための天井扇)、床吹出空調を組合わせた空調であり、簡易エアフローウィンドウも組合わされている。中間期と夏の冷房期間には、外気温が設定室内温度よりも低い時は優先的に自然換気を行う。そのために、通風ルートの通気抵抗をできるだけ減らして、自然換気が行えるようにする。シーリングファンは1台あたりの消費電力が小さく、低風速で大きな攪拌効果がある。自然換気のみでは不十分な場合に運転する。自然換気とシーリングファンだけでは設定した室内温度を維持できない場合には、床吹出空調による冷房を追加する。ハイブリッド空調を実施した事例では、内外温度差が少ない場合は冷房期においても自然換気で空調を立上げ、負荷に応じてシーリングファンや床吹出空調が自動的に立ち上がるシステムを採用している。」との記載がある。




審理終結日 2013-06-14 
結審通知日 2013-06-18 
審決日 2013-07-01 
出願番号 商願2012-19986(T2012-19986) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (W11)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 中島 光 
特許庁審判長 寺光 幸子
特許庁審判官 山田 和彦
原田 信彦
商標の称呼 ハイブリッドフクシャクーチョー、フクシャクーチョー、クーチョー 
代理人 特許業務法人 英知国際特許事務所 
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