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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服2013589 審決 商標
不服201127129 審決 商標
不服20127616 審決 商標
不服201320453 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 取り消して登録 X35
審判 査定不服 商3条2項 使用による自他商品の識別力 取り消して登録 X35
管理番号 1278903 
審判番号 不服2013-3712 
総通号数 166 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2013-10-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-02-27 
確定日 2013-09-03 
事件の表示 商願2011- 44651拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、「有田陶器市」の文字を標準文字で表してなり、第35類「陶器市の企画・運営又は開催」を指定役務として、平成23年6月27日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『有田町で開催される陶器の即売会』を認識させるに止まる『有田陶器市』の文字を標準文字で表してなるものであるから、これを本願指定役務に使用しても、単に役務の提供場所、質を普通に用いられる方法で表してなるにすぎないものと認める。また、本願商標をその指定役務に使用した結果、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができるものということは困難である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであり、同法第3条第2項の要件を具備するものではない。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、「有田陶器市」の文字よりなるところ、その構成中「有田」の文字は、「有田焼(佐賀県の有田町を中心とした地域で作られる磁器の総称。)」で有名な「有田町」を理解させるものであって、該「有田陶器市」の文字からは、「有田町で開催される陶器の即売会」という程の意味合いを理解させるものである。
してみれば、本願商標は、これをその指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、上記意味合いを理解し、その役務の提供の場所、質を表示したものと理解するにとどまるというのが相当である。
したがって、本願商標は、その指定役務との関係において、役務の提供場所、質を表したものと需要者に一般に認識されるものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)商標法第3条第2項該当性について
請求人は、本願商標が商標法第3条第2項の要件を具備する旨を主張し、証拠方法として、提出物件1-1ないし2-4、及び提出物件1ないし20を提出している(以下「提出○」という。)。
ア そこで、本願商標が商標法第3条第2項の要件を具備するか否かについて検討するに、請求人の主張及び上記証拠方法によれば、以下の事実が認められる。
(ア)請求人について
請求人は、佐賀県の有田町にある有田商工会議所である。そして、本願の指定役務である「陶器市の企画・運営又は開催」について、有田焼で有名な有田町で、陶器の即売会である「有田陶器市」を開催している。
(イ)本願商標の宣伝広告、使用地域及び来場者数について
「有田陶器市」は、請求人の地元である「佐賀県西松浦郡有田町」において開催される有田焼の陶器の即売会の名称として、使用されているものである。
そして、本願商標の宣伝広告については、「主催」としての「有田商工会議所」の名称とともに、「有田陶器市」の文字がポスターに大きく表示されており、これが多数頒布されている(提出1?12)。
また、テレビCM及び新聞広告等(提出14?17)により、佐賀県を始め、広く全国的にもPR活動が行われている(提出2-4)。
そして、該陶器市には、例えば、有田町総務課発行の「広報有田」(平成24年6月1日発行)によれば、「第109回有田陶器市」の見出しのもと、「国内最大級の陶磁器まつり『第109回有田陶器市』が、4月29日から5月5日まで開催されました。・・・今年の来場者数は、7日間で131万人。10年連続で100万人を突破し、100回記念開催である2003年の132万人に次ぐにぎわいとなりました。」(提出20)の記載があるように、毎年多くの人々が訪れているところである(提出2-3)。
(ウ)本願商標の使用期間について
請求人が本願商標の使用を開始した時期は、書籍「人・器・商い」(162頁)において、「そこで四十五年に第六十回有田陶器市を迎えたのを機に、・・・陶器市実行委員会が商工会議所の内部組織として設けられ、・・・」と記載されていることから、昭和45年にその使用が開始されたものと認められる(提出1-1)。
そして、該陶器市は、毎年継続して40年以上にわたり、請求人により開催されている。
(エ)本願商標と使用商標の同一性について
実際に本願の指定役務について使用されている「有田陶器市」商標は、本願商標との対比において、書体や文字の書き表し方などにおいて相違する場合があるとしても、外観上同視しうるものであって、商標としての同一性を損なうものではないから、本願商標が本願の指定役務について使用されているものとみて差し支えない。
(オ)本願商標の指定役務と使用役務の同一性について
請求人は、前記のとおり、本願の指定役務の「陶器市の企画・運営又は開催」を行う者であるから、実際に本願商標を使用している役務「有田陶器市の企画・運営又は開催」は、本願の指定役務と同一である。
(カ)第三者による商標の使用について
本件審決時において、本願商標を構成する「有田陶器市」の文字を、「陶器市の企画・運営又は開催」について使用する者は、請求人以外見いだせない。
イ 小括
以上からすれば、「有田陶器市」は、有田焼で有名な佐賀県の「有田町」において、長年にわたって、陶器の即売会として毎年5月頃に開催され、100万人以上の多くの人々が訪れている陶器の販売促進イベントであって、該文字からなる本願商標は、佐賀県のみならず、広く全国的にも知られているものである。
してみれば、本願商標は、これがその指定役務について使用された結果、請求人を出所とする識別標識として、需要者が認識するに至ったものというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第2項の要件を具備するものというべきである。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第2項の要件を具備するものであるから、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当でなく、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決日 2013-08-22 
出願番号 商願2011-44651(T2011-44651) 
審決分類 T 1 8・ 17- WY (X35)
T 1 8・ 13- WY (X35)
最終処分 成立  
前審関与審査官 大森 健司 
特許庁審判長 井出 英一郎
特許庁審判官 田中 亨子
谷村 浩幸
商標の称呼 アリタトーキイチ、トーキイチ、アリタトーキ 
代理人 平井 安雄 
代理人 栫 生長 

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