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審判番号(事件番号) データベース 権利
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不服20136492 審決 商標
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審決分類 審判 査定不服 商4条1項7号 公序、良俗 取り消して登録 W03293032354143
管理番号 1277939 
審判番号 不服2013-761 
総通号数 165 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2013-09-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-01-16 
確定日 2013-08-27 
事件の表示 商願2012- 16175拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第3類、第29類、第30類、第32類、第35類、第41類及び第43類に属する別掲2のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成24年3月5日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、その構成中に『オーストリアの王家であったハプスブルク家』を看取させる『Habsburg』の文字を有してなるものであるから、これを該王家と何ら関係のない出願人が、本願商標をその指定商品について採択使用することは、オーストリア国国民の感情を害し、国際信義の観点に照らして穏当でない。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、別掲1のとおり、内側の線が太い二重線で描かれた円形の輪郭内に、直立した2頭の鷲と思しき鳥が両側から王冠を頭上で支える態様からなる欧紋章様の図形があり、その図形中には、「T」「H」の各欧文字を有し、かつ、その図形下に「Habsburg」の欧文字を配した構成よりなるものである。
そして、その構成中、「Habsburg」の文字は、かつて存在したオーストリアの王家「ハプスブルク家」を意味するものであるところ、フリー百科事典ウィキペディアによれば、該ハプスブルク家の最後の皇帝カール一世は、1918年にオーストリア=ハンガリー帝国から亡命し、それ以降、ハプスブルク家は、君主としての地位を失っている。現在、オーストリア共和国は、連邦共和制の国家である。
そうしてみると、該「Habsburg」の文字は、原審説示のように、「オーストリアの王家であったハプスブルク家」を看取させる場合があるとしても、1918年に君主としての地位を失ってから、既に95年の歳月が経過しており、今日において、「オーストリアの王家としてのハプスブルク家」が存在していないことは周知であることから、請求人が、本願商標を使用したとしても、「(オーストリアの王家としての)ハプスブルク家」と関わりがあるかの如く、取引者、需要者が誤信等するおそれがあるとは、もはやいい難いものであって、さらに、オーストリア国民の感情を害するとまでは認められないというのが相当である。
また、当審において調査したが、「ハプスブルク家」の尊厳や権威等を保護するべき事情は認められず、該文字を商標として採択、使用することが、オーストリア国民の感情を害すると認め得る証左は、発見することができなかった。
してみれば、本願商標は、国際信義に反するものというべき事情はなく、また、その構成自体がきょう激、卑わい、差別的若しくは他人に不快な印象を与えるような構成でないことは明らかであり、かつ、本願商標をその指定商品及び指定役務に使用することが社会公共の利益に反し、又は社会の一般的道徳観念に反するものではなく、加えて、他の法律によってその使用が禁止されているものとすべき事実も認められないものである。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第7号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当でなく、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲1(本願商標)


別掲2(本願商標の指定商品及び指定役務)
第3類「植物性天然香料,動物性天然香料,合成香料,調合香料,精油からなる食品香料」
第29類「乳製品,肉製品,加工水産物(「かつお節・寒天・削り節・食用魚粉・とろろ昆布・干しのり・干しひじき・干しわかめ・焼きのり」を除く。),加工果実,加工野菜」
第30類「食品香料(精油のものを除く。),茶,コーヒー,ココア,ケチャップソース,食酢,ドレッシング,ホワイトソース,マヨネーズソース,食塩,香辛料,コーヒー豆,穀物の加工品」
第32類「清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース」
第35類「レストランの経営の診断または経営に関する助言,レストランの市場調査,商品の販売に関する情報の提供,レストランの事業の管理,レストランの開業に関する指導および助言,乳製品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,肉製品及び加工水産物(「かつお節・寒天・削り節・食用魚粉・とろろ昆布・干しのり・干しひじき・干しわかめ・焼きのり」を除く。)の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,茶・コーヒー及びココアの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,調味料および香辛料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,コーヒー豆および穀物の加工品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,清涼飲料・果実飲料及び飲料用野菜ジュースの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」
第41類「西洋料理のテーブルマナー知識の教授,その他の技芸・スポーツおよび知識の教授」
第43類「西洋料理を主とする飲食物の提供,アルコール飲料を主とする飲食物の提供,茶・コーヒー・ココア・清涼飲料又は果実飲料を主とする飲食物の提供,オンラインコンピュータネットワークを利用した飲食物の提供に関する情報の提供,オンラインコンピュータネットワークを利用した飲食物の提供の取次ぎ,レストランの予約の取次ぎ」


審決日 2013-08-09 
出願番号 商願2012-16175(T2012-16175) 
審決分類 T 1 8・ 22- WY (W03293032354143)
最終処分 成立  
前審関与審査官 冨澤 美加 
特許庁審判長 井出 英一郎
特許庁審判官 谷村 浩幸
田中 亨子
商標の称呼 ハプスブルグ、ハプスバーグ、テイエイチ、テイエッチ 
代理人 鷲田 公一 
代理人 鷲田 公一 

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