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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服20132762 審決 商標
不服201220234 審決 商標
不服2013749 審決 商標
不服201224148 審決 商標
不服201224147 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W41
管理番号 1277934 
審判番号 不服2013-1080 
総通号数 165 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2013-09-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-01-21 
確定日 2013-08-07 
事件の表示 商願2012-25248拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「化学と生物」の文字を標準文字で表してなり、第41類「電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,書籍の制作」を指定役務とし、平成24年3月30日に登録出願され、その後、指定役務については、当審における平成25年1月21日付けの手続補正書により、第41類「農芸化学の研究・論文等に関する電子出版物の提供,農芸化学の研究・論文等に関する図書及び記録の供覧,農芸化学の研究・論文等に関する書籍の制作」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、自然科学の一部門を意味する『化学』の文字と、生命をもつものの総称を意味する『生物』の文字とを助詞『と』を介して、『化学と生物』と普通に用いられる方法で書してなるものであるから、これを本願指定役務に使用しても、『化学と生物を内容とする電子出版物の提供・図書及び記録の供覧及び書籍の制作』に関する役務であることを認識させるにすぎず、単に役務の質(内容)を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、また、前記役務以外の役務について使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号について
本願商標は、前記1のとおり、「化学と生物」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「化学」の文字は、「諸物質の構造・性質並びにこれら物質相互間の反応を研究する自然科学の一部門」を意味し(広辞苑第六版)、「生物」の文字は、「『生物学』の略。」を意味する(大辞林第三版)ものであり、本願商標は、これらの語を助詞「と」を介して組み合わせたものであるから、単に前記意味を有する「化学」と「生物」を列挙したものと理解され、それ以外の意味合いを特別に生じさせるものではないといえるものである。
そして、電子出版物の提供や図書及び記録の供覧の役務において、役務の提供の用に供する図書(電子出版物を含む。以下同じ。)は、その掲載されている内容により、日本図書コードや日本十進分類法を用いた分類のほか、提供する者により独自の分野(ジャンル)に分類される場合があり、別掲のとおり、「化学」「生物学」「生物化学」「化学・食品」「自然科学一般」などの表示が用いられている。
また、本願商標は、「農芸化学の研究・論文等に関する図書(書籍)等」を提供又は供覧する役務等に使用するものであるところ、「農芸化学」が、「農学の一分科。化学的方面を取り扱い、土壌・肥料・醸造・農産化学・植物栄養・森林化学・畜産化学などを含む。」(広辞苑第六版)の意味を有し、「農芸化学の分野」が、「化学や生物学の知見を農業のいろいろな技術に応用する学問ジャンル。主として、農作物の生産量や品質の向上、貯蔵法、食品加工法などに関してバイオと化学の視点からアプローチする」と説明されている(逆引き大学辞典 http://www.gyakubiki.net/g/REQID_RGBN.htm?_KEITOU_CD=0600&_BUNYA_CD=0602)ことからすると、「化学」と「生物」の各語についても、本願の指定役務の提供の用に供する図書等の内容と認識される場合があるといえるものである。
そうすると、本願商標をその指定役務中の「農芸化学の研究・論文等に関する電子出版物の提供,農芸化学の研究・論文等に関する図書及び記録の供覧」について使用する場合、これに接する取引者、需要者は、その構成全体から、「化学と生物学に関する内容を掲載した図書等の提供または供覧」と認識するにとどまるといえるから、本願商標は、単に役務の提供の用に供する物の内容を普通に用いられる方法で表示してなるものと判断するのが相当であり、自他役務の識別機能を果たし得ないというべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人(出願人)の主張について
請求人(出願人)は、補正後の指定役務において、「農芸化学の学術分野に関連する役務」を、一口に「化学と生物」と呼称することが普通になされているとはいい難いと述べ、請求人が所有する本願商標と同一の登録商標「化学と生物」(指定商品は、第16類「農芸化学の研究・論文等に関する情報雑誌,その他の雑誌,新聞」)の存在を引用している。
しかしながら、登録出願に係る商標が自他商品・役務の識別標識として機能し得るか否かは、該商標の構成態様とその指定商品・役務に係る取引の実情等を総合勘案し、個別具体的に判断されるべきものであって、かつ、その判断時期は、査定時又は審決時と解されるところ、引用された登録例は雑誌、新聞を指定商品とするものであり、本願商標は役務について使用するものであることからその事情を異にする。
そして、本願指定役務中の電子出版物の提供、図書及び記録の供覧の役務における取引の実情に照らすと、本願商標は、役務の提供の用に供する物(図書等)の内容を表示するものとして、取引者、需要者により認識されるものであることは、上記(1)のとおりであるから、上記請求人の主張は、採用することができない。
(3)むすび
以上のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであり、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
1 日本図書コード管理センターのウェブサイトにおいて
分類記号一覧表が表示され、「内容」の欄に、大分類「自然科学」中、「中分類」として「化学」「生物学」の記載がある。
http://www.isbn-center.jp/guide/05.html

2 仙台市図書館のウェブサイトにおいて
図書分類検索(日本十進分類法NDC 新訂9版:綱目表)に
「4類 自然科学(430化学 460生物化学・一般生物学)」の記載がある
https://lib-www.smt.city.sendai.jp/licsxp-opac/WOpacMnuTopInitAction.do?WebLinkFlag=1&moveToGamenId=tifschndc

3 大阪市立図書館のウェブサイトにおいて
大阪市立図書館電子書籍サービス提供図書リストの
1.調べるための本(専門事典)の欄に
「人文科学」「医学・薬学」「化学・食品」「科学・土木・機械・電気」などの記載がある。
http://www.oml.city.osaka.jp/net/eblist.html

4 自費出版、専門書を中心とした総合電子書籍マーケット BookWayのサイトにおいて
ジャンル一覧中に、「自然科学一般」「社会科学一般」の記載がある。
https://bookway.jp/

5 電子書店 パピレスのウェブサイトにおいて
「ジャンルから探す」の中に、「人文・科学」の記載がある。
http://www.papy.co.jp/sc/list/genre/030-043-000-000


審理終結日 2013-05-30 
結審通知日 2013-06-07 
審決日 2013-06-18 
出願番号 商願2012-25248(T2012-25248) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (W41)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 大渕 敏雄 
特許庁審判長 村上 照美
特許庁審判官 梶原 良子

冨澤 武志
商標の称呼 カガクトセーブツ 
代理人 飯塚 義仁 

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