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審判番号(事件番号) データベース 権利
不服201220234 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない X41
管理番号 1277859 
審判番号 不服2012-20235 
総通号数 165 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2013-09-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-10-15 
確定日 2013-07-22 
事件の表示 商願2011-62218拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「よっちゃばれ踊り」の文字を標準文字で表してなり、第41類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成23年8月31日に登録出願され、その後、指定役務については、原審における同24年3月6日提出の手続補正書により、第41類「よっちゃばれ踊りの教授,よっちゃばれ踊りのための練習施設の提供,よっちゃばれ踊りの興行の企画・運営又は開催,よっちゃばれ踊りを中心とした人及び地域の交流を目的とするイベントの企画・運営又は開催」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、山梨県の方言で『寄ってきて、集まって』を意味する『よっちゃばれ』の文字と『踊り』の文字を結合した『よっちゃばれ踊り』の文字を標準文字で表示してなるものであるところ、該『よっちゃばれ踊り』は、山梨県内で開催される種々のイベント等で踊られる踊りの一種といえるものであるから、これを本願指定役務中の上記意味内容の役務(例えば、『よっちゃばれ踊りの教授』等)に使用するときは、単にその役務の質(内容)を表示するにすぎない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)本願商標は、前記1のとおり、「よっちゃばれ踊り」の文字を標準文字で表してなるものである。
ところで、原審摘示の例及び請求人が提出した証拠(参考資料2、4ないし7)のほか、以下の例のとおり、「よっちゃばれ踊り」の文字が、山梨県の踊りの一種を表す語であり、祭り等のイベントにおいて、一般に使用されている実情が窺える。

〔書籍関係〕
ア 甲府商工会議所「甲府商工会議所七十年史」(昭和56年9月15日発行)124?125頁
「そのえびす講が、四十七年からはさらに、“みんなが参加するまつり”に変化した。この年、山梨版・阿波踊りをねらった“よっちゃばれ踊り”が登場、鳥追い姿の婦人たちが競って参加、小さい子供も参加して鳴子を鳴らしながら、市中を踊り回った。(中略)特に『よっちゃばれ踊り』は、県民の新民踊として定着。五十四年の甲府商工会議所創立七十周年記念よっちゃばれ踊りコンクールには、十一企業連が参加。(中略)五十五年の同コンクールには、十四連が参加した。このなかには『甲府商工会議所連』も加わり、(以下省略)」との記載がある。
イ 財団法人国土地理協会「日本祭礼地図 V 付録・索引編」(昭和55年11月20日発行)
353頁において、「不定期芸能」の見出しの下、「ここでいう不定期芸能とは、本書の採録基準となった広義の『まつり』、すなわち全国各地で旧来より伝承されてきた社寺の祭礼・民俗行事や新興の商工・観光祭など各種行事の際に演じられる民俗芸能であり、その公開日がはっきりしないものである。」との記載があり、361頁において、「山梨県」の項に、「よっちゃばれ踊 甲府市」との記載がある。

〔インターネット情報関係〕
ウ レファレンス協同データベース
山梨県立図書館が2003年9月20日に作成したレファレンス事例として、「よっちゃばれ踊りについて知りたい」の質問に対し、「市民がお祭りで踊れる健康的な新民踊が欲しい、という願いから、山梨版阿波踊りをねらった『よっちゃばれ踊り』が1971(昭和46)年に制定された。武田軍配鳴子を使った、大人も子どもも明るく踊れる新民踊。甲府商店街連盟が全国から歌詞を募集した。詞は齋藤岳南氏のものが選ばれ、振り付けは花柳徳吉氏を中心とした。毎年11月に行われる甲府えびす講祭りでは、よっちゃばれ踊りコンクールが開催される。」との回答が記載されている。
(http://crd.ndl.go.jp/GENERAL/servlet/detail.reference?id=1000001006)
エ ヴァンフォーレ甲府のプレスリリース(2010年6月4日公開)
「『南アルプス市フルーツ山麓フェスティバル2010』にヴァンくん参加のお知らせ」の見出しの下、「内容」欄に、「よっちゃばれ踊り」との記載がある。
(http://www.ventforet.co.jp/information/press/2010065.html)
オ じゃらんのウェブサイト
「夏の武田の里まつり『武田陣没将士供養会・花火大会』」の見出しの下、「提灯行列や盆踊り大会(新府城、よっちゃばれ踊り、武田節、平成韮崎踊り等)もあり、大勢の人で賑います。」との記載がある。
(http://www.jalan.net/kankou/150000/151400/evt_0119415/)
カ 南アルプス市ふるさとメールのウェブサイト
2009年3月11日付け「みんよう祭りに70人出演 歌や踊り披露」の見出しの下、「日本郷土民謡協会県地区連合会は八日、南アルプス市の高度農業情報センターで「みんよう祭り」を開いた。同連合会に所属する約七十人が出演。三味線や尺八、太鼓演奏に合わせ『市川文殊』『武田節』『よっちゃばれ踊り』といった歌や踊りを披露」との記載がある。
(http://sannichi.typepad.jp/minamialps/2009/03/post-d7f8.html)
キ 富士の国やまなし国文祭のウェブサイト(更新日:2012年12月3日)
「山梨県芸術文化協会 民謡民舞部門」の紹介ページにおいて、「ジャンル」の欄に、「踊り 日本舞踊及びストリート流し踊り(よっちゃばれ踊り・甲州ソーズラ音頭等)」との記載がある。
(http://yamanashi-kokubunsai.jp/artist_bank/minyou_minbu.html)

そうすると、上記実情からすれば、「よっちゃばれ踊り」の文字は、昭和47年頃から、山梨県内での祭り等のイベントにおいて踊られてきた踊りの名称を表すものとみるのが相当である。
してみれば、本願商標は、これをその指定役務「よっちゃばれ踊りの教授,よっちゃばれ踊りのための練習施設の提供,よっちゃばれ踊りの興行の企画・運営又は開催,よっちゃばれ踊りを中心とした人及び地域の交流を目的とするイベントの企画・運営又は開催」について使用するときは、これに接する取引者、需要者をして、役務の内容を認識・理解させるに過ぎないから、その役務の質を普通に用いられる方法で表示するものと判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、自身が中心となって「よっちゃばれ踊り」の正しい普及を図る企画が進行しており、また、「よっちゃばれ踊り」という伝統の継承、大会等の運営、管理等の面から、本願商標の商標権の取得は必要不可欠である旨主張する。
しかしながら、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かの判断においては、本願の指定役務の取引者、需要者において、本願商標がどのような意味を有するものとして認識されるかが問題であって、請求人の立場や出願の意図等は、考慮されるものではない。
イ また、請求人は、過去の登録例を挙げ、本願商標も同様に登録されてしかるべきである旨主張する。
しかしながら、本願商標が、自他役務の識別標識としての機能を果たすものであるか否かは、本願商標自体の具体的な構成とその指定役務との関係から、審決時において、指定役務の取引の実情等を考慮して個別かつ具体的に判断されるべきものであって、他の商標登録の事例の存在によって、本件の判断が左右されるものではない。
そして、上記(1)のとおり、原審において補正された本願の指定役務の表示と本願商標との関係からすれば、本願商標「よっちゃばれ踊り」は、提供される役務の内容そのものを表すことが明らかである。
よって、請求人の主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上から、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものとした原査定は、妥当であって、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2013-05-29 
結審通知日 2013-05-30 
審決日 2013-06-11 
出願番号 商願2011-62218(T2011-62218) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (X41)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 海老名 友子 
特許庁審判長 村上 照美
特許庁審判官 梶原 良子
冨澤 武志
商標の称呼 ヨッチャバレオドリ、ヨッチャバレ 
代理人 土橋 博司 

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