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審決分類 |
審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Z25 |
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管理番号 | 1277848 |
審判番号 | 取消2012-300293 |
総通号数 | 165 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2013-09-27 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2012-04-13 |
確定日 | 2013-08-02 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第4364679号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第4364679号商標(以下「本件商標」という。)は、「SAMURAI」のローマ字及び「サムライ」の片仮名を二段に書してなり、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽」を指定商品として、平成12年3月3日に設定登録されたものである。 2 請求人の主張 請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を次のように述べた。 本件商標は、継続して3年以上、日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが請求に係る指定商品についての登録商標の使用をしていないものであるから、その登録は、商標法第50条の規定により取り消されるべきものである。 3 被請求人の主張 被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ証拠方法として乙第1号証ないし乙第21号証を提出した。 理由 (1)被請求人は、本件商標を本件審判の請求の登録(平成24年5月1日)前3年以内に、本件請求に係る指定商品のうち「洋服,セーター類」等について、登録商標を使用している。 ア 本件商標と社会通念上同一と認められる商標を、指定商品「洋服,セーター類」等に使用している事実を、刊行物及び被請求人発行のインターネット上のカタログを提出して証明する。 イ 本件商標そのものを、指定商品「洋服,セーター類」等について使用している事実を、第三者との取引書類(及び当該第三者の証明)により証明する。 (2)刊行物による証明 被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内の2010年12月20日発行の雑誌「Daytona〔デイトナブロス〕/BROS.vol.03」(乙2)及び2010年9月30日発売に係る雑誌「Lightning 11月号」(乙3)を提出し、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を指定商品「洋服,セーター類」等に含まれる諸商品について使用していることを証明する。 (2-1)乙第2号証において 乙第2号証において、被請求人が、商品「洋服,セーター類」等について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を以下のとおり使用している。 ・ 指定商品「洋服,セーター類」等に含まれる「デニムズボン」の「S0510XX、S0500XX」のフラッシャー(ジーンズのヒップポケットに付けられるペーパーラベル)(30頁、31頁)、同「S4000VX」のフラッシャー(35頁)、同「SO110XJ」のフラッシャー(36頁)、同「SO120XJ」のフラッシャー(37頁)に「SAMURAI」を使用している。同様に38頁、39頁、41頁、47頁、49頁の「デニムズボン」のフラッシャーに「SAMURAI」を異なる種々の態様で使用している。 また、上記「SO110XJ」のセンタータグ(36頁)及び73頁の「デニムズボン」の尻部分及びフラッシャーに「Samurai」を使用している。 ・ 指定商品「洋服,セーター類」等に含まれる種々の「Tシャツ」に直接「SAMURAI」を、異なる態様で使用している(56頁、57頁、80頁、82頁)。 ・ 指定商品「洋服,セーター類」等に含まれる「ロングスリーブシャツ」「ショートスリーブシャツ」の襟の首後ろ部分のタグに「SAMURAI」を使用している(58頁、59頁)。 ・ 61頁の「ショートパンツ」の「SJSP11-01」「SJSP11-02」のベルト部内面及び尻ポケットに2列縦書きの「サムライ」が使用されている。 ・ 76頁の「つなぎ」の「SM100HT11」の前面左胸、背中部に「サムライ」が使用されている。 ・ 77頁の「Tシャツ」の「MCT11-105」「MCT11-106」「MCT11-101」に「サムライ」が使用されている。 (2-2)乙第3号証において ・ 182頁、183頁、187頁、189頁の「デニムズボン」のフラッシャーに種々の態様で「SAMURAI」が使用されている。 (3)カタログによる証明 被請求人は、「Samurai Jeans」「Samurai Club」カタログを各年春夏、秋冬の2回に分けて発行し、インターネット上に掲げている。 (3-1)「Samurai Jeans 2010 Spring and Summer Collection」(乙6)の第4枚目及び5枚目の「Tシャツ」に「SAMURAI」「Samurai」が異なる字形、字体で使用されている。 (3-2)「Samurai Club 2010 Spring and Summer Collection」(乙7)の5頁、6頁、8頁、10頁、14頁、15頁の「Tシャツ」に「SAMURAI」「Samurai」が字形、字体を異ならしめながら使用され、また、「サムライ」が使用されている。 (3-3)「SAMURAI CLUB Autumn and Winter Collection 2010」(乙8)の2頁ないし4頁、8頁、9頁、18頁、20頁、21頁の「Tシャツ」(但し、長袖、バインダーネック等)に、「SAMURAI」が字形、字体を異ならしめて使用され、また、「サムライ」が使用されている。同6頁の「つなぎ」に「SAMURAI」が使用されている。同17頁の「デニムズボン」に「Samurai」の字形で使用されている。 (3-4)「SAMURAI JEANS 2011 SPRING & SUMMER COLLECTION」(乙9)の1頁ないし3頁の「Tシャツ」に「SAMURAI」が字形、字体を異ならしめて使用されている。 (3-5)「SAMURAI CLUB 2011 SPRING & SUMMER COLLECTION」(乙10)の1頁、3頁、5頁、6頁、10頁、20頁、21頁の「Tシャツ」に「SAMURAI」が字形、字体を異ならしめて使用され、また、「サムライ」が使用されている。同16頁の「つなぎ」に「Samurai」の字形で、「シャツ」に「SAMURAI」の字形で使用されている。 (3-6)「SAMURAI CLUB 2011 AUTUMN & WINTER」(乙11)の7頁、8頁、15頁、16頁、19頁の「Tシャツ」(ロングスリーブ)に「SAMURAI」「Samurai」字形で、異なる字体で使用されている。 (4)社会通念上の同一性について (2)及び(3)において、種々の異なる態様(字形、字体)で「SAMURAI」又は「サムライ」が使用されているが、かかる「SAMURAI」「サムライ」は、いずれも本件商標と社会通念上同一と認められるものである。 (5)小括 以上のように、被請求人は、乙各号証において明らかなように、本件商標と社会通念上同一と認められる種々態様の「SAMURAI」「サムライ」を本件指定商品「洋服,セーター類」等に属する「Tシャツ」「デニムズボン」等について、本件審判の請求の登録の日前3年以内に使用しており、乙各号証の存在により、その証明ができたものと確信している。 (6)取引書類による証明 被請求人は、例えば、「Tシャツ」等の無地材料を製造し、これを業者に委託して、胸、背中等にプリント入れ作業を施して納品してもらうシステムにより、商品を完成している。 被請求人は、本件商標そのものを付した「Tシャツ」に係る取引書類、「納品書 平成21年6月5日 株式会社モリ・フロッキー発行」及び当該納品書商品に係る被請求人の「指示仕様書」についての納品書発行者の証明書(以上、乙15)を提出して、本件商標そのものを、指定商品「洋服,セーター類」等に属する商品「Tシャツ」に使用していることを証明する。 (6-1)指示仕様書の説明 指示仕様書において、右側に、6枚のプリント図柄が、図柄の色彩(「Green」「Black」「Purple」「White」「Red」「Navy」)と共に示されている。 また、左側には、「Tシャツ」のどの部分にどの図柄をプリントするかが指定され、Tシャツの背中で首部直下に本件商標が付されることが指示されている。 そして、「2009.06」の記載から明らかなように、2009年6月納品にかかる商品の指定仕様として提供されている。 (6-2)納品書の説明 納品書は、プリント入れ業者「株式会社モリ・フロッキー」により発行されたもので、当該指定仕様書に基づいてプリント入れされたものが、平成21年6月5日に、被請求人の経営するサムライジーンズ梅田店に納品されたことを示している。 参考までに、このような指示仕様書に基づいてプリント入れされた実際の商品の写真(乙16)を提出する(ただし、乙第15号証の納品書により納品された商品ではなく、同一の指示仕様書に基づいて納品された同一仕様商品である。) (6-3)他の指示仕様書と納品書 乙第15号証における指示仕様書とこれに基づきプリント入れを行って納品する場合の納品書の関係をより確かなものとして説明するために、2010年7月納品を求めた指示仕様書と平成22年7月31日に納品したことを示す株式会社モリ・フロッキーの納品書(乙17)、2011年6月納品を求めた指示仕様書と平成23年6月18日付け納品書(乙18)、2011年7月納品を求めた指示仕様書と平成23年7月30日付け納品書(乙19)、2011年4月納品を求めた指示仕様書と平成23年4月8日付け納品書(乙20)、2012年4月納品を求めた指示仕様書と平成24年4月4日付け納品書(乙21)を提出する。 (6-4)本件商標の使用の証明 被請求人は、乙第15号証等を提出し、本件商標を付した商品「Tシャツ」が、本件審判請求の登録前3年の間である平成21年6月5日にプリント入れ業者から被請求人に納品されたことを証明した。 また、プリント入れの委託は、納品を受けた後に、販売に供することを目的としたものであり、当然に、納品を受けた109枚のTシャツは、その後販売されている。具体的な取引書類による証明はできないものの、当該納品日(平成21年6月5日)から本件審判請求の登録の日までの間は、実に2年10か月もの長期間に亘っており、その間に販売された蓋然性は高く、したがって、登録商標を付した商品「Tシャツ」を譲渡することにより、登録商標を使用していた蓋然性も極めて高いものと思料する。 このように、被請求人は、本件審判請求の登録の日前3年の間に、本件商標を指定商品「洋服,セーター類」等について使用している。 (7)むすび 上記のように、被請求人は、本件審判請求の登録前3年の間に、刊行物、カタログからも明らかなように、本件指定商品「洋服,セーター類」等に属する「Tシャツ」「デニムズボン」等に、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用しており、また、取引書類からも明らかなように、少なくとも「Tシャツ」について本件商標そのものを使用している。 4 当審の判断 (1)乙第2号証及び乙第3号証によれば以下の事実が認められる。 ア 乙第2号証は、株式会社ネコ・パブリッシングが2010年12月20日に発行した雑誌「別冊Daytona BROS vol.03」であり、表紙には、「サムライ定番ジーンズ型録」「色落ちモデル大図鑑」「2011 SPRING&SUMMER NEW MODEL」「SAMURAI SHOP GUIDE」の記載があり、型番「S0510XX」(30頁)、「S0500XX」(31頁)、「S4000VX」(35頁)、「S0110XJ」(36頁)、「S0120XJ」(37頁)、「S510XX19oz」(38頁)、「S710XX19oz」(39頁)、「S5000VX21oz」(41頁)、「S5000VX24oz」(49頁)の「デニムズボン」について、前面及び背面(なお、腰部にはレザーラベルが取り付けられ、バックポケットにはフラッシャーが取り付けられている。)の写真、フラッシャーの写真、レザーラベルの写真及び価格、仕様の説明により商品の紹介がなされているものである。そして、各フラッシャーには、その上部にフラッシャーにより書体が異なるものの「SAMURAI」の文字からなる商標が表示され、また、その下部には、「SAMURAI CO,LTD」の文字が記載されている。 イ 乙第3号証は、株式会社エイ出版社が2010年9月30日に発行した雑誌「Lightning 11月号 vol.199」であり、型番「S0500XX」(182頁)、「S0510XX」(182頁)、「S510XX19oz」(183頁)、「S710XX19oz」(183頁)、「S5000VX21oz」(187頁)、「S0110XJ」(189頁)、「S0120XJ」(189頁)の「デニムズボン」について、乙第2号証と同様の方法により商品の紹介がなされているものであり、各フラッシャーには、その上部にフラッシャーにより書体が異なるものの「SAMURAI」の文字からなる商標が表示され、またその下部には、「SAMURAI CO,LTD」の文字が記載されている。 なお、以下、乙第2号証及び乙第3号証の広告に表示されている上記各フラッシャーを「本件フラッシャー」といい、本件フラッシャーにある「SAMURAI」の文字からなる商標を「使用商標」という。 (2)前記(1)によれば、以下のように認定、判断できる。 ア 使用時期及び使用者について 本件フラッシャーには、「SAMURAI CO,LTD」の文字が記載されているが、該ローマ字は、被請求人の英語表記であると推認できるものである。したがって、乙第2号証及び乙第3号証の雑誌への広告は、被請求人(商標権者)によってなされたものと認められる。 そして、商標権者は、本件審判請求の登録(平成24年5月1日)前3年以内と認められる、2010年(平成22年)9月30日に発行された雑誌及び同年12月20日に発行された雑誌において、「デニムズボン」の広告に使用商標を付して頒布したものと認められ、また、自己の取り扱う「デニムズボン」に使用商標が表示されたフラッシャーを付しているものと推認できる。 イ 使用商品について 上記「デニムズボン」は、本件審判請求に係る商品中の「洋服」の範ちゅうの商品と認められる。 ウ 本件商標と使用商標の同一性について 本件商標は、前記1のとおり、「SAMURAI」のローマ字と「サムライ」の片仮名からなるものであるが、「SAMURAI」は、「サムライ」をローマ字表記したものであり、いずれの文字からも「サムライ」の称呼及び「侍」の観念を生ずるものである。 一方、使用商標は、「SAMURAI」のローマ字からなるものであり、「サムライ」の称呼及び「侍」の観念を生ずるものである。 そうすると、使用商標は、本件商標のローマ字部分とは、同一文字からなるものであり、同じく片仮名部分とは、ローマ字と片仮名の文字の表示を相互に変更するものであって、上記いずれの部分からも同一の称呼及び観念を生ずるものであるから、本件商標と社会通念上同一の商標と認められるものである。 エ したがって、商標権者は、本件審判請求の登録(平成24年5月1日)前3年以内である、2010年(平成22年)9月30日ころ及び同年12月20日ころに、自己の取り扱う「デニムズボン」に本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付し、また、「デニムズボン」の広告に当該商標を付して頒布したものと認められる。そして、その使用行為は、商標法第2条第3項第1号及び同第8号に該当するものと認められる。 なお、請求人は、前記3の答弁に対し、弁駁をしていない。 (3)むすび 以上のとおり、被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者が、請求に係る指定商品中の「デニムズボン」について、本件商標を使用していたことを証明したものということができる。 したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2012-10-25 |
結審通知日 | 2012-10-29 |
審決日 | 2012-11-15 |
出願番号 | 商願平11-30278 |
審決分類 |
T
1
31・
1-
Y
(Z25)
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最終処分 | 不成立 |
特許庁審判長 |
内山 進 |
特許庁審判官 |
高野 和行 梶原 良子 |
登録日 | 2000-03-03 |
登録番号 | 商標登録第4364679号(T4364679) |
商標の称呼 | サムライ |
代理人 | 小谷 悦司 |
代理人 | 川瀬 幹夫 |
代理人 | 江森 史麻子 |