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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 125
管理番号 1277845 
審判番号 取消2012-300292 
総通号数 165 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2013-09-27 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2012-04-13 
確定日 2013-08-02 
事件の表示 上記当事者間の登録第2175471号の2商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第2175471号の2商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、第17類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、平成元年10月31日に設定登録され、その後、商標権の分割移転、指定商品の書換登録により、第25類「被服(「和服」を除く。)」のほか、第20類、第22類及び第24類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品とするものである。

2 請求人の主張
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中、第25類「全指定商品」について登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べた。
(1)請求の理由
本件商標は、継続して3年以上、日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが請求に係る指定商品についての登録商標の使用をしていないものであるから、その登録は、商標法第50条の規定により取り消されるべきものである。
(2)弁駁
ア 被請求人の答弁の理由について
被請求人は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を、指定商品「被服」に使用していること及び本件商標そのものを、指定商品「被服」について使用していることをもって、本件商標を使用している旨主張している。
しかし、被請求人の上記理由は合理的な根拠に基づかず、失当である。
イ 社会通念上同一の商標の使用ではないこと
(ア)本件商標の特徴
本件商標は、「SAMURAI」の大文字アルファベットを書道風の特徴のある書体によりデザイン化されている。「S」及び「R」の文字が他の文字と比べて大きく、ゴシック体や明朝体等の既製の書体とは異なり、手書きのような個性を有した標章である。
(イ)被請求人が使用している商標
一方、被請求人が使用している商標は、いずれも、アルファベットそれぞれの文字の大きさが均等であり、ゴシック体や筆記体、又は既製の書体をアレンジして作成された書体からなっている。被請求人は、「SAMURAI」又は「Samurai」というアルファベットを様々な態様で、実に多くの書体で被請求人の商品に付していることがわかる(乙2ないし乙11)。しかし、これだけ多くの態様、書体があっても、その中には、書道風の特徴のある書体でデザインされた商標は一つもない。
(ウ)外観が全く異なること
このように、本件商標と、被請求人が使用していると主張する商標とは、外観において明らかに異なる。
したがって、被請求人は、本件商標と社会通念上同一といえる商標を一つも使用していないことがわかる。
(エ)社会通念上同一の商標ではないこと
被請求人が述べているとおり、社会通念上同一の商標か否かは、需要者を基準として社会通念に基づいて判断されるべきである。そして、「自他商品識別機能の同一性を保持しつつも登録商標に少々の変更を加えて使用する」ことも当然想定されることである。
しかし、被請求人が社会通念上同一と主張する商標はいずれも、その外観において、大きく本件商標とは異なっており、需要者を基準とし、社会通念に基づいたとしても、もはや、同一とは判断されないほど両者はかけ離れている。両者は「少々の変更」の範囲を超えており、自他識別機能の同一性を保持できていない。被請求人が使用している商標は、本件商標から、「同一字形における筆記体間の変更、活字体と筆記体間の変更等」を超える変更が加えられており、社会通念上同一と認められる商標には該当しないのである。
(オ)小括
以上から、被請求人は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を、指定商品「被服」に使用しているとの被請求人の主張には理由がない。
ウ 本件商標そのものを使用していないこと
(ア)あるべき資料がないこと
被請求人は、乙第15号証を用いて、本件商標そのものをTシャツに「使用」している旨主張している。
しかし、乙第15号証は、あくまでも、被請求人梅田支店へ納品されたことのみを示すものであり、被請求人が主張するような、被請求人から第三者への譲渡がなされたことを立証するものではない。
また、納品から3年が経過していないにもかかわらず、販売に関する資料が一切残っていないとすることは不自然である。被請求人は、被服製品の製造と販売を業としており、販売に関する資料は、事業に関する重要な資料として、当該年度の会計帳簿閉鎖時から10年間の保存義務があるところである(会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律2条・会社法432条2項)。また、納品日である平成21年8月7日の約1年後の平成22年9月21日、被請求人は、請求人に対して、本件商標に基づく侵害訴訟を提起し(大阪地裁 平成22年(ワ)第13516号)、商標法38条2項にもとづく損害賠償を請求している。同条項による請求は商標権者が登録商標を「使用」していることが前提となるところ(最高裁 昭和57年7月6日第三小法廷判決(昭和56年(オ)第1027号))、被請求人は、自ら提起した当該訴訟において、本件商標の使用の事実について立証しなければならなくなることは当然に想定できるところである。当該訴訟提起までのわずか1年間の間、本件商標そのものが付されている唯一のTシャツが被請求人の商品として第三者に譲渡されたという書類が保管されていないはずはない。被請求人は、「長期間に亘っており、その間、被請求人から第三者への譲渡が為されたことについては、具体的な取引書類による証明はできない」と開き直っているが、明らかに不自然である。
また、乙第15号証の納品書は、単なる試作である可能性も拭いきれない。乙第15号証の仕様書に基づいて発注した注文が、当該Tシャツのデザインの唯一の注文であると考えられるので、当該Tシャツは、わずか28枚しか存在しないことになる。また、被請求人が毎年春夏、秋冬の2回に分けて発行しているインターネット上のカタログや積極的に掲載している刊行物に、乙第15号証と同じ製品は一切掲載されていない。
このように、本件商標そのものを付した指定商品の広告宣伝や販売に関する資料が一切提出されないということは、被請求人が主張する「納品を受けた後に、販売に供することを目的とした」ことにつき、立証がなされているとは到底いえない。
(イ)商標的使用ではないこと
乙第15号証及び乙第16号証におけるTシャツの本件商標は、背中上部に小さく付されている。その他に、当該Tシャツは前面左胸部に少し大きめの「SAMURAI JEANS」と記載された標章が付されている。
したがって、当該Tシャツの自他商品識別機能を有しているのは、前面左胸部に付された「SAMURAI JEANS」の標章であって、背中上部に小さく付された本件商標ではない(乙15及び乙16)。
このように、乙第15号証及び乙第16号証のTシャツに付されているとはいえ、このような態様では、自他商品識別能力を有さず、商標的な使用に当たらない。
(ウ)小括
したがって、被請求人は、本件商標そのものを「使用」していない。
(3)結論
以上から、被請求人は、本件商標そのものを「使用」していないのみならず、社会通念上同一性を有する商標を使用することすらしていない。

3 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ証拠方法として乙第1号証ないし乙第21号証を提出した。
理由
(1)被請求人は、本件商標を本件審判の請求の登録(平成24年5月1日)前3年以内に、本件請求に係る指定商品のうち「被服」について、登録商標を使用している。
ア 本件商標と社会通念上同一と認められる商標を、指定商品「被服」に使用している事実を、刊行物及び被請求人発行のインターネット上のカタログを提出して証明する。
イ 本件商標そのものを、指定商品「被服」について使用している事実を、第三者との取引書類(及び当該第三者の証明)により証明する。
(2)刊行物による証明
被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内の2010年12月20日発行の雑誌「Daytona〔デイトナブロス〕/BROS.vol.03」(乙2)及び2010年9月30日発売に係る雑誌「Lightning 11月号」(乙3)を提出し、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を指定商品「被服」に含まれる諸商品について使用していることを証明する。
(2-1)乙第2号証において
乙第2号証において、被請求人が、商品「被服」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を以下のとおり使用している。
・ 指定商品「被服」に含まれる「デニムズボン」の「S0510XX、S0500XX」のフラッシャー(ジーンズのヒップポケットに付けられるペーパーラベル)(30頁、31頁)、同「S4000VX」のフラッシャー(35頁)、同「SO110XJ」のフラッシャー(36頁)、同「SO120XJ」のフラッシャー(37頁)に「SAMURAI」を使用している。同様に38頁、39頁、41頁、47頁、49頁の「デニムズボン」のフラッシャーに「SAMURAI」を異なる種々の態様で使用している。
また、上記「SO110XJ」のセンタータグ(36頁)及び73頁の「デニムズボン」の尻部分及びフラッシャーに「Samurai」を使用している。
・ 指定商品「被服」に含まれる種々の「Tシャツ」に直接「SAMURAI」を、異なる態様で使用している(56頁、57頁、80頁、82頁)。
・ 指定商品「被服」に含まれる「ロングスリーブシャツ」「ショートスリーブシャツ」の襟の首後ろ部分のタグに「SAMURAI」を使用している(58頁、59頁)。
(2-2)乙第3号証において
・ 182頁、183頁、187頁、189頁の「デニムズボン」のフラッシャーに種々の態様で「SAMURAI」が使用されている。
(3)カタログによる証明
被請求人は、「Samurai Jeans」「Samurai Club」カタログを各年春夏、秋冬の2回に分けて発行し、インターネット上に掲げている。
(3-1)「Samurai Jeans 2010 Spring and Summer Collection」(乙6)の第4枚目及び5枚目の「Tシャツ」に「SAMURAI」「Samurai」が異なる字形、字体で使用されている。
(3-2)「Samurai Club 2010 Spring and Summer Collection」(乙7)の5頁、6頁、8頁、10頁、14頁、15頁の「Tシャツ」に「SAMURAI」「Samurai」が字形、字体を異ならしめながら使用されている。
(3-3)「SAMURAI CLUB Autumn and Winter Collection 2010」(乙8)の3頁、4頁、9頁、18頁、20頁、21頁の「Tシャツ」(但し、長袖、バインダーネック等)に、「SAMURAI」が字形、字体を異ならしめて使用されている。同6頁の「つなぎ」に「SAMURAI」が使用されている。同17頁の「デニムズボン」に「Samurai」の字形で使用されている。
(3-4)「SAMURAI JEANS 2011 SPRING & SUMMER COLLECTION」(乙9)の1頁ないし3頁の「Tシャツ」に「SAMURAI」が字形、字体を異ならしめて使用されている。
(3-5)「SAMURAI CLUB 2011 SPRING & SUMMER COLLECTION」(乙10)の1頁、3頁、6頁、10頁、20頁、21頁の「Tシャツ」に「SAMURAI」が字形、字体を異ならしめて使用されている。同16頁の「つなぎ」に「Samurai」の字形で、「シャツ」に「SAMURAI」の字形で使用されている。
(3-6)「SAMURAI CLUB 2011 AUTUMN & WINTER」(乙11)の7頁、8頁、15頁、16頁、19頁の「Tシャツ」(ロングスリーブ)に「SAMURAI」「Samurai」字形で、異なる字体で使用されている。
(4)社会通念上の同一性について
(4-1)社会通念上同一の意義
商標は、自他商品の識別機能をその本質的機能として要求されるものであり、かかる機能に基づいて使用商標に化体ないしは付着するグッドウィルを保護の対象とするものである。そして、その識別機能の有無及びその機能の同一性ないしグッドウィルの化体の程度は、需要者を基準として、社会通念に基づいて判断されるべきものである筈と思料する。
したがって、現実に使用されている商標が登録商標の使用であると認識できるかどうかの判断については、自他商品の識別をその本質的機能としている商標の性格に照らせば、登録商標との物理的同一にこだわらず、取引社会の通念に照らして登録商標の使用と認められるかどうかの立場に立つべきものと考えるのである。そして、その場合、指定商品の属する取引社会の商取引の実情が充分に考慮されるべきであろうとも考えるのである。登録商標の有する自他商品識別機能に由来して当該商標に化体した当該商標を使用する者の信用ないしはグッドウィルを、時々に変化する取引事情に応じてフルに活用するために、自他商品識別機能の同一性を保持しつつも登録商標に少々の変更を加えて使用する近年の傾向に鑑みても当然のことかと思料する。
このような考え方に立ち、社会通念上同一と認められる商標につき、商標審判基準が定められ、この審判基準の適用を受け、同一字形における字体変更、ローマ字の大文字と小文字の変更等があっても社会通念上同一と認められている(乙12ないし乙14)。
(4-2)本件に係る社会通念上の同一性
本件は、種々の態様の「SAMURAI」を使用商標としているケースであるが、いずれの使用態様をとってみても、また大文字から小文字態様への変更の認められる場合であっても、「S」「A」「M」「U」「R」「A」「I」の文字を順に配してなるものと認められ、かつ、いずれの使用態様においても「SAMURAI」から「侍」の観念を共通に生じ、社会通念上の同一性が肯定されて然るべきものと思料する。
しかも、本件指定商品「被服」にあって、若者向けのTシャツ、デニムズボン等を取引対象とする業界にあっては、若者への吸引力を維持すべく当該商品の同一出所、同一品質を担保すべき商標であっても、これに多少の変更を加えて使用するのが常態でもあることに鑑みれば、種々使用態様の「SAMURAI」「Samurai」は、いずれも本件商標との社会通念上の同一性は疑いを入れる余地ないものと確信する。
(5)小括
以上のように、被請求人は、乙各号証において明らかなように、本件商標と社会通念上同一と認められる種々態様の「SAMURAI」を本件指定商品「被服」に属する「Tシャツ」「デニムズボン」等について、本件審判の請求の登録の日前3年以内に使用しており、乙各号証の存在により、その証明ができたものと確信している。
(6)取引書類による証明
被請求人は、例えば、「Tシャツ」等の無地材料を製造し、これを業者に委託して、胸、背中等にプリント入れ作業を施して納品してもらうシステムにより、商品を完成している。
被請求人は、本件商標そのものを付した「Tシャツ」に係る取引書類、「納品書 平成21年8月7日 株式会社モリ・フロッキー発行」及び当該納品書商品に係る被請求人の「指示仕様書」についての納品書発行者の証明書(以上、乙15)を提出して、本件商標そのものを、指定商品「被服」に属する商品「Tシャツ」に使用していることを証明する。
(6-1)指示仕様書の説明
指示仕様書において、右側に、6枚のプリント図柄が、図柄の色彩(「Green」「Black」「Purple」「White」「Red」「Navy」)と共に示されている。
また、左側には、「Tシャツ」のどの部分にどの図柄をプリントするかが指定され、Tシャツの背中で首部直下に本件商標が付されることが指示されている。
そして、「2009.08」の記載から明らかなように、2009年8月納品にかかる商品の指定仕様として提供されている。
(6-2)納品書の説明
納品書は、プリント入れ業者「株式会社モリ・フロッキー」により発行されたもので、当該指定仕様書に基づいてプリント入れされたものが、平成21年8月7日に、被請求人の経営するサムライジーンズ梅田店に納品されたことを示している。
参考までに、このような指示仕様書に基づいてプリント入れされた実際の商品の写真(乙16)を提出する(ただし、乙第15号証の納品書により納品された商品ではなく、同一の指示仕様書に基づいて納品された同一仕様商品である。)
(6-3)他の指示仕様書と納品書
乙第15号証における指示仕様書とこれに基づきプリント入れを行って納品する場合の納品書の関係をより確かなものとして説明するために、2010年7月納品を求めた指示仕様書と平成22年7月31日に納品したことを示す株式会社モリ・フロッキーの納品書(乙17)、2011年6月納品を求めた指示仕様書と平成23年6月18日付け納品書(乙18)、2011年7月納品を求めた指示仕様書と平成23年7月30日付け納品書(乙19)、2011年4月納品を求めた指示仕様書と平成23年4月8日付け納品書(乙20)、2012年4月納品を求めた指示仕様書と平成24年4月4日付け納品書(乙21)を提出する。
(6-4)本件商標の使用の証明
被請求人は、乙第15号証等を提出し、本件商標を付した商品「Tシャツ」が、本件審判請求の登録前3年の間である平成21年8月7日にプリント入れ業者から被請求人に納品されたことを証明した。
また、プリント入れの委託は、納品を受けた後に、販売に供することを目的としたものであり、当然に、納品を受けた28枚のTシャツは、その後販売されている。具体的な取引書類による証明はできないものの、当該納品日(平成21年8月7日)から本件審判請求の登録の日までの間は、実に2年8か月もの長期間に亘っており、その間に販売された蓋然性は高く、したがって、登録商標を付した商品「Tシャツ」を譲渡することにより、登録商標を使用していた蓋然性も極めて高いものと思料する。
このように、被請求人は、本件審判請求の登録の日前3年の間に、本件商標を指定商品「被服」について使用している。
(7)むすび
上記のように、被請求人は、本件審判請求の登録前3年の間に、刊行物、カタログからも明らかなように、本件指定商品「被服」に属する「Tシャツ」「デニムズボン」等に、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用しており、また、取引書類からも明らかなように、少なくとも「Tシャツ」について本件商標そのものを使用している。

4 当審の判断
(1)乙第2号証及び乙第3号証によれば以下の事実が認められる。
ア 乙第2号証は、株式会社ネコ・パブリッシングが2010年12月20日に発行した雑誌「別冊Daytona BROS vol.03」であり、表紙には、「サムライ定番ジーンズ型録」「色落ちモデル大図鑑」「2011 SPRING&SUMMER NEW MODEL」「SAMURAI SHOP GUIDE」の記載があり、型番「S0510XX」(30頁)、「S0500XX」(31頁)、「S4000VX」(35頁)、「S0110XJ」(36頁)、「S0120XJ」(37頁)、「S510XX19oz」(38頁)、「S710XX19oz」(39頁)、「S5000VX21oz」(41頁)、「S5000VX24oz」(49頁)の「デニムズボン」について、前面及び背面(なお、腰部にはレザーラベルが取り付けられ、バックポケットにはフラッシャーが取り付けられている。)の写真、フラッシャーの写真、レザーラベルの写真及び価格、仕様の説明により商品の紹介がなされているものである。そして、各フラッシャーには、その上部にフラッシャーにより書体が異なるものの「SAMURAI」の文字からなる商標が表示され、また、その下部には、「SAMURAI CO,LTD」の文字が記載されている。
イ 乙第3号証は、株式会社エイ出版社が2010年9月30日に発行した雑誌「Lightning 11月号 vol.199」であり、型番「S0500XX」(182頁)、「S0510XX」(182頁)、「S510XX19oz」(183頁)、「S710XX19oz」(183頁)、「S5000VX21oz」(187頁)、「S0110XJ」(189頁)、「S0120XJ」(189頁)の「デニムズボン」について、乙第2号証と同様の方法により商品の紹介がなされているものであり、各フラッシャーには、その上部にフラッシャーにより書体が異なるものの「SAMURAI」の文字からなる商標が表示され、またその下部には、「SAMURAI CO,LTD」の文字が記載されている。
なお、以下、乙第2号証及び乙第3号証の広告に表示されている上記各フラッシャーを「本件フラッシャー」といい、本件フラッシャーにある「SAMURAI」の文字からなる商標を「使用商標」という。
(2)前記(1)によれば、以下のように認定、判断できる。
ア 使用時期及び使用者について
本件フラッシャーには、「SAMURAI CO,LTD」の文字が記載されているが、該欧文字は、被請求人の英語表記であると推認できるものである。したがって、乙第2号証及び乙第3号証の雑誌への広告は、被請求人(商標権者)によってなされたものと認められる。
そして、商標権者は、本件審判請求の登録(平成24年5月1日)前3年以内と認められる、2010年(平成22年)9月30日に発行された雑誌及び同年12月20日に発行された雑誌において、「デニムズボン」の広告に使用商標を付して頒布したものと認められ、また、自己の取り扱う「デニムズボン」に使用商標が表示されたフラッシャーを付しているものと推認できる。
イ 使用商品について
上記「デニムズボン」は、本件審判請求に係る商品である「被服(和服を除く。)」の範ちゅうの商品と認められる。
ウ 本件商標と使用商標の同一性について
本件商標は、別掲のとおりの構成よりなるものであるが、文字の大きさが一定ではなく、また、やや特徴的な書体ではあるものの、「SAMURAI」の文字からなるものと明確に認識されるものである。
一方、使用商標は、各使用商標によりその書体が一定でないものの、いずれも「SAMURAI」の文字からなるものと明確に認識されるものである。
してみれば、本件商標と使用商標は、いずれも「SAMURAI」の文字からなるものであるから、社会通念上同一の商標というのが相当である。
この点について、請求人は、本件商標と使用商標とは、その外観において大きく異なっており、需要者の基準とし、社会通念に基づいたとしてももはや同一とは判断されないほど両者はかけ離れており、自他識別機能の同一性を保持できず、社会通念上同一と認められる商標には該当しない旨主張している。
しかしながら、本件商標は、明らかに「SAMURAI」の文字からなるものと理解されるものであり、その構成態様により、何らかの観念を生ずるというようなものではない。
同様に、使用商標についても、いずれも「SAMURAI」の文字からなるものと理解される以上に、その構成態様により何らかの観念を生じるというようなものではない。
そうすると、本件商標と使用商標とは、その書体等の相違があるとしても、その構成文字が同一であり、それぞれから生じる称呼及び観念も同一であるから、社会通念上同一の商標とみるべきである。したがって、請求人の主張は採用できない。
エ したがって、商標権者は、本件審判請求の登録(平成24年5月1日)前3年以内である、2010年(平成22年)9月30日ころ及び同年12月20日ころに、自己の取り扱う「デニムズボン」に本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付し、また、「デニムズボン」の広告に当該商標を付して頒布したものと認められる。そして、その使用行為は、商標法第2条第3項第1号及び同第8号に該当するものと認められる。
(3)むすび
以上のとおり、被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者が、請求に係る指定商品中の「デニムズボン」について、本件商標を使用していたことを証明したものということができる。
したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲 本件商標


審理終結日 2012-10-25 
結審通知日 2012-10-29 
審決日 2012-11-15 
出願番号 商願昭62-125007 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (125)
最終処分 不成立 
特許庁審判長 内山 進
特許庁審判官 梶原 良子
高野 和行
登録日 1989-10-31 
登録番号 商標登録第2175471号の2(T2175471-2) 
商標の称呼 サムライ 
代理人 小谷 悦司 
代理人 川瀬 幹夫 
代理人 江森 史麻子 
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