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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服20116280 審決 商標
不服201218763 審決 商標
不服201117079 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない X31
管理番号 1277814 
審判番号 不服2012-18089 
総通号数 165 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2013-09-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-09-18 
確定日 2013-07-17 
事件の表示 商願2011- 87905拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は,「キノコの力」の文字を横書きしてなり,第31類「ハナビラタケ,その他のキノコ類」を指定商品として,平成23年12月7日に登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由
原査定は,「本願商標は,『キノコの力』の文字を横書きにしてなるところ,その構成中の『力』の文字には,『ききめ,おかげ,効能』等の意味合いが含まれる。そして,新聞記事情報,インターネット情報等によれば,きのこには,食物繊維をはじめ様々な有効成分,栄養素が含まれ,例えば免疫力の増大など,様々な効果,効能を有することが言われており,そのような『きのこが有する効果,効能』を『キノコの力』『きのこの力』と表現することも少なくない。また,実際に,きのこが持つ作用,効能を掲げる飲食料品について,その作用,効能を『キノコの力』『きのこの力』と表現して,取り引きにあたっている実情も見受けられる。そうとすると,本願商標を,その指定商品に使用をしても,これに接する需要者は,その効果,効能が大きいことを端的に表現したものと理解するにとどまり,これを,特定の事業者の業務に係る商品を表すための識別標識とは認識し得ないといわざるを得ず,本願商標は,商品の効能を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものと認められ,商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定,判断して,本願を拒絶したものである。

第3 当審の判断
1 本願商標は,前記のとおり「キノコの力」の文字よりなるところ,その構成中「キノコ」の文字は,「子嚢菌の一部および担子菌類の子実体の俗称。」を意味する「きのこ」を片仮名で表したものであり,「力」の文字は,「ききめ。おかげ。効能。」(いずれも株式会社岩波書店 広辞苑第六版)を意味する語であるから,構成全体として「きのこの効能」ほどの意味合いを認識させるものである。
そして,きのこが,健康に有効な成分,効能を有することは一般に知られているところであり,本願指定商品を含む各種業界において,きのこやきのこを原材料とする商品について,単にきのこの効能を表す場合に,「キノコの力」「きのこの力」の文字を使用することが広く一般に行われているところである。
この点については,当審において職権により調査したところ,以下の事例からも裏付けられる(なお,下線は,審判の合議体で加えた。)。

「キノコの力」,「きのこの力」が「きのこの効能」を意味する語として使用されている事例
(1)「Peachy」のウェブサイトにおいて,「ダイエット&美肌に!今,きのこが熱い」の見出しのもと,雲南料理専門店のキノコ火鍋コースの紹介として「家ではなかなか味わえない,珍しいきのこが堪能できるお店も。きのこの力を思いっきり味合うならコレ!・・・・アガリスク茸や山伏茸など,普段あまり食べる機会のないヘルシーきのこがたっぷり入った体に優しい鍋は,冬だけでなく,体がバテぎみな夏にもピッタリ。」との記載がある。
(http://news.livedoor.com/article/detail/6521263/)
(2)「サプリメントチョイス」のウェブサイトに掲載されている商品「QUALITY OF LIFE LABS キノコAHCC」の商品情報に「キノコの力で免疫アップ!AHCCとは・・・・免疫力を高める,アガリスク茸,ヒメマツタケ,霊芝などの菌糸体を,数種類の酵素によって発酵分解して抽出生成した植物性多糖類です。AHCCは細胞での免疫機能を活性化させ,免疫機能をサポートします。」との記載がある。
(http://supple-choice.com/archives/ahcc/)
(3)「ショップニュージーランド」のウェブサイトにおいて販売されている商品「ガノポリー-トータルケア サプリメント」の商品情報に「・・・・キノコ類は精力,気力,寿命を支え,身体の不足を調整すると言われています。さらに近年は,多くの人々が薬用キノコにはガンから身体を守る働きが期待できると信じるようになっています。 西洋文化圏では,薬用キノコについてあまり知られていないのが現実ですが,近年の発表や口コミにより,西洋文化圏でもアジア文化圏と同じように薬用キノコの力を信じる人々が増えつつあります。」との記載がある。
(http://www.shopnewzealand.co.nz/ja/cp/%E9%9C%8A%E8%8A%9D_%E3%82%B5%E3%83%97%E3%83%AA%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88)
(4)JA長野県のウェブサイトにおいては,「あなたもマイコファジストになりませんか!」の見出しのもと,「河内教授を筆頭に『マイコフェイジ』の提唱者の方々がきのこの健康機能について語ったのは先週9日,JA全農長野が,きのこの健康効果について認識を深めるために開催した『きのこシンポジウム』の講演でした。ここではきのこの力を引き出す保存方法なども紹介されました。購入してから1時間ほどきのこを日光に浴びさせることで,きのこに含まれる成分がビタミンD2に変るのだと。そしてビタミンD2はカルシウムの消化を助ける働きをするのだそうです。」との記載がある。
(http://www.iijan.or.jp/oishii/2009/11/post_1190.php)
(5)百歳元気新聞2011.02.10
「野菜類の機能性研究最前線 きのこ,ウコン,わさび」の見出しのもと「・・・・きのこを食べるとインフルエンザ感染の予防に役立つことが,きのこメーカー・ホクトと富山大学大学院医学薬学研究部との共同研究で明らかになった。・・・・研究チームでは,きのこの中の有用成分を解明するなど,インフルエンザ対策にきのこの力を役立てる研究を続けている。」との記載がある。

そうとすれば,本願商標をその指定商品に使用するときは,これに接する,取引者,需要者は,単に商品の効能を表示するにすぎないものとして理解するに止まり,自他商品を識別するための標識とは認識し得ないものと判断するのが相当である。

2 請求人の主張について
請求人は,「本願商標の構成中の『力』の文字のみでは,商品の具体的な効能,作用,原材料まで理解できるわけではない。また,『効能』の文字が商品のパッケージで使用されているように,商品の内容を説明する上での必須項目として『力』の文字が用いられているわけでもない。したがって,本願商標は自他商品の識別力を有している。また,他の同業者に開放しておかなければならない必須の表示でもない。」旨,主張している。
しかしながら,「キノコの力」が特定の成分による機能や効能を具体的に表示するものではないとしても,前記のとおり,キノコが各種の機能や効能を有し,それらの効能を総称して「キノコの力」の語が,一般に使用されていることからすると,これに接する需要者は,本願商標が「きのこの効能」程の意味を表示するものと認識するというべきであり,本願商標は自他商品識別標識としての機能は有し得ないものである。
よって,請求人の主張は採用できない。

3 してみれば,本願商標は,これをその指定商品に使用しても,これに接する取引者,需要者は当該商品の効能を表示したものと認識するにとどまるものといわなければならない。
したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当する。
以上のとおりであるから,本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして,本願を拒絶した原査定は,妥当であって,取り消すことはできない。
よって,結論のとおり審決する。
審理終結日 2013-05-14 
結審通知日 2013-05-20 
審決日 2013-05-31 
出願番号 商願2011-87905(T2011-87905) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (X31)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 茂木 祐輔 
特許庁審判長 内山 進
特許庁審判官 内藤 順子
小川 きみえ
商標の称呼 キノコノチカラ、チカラ 
代理人 幡 茂良 
代理人 吉田 親司 
代理人 石川 義雄 
代理人 蔵田 昌俊 
代理人 橋本 良樹 
代理人 潮崎 宗 
代理人 小出 俊實 

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