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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Y41
管理番号 1277798 
審判番号 取消2012-300455 
総通号数 165 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2013-09-27 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2012-05-30 
確定日 2013-07-11 
事件の表示 上記当事者間の登録第5072094号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5072094号商標(以下「本件商標」という。)は、「Japan Poker Tour」の欧文字を標準文字で表してなり、平成18年9月4日に登録出願、第41類「学校における教育,ゲームセンターの提供,遊園地の提供,娯楽の提供,討論会の手配及び運営,会議の手配及び運営,議会の手配及び運営,セミナーの手配及び運営,シンポジウムの手配及び運営,研修会の手配及び運営,興行場の座席の予約,書籍の制作,キャンプの企画・運営又は開催,カジノゲーム場の提供,映画フィルムの貸与,映画館の提供,教育又は娯楽に関する競技会の運営,デジタル画像処理,ディスコの提供,録音又は録画済み記録媒体の複製,ビデオテープの編集,教育情報の提供,教育上の試験の実施,技芸の教授,娯楽情報の提供,レクリエーション情報の提供,教育又は文化目的のための展示会の企画・運営又は開催,図書の貸出し,演芸の上演,演劇の上演,音楽の演奏,美術用モデルの実演,ナイトクラブの提供,幼児教育,興行(歌劇・音楽会)の企画,パーティの企画,写真撮影,実地教育,ラジオ及びテレビジョン番組の制作,ショーの演出,カラオケ施設の提供,ラジオ放送用娯楽番組の制作・配給,レクリエーション施設の提供,脚本の作成,インターネットによる電子ゲームの提供,オンラインによるゲームの提供,職業訓練,ゲーム場の提供,テレビジョン放送用娯楽番組の制作・配給,カジノに関する協議会の運営・開催,娯楽に関する競技会の運営・開催,ゲーム大会の運営・開催,翻訳」を指定役務として、同19年8月24日に設定登録されたものである。
なお、本件審判の請求の登録は、同24年6月18日にされている。
また、本件審判請求の登録前3年以内の期間である同21年6月18日から同24年6月17日までの期間を、以下「要証期間」という。

第2 請求人の主張
請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由、答弁に対する弁駁、口頭審理における陳述及び上申の内容を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証及び甲第12号証(枝番号を含む。ただし、枝番号のすべてを引用する場合は、その枝番号を省略する。)を提出している。
1 請求の理由
本件商標は、その指定役務について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は、商標法第50条第1項の規定により、取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
(1)被請求人(商標権者)の提出した証拠らしきものは全て公的なものでなく、写真についても公の場に出ていないもので全てに信憑性がない。
(2)被請求人が3年以上も活動したとして、現代社会に於いてホームページ、ドメイン、コミュニティーすらなく、参加したプレイヤー全てが、インターネット、SNSやブログヘの参加記事が無いことはあり得ない。ネット上にあるのは只々、請求人が運営するJapanPokerTourだけである。
(3)ポーカー業界に携わってビジネスをされている方が、誰一人として、被請求人の活動を知らないことは不自然極まりない。
(4)インターネット上に出てくる「ジャパンポーカーツアー」は、すべて請求人が運営する「ジャパンポーカーツアー」である。
(5)ポーカーナビ、ポーカー道、ひやっほう掲示板、ポーカーストラテジー、ポーカーニュース、ポーカースターズブログ、ポーカーの高速道路とけもの道など有力ポーカーサイトがある。請求人が運営するジャパンポーカーツアーに関して書いてあるが、被請求人の活動するジャパンポーカーツアーについて一切の記述がない。
(6)内閣府認証NPO法人日本ポーカー協会、特定非営利活動法人日本ポーカー倶楽部、一般社団法人日本プロポーカー協会のどこにも被請求人とその活動のすべてに記述もない。
以上をもって被請求人の答弁には全く信憑性がなく、またJapanPokerTourが活動をしていた痕跡すらない。
3 口頭審理(平成25年3月18日付け口頭審理陳述要領書)における陳述
(1)被請求人はSNS(mixi)の中でコミュニティを立ち上げポーカーの情報や宣伝をしていたとしているが、真実ならその根拠となる証拠を提出できるはずである。
また、SNSで告知しているならば、告知文を提出するべきである。
SNS上でのやり取りをしているならば、被請求人のSNSで使われているアカウントのメッセージの記録を開示すれば明らかである。
そしてそれが出来ないのは、甲第8号証を参照すれば明らかである。
被請求人が立ち上げたとされる、SNSのコミュニティは「JCSポーカークラブ」といいその中に全てが記録されている(甲第6号証の1ないし6)。
被請求人の本件商標での活動は、平成20年5月4日で終わっていて、要証期間を満たしていない。
以上から、売上に関する資料も領収書も虚偽だと考えられる。
また被請求人が本件商標で開催したポーカー講習とあるが、SNSの記録によれば全ては「アディオス」さんが開催したポーカー講習会とされている(甲第7号証)。
(2)提出された領収書は食事代の実費と主張しているが、乙第5号証1及び2、甲第6号証の1ないし6の中の第1開催から第7開催では会費とイベント参加費と明記して徴収している。
そして領収書が提出されているのに、お金を受け取っていない架空の領収書である。
また、架空の領収を発行してる事実は、被請求人が証拠を偽造している事を証明している。
(3)上記のことから、要証期間のポーカー講習はアディオスさんが開催しているため、被請求人の主張は本件商標とは全く関係がなく確認が取れるものではない。
4 平成25年5月2日付け上申書
(1)人件費、場所代、トランプ代、チップ代など本件商標で活動するための経費が全く記帳されていない。
乙第2号証、乙第4号証の3及び乙第4号証の5の経費は、いずれも乙第14号証、乙第15号証へ経費として計上されていない。
すべての号証の整合性がなく、偽造であることが判断できる。
(2)甲第7号証で証明されているとおり、過去の講習会、大会で全て参加費を取っているにも関わらず、上申書の内容だけ参加費をとっていないのは事業として整合性が取れない。
(3)JPTへ参加した領収書をポーカー講座に置き換える理由が見当たらない。
(4)答弁書の中に第11回2011年4月29日及び第12回2011年7月21日の2開催分の売上があるにも関わらず、売上がないと言ってる主張の整合性が取れてない。
また、答弁書に開催されてると書かれてるのに、売上がないとするのは答弁書の内容が偽りであることを完全に証明している。
(5)総括
被請求人からの上申書で明らかになった事がいくつもある。
陳述への反論で書かれているとおり、出納帳および所得税青色申告決算書と領収書、金銭出納帳の数字が全く符合していない。
答弁書で書かれていることと、上申書の内容が符合しない。
上記のことから、本件商標で提出されている被請求人の証言は偽造であることが証明されている。
被請求人が本当に本件商標で活動されているなら、それを証明するに容易いことである。にも関わらずここまで証明できてないことが既に要証期間内に活動していないことを証明している。
被請求人の本件商標の活動は、平成20年5月4日にすでに終了している。

第3 第1回口頭審理調書の要旨(陳述の要領)
請求人
1 審判請求の趣旨及び理由は、審判請求書及び平成24年8月24日付け弁駁書及び平成25年3月18日付け口頭審理陳述要領書に記載のとおり陳述。
2 乙第10号証ないし乙第12号証の原本を確認した。
被請求人
1 答弁の趣旨及び理由は、平成24年7月27日付け答弁書及び平成24年9月5日付け手続補正書(方式)及び平成25年3月6日差出し口頭審理陳述要領書に記載のとおり陳述。
2 商標権者は、「技芸の教授」という役務に関する取引書類(領収書)に本件商標を付して頒布している。これは、商標法第2条第3項第8号の役務に関する取引書類に標章を付して頒布する行為に該当する。
3 ポーカーイベントとポーカー講習会は、別のものである。
6 平成25年4月16日(火)までに、以下の(1)から(9)に関し、上申書を特許庁に提出する。
(1)乙第10号証の3及び乙第11号証の3「ポーカー講座領収書」における、右上段の番号は、何を表しているか。
(2)乙第10号証の3「ポーカー講座領収書」における、右上段の番号が連続していない理由は何故か。(No.9-8の次がNo.6-9、No.6-10、No.6-11、No6-12、No.9-13と不連続になっている。)
(3)乙第10号証の2「金銭出納帳」に支出が記載されていない理由は何故か。支出が記載された別の書類があれば、その書類を提出する。
(4)第8回JPTにおいてポーカー講習会が開催されたのか否か。
(5)乙第10号証、乙第11号証のポーカー講習会の講師は誰か。
(6)請求人提出の甲第7号証における「勉強会」と被請求人提出の乙第10号証及び乙第11号証のポーカー講習会は別のものか。
(7)乙第5号証の2「講座受講料の領収書」は、ポーカー講座に関するものか。
(8)平成23年納税証明書の「確定申告」及び「出納帳」を提出しなかった理由は何か。
(9)乙第10号証の2,乙第11号証の2の講習会開催の際にポーカーイベントを同時に開催したのか否か。

第4 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由、答弁、口頭審理における陳述及び上申の内容を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第15号証(枝番号を含む。ただし、枝番号のすべてを引用する場合は、その枝番号を省略する。)を提出している。なお、被請求人は、答弁書に添付した甲第1号証ないし甲第7号証(枝番号を含む。)を、乙第1号証ないし乙第7号証(枝番号を含む。)に訂正している。
1 答弁の理由
(1)本件商標の使用事実の要点
本件商標の商標権者(被請求人)は、要証期間内に、我が国においてその請求にかかる指定役務中「学校における教育,技芸の教授,パーティーの企画,娯楽に関する競技会の運営・開催,ゲーム大会の運営・開催」について、本件商標を使用している。
(2)本件商標の使用の事実
被請求人は、2007年から、カジノディーラースクールを運営する株式会社ブライトからの依頼により、すべてのカジノ種目の技術及びカジノ運営等の知識を受講生に教授し、カジノディーラーの育成に努めている。
カジノゼミ講師やゲーム大会の運営責任者として派遣されることもある(甲第1号証)。
それらの活動の中でも、ポーカーに限定した被請求人本人の主催により定期的に開催されるポーカーイベントやポーカー講座を「Japan Poker Tour」と呼んでいる。
以下に、「Japan Poker Tour」の主催者である被請求人が、本件商標を要証期間内に日本国内において使用したことを詳述する。
(ア)Japan Poker Tourについて
被請求人は、数あるカジノの競技種目のうち、ポーカーに限定したポーカーイベント及びポーカー講座についての活動を「Japan Poker Tour」、「Japan Poker Tour in ○○(Shibaura、Roppongiなどの開催地名)」として、特定の会員向けにポーカートーナメントを絡めたパーティーイベントを企画、開催していて、ポーカー大会の開催、ポーカーディーラーに対する技術指導、ポーカーゲームに関する情報提供を行っている。
この「Japan Poker Tour in ○○」というイベントは、通算13回開催されているが、要証期間内に開催されたものは、次の6回である。
第8回 2009年12月16日(水)六本木フェニックス会場にて
第9回 2010年4月29日(木・祝)芝浦アイランドにて
第10回 2010年11月24日(水)芝浦アイランドにて
第11回 2011年4月29日(金・祝)芝浦アイランドにて
第12回 2011年7月21日(木)六本木Gラウンジにて
第13回 2012年6月17日(日)六本木 八尾邸にて
(イ)活動の証明:上記6回のイベント開催の事実の証明
第8回:2009年12月16日(水)六本木フェニックス会場
会場使用(飲食代含む)としての領収証(乙2)
第9回:2010年4月29日(木・祝)芝浦アイランド
会員に送信したイベント案内のメール文(乙3の1)
イベント時に撮影した写真(乙3の2)
第10回:2010年11月24日(水)芝浦アイランド
会員に送信したイベント案内のメール文(乙4の1)
イベント時に撮影した写真(乙4の2)
イベント時に注文したオイスターの請求書(乙4の3)
イベント時に注文したオイスターの銀行引落の取引明細(乙4の4)
会場使用料についての領収書(乙4の5)
第11回:2011年4月29日(金・祝)芝浦アイランド
会員に送信したイベント案内のメール文(乙5の1)
参加者からはイベント参加費として3,500円を回収し、希望のあった者には発行した領収書(乙5の2)
イベント時に撮影された写真(乙5の3)
第12回:2011年7月21日(木)六本木Gラウンジ
会員に送信したイベント案内のメール文(乙6の1)
イベント時に撮影した写真(乙6の2)
イベント(講習会・トーナメント)の案内リーフレット(乙6の3)
会場使用(飲食代含む)としての領収証(乙6の4)
第13回:2012年6月17日(日)六本木 八尾邸
イベント時に撮影した写真(乙7)
上述した写真(乙3の2、乙4の2、乙5の3、乙6の2、乙7)について補足すると、少し見えづらいが、会場の壁面には「Japan Poker Tour」の表示が、またゲーム優勝者には「Japan Poker Tour」と表示された目録が譲与され記念撮影している。
以上により、要証期間内に日本国内において、商標権者である被請求人によって本件商標は指定役務「学校における教育,技芸の教授,パーティーの企画,娯楽に関する競技会の運営・開催,ゲーム大会の運営・開催」について使用したということができる。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標は、要証期間内に日本国内において商標権者によって指定役務中「学校における教育,技芸の教授,パーティーの企画,娯楽に関する競技会の運営・開催,ゲーム大会の運営・開催」について使用されていることが明らかである。
2 口頭審理(平成25年3月6日差出し口頭審理陳述要領書)における陳述
(1)商標法第2条「業として」の使用について
ア 被請求人は、本件商標を指定役務につき、「業として」、使用していたのであるから、本件商標が使用(商標法50条)されていたことは明らかである。
イ 要証期間における本件商標の使用
(ア)被請求人は、商標登録出願後、SNS(mixi)上に、カジノに関心を持つ人達が集まるコミュニティを立ち上げ、平成19年7月以降、ポーカーの情報・知識及び技術などを伝えるべく、SNSを通じて宣伝する方法で、定期的にポーカー講座を開催し、会員を増やした。
そして、本件商標の商標登録後は、被請求人は、SNSやメールなどを通じて、会員に対し、「Japan Poker Tour」が主催すると告知して、ポーカー講座を定期的に開催した。
このように、被請求人は、ポーカー講座を開催しているが、そのポーカー講座は、これまで約20回開催され、延べ100人もの者が参加しており、要証期間の始期である平成21年6月18日以降は、同年6月25日、同年7月15日、同年10月7日、同年11月11日、同22年3月10日に開催されている(乙10及び乙11)。
このことは、被請求人が、参加者から、ポーカー講座の受講料として1,500円を徴収し、参加者に対して、本件商標を付した領収書を交付して、その売上を収入として税務申告していたことから明らかである(乙10及び乙11)。
(イ)また、被請求人は、ポーカー講座の参加者や会員、更には、その他のポーカー愛好者にポーカー競技の場を提供するため、「Japan Poker Tour」との名称のポーカーイベント(以下「JPT」という。)を定期的に開催し、平成21年6月18日以降は、同24年7月27日付け答弁書に記載のとおり、以下の日程でポーカーイベントを開催した。
平成21年12月16日第8回JPT(参加者:12名)
平成22年4月29日第9回JPT(参加者:20名)
平成22年11月24日第10回JPT(参加者:14名)
平成23年4月29日第11回JPT(参加者:15名)
平成23年7月21日第12回JPT(参加者:13名)
平成24年6月17日第13回JPT(参加者:18名)
被請求人は、JPTを開催するにあたり、会員などに対して、メールなどで宣伝して参加者を募り(乙3の1、乙4の1、乙5の1、乙6の1及び乙9)、参加者からは、会費、参加費等を受け取らず、食事代の実費分のみを受け取っていた(乙5の2)。
このように、被請求人において、会費、参加費等を受け取らなかったのは、JPTにおいては参加者が賭博をすることを当然禁止していたところ、JPTとしてポーカー競技の場を提供するにあたり、参加者から対価を受けたり、利益を得ることが、賭博場開帳図利罪(刑法第186条2項)に該当すると考えていたからである。
ウ イにおいて主張したとおり、被請求人は、平成21年6月18日以降、カジノに関する情報、知識及び技能を提供するため、ポーカー講座を定期的に開催し、参加者には、本件商標を付した取引書類(領収書)を交付している。
また、被請求人は、平成21年6月18日以降、ポーカー講座の参加者や会員、更には、その他のポーカー愛好者にポーカー競技の場を提供するため、本件商標をイベント名としたポーカーイベントを定期的に開催し、参加者には、本件商標を付した取引書類(領収書)を交付している。
なお、被請求人は、ポーカーイベントを開催するにあたって対価、利益等を得てはいないが、同イベントは、有料で開催しているポーカー講座と一体のものであるし、加えてそもそも、商標法第2条1項2号「業」は、営利的な目的で行われる行為であることを要しない。
以上から、被請求人は、平成21年6月18日以降も、業として、指定役務につき、本件商標を使用していることは明らかである。
3 平成25年4月16日付け上申書
第1回口頭審理調書の被請求人6(1)から(9)について、以下のとおり、上申する。
(1)乙第10号証の3及び乙第11号証の3「ポーカー講座領収書」における、右上段の番号は、何を表しているのか。また、乙第10号証の3「ポーカー講座領収書」において、番号が連続していない理由は何故か。
乙第10号証の3及び乙第11号証の3「ポーカー講座領収書」における、右上段の番号は、被請求人が領収書を管理するために振ったものである。右上段の番号のうち、左側の数字は、2009年(平成21年)の「9」、2010年(平成22年)の「10」を表し、右側の数字は、通し番号である。
また、乙第10号証の3において、番号が連続していない理由は、被請求人の誤記であり、「6-9」「6-10」「6-11」「6-12」の領収書は、2009年(平成21年)6月25日に開催されたポーカー講座において作成されたものであるので、本来、「9-9」「9-10」「9-11」「9-12」と記載すべきものであった。この領収書は、2009年(平成21年)6月25日に作成されているので、恐らく、6月の「6」に気を取られ、誤って記載したものと思われる。
(2)乙第10号証の2「金銭出納帳」に支出が記載されていない理由は何故か。
被請求人は、ポーカー講座の運営に関する収支を、科目ごとに分けて記帳していた。したがって、ポーカー講座の運営に要した支出は、平成21年は、乙第10号証の2とは別の出納帳(乙第14号証)に、平成22年は、乙第11号証の2とは別の出納帳(乙第15号証)に、各々記帳していた。
なお、乙第14号証および乙第15号証の「倉庫費」は、カジノに関する道具類を保管するために借りていた倉庫の利用料である。
(3)第8回JPTにおいて、ポーカー講習会は開催されたのか。
ア まず、乙第10号証の2及び乙第11号証の2に「ポーカー講習会」との表現があるが、これは、被請求人の平成25年3月5日付け口頭審理陳述要領書で説明した「ポーカー講座」を指す。この「ポーカー講座」は、被請求人が講師となり、受講者から受講料を取って、2時間程開催するものである(以下、これについては、「ポーカー講座」という。)。なお、下記(8)で述べるとおり、「ポーカー講座」は、JPTとは別途開催していた。
他方、乙第3号証の1及び乙第5号証の1に記載されている「ポーカー講座(中級、上級)」は、ポーカーイベント「JPT」と同時に開催されるものであり、ポーカーの上級者を講師として、JPTの参加者に、短時間で、技術を教える簡易なものである(以下、これについては、「ポーカー講座(中級、上級)」という。)。なお、この講座については、受講者から受講料をとっていない。
また、乙第6号証の1に記載されている「初心者講習会」も、JPTと同時に開催されるものであり、被請求人が講師となって、JPTの参加者(初心者)に対して、短時問で、ポーカーの初歩的な技術を簡単に教えるものである。これについても、被請求人は、「ポーカー講座(中級、上級)」と同様、受講者から受講料をとっていない。
その他、乙第3号証の1、乙第4号証の1及び乙第5号証の1に記載されている「ディーラー講習会」は、JPTと同時に開催されるものであり、被請求人が講師となって、JPTの参加者の内、受講を希望する者に対し、短時間で、ディーラー(カジノでルーレットを回したり、配当額を計算してチップを支払ったり、カードを配ったりしてカジノゲームの進行役を務める役柄)の技術を教えるものである。これについても、被請求人は、「ポーカー講座(中級、上級)」、「初心者講習会」と同様、受講者から受講料をとっていない。
イ 平成21年12月16日に開催された第8回JPTにおいて、「ポーカー講座」は、開催されていないが、「ポーカー講座(中級、上級)」は、開催されている。
(4)乙第10号証、乙第11号証のポーカー講習会の講師は誰か。
乙第10号証、乙第11号証のポーカー講習会は、上記(3)アの「ポーカー講座」であるところ、上記(3)アで説明したとおり、講師は、被請求人である。
(5)甲第7号証における「勉強会」と乙第10号証及び乙第11号証のポーカー講習会は別のものか。
甲第7号証における「勉強会」は、乙第10号証及び乙第11号証のポーカー講習会、即ち上記(3)アで説明した「ポーカー講座」の前身である。
被請求人は、「ポーカー講座」を開催する以前、被請求人名義で事務所(「アデオスハウス」)を賃借し、同事務所において、「ポーカー勉強会」を開催していた。被請求人は、アデオス氏(通称)を講師として「ポーカー勉強会」を開催し、アデオス氏に対して講師料を支払っていた。
(6)乙第5号証の2下段「講座受講料の領収書」は、ポーカー講座に関するものか。
乙第5号証の2下段「講座受講料の領収書」は、乙第5号証の2上段と同様、JPTの参加者に交付したものであり、「ポーカー講座」の領収書として発行したものではない。それにもかかわらず、乙第5号証の2下段の但書を講座受講料としたのは、山崎氏が、領収書の但書を講座受講料としてもらいたいと要請したからである。
(7)平成23年納税証明書の「確定申告」及び「出納帳」を提出しない理由は何故か。
被請求人は、平成23年に、ポーカー講座を開催しておらず、ポーカー講座にかかる売上がないので、確定申告をしていない。
(8)乙第10号証の2、乙第11号証の2の講習会開催の際に、ポーカーイベントを同時に開催したのか。
乙第10号証の2及び乙第11号証の2に記載されている「ポーカー講習会」とは、上記(3)アで説明した「ポーカー講座」を指すが、「ポーカー講座」は、被請求人の平成25年3月5日付け口頭審理陳述要領書から明らかなとおり、ポーカーイベント(JPT)と同時に開催していない。
他方、「ポーカー講座(中級、上級)」は、上記(3)で述べたとおり、ポーカーイベント(JPT)と同時に開催している。

第5 当審の判断
1 証拠によれば、以下の事実が認められる。
(1)乙第10号証の1は、平成21年分の所得税の確定申告書Bであるところ、1葉目の左上から、「芝税務署長」、「22年3月12日」、商標権者の「郵便番号」、「住所」、「氏名」、「生年月日」及び「電話番号」等の記載があり、「収入金額等/事業/営業等」の欄には、「310920(円)」の記載がある。
また、同号証2葉目の「売上(収入)金額」の欄には、6月「9,000円」、7月「9,000円」、10月「17,000円」、11月「209,000円」、計「310920円」の記載がある。
(2)乙第10号証の2は、「売上」と称する帳簿であるところ、左上から「21年/月日」、「摘要」、「収入金額」等の各欄が設けられ、9行目ないし14行目には、それぞれ「6月25日」、「JPT講習会(at芝浦)加藤様」及び「1500」の記載、「6月25日」、「 〃 〃 山下様」及び「1500」の記載、「6月25日」、「 〃 〃 中島様」及び「1500」の記載、「6月25日」、「 〃 〃 伊藤様」及び「1500」の記載、「6月25日」、「 〃 〃 井谷様」及び「1500」の記載、「6月25日」、「 〃 〃 山下様」及び「1500」の記載がある。
15行目ないし20行目には、それぞれ「7月15日」、「JPT講習会(at六本木)石井様」及び「1500」の記載、「7月15日」、「 〃 〃 大島様」及び「1500」の記載、「7月15日」、「 〃 〃 上田様」及び「1500」の記載、「7月15日」、「 〃 〃 枝野様」及び「1500」の記載、「7月15日」、「 〃 〃 阿部様」及び「1500」の記載、「7月15日」、「 〃 〃 柳原様」及び「1500」の記載がある。
23行目ないし25行目には、それぞれ「10月7日」、「JPT講習会(at芝浦)松山様」及び「1500」の記載、「10月7日」、「 〃 〃 平川様」及び「1500」の記載、「10月7日」、「 〃 〃 中尾様」及び「1500」の記載がある。
26行目ないし30行目には、それぞれ「11月11日」、「JPT講習会(at六本木)高田様」及び「1500」の記載、「11月11日」、「 〃 〃 坂口様」及び「1500」の記載、「11月11日」、「 〃 〃 藤田様」及び「1500」の記載、「11月11日」、「 〃 〃 星野様」及び「1500」の記載、「11月11日」、「 〃 〃 菊地様」及び「1500」の記載があり、また、2葉目の1行目には、「11月11日」、「JPT講習会 伊藤様」及び「1500」の記載、2葉目の6行目には、「310920」の記載がある。
(3)乙第10号証の3は、そのすべてに「金額 1500-」、「ポーカー講座受講料として」、「上記正に領収いたしました」、「Japan Poker Tour」、商標権者の「郵便番号」、「住所」、「氏名」及び「電話番号」の記載がある27枚の「領収証(控)」であるところ、その7枚目には、「加藤様」、「No.9-7」及び「21年6月25日」等の記載がある。
その8枚目には、「山下様」、「No.9-8」及び「21年6月25日」等の記載がある。
その9枚目には、「中島様」、「No.6-9」及び「21年6月25日」等の記載がある。
その10枚目には、「伊藤様」、「No.6-10」及び「21年6月25日」等の記載がある。
その11枚目には、「井谷様」、「No.6-11」及び「21年6月25日」等の記載がある。
その12枚目には、「山上様」、「No.6-12」及び「21年6月25日」等の記載がある。
その13枚目には、「石井様」、「No.9-13」及び「21年7月15日」等の記載がある。
その14枚目には、「大島様」、「No.9-14」及び「21年7月15日」等の記載がある。
その15枚目には、「上田様」、「No.9-15」及び「21年7月15日」等の記載がある。
その16枚目には、「枝野様」、「No.9-16」及び「21年7月15日」等の記載がある。
その17枚目には、「阿部様」、「No.9-17」及び「21年7月15日」等の記載がある。
その18枚目には、「柳原様」、「No.9-18」及び「21年7月15日」等の記載がある。
その19枚目には、「松山様」、「No.9-19」及び「21年10月7日」等の記載がある。
その20枚目には、「平川様」、「No.9-20」及び「21年10月7日」等の記載がある。
その21枚目には、「中尾様」、「No.9-21」及び「21年10月7日」等の記載がある。
その22枚目には、「高田様」、「No.9-22」及び「21年11月11日」等の記載がある。
その23枚目には、「坂口様」、「No.9-23」及び「21年11月11日」等の記載がある。
その24枚目には、「藤田様」、「No.9-24」及び「21年11月11日」等の記載がある。
その25枚目には、「星野様」、「No.9-25」及び「21年11月11日」等の記載がある。
その26枚目には、「菊地様」、「No.9-26」及び「21年11月11日」等の記載がある。
その27枚目には、「伊藤様」、「No.9-27」及び「21年11月11日」等の記載がある。
(4)乙第11号証の1は、平成22年分の所得税の確定申告書Bであるところ、1葉目の左上から、「芝税務署長」、「23年3月4日」、商標権者の「郵便番号」、「住所」、「氏名」、「生年月日」及び「電話番号」等の記載があり、「収入金額等/事業/営業等」の欄には、「361585(円)」の記載がある。
また、同号証2葉目の「売上(収入)金額」の欄には、3月「157,000円」、計「361585円」の記載がある。
(5)乙第11号証の2は、「売上」と称する帳簿であるところ、左上から「22年/月日」、「摘要」、「収入金額」等の各欄が設けられ、1行目には、それぞれ「3月10日」、「JPT講習会(at品川)井上様」及び「3500」の記載があり、2行目には、「3月10日」、「 〃 〃 佐藤様」及び「3500」の記載があり、7行目には、「361585」の記載がある。
(6)乙第11号証の3は、2枚の「領収証(控)」であるところ、その1枚目には、「井上様」、「No.10-1」、「3500-」、「ポーカー講座受講料として」、「22年3月10日」、「上記正に領収いたしました」、「Japan Poker Tour」、商標権者の「郵便番号」、「住所」、「氏名」及び「電話番号」等の記載がある。
また、その2枚目には、「佐藤様」、「No.10-2」、「3500-」、「ポーカー講座受講料として」、「22年3月10日」、「上記正に領収いたしました」、「Japan Poker Tour」、商標権者の「郵便番号」、「住所」、「氏名」及び「電話番号」等の記載がある。
(7)乙第12号証は、「納税証明書」であるところ、商標権者の「住所」、「氏名」、平成21年分ないし平成23年分の「所得金額/申告額」、「徴管(証明)第013664号」、「上記のとおり、相違ないことを証明します。」、「平成24年11月26日」及び「芝税務署長/財務事務官・・・」の記載があり、「芝税務署長」の押印がある。
2 上記認定事実及び口頭審理において確認した事実によれば、次のとおりである。
「ポーカーイベント」と「ポーカー講習会」は、別のものであることが認められる(第1回口頭審理調書 被請求人3)。
商標権者は、2009年(平成21年)6月25日、同年7月15日、同年10月7日、同年11月11日及び2010年(平成22年)3月10日に、講師として「JPT講習会」を開催し、1,500円又は3,500円のポーカー講座受講料を領収している(乙10の2及び乙10の3並びに乙11の2及び乙11の3)。
「領収証(控)」(乙10の3)の右上段の番号は、商標権者が領収証を管理するために振ったものであるところ、平成21年6月25日付け「領収証(控)」の「6-9」「6-10」「6-11」「6-12」は、商標権者の主張のとおり、錯誤による単なる記入ミスである可能性も十分に考えられるところであって、その他に不審な点はないから、「9-9」「9-10」「9-11」「9-12」の誤記であることが推認されるものである。
商標権者は、上記ポーカー講座受講料を含む売上をその収入として、平成21年及び平成22年に所得税の確定申告をしており、また、納税証明書が提出されている(乙10ないし乙12)。
してみれば、乙第10号証ないし乙第12号証に記載された内容は、平成21年6月25日付け「領収証(控)」(乙10の3)の管理番号の一部に誤記があるとしても、信憑性に欠けるとまではいえない。
3 判断
(1)使用者、使用時期及び使用場所等について
ア 以上によれば、商標権者は、平成21年6月25日に、芝浦でJPT講習会を開催しており、同日に加藤、山下、中島、伊藤、井谷、山上各氏から「ポーカー講座受講料」として、各1,500円を領収している(乙10の2及び乙10の3)。
平成21年7月15日に、六本木でJPT講習会を開催しており、同日に石井、大島、上田、枝野、阿部、柳原各氏から「ポーカー講座受講料」として、各1,500円を領収している(乙10の2及び乙10の3)。
平成21年10月7日に、芝浦でJPT講習会を開催しており、同日に松山、平川、中尾各氏から「ポーカー講座受講料」として、各1,500円を領収している(乙10の2及び乙10の3)。
平成21年11月11日に、六本木でJPT講習会を開催しており、同日に高田、坂口、藤田、星野、菊地、伊藤各氏から「ポーカー講座受講料」として、各1,500円を領収している(乙10の2及び乙10の3)。
上記4回のJPT講習会で領収した「ポーカー講座受講料」を含む商標権者の平成21年の売上の合計金額は、商標権者が平成22年3月12日付けで芝税務署長宛に行った平成21年分の所得税の確定申告書の「収入金額等/事業/営業等」の欄に記載された金額と一致している(乙10の1及び乙10の2)。
また、商標権者の平成21年の所得金額の合計は、納税証明書の所得金額と一致している(乙10の1及び乙12)。
イ 商標権者は、平成22年3月10日に品川でJPT講習会を開催しており、同日に井上、佐藤両氏から「ポーカー講座受講料」として、各3,500円を領収している(乙11の2及び乙11の3)。
同日のJPT講習会で領収した「ポーカー講座受講料」を含む商標権者の平成22年の売上の合計金額は、商標権者が平成23年3月4日付けで芝税務署長宛に行った平成22年分の所得税の確定申告書の「収入金額等/事業/営業等」の欄に記載された金額と一致している(乙11の1及び乙11の2)。
また、商標権者の平成22年の所得金額の合計は、納税証明書の所得金額と一致している(乙11の1及び乙12)。
してみれば、商標権者は、業として「ポーカー講座」を開催し、「ポーカー講座受講料」を領収しているものと認めることができる。
(2)使用役務について
商標権者が、「ポーカー講座受講料」を領収している「ポーカー講座」の役務は、「ポーカー講座における教授」と認められるものであり、この役務は、請求に係る指定役務中「技芸の教授」に属するものである。
(3)使用商標について
「ポーカー講座における教授」の役務に関する取引書類である「領収書」に付されている使用商標は、「Japan Poker Tour」の欧文字を表してなるものである。
一方、本件商標は、「Japan Poker Tour」の欧文字を標準文字で表してなるものである。
したがって、本件商標と使用商標とは、書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標であり、いずれも「ジャパンポーカーツアー」という同一の称呼を生ずる商標であって、観念に変更を加えているものではないから、社会通念上同一の商標ということができる。
(4)まとめ
以上によれば、商標権者は、平成21年6月25日、同年7月15日、同年10月7日、同年11月11日及び平成22年3月10日に日本国内(芝浦、六本木又は品川)で開催されたJPT講習会において、請求に係る指定役務中「技芸の教授」に属する「ポーカー講座における教授」の役務に関する取引書類(領収書)に標章を付して、頒布していたものであるから、商標法第2条第3項第8号の取引書類に本件商標を付して頒布したものと認めることができる。なお、被請求人が提出した乙第10号証ないし乙第12号証以外の証拠については、いかなる役務について使用されたものか明らかでなく、本件商標の指定役務との具体的な関連性を確認することができないから、証拠として採用できない。
3 むすび
以上のとおり、被請求人は、商標権者が本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、請求に係る指定役務について本件商標を使用していたことを証明したものというべきである。
したがって、本件商標についての登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2013-05-15 
結審通知日 2013-05-17 
審決日 2013-05-28 
出願番号 商願2006-86696(T2006-86696) 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (Y41)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 綾 郁奈子大橋 洋子 
特許庁審判長 渡邉 健司
特許庁審判官 井出 英一郎
大橋 信彦
登録日 2007-08-24 
登録番号 商標登録第5072094号(T5072094) 
商標の称呼 ジャパンポーカーツアー、ポーカーツアー 
代理人 山中 雅雄 
代理人 高麗 愛子 
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