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審判番号(事件番号) データベース 権利
異議2013900065 審決 商標
異議2013900080 審決 商標
異議2013900038 審決 商標
異議2013900025 審決 商標
異議2013900053 審決 商標

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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W33
管理番号 1276521 
異議申立番号 異議2013-900034 
総通号数 164 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2013-08-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2013-01-31 
確定日 2013-07-21 
異議申立件数
事件の表示 登録第5532178号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5532178号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5532178号商標(以下「本件商標」という。)は、「WILD BEAST」の欧文字と「ワイルドビースト」の片仮名とを上下二段に書してなり、平成24年5月2日に登録出願、第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として、同年9月6日に登録査定、同年11月2日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下のとおりであり、その商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。
1 国際登録第885429号商標(以下「引用商標1」という。)は、「UNLEASH THE BEAST!」の欧文字を書してなり、2006(平成18年)4月28日に国際商標登録出願され、第32類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成19年6月29日に設定登録されたものである。
2 国際登録第1079467号商標(以下「引用商標2」という。)は、「REHAB THE BEAST!」の欧文字を書してなり、2011(平成23年)4月28日に国際商標登録出願され、第5類、第30類及び第32類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成24年7月27日に設定登録されたものである。
以下、これらをまとめて「引用各商標」という場合がある。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標の登録は取り消されるべきであるとして、その申立ての理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第182号証(枝番号を含む。)を提出した。
申立人は、本件商標の登録出願前より、「UNLEASH THE BEAST!」の欧文字からなる引用商標1(甲第2号証の1及び2)をその製造販売に係る「MONSTER ENERGY」ブランドのエネルギー・スポーツ飲料のためのスローガン商標として使用しており、当該スローガン商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして広く認識されている(甲第4号証ないし甲第8号証、甲第10号証ないし甲第13号証)。
申立人は、引用商標1について、日本国を含む世界85カ国以上で登録を所有しており(甲第29号証ないし甲第114号証)、また、「UNLEASH THE BEAST!」の欧文字を有するロゴマークについても世界20カ国以上で登録を所有している(甲第115号証ないし甲第138号証)。加えて、引用商標2(甲第3号証の1及び2)は、「UNLEASH THE BEAST!」と同様に、その構成中に「BEAST」の欧文字を含み、「REHAB THE BEAST!」の欧文字からなる商標についても、日本国を含む世界40カ国以上で登録を所有している(甲第139号証ないし甲第182号証)。
申立人の取り扱いに係る商品は、エネルギー・スポーツ飲料等の飲料製品にとどまらず、「MONSTER ENERGY」のブランド名は、フード付スウェットシャツ、Tシャツ、ジャケット、帽子、手袋等の被服、レーシングジャケットやモトクロス用パンツ等の運動用特殊衣服、運動用ヘルメット、ステッカー(文房具類)、リュックサック(かばん類)など日用品にも幅広く使用され、これらの商品は日本国内でも販売されて(甲第27号証ないし甲第28号証)、我が国の需要者に広く知られている(甲第26号証)。
また、申立人は、長年にわたり自社製品の販売促進活動の一環として、「MONSTER ENERGY」のブランド名の下で、サーフライダー、スケートボーダー、オートバイドライバー、カーレーサーなど、様々な分野のスポーツで活躍する世界の一流選手やレーシングチームとスポンサー契約を結び、その競技活動の支援活動を行っている。これらの有名スポーツ選手等の競技活動に関するニュースや報道を通じて、「MONSTER ENERGY」ブランドの上記各種商品及びスローガン商標「UNLEASH THE BEAST!」の欧文字が一般の需要者の眼に触れる機会は多い(甲第14号証ないし甲第25号証)。
本件商標は、「野獣」を意味する英単語として親しまれている「BEAST」の欧文字を構成文字に包含する点で引用各商標と一致し、引用各商標と似通った印象、記憶、連想を看者に与える。
本件商標は、「第33類 日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」に使用するものであるから、申立人が引用各商標を使用するエネルギー・スポーツ飲料とは、「飲料」という点で同種のものである。両者の商品は、一般に、同一の主体又はその関連会社によって製造販売されることが多く、また、同一店舗内の隣接する売り場で販売されることが通常である。さらに、原材料(例えば「果実酒」と「果実飲料」について果実)を共通にする場合もあり、その用途や需要者の範囲も一致ないし重複することが多いものであるから、相互に極めて関連性の深い商品であることが明らかである。
そうすると、本件商標がその指定商品に使用された場合は、「UNLEASH THE BEAST!」の欧文字を付して申立人が販売し広く認識されている「MONSTER ENERGY」ブランドのエネルギー・スポーツ飲料のシリーズ商品ないし姉妹商品と誤信され、また、申立人と組織的又は経済的な関連を有する者の取り扱いに係る商品であると誤信され、その出所について混同を生ずるおそれが高いことが明らかである。さらに、本件商標の指定商品についての使用は、引用各商標並びに「MONSTER ENERGY」のブランドの知名度、顧客吸引力にフリーライドし、その出所表示機能を希釈化するおそれがあるといわざるを得ない。
そうとすれば、引用各商標と類似した本件商標を、その指定商品に使用すれば、その出所について混同を生じるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

第4 当審の判断
1 本件商標と引用各商標との類否について
本件商標は、「WILD BEAST」の欧文字と「ワイルドビースト」の片仮名を上下二段に書してなるものであるところ、その文字構成に照らせば、下段の片仮名は、上段の欧文字の読みを特定するものとして看取され得るものであり、また、その構成中の「WILD BEAST」の欧文字は、「野獣」の意味を有する英語として一般に知られているものであるから、これより、「ワイルドビースト」の称呼及び「野獣」の観念を生じるものである。
他方、引用商標1は、「UNLEASH THE BEAST!」の欧文字を書してなるところ、その構成中の「UNLEASH」の欧文字は、「解放する」の意味を、「BEAST」の欧文字は、「獣」等の意味を有するものであるから、その構成全体より、「アンリーシュザビースト」の称呼及び「獣を解放する」程の観念を生じるものである。
そして、引用商標2は、「REHAB THE BEAST!」の欧文字を書してなるところ、その構成中の「REHAB」の欧文字は、「回復させる」程の意味を有する英語「rehabilitate」の略語であり、「BEAST」の欧文字は、「獣」等の意味を有するものであるから、その構成全体より、「リハブザビースト」の称呼及び「獣を回復させる」程の観念を生じるものである。
そこで、本件商標と引用各商標との類否について検討するに、本件商標及び引用各商標は、それぞれ上記のとおりの構成からなるものであるから、外観において、明らかに異なるものである。
また、本件商標から生じる「ワイルドビースト」の称呼と、引用商標1から生じる「アンリーシュザビースト」の称呼及び引用商標2から生じる「リハブザビースト」の称呼とを比較すると、各称呼は、その音構成及び構成音数において明らかな差異を有するものであるから、それぞれを一連に称呼しても、明瞭に聴別できるものである。
さらに、本件商標は、「野獣」の観念を有するのに対し、引用商標1は、「獣を解放する」程の観念、引用商標2は、「獣を回復させる」程の観念をそれぞれ生じるものであるから、観念上互いに紛れるおそれはない。
したがって、本件商標と引用各商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても互いに紛れるおそれのない非類似の商標というのが相当である。
2 引用各商標の著名性について
申立人の提出に係る証拠をみると、以下の事実が認められる。
(1)「BeverageWorld」誌(2004年6月発行)の記事(甲第4号証)、「BusinessWeekonline」(2005年6月6日配信)の記事(甲第5号証)、「FORTUNE」誌(2005年9月5日発行)の記事(甲第6号証)及び「Newsweek」誌(2006年3月20日発行)の記事(甲第7号証)中に、清涼飲料の「MONSTER ENERGY」の(販売)スローガンとして、「UNLEASH THE BEAST!」の欧文字の記載がある。
(2)申立人の日本向けホームページの会社概要(2012年6月18日付け紙出力の写し)のページの写真に、「MONSTER\ENERGY」「Unleash\the\Beast!」の欧文字の記載がある(甲第8号証)。
(3)申立人の英語サイト(2011年1月17日付け紙出力の写し)の画面に、「MONSTER\ENERGY」「Unleash\the\Beast!」の欧文字の記載(甲第10号証)、また、申立人の日本向けホームページの商品情報(2013年4月30日付け紙出力の写し)に、「Monster Energy」の見出しの下、「ひと口飲めば、世界中のアスリートやミュージシャン、そして世界中のMonsterファンが熱狂するワケを実感できるはず! Unleash the Beast!」の文字の記載がある(甲第12号証)。
そして、「UNLEASH THE BEAST!(Unleash the Beast!)」及び「REHAB THE BEAST!」の欧文字からなる商標が、我が国を含む諸外国において、商標登録されている(甲第2号証及び甲第3号証(枝番号を含む。)、甲第29号証ないし甲第182号証)。
(4)以上からすると、引用商標1の「UNLEASH THE BEAST!」の欧文字が、清涼飲料の「MONSTER ENERGY」の(販売)スローガンとして使用されていることは認められるものの、引用商標2の「REHAB THE BEAST!」の欧文字の使用の事実はなく、申立人の引用各商標は、申立人の業務に係る商品を表示する商標として、本件商標の登録出願時及び登録査定時に我が国において著名であったものと認めることができない。
また、本件商標と引用各商標とは、上記1のとおり、互いに紛れるおそれのない非類似の商標であり、ほかに商品の出所について混同を生ずるおそれがあるとすべき特段の事情も見いだせないから、本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者が、該商品を申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように連想、想起することはなく、その出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。
3 むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2013-07-09 
出願番号 商願2012-39494(T2012-39494) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (W33)
最終処分 維持  
前審関与審査官 日向野 浩志 
特許庁審判長 寺光 幸子
特許庁審判官 山田 和彦
原田 信彦
登録日 2012-11-02 
登録番号 商標登録第5532178号(T5532178) 
権利者 菊水酒造株式会社
商標の称呼 ワイルドビースト、ワイルド、ビースト 
代理人 佐久間 剛 
代理人 中熊 眞由美 
代理人 柳田 征史 
代理人 小山 義之 

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