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審判番号(事件番号) データベース 権利
無効2012890081 審決 商標

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審決分類 審判 全部無効 商4条1項19号 不正目的の出願 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) X35
管理番号 1276383 
審判番号 無効2012-890093 
総通号数 164 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2013-08-30 
種別 無効の審決 
審判請求日 2012-11-06 
確定日 2013-06-10 
事件の表示 上記当事者間の登録第5453060号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第5453060号の登録を無効とする。 審判費用は被請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第5453060号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成23年3月11日に登録出願、第35類「建築材料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,台所用品・清掃用具及び洗濯用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,家具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,水道用栓の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,建具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,手動利器・手動工具及び金具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,電気機械器具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として、同年10月11日に登録査定、同年11月25日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由を次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第6号証(枝番を含む。)を提出した。
請求の理由
本件商標は、商標法第4条第1項第19号及び同第15号に該当し、その登録は同法第46条第1項第1号により、無効にすべきものである。
(1)商標法第4条第1項第19号について
ア 本件商標の説明
本件商標は、別掲1のとおり、黒く塗り潰した縦長矩形内に、赤く塗り潰した正方形を2個ずつ二段に配置し、その正方形内に「建」、「材」、「市」及び「7」の各文字を1文字ずつ表示し、その下方に「OUTLET SHOP」、「DOMESTIC,IMPORTED」及び「BUILDING MATERIALS AND FACILITIES」の各文字を三段に白抜きで表示したものである。
したがって、本件商標からは、その構成に照応し、「ケンザイイチナナ」、「ケンザイイチ」、「アウトレットショップ」、「ドメスティック」、「インポーテッド」及び「ビルディングマテリアルズアンドファシリティーズ」の各称呼が生じ、全体として「店舗名」といった観念が生ずるものである。
イ 引用商標の説明
(ア)請求人の子会社である「株式会社建材市場」は、1999年に建材・什器(審決注:以下「什器」を「住宅設備機器」の略語としての「住器」に読み替える。)をディスカウント価格で販売する「建材市場」を東京都江東区にオープンし、従来には存在しなかった斬新なコンセプトが大工・工務店・流通業者や一般消費者に好評を博し、僅か半年の間に5店舗に増加した。
(イ)「建材市場」は、「NHK経済最前線」、「辰巳琢郎のリフォーム夢家族」などのテレビ番組でも紹介されるなど順調に売上を伸ばし、その後のフランチャイズ展開により、2008年に最大24店舗まで増加した後、加盟店の質の維持を優先させる方針に転換し、現在では富士店(2001年2月26日営業開始、以下同様に営業開始日を表示する。)、高崎店(2003年3月27日)、横浜鶴見店(2004年11月3日)、湘南店(2001年4月20日)、刈谷店(2002年8月25日)、可児店(2002年9月30日)、郡山店(2006年4月12日)、秩父店(2004年2月23日)、吉祥寺店(2005年11月29日)、日野店(2005年11月29日)、富士店(2004年7月22日)及び東京瑞穂店(本部)の12店舗にて営業を継続しているものである。
(ウ)「株式会社建材市場」は、1999年のオープン当初から、別掲3(以下「使用商標1」という。)及び4(以下「使用商標2」という。)の標章を使用し、2003年1月からは、別掲2(以下「引用商標」という。)及び5(以下「使用商標3」という。)の標章を使用し、表示スペースにより2種類を使い分けている。
このことは、「建材市場ホームページ」(甲2)に掲載された表示からも明らかである。
(エ)商標「建材市場」については、2001年2月から現在に至るまでの11年以上の間、継続してDIY雑誌である「ドゥーパ!」(奇数月8日発売、発行;立風書房・学習研究社・学研パブリッシング、平均発行部数;8万部)に欠かさず広告を掲載している(甲3の1ないし69)。
また、「建材市場」は、オープン当初から、各種業界新聞に紹介記事が掲載されている(甲4の1ないし28)。
(オ)小括
引用商標は、1999年より順調に営業活動を行った結果、少なくとも平成23年1月の時点では、「アウトレット建材の小売」との関係においては、需要者並びに取引者において広く知られた状態にあったものである。
ウ 本件商標と引用商標との比較
(ア)外観
本件商標と引用商標とは、文字の「7」と「場」とが相違し、周囲の黒縁の太さが異なるものの、黒く塗り潰した縦長矩形内に、赤く塗り潰した正方形を2個ずつ二段に配置すること、また、赤く塗り潰した正方形内に、「建」、「材」及び「市」の各文字を1文字ずつ表示すること、そして、下方に「OUTLET SHOP」、「DOMESTIC,IMPORTED」及び「BUILDING MATERIALS AND FACILITIES」の各文字を三段に白抜きで表示していることの点において共通している。
したがって、本件商標と引用商標とは、外観上類似する商標であることは明らかである。
(イ)称呼
本件商標からは、その構成に照応して「ケンザイイチ」の称呼が生ずるのに対し、引用商標からは「ケンザイイチバ」の称呼が生じ、聴別しにくい語尾に位置する「バ」の音の有無の差異のみである。
よって、本件商標は、引用商標に称呼上類似するものである。
(ウ)観念
本件商標は、「建材市7」という特定の店舗名を想起させるのに対し、引用商標は、「建材市場」という特定の店舗名を想起させるものであって、いずれも建材を取り扱う「建材市」という部分を共通にし、社会通念上、似通った店舗名との印象を与えるもので、観念上類似するものである。
(エ)小括
してみれば、本件商標は、引用商標に外観、称呼及び観念のいずれについても類似するものといわざるを得ない。
不正の目的
(ア)本件商標の権利者である「株式会社加藤商店」は、請求人の子会社である「株式会社建材市場」と平成14年8月25日にフランチャイジーとなるフランチャイズ契約を締結し(甲5)、現在も有効に存続している。
(イ)本件商標の存在を知った契機は、平成13年10月23日から平成24年7月3日までフランチャイジーであった「建材市場仙台店」が、契約を解消する際の話し合いにおいて、「別のグループで営業を開始する。既に商標権を所有している。」と発言したことに起因し、調査の結果、発見したものである。
(ウ)「建材市場7」に関する詳細は不明なものの、「建材市場仙台店ホームページ」(甲6)には、別掲6のとおりの表示がされており、以前、請求人と契約を締結していた際に使用を許可された商標に黄色の「7」を付加したものにすぎない。
また、ホームページには、「なお、弊社セブングループは、仙台及び東京、名古屋、大阪に地域本部を設け、準加盟店の募集を始めることになりましたので、株式会社スエヒロ、ウェルホーム事業部、有限会社建材市場仙台と併せてご紹介戴けましたら幸いに存じます。」と記載されている。
(エ)小括
かかる状況から、本件商標は、自己の営業活動に関し、フランチャイズ契約により使用を許可された商標を改変して出願したものであるため、不正の目的で商標権を取得したものといわざるを得ない。
してみれば、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当することは明白である。
(2)商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、上記の経緯により出願されたもので、フランチャイズ契約により使用を許可された商標を改変したものにすぎず、請求人との間において出所の混同を生ずるおそれがあるため、商標法第4条第1項第15号に該当することは多言を要しないものである。
(3)むすび
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号ないしは同第15号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項の規定により、その登録は無効とされるべきものである。

3 被請求人の答弁
被請求人は、答弁していない。

4 当審の判断
(1)引用商標の周知性について
ア 請求人の提出した証拠によれば以下の事実が認められる。
(ア)請求人の子会社である「株式会社建材市場」は、建材・住器をディスカウント販売するアウトレット店として、平成11年(1999年)3月1日に東京都江東区にオープンし(甲4の1ないし4)、その後、順次、全国各地にフランチャイズ方式になる店舗を拡大し(甲4の4ないし28)、平成14年(2002年)10月頃に「刈谷店」(愛知県刈谷市)をオープンしたほか(甲3の10)、平成20年(2008年)2月頃には、24店舗となり(甲3の42)、また、本件商標の登録出願時である平成23年(2011年)3月頃には、「仙台店」、「水戸店」、「高崎店」、「千葉店」、「東京瑞穂店」、「横浜鶴見店」、「湘南店」、「富士店」、「刈谷店」、「可児店」、「郡山店」、「秩父店」、「吉祥寺店」、「高井戸店」、「日野店」、「世田谷桜新町店」及び「富士店」の17店舗が展開されている(甲3の61)。
そして、平成24年(2012年)10月30日に出力された「建材市場ホームページ」には、「刈谷店」のほか、「高崎店」、「東京瑞穂店」、「湘南店」、「横浜店」、「富士店」、「可児店」、「郡山店」、「秩父店」、「吉祥寺店」、「日野店」及び「富士店」の12店舗が展開されている(甲2)。
(イ)また、「株式会社建材市場」は、奇数月8日発売の平均発行部数を8万部とする「Do It Yourself!/週末DIY・手作りライフマガジン ドゥーパ!」を表題とする日曜大工やガーデニング、部屋作りなどに係る情報マガジンに、「2001年2月号 No.020」(立風書房発行、甲3の1)ないし本件商標の出願時である「2011年4月号 No.081」(学研パブリッシング発行、甲3の61)の期間、さらに、「2012年10月号 No.090」(同社発行、甲3の69)までの期間(発行ナンバーNo.021及び082を除く。)において、別掲4の使用商標2(甲3の1ないし5)や、別掲3の使用商標1(甲3の7ないし11)を使用し、「2003年2月号 No.032」からは別掲2の引用商標(甲3の12ないし69)を使用し、各店舗の所在地、電話番号などの広告が掲載されていることが認められる。
そして、当該広告が掲載された該当ページの本文には、各店舗に係る紹介記事が掲載されている。
イ 小括
以上の事実を総合すれば、引用商標は、本件商標の出願時及び査定時において、既に請求人の子会社である「株式会社建材市場」の業務を表示すものとして、大工、工務店、建材や住器に係る流通業者のほか、日曜大工やガーデニングなどを趣味とする一般消費者の間において、相当程度広く知られるに至っていたということができる。
(2)本件商標と引用商標の類否
ア 本件商標の構成
本件商標は、別掲1のとおり、黒く塗り潰した縦長矩形内に、赤く塗り潰し、「建」、「材」、「市」及び「7」の各文字を黒色で1文字ずつ表示した正方形4個を2列2段に配置し、その下方に建材や住器を取り扱うアウトレット店であることの事業概要を理解させる「OUTLET SHOP」、「DOMESTIC,IMPORTED」及び「BUILDING MATERIALS AND FACILITIES」の各文字を白抜きで表示した構成からなるものである。
イ 引用商標の構成
引用商標は、別掲2のとおり、本件商標と同じく、黒く塗り潰した縦長矩形内に、赤く塗り潰し、「建」、「材」、「市」及び「場」の各文字を黒色で1文字ずつ表示した正方形4個を2列2段に配置し、さらに本件商標と同じく、その正方形の配置の下方に事業概要を理解させる「OUTLET SHOP」、「DOMESTIC,IMPORTED」及び「BUILDING MATERIALS AND FACILITIES」の各文字を白抜きで表示した構成からなるものである。
ウ 両商標の比較
(ア)外観の類似
上記ないし別掲1及び2のとおりの本件商標及び引用商標を対比すると、右下の正方形内に表示された文字が、前者は「7」の数字であるのに対し、後者は「場」の漢字からなる点において相違するほかは、「黒く塗り潰した縦長矩形」、「赤く塗り潰した正方形4個と、それに書された黒色の『建』、『材』、『市』」及び三段に白抜きで書された「OUTLET SHOP」、「DOMESTIC,IMPORTED」及び「BUILDING MATERIALS AND FACILITIES」の各構成文字、配置及び色彩などの構成要素及びその構図をすべて共通にするものである。
してみれば、両商標を見る者には、同じ着想や発想に基づく統一的なデザインによる標章との印象を受けるものであって、その共通する構成要素や構図からして、両者はその構成の軌を一にするものであり、外観上類似する商標ということができる。
(イ)観念の類似
また、本件商標と引用商標とは、その構成が一体的に把握されるほか、顕著に表示され、かつ、見る者に強く支配的な印象を与える前者の「建」、「材」及び「市」と、後者の「建」、「材」、「市」及び「場」の各文字がそれぞれ抽出されて、これらが独立しても自他役務の識別機能を有するとすべきものであり、これらを「建材市」あるいは「建材市場」として一連に認識するときには、共に「建築資材などの売買を行う場所」程の意味合いが生じ、この点において、両商標は観念を共通にするといわなければならない。
エ 小括
本件商標と引用商標は、上記のとおり、その共通する構成要素や構図からして、その使用者が共に建材や住器を取り扱うアウトレット店に係る事業を営むグループ(フランチャイズ)に属する者として認識され、また、本件商標の指定役務は当該アウトレット店で取り扱う商品又は役務と密接な関係を有するものであるから、本件商標をその指定役務に使用した場合、引用商標に係るグループに属する者の取り扱いになる商品又は役務であると誤信し、互いに混同するおそれのある外観上類似の商標というべきである。
また、両商標は、上記した観念を共通にするものであるから、これらを総合してみるならば、両商標は、類似の商標であると認められる。
(3)不正の目的について
商標権者と株式会社建材市場による「建材市場店舗開設契約書/倉庫型店舗/建材市場刈谷店開設に関する契約書」(甲5)によれば、両者は、平成14年8月25日にフランチャイズ方式として展開する「建材市場」店舗の一店舗「建材市場刈谷店」に関し、会員加入権、店舗名、商標使用などの当該店舗開設の契約を締結しており、その契約条項の第15条(有効期間)によれば、期間満了について、いずれからも何らの意思表示のない場合は、自動的に延長する旨の記載があり、また、平成24年10月30日に出力された「建材市場ホームページ」(甲2)には、所在地を商標権者と同じくする「建材市場刈谷店」についての掲載があり、少なくとも、本件商標の出願時には、当該店舗開設の契約が継続していたものとみて差し支えないといえる。
そして、前記(2)のとおり、本件商標は、右下の正方形内に表示された文字が「7」の数字であるのに対し、引用商標が「場」の漢字からなる点において相違するほかは、その構成各文字、配置及び色彩などの構成要素や構図をすべて共通にするものであり、本件商標が引用商標の構成と偶然に一致する標章を任意に採択したものとはいい難く、むしろ、上記の当該店舗開設の契約に係る「建材市場刈谷店」において使用される引用商標に起因し、剽窃的に採択使用するものということができ、かつ、本件商標に係る出願をするに際し、商標権者が株式会社建材市場より承諾を受けていたと認めることもできない。
してみれば、本件商標に係る商標権者の出願に及ぶ行為は、引用商標の顧客吸引力に便乗し、不当な利益を得る等の目的の下に出願し、権利を取得したものと推認させるものであり、不正の目的をもって使用する商標といわなければならない。
(4)むすび
以上のとおり、引用商標は、本件商標の出願時及び査定時において請求人の子会社である「株式会社建材市場」の業務を表示すものとして、大工、工務店、建材や住器に係る流通業者のほか、日曜大工やガーデニングなどを趣味とする一般消費者の間において、相当程度広く知られているものであり、また、本件商標は、引用商標と類似の商標であって、かつ、商標権者は、本件商標を不正の目的をもって使用するものというべきであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するというのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しないとしても、同法第4条第1項第19号に違反して登録されたものであるから、商標法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすべきである。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
1 本件商標

(色彩は原本参照)

2 引用商標

(色彩は原本参照)

3 使用商標1

(色彩は原本参照)

4 使用商標2

(色彩は原本参照)

5 使用商標3

(色彩は原本参照)

6 建材市場仙台店ホームページの表示

(色彩は原本参照)

審理終結日 2013-04-12 
結審通知日 2013-04-16 
審決日 2013-05-01 
出願番号 商願2011-17881(T2011-17881) 
審決分類 T 1 11・ 222- Z (X35)
最終処分 成立 
前審関与審査官 平澤 芳行大房 真弓 
特許庁審判長 野口 美代子
特許庁審判官 大森 健司
内山 進
登録日 2011-11-25 
登録番号 商標登録第5453060号(T5453060) 
商標の称呼 ケンザイイチシチ、ケンザイイチナナ、ケンザイイチ、ケンザイシシチ、ケンザイシナナ、ケンザイシ、アウトレットショップドメスティックインポーテッドビルディングマテリアルズアンドファシリティーズ、アウトレットショップ、ドメスティックインポーテッド、ドメスティック、インポーテッド、ビルディングマテリアルズアンドファシリティーズ、ビルディングマテリアルズ、ファシリティーズ 
代理人 齋藤 理絵 
代理人 幸田 全弘 
代理人 寺田 雅弘 
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