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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Z25
管理番号 1275235 
審判番号 取消2012-300125 
総通号数 163 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2013-07-26 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2012-02-21 
確定日 2013-05-20 
事件の表示 上記当事者間の登録第4411103号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4411103号商標(以下「本件商標」という。)は、「ABERCRO」の欧文字を書してなり、平成11年9月27日に登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、平成12年8月25日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張
請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁、口頭審理における陳述及び上申書において、要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第18号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、日本国内において継続して3年以上商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用されていないものであるから、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消されるべきものである。

2 答弁に対する弁駁
(1)答弁書について
ア 被請求人は、商品「カジュアルシャツ」及び「ズボン」の写真(乙3、乙9)及び織りネーム及び下げ札の現物(乙4、乙10)を添付し、これらには、本件商標の欧文字がある織りネーム及び下げ札が付されており、これにより本件商標の使用が明らかなものである旨、及び下げ札の裏面にある「NAKATOMI CO.,LTD」の文字から、これら商品が通常使用権者である有限会社中富商店(以下「中富商店」という。)が販売するものであることが証明される旨主張する。
しかし、商品「カジュアルシャツ」及び「ズボン」の写真からは、商品上に「中富商店」を表す表示の存在は認められない。そして、織りネームは容易に商品に付することができるとともに、下げ札の現物の裏面は単にシールが貼られているにすぎないところ、下げ札に「NAKATOMI CO.,LTD.」と表示させることはきわめて容易である。
加えて、乙第3号証及び乙第9号証の写真上の下げ札の裏面の表示が不明であるため、この写真上に表されている下げ札と、乙第4号証及び乙第10号証にかかる下げ札の現物が同一の物品であることを確認することはできない。
したがって、本件商標の使用が明らかな旨、及び本件商標を付した商品「カジュアルシャツ」及び「ズボン」が通常使用権者である中富商店が販売するものであることについては、証拠が不十分であり、証明されていない。
なお、乙第3号証の4画面目の写真から、本件商標を付した商品の包装用袋上に、本件商標とはまったく関係のない「STAR COLLECTION」の欧文字が二段書きにて表示されていることが確認できる。後述のとおり、本件商標を付した商品が中富商店にとってきわめて重要な商品のはずであるにもかかわらず、その重要商品の包装袋に、会社名でもない全く別の標章を付している。もし、答弁書で主張される取引が本当に行われているのならば、コストをかけてまで、本件商標と異なる標章を付した袋をわざわざ使用する行為は常識的に考えられない。
イ 被請求人は、各取引書類(乙6?乙8)の日付から、本件商標が本件審判請求の登録前3年以内に日本国内で使用されている事実が証明される旨主張する。
しかし、乙第6号証の1ないし4は、「織りネーム及び下げ札」の製作を通常使用権者が被請求人に発注した書類にすぎず、また、乙第7号証の1ないし4は、「織りネーム及び下げ札」を被請求人が通常使用権者に納品した納品書にすぎない。
したがって、乙第6号証の1ないし4及び乙第7号証1のないし4は、本件商標にかかる指定商品について本件商標の使用を表すものではない。
また、被請求人は、乙第8号証の1ないし3は通常使用権者が本件商標を付した商品「カジュアルシャツ」を取引者である「東京都葛飾区高砂8-2-1 フィアック」に納品した納品書であると主張する。
しかし、当該乙第8号証の1ないし3には、なんら本件商標を表す表示はない。
この点を被請求人は、納品書(控)の品番・品名の欄の「AC-T14」が、本件商標を付した商品「カジュアルシャツ」を指すもので、乙第4号証の下げ札の裏面の「AC-T14」に符合するものであり、また「AC-T13」は、商品「ズボン」を指すものであると主張するが、乙第4号証は「AC-T14」等が下げ札に表示されていることを表しているにすぎず、当該表示が「カジュアルシャツ」等を表すことについては、主張するのみで、なんら証拠がない。
以上からするならば、乙第6号証ないし乙第8号証の各取引書類から、本件商標が本件審判請求の登録前3年以内に日本国内で使用されている事実は、なんら証明されない。
(2)通常使用権者の事情について
本件商標は、通常使用権者である中富商店により使用されている旨を主張する。
ア そこで先ず、中富商店の履歴事項全部証明書を確認すると、目的区には「1.各種繊維加工業 2.前項に附帯する一切の業務」とのみ記載されている(甲3)。
しかし、自己の名義の下「カジュアルシャツ」や「ズボン」を販売する行為は、繊維の加工とはいえず、またこれに附帯する業務ともいい難い。
また、中富商店は、旧有限会社法に基づく有限会社であり、その資本金からして小規模な企業といって差し支えない。また、その社屋の状況を確認したところ、従業員数も極めて少ないものと思われる。
イ ところで、本件商標の使用に関し、平成23年11月及び平成24年5月の二度にわたり、中富商店に対し「ABERCRO」(アバクロ、アバークロ、アベルクロ)という名称の商品を取り扱っているか否か、電話で調査を行った。一度目は男性従業員が、二度目は女性従業員が対応したが、いずれも、「そのような商品は知らない」、「そのような商品は取り扱っていない」という回答であった(甲4)。
ウ そして、中富商店は、本件商標にかかる当該ズボンとカジュアルシャツ(乙3、乙9)に関して、ネーム及び下げ札に係る発注書、同納品書(乙6の1?4、乙7の1?4)、及び当該ズボンとカジュアルシャツの納品書(乙8の1?3)によれば、その売上高を2009年11月から約1年間に合計19,665,000円、及び2010年11月から約1年間に合計20,767,500円をそれぞれ計上していることになる。さらに、2011年8月以降については、合計37,890,000円の売上高を予測していることが推測される。
このような小規模企業において毎年コンスタントに約2千万円もの売上高を計上する商品は、重要商品のはずである。
そして、前述のとおり、中富商店は小規模であるところ、従業員数も多くはないと思われる様な状況にあって、中富商店の従業員がこのような主力商品について「知らない」、「取り扱いはない」などと回答するということは、不自然どころか、常識的に考えれば、ありえない。
(3)まとめ
以上のとおり、本件審判請求の登録前3年以内に、日本国内において、本件商標と社会通念上同一性を有する商標を請求に係る商品について使用していることを証明したという被請求人の主張は認められるものではないと思料する。

3 口頭審理(平成25年1月31日付け上申書)における陳述
(1)本件商標の使用の経緯について
ア 本件商標を構成する「ABERCRO」及び「アバクロ」は、米国法人「Abercrombie & Fitch」社(以下「Abercrombie社」という。)の製品を使用する商標「Abercrombie & Fitch」の通称として、2004年ころから日本において人気化し、2005年には大ブレークを起こした(甲7ないし甲10)。
イ 答弁書によると、被請求人は、大手量販店の依頼により自己の名義で本件商標の登録を受けたが、その後、大手量販店が本件商標の使用をやめ、大手量販店から本件商標権の実質的な所有をも了承されたので、平成17年(2005年)8月1日に中富商店と本件商標の使用許諾契約を締結したと、本件商標の使用の経緯を説明している。
しかし、多種類の商品を売買し、商標に対する意識が極めて高いはずの大手量販店が、同業他社であるAbercrombie社の商標「Abercrombie & Fitch」や商標「Abercrombie」を認識していなかったはずがなく、それにもかかわらず、これらの商標を剽窃するような行為、すなわち、本件商標を自己の取引先企業に登録させ、自ら使用し、そして、必要がなくなったら、取引先企業に自由に使用して良いなどというようなことは、到底考えられない。かかる事実は、本件商標の使用の要因となる事実であり、本件商標の使用の有無に影響する事実であるから、この事実があったとことを明らかにすべきである。
(2)使用事実の証明に対する意見
ア 中富商店の代表者の陳述書(乙33)において、「催事用商品を仕入れると、弊社では元々付けられていた織りネームや下げ札を取り外し、新しく織りネーム、下げ札及び洗濯ネームをつけ替えて、弊社のブランド商品として再生販売致します。」とある。しかし、乙第11号証の4・5、乙第12号証の4・5等の証拠方法を見ると、洗濯ネームがシャツ等の縫製段階で縫合されたことが明らかに確認できる。
そうだとすると、催事用商品として仕入れる前からその商品には本件商標を付したシャツやズボンと思しき品番が付された中富商店の洗濯ネームが既に付けられていたことになる。催事用商品となる前の商品になぜ催事用商品となったときの品番が既に付いているのか、到底理解できるものではなく、この矛盾は、被請求人が主張する本件商標の使用事実の存在自体を揺るがすものである。
イ 乙第41号証は、本件商標が付された販売風景を撮った写真であるが、写真中の客は真冬の服装であり、撮影日とする平成24年11月21日にはあり得ない光景である(甲13、甲14)。また、その写真は、販売の様子や中富商店の文字が見事に収められているなど、いかなる意図があって撮られたのか、不自然である。平成24年12月27日付け提出の口頭審理陳述書を少しでも有利にするために、陳述要領書提出直前に、意図的に撮られたものであるにもかかわらず、この事実を隠すために、あたかも11月21日に取られた販売風景であるかのように見せかけたものであるとの疑念を抱かざるを得ない。
ウ 下げ札の裏面に「NAKATOMI CO.,LTD.」を含むシールを貼付すること及び本件商標を含む織りネームをシャツに縫合することは極めて容易であり、この容易性を無視し、証拠価値を判断するならば、事実の信ぴょう性に対する通常人の合理的な疑いを到底払拭し得るものでない。また、フィアックへの納品書及び馬場重メリヤス株式会社(以下「馬場重」という。)への納品書は、その偽造が極めて容易である。

4 平成25年3月12日付け上申書
(1)本件商標の使用の経緯につき被請求人が供述する事実の存否は、本件商標の使用の事実の存否に大きく影響するが、その供述内容は、前記3(1)イのとおり、大手量販店が使用することは現実的に考えにくい行為であるし、また、出所の混同を避けるためにその使用を中止したと考えられる商標を被請求人が使用することを了承することは考えにくいから、その供述する事実の存在及び本件使用事実が存在したとはいえない。
(2)乙第41号証の販売風景の写真について、なぜ本件商標が付されたニット製品だけがハンガーに掛けられ、その商標が容易に確認できるように写真に収まっているか、客の装い等についての被請求人の説明は到底納得のいくものではなく、これらの証拠方法が改ざんされたものではないとの十分な説明及び立証がない限り、これらの証拠方法はもとより、他の全ての証拠方法についてもこのような改ざんが行われているのではないかとの、通常人の合理的な疑いを払拭できない。
(3)下げ札のシール貼付や織りネームの縫い付け、納品書の作成はいずれも容易であり、その証拠価値は低く、また、シャツやズボンの販売価格(原価)は、それぞれ1600円、2450円であり、廉価品と銘打つほどの安さではないし(甲16、甲17)、織りネームを付け替えることにより、その縫い付け糸が外から見えてしまうようなシャツ等が消費者に抵抗なく受け入れられるとは到底思えないし、しかも納品書によると、中富商店は、フィアックに960点販売しているが、買い得とは思えない960点の商品を販売し尽くすことができる販売ルートが不況下の日本に存在するとは思えないから、通常人の合理的な疑いは払拭されない。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、答弁書、口頭審理陳述要領書、並びに口頭審理における陳述においてその理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第45号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 答弁の理由
(1)本件商標は、通常使用権者である中富商店により、その指定商品中「被服」に属する「カジュアルシャツ」及び「ズボン」について、平成17年8月1日より現在に至るまで継続して日本国内で使用するものである。
(2)使用の事実を示す書類
ア 使用説明書(1)
乙第1号証の1及び2は、本件商標の商標公報及び登録原簿の写し
乙第2号証は、中富商店と通常使用権の設定契約を締結している「商標権使用許諾契約書(通常使用権)」(なお、契約期間については第4条の但し書により毎年更新されており、現在も継続するものである。)
乙第3号証は、商品「カジュアルシャツ」の写真
乙第4号証の1及び2は、織りネーム及び下げ札の現物
乙第5号証の1及び2は、織りネーム及び下げ札の納品の態様を示す写真
乙第6号証の1ないし4は、通常使用権者が当該織りネーム及び下げ札の製作を被請求人に発注した際の発注書
乙第7号証の1ないし4は、被請求人が当該織りネーム及び下げ札を通常使用権者に納品した際の「納品書(控)」
乙第8号証の1ないし3は、通常使用権者が本件商標を付した商品「カジュアルシャツ」を取引者である、「東京都葛飾区高砂8-2-1 フィアック」に納品した際の「納品書(控)」
なお、納品書(控)(乙8)における「品番・品名」欄の「AC-T14」が、本件商標を付した商品「カジュアルシャツ」を指すもので、乙第4号証の下げ札の裏面(乙3の商品に付された下げ札の裏面)の「LOT.」欄の「AC-T14」に符合する。
イ 使用説明書(2)
乙第9号証は、商品「ズボン」の写真
乙第10号証の1及び2は、織りネーム及び下げ札の現物
なお、中富商店の納品書(控)(乙8)における「品番・品名」欄の「AC-T13」が、本件商標を付した商品「ズボン」を指すもので、乙第10号証の下げ札の裏面(乙第9号証の商品に付された下げ札の裏面)の「LOT.」欄の「AC-T13」に符合する。
(3)上記の使用事実を示す証拠方法として提出した商品「カジュアルシャツ」及び「ズボン」の写真(乙3、乙9)には、本件商標「ABERCRO」の欧文字がある織りネーム及び下げ札(乙4、乙10)が付されており、これにより本件商標の使用が明らかである。
また、下げ札の裏面にある「NAKATOMI CO.,LTD」の文字から、本件商標を付した商品「カジュアルシャツ」及び「ズボン」が通常使用権者である中富商店が販売するものであることが証明される。
次に、中富商店の発注書(乙6)、被請求人の納品書(控)(乙7)及び中富商店の納品書(控)(乙8)の各取引書類の日付から、本件商標が本件審判請求の登録前3年以内に日本国内で使用されている事実が証明される。
(4)まとめ
以上のとおり、本件商標は、通常使用権者である中富商店により、本件商標の指定商品中「被服」に属する「カジュアルシャツ」及び「ズボン」について、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において使用されている。

2 口頭審理(平成24年12月27日付け口頭審理陳述要領書)における陳述
(1)中富商店と被請求人間の取引業態について
ア 衣料品販売の商流中、催事用商品の商流があり、催事用商品は、季節に合わせて在庫一掃したり製造直売等の名称で特別会場で販売したり、一部百貨店や量販店でのワゴン商品や、祭りやイベントでの販売、更には衣料関係会社の店頭や駐車場等を借りての販売など、正規の販売ルートとは別の商流で廉価で流通販売されている。これらの催事用商品は、廉価であることが必須であり、不良在庫商品を抱えた衣料品店、何らかの理由で売れ残ったり、売場から戻されたり、製造者工場で余ったりした商品や、縫製等に不具合がある不良品(蹴製品)など様々な出所から集められる。このような催事用商品のブランドは、衣類メーカーが独自の企画により製造販売する規格商品のブランドとは区別して使用されているのが取引の実情である。
中富商店は、OEMの衣類メーカーであり、発注者の委託を受けて発注者が指示する仕様に従い発注者のブランド商品を製造販売する仕事のほか、スポット的に催事用商品を仕入れ当該商品に本件商標を記載した下げ札及び織りネームを付けた商品を自社商品として他社に転売する仕事もしている。この催事用商品の一例が中富商店がフィアックに販売したシャツとズボンである(乙3・乙9、乙11-1?乙16-5)。また中富商店は、本件商標が表記された下げ札及び織りネームをニットベストに付し、当該商品を馬場重に販売して本件商標を使用している(乙17-1?乙17-5、乙18-1?乙18-5、乙33)。
イ 被請求人は、衣料業界の関係各社から商標権の通常使用権設定の要請があり、そのニ-ズに応えるため49件の登録商標を保有しており本件商標もそのーつである(乙19)。通常使用権の設定を受ける業者は中富商店のような比較的小規模な業者のみならず大手量販店など様々である。被請求人は、衣料業界各社に所有する商標権を通常使用させる場合、対価は無償とするかわりに業界で言う「副資材」ないし「付属」(下げ札や織ネーム等の識別標識の総称。)を被請求人に発注して貰いその売上げが被請求人にとってはメリットとなる。また、通常使用権の設定を受ける衣料関係業者にとっても商標の取得や管理のコストを削減できること、商標の通常使用の対価が無償であること、衣類はその大半が季節物であり今期の商品に付する商標が今欲しいとするのに、これから出願するのでは時間的に間に合わないような場合、即時に利用できる商標があることは販売の即応性のニーズに合致していることなど多くのメリットがある。すなわち、契約当事者双方にとって商標権貸与ビジネスは利益が認められるので衣料業界においては、自社ブランドの商標を他社から通常使用して付属を発注するとの取引の実情ないし慣行があるのである(乙23、乙33、乙34)。
(2)通常使用権者(中富商店)による使用について
ア 被請求人は、被請求人と中富商店との間の本件商標の通常使用権の設定があることを立証し(乙2)、中富商店がその商品に本件商標を付し(乙11-1?乙18-5)、その本件商標が付された商品を中富商店がフィアック(乙8、乙24-1?乙26-5)及び馬場重(乙27?乙29-3、乙35-1?乙41-6)に対し販売し譲渡している事実を立証しているのであるから立証は十分である。
イ 請求人はこの点につき、乙4及び乙10の下げ札の裏面に「NAKATOMI CO.,LTD.」とシールが貼付されているがこの表示は容易であること、織ネームは容易に商品に付することができること理由として立証不十分と主張するが、催事用商品は、後記のとおり衣料品メーカーが企画・製造・販売する企画商品と比較すると販売点数がごく少ないため、下げ札に直接印刷するよりも専用のシール用印字機でシールを打ち出して下げ札に貼付するやり方で十分に対応可能であることからシールを貼付している(乙33)。ちなみに本件商標を付した商品には洗濯ネームも付されており、その洗濯ネームにも「NAKATOMI」の文字が織ネームとして表示されている。この洗濯ネームは商品の生地に縫い込まれており、その表示は容易とは言えないことを念のため付記する(乙11-4 ・ 乙11-5、乙12-4 ・ 乙12-5、乙13-4 ほか)。
ウ また、乙第3号証のシャツの包装用袋に「STAR COLLECTION」の欧文字の表示があるが、催事用商品で一度流通した商品はもともとのブランド名を表記した袋に入ったままの商品があり、店頭に並べるときに袋から出して吊し売りなどされるだけである(乙33、乙41-1?乙41-6)。
(3)下げ札の枚数と販売商品数について
請求人は、被請求人が中富商店に販売した下げ札の枚数をもとに、中富商店の本件商標を使用した商品の売上げが年間概ね2000万円と算出し、小規模の中富商店において本件商標を使用した商品は主要商品であってしかるべきであるにもかかわらず、平成23年11月及び同24年5月の2度にわたる中富商店に対する電話聞き取り調査により、対応した各従業員が、本件商標を付した商品は知らない、取り扱っていないとの回答を得たこととは(甲4)、常識的にはあり得ない矛盾があるとして、中富商店による本件商標の使用事実はないと主張する。
しかし、本件商標が付された商品は催事用商品であり、企画商品とは異なり、催事用商品はその性質上、少ない点数で販売されているので、下げ札等の枚数と販売商品の点数とにはもともと付合関係はない。
本件商標の織ネーム・下げ札は、平成21年11月18日、被請求人が中富商店に販売したものであるが、当時、中富商店には企画商品の話があるとのことで、被請求人がデザイン依頼を受けて提案したデザインした織ネーム・下げ札等を年間各5000枚位を最低3年位ということで発注を受けた。製造上の経済ロットも考慮して織ネーム・下げ札を各20000枚程度作り、平成21年11月18日、被請求人が中富商店に最初の納品を行った。しかしその後、企画商品化の話が進展しないままに絶ち切れになってしまい催事用衣類に使用されている限りである。両者協議により残りは被請求人により引き取られている(乙33、乙34)。

3 平成25年2月21日付け上申書
請求人は、中富商店が仕入れてフィアックや馬場重に販売したシャツ・ズボン・ニットベストが、催事用商品となる前から、中富商店の名称が入った洗濯ネームを付けられているのは不自然であるとして本件商標の使用事実が揺るがされるとする。また、請求人は本年2月1日、口頭審理における乙11?乙18に係る現物の商品において、乙15及び乙16のズボンの洗濯ネームの位置が当日、被請求人が持参したズボンと違うと主張した。
しかし、中富商店は上記衣類を仕入れた後に、もとから付いていた洗濯ネームを縫い付けていた糸をほどいて取り去り、かわりに中富商店の名称等が入った洗濯ネームを縫い込んで取り付けている。つまり催事用商品となる前から中富商店の洗濯ネームが付いていたのではなく、中富商店は催事用商品にするため「下げ札」「織ネーム」と同様、洗濯ネームを付け替えて催事用商品にしたのである。
洗濯ネームの付け替えの作業は、シャツ(乙11?乙14)については、元の糸(2本ステッチの内側の糸)を5cm程ほどいて旧ネーム(仕入時に既に付けられていた他社の洗濯ネーム・以下同様)を取り外し、そこに中富商店の洗濯ネームを差し込み、1本針環縫いミシン(元と同じチェーンの様に縫えるミシン)で8cm程の長さで縫い付けたものである。ズボン(乙15、乙16)については、ベルトと身頃の間の本縫いステッチを8cm程ほどいて旧ネームを取り外し、そこに中富商店の洗濯ネームを差し込み、本縫いミシンで11cm程の長さで縫い付けたものである。また、ニットベスト(乙17、乙18)については、旧ネームを取り外し、同じ位置に中富商店の洗濯ネームを本縫いミシンで縫い込んだものである。

第4 当審の判断
1 被請求人提出に係る乙第2号証、乙第6号証ないし乙第8号証、乙第11号証ないし乙第18号証、乙第28号証、乙第33号証及び乙第34号証によれば、以下の事実が認められる。
(1)乙第2号証は、平成17年8月1日付け「商標権使用許諾契約書」であり、商標権者が中富商店に対し、本件商標について、「紳士・婦人用品」に使用することを許諾するものである。また、商標使用の対価については、無償とし、但し、本件商標の使用に関連し、織りネーム、タグ、ワッペン、パッケージ、ビニロン袋類等の商品に付加するものについては、中富商店が商標権者に製造を依頼することとされている(乙2)
(2)乙第6号証の1は、中富商店から被請求人あての2009年11月18日付け発注書であり、「ABERCROボトムス用ネーム」を5000枚(金額:60千円)、「ABERCROトップス用ネーム」を6000枚(金額:66千円)「ABERCROボトムス用下げ札」を5000枚(金額:125千円)、「ABERCROトップス用下げ札」を6000枚(金額:138千円)及び「ABERCRO注意タグ」を17000枚(金額:85千万円)を発注したことを示す内容が記載されている。乙第6号証の2ないし4は、それぞれ2010年11月4日、2011年8月4日、同年11月10日を発注日とする、上記乙第6号証の1と同様内容(発注枚数等は異なる。)の注文書である。
乙第7号証の1は、被請求人から中富商店への2009年12月7日付け納品書(控)であり、「ABERCROボトムス用ネーム」を5000枚、「ABERCROトップス用ネーム」を6000枚、「ABERCROボトムス用下げ札」を5000枚、「ABERCROトップス用下げ札」を6000枚、「ABERCRO注意タグ」17000枚を納品したことが記載されている。乙第7号証の2ないし4は、それぞれ2010年11月22日、2011年8月29日、同年11月29日を納品日とする、上記乙第7号証の1と同様内容(納品枚数等は異なる。)の納品書(控)である。
(3)乙第33号証は、中富商店代表者代表取締役による平成24年12月10日付け陳述書であり、1)中島商店は、売れ残りの返品等の商品を仕入れ、織りネーム下げ札等を付け替えて中富商店の商品として再生し、フィアックや馬場重に催事用商品として販売していること、2)本件商標を催事用商品に使用していること、などについて述べている。
乙第34号証は、被請求人会社相談役による平成24年12月10日付け陳述書であり、1)被請求人は、下げ札、織りネームほか、各種商標資材を規格、製造、販売することを主たる業務とする会社であり、急にブランドを必要とする顧客のニーズに応えるため、登録商標を有していること、2)当該商標については、顧客と通常使用権を設定し、顧客に登録商標を無償で使用させるかわりに、下げ札や織りネームなどの副資材を顧客から被請求人に発注してもらっていること、などについて述べている。
(4)乙第11号証の1は、半袖シャツの写真であり、乙第11号証の2は、当該シャツの織りネーム部と紙ラベル(表面が写されている。)が取り付けられている部分の拡大写真であり、乙第11号証の3は、紙ラベルを裏面にして乙第11号証の2と同様に写したものであり、乙第11号証の4は、洗濯ネームの表面が確認できるようにして写した当該ネームが縫製されている部分の拡大写真であり、乙11号証の5は、その洗濯ネームの裏面が確認できるようにして写した拡大写真である。そして、織りネーム及び紙ラベルには「ABERCRO」の商標(以下「使用商標」という。)が記載されている。また紙ラベルの裏面(貼付されているシール。以下同じ。)には、ロット番号として「AC-P04」の記載及び色として「ブルー」の記載のほか、「NAKATOMI CO.,LTD」の文字が記載されたシールが貼付されていることが認められる。洗濯ネームには「(有)中富商店」の記載及び「ロット番号として「AC-P04」の記載が認められる。
乙第12号証の1ないし5は、乙第11号証の1ないし5と同様に写した半袖シャツの写真であり、紙ラベルの色の欄が「ネイビー」と記載されているほかは、織りネーム、紙ラベル、洗濯ネームは、乙第11号証のものと同一の内容である。
乙第13号証の1は、長袖シャツの写真であり、乙第13号証の2は、当該シャツの織りネーム部と紙ラベル(表面が写されている。)が取り付けられている部分の拡大写真であり、乙第13号証の3は、紙ラベルを裏面にして乙第13号証の2と同様に写したものであり、乙第13号証の4は、洗濯ネームの表面が確認できるようにして写した当該ネームが縫製されている部分の拡大写真であり、乙第13号証の5は、その洗濯ネームの裏面が確認できるようにして写した拡大写真である。そして、織りネーム及び紙ラベルには使用商標が記載されている。また紙ラベルの裏面には、ロット番号として「AC-T14」の記載及び色として「ブルー」の記載のほか、「NAKATOMI CO.,LTD」の文字が記載されたシールが貼付されていることが認められる。洗濯ネームには「(有)中富商店」の記載及びロット番号として「AC-T14」の記載が認められる。
乙第14号証の1ないし5は、乙第13号証の1ないし5と同様に写した長袖シャツの写真であり、織りネーム、紙ラベル、洗濯ネームは、紙ラベルに貼付された色の欄が「ネイビー」と記載されているほかは、乙第13号証のものと同一の内容が記載されている。
乙第15号証の1は、ズボンの写真であり、乙第15号証の2は、当該ズボンの織りネーム部と紙ラベル(表面が写されている。)が取り付けられている部分の拡大写真であり、乙第15号証の3は、紙ラベルを裏面にして乙第15号証の2と同様に写したものであり、乙第15号証の4は、洗濯ネームの表面が確認できるようにして写した当該ネームが縫製されている部分の拡大写真であり、乙第15号証の5は、その洗濯ネームの裏面が確認できるようにして写した拡大写真である。そして、織りネーム及び紙ラベルには使用商標が記載されている。また、紙ラベルの裏面には、ロット番号として「AC-T13」の記載及び色として「グリーン」の記載のほか、「NAKATOMI CO.,LTD」の文字が記載されたシールが貼付されていることが認められる。洗濯ネームには「(有)中富商店」の記載及びロット番号として「AC-T13」の記載が認められる。
乙第16号証の1ないし5は、乙第15号証の1ないし5と同様に写したズボンの写真であり、織りネーム、紙ラベル、洗濯ネームは、紙ラベルに貼付された色の欄が「レッド」と記載されているほかは、乙第15号証のものと同一の内容が記載されている。
乙第17号証の1は、ニットベストの写真であり、乙第17号証の2は、当該ベストの織りネーム部と紙ラベル(表面が写されている。)が取り付けられている部分の拡大写真であり、乙第17号証の3は、紙ラベルを裏面にして乙第17号証の2と同様に写したものであり、乙第17号証の4は、洗濯ネームの表面が確認できるようにして写した当該ネームが縫製されている部分の拡大写真であり、乙第17号証の5は、その洗濯ネームの裏面が確認できるようにして写した拡大写真である。そして、織りネーム及び紙ラベルには使用商標が記載されている。また、紙ラベルの裏面には、ロット番号として「AC-A23」の記載及び色として「ベージュ」の記載のほか、「NAKATOMI CO.,LTD」の文字が記載されたシールが貼付されていることが認められる。洗濯ネームには「(有)中富商店」の記載及びロット番号として「AC-A23」の記載が認められる。
乙第18号証の1は、ベストの写真であり、乙第18号証の2は、当該ベストの織りネーム部と紙ラベル(表面が写されている。)が取り付けられている部分の拡大写真であり、乙第18号証の3は、紙ラベルを裏面にして乙第18号証の2と同様に写したものであり、乙第18号証の4は、洗濯ネームの表面が確認できるようにして写した当該ネームが縫製されている部分の拡大写真であり、乙第18号証の5は、その洗濯ネームの裏面が確認できるようにして写した拡大写真である。そして、織りネーム及び紙ラベルには使用が記載されている。また、紙ラベルの裏面には、ロット番号として「AC-A22」の記載及び色として「ブラック」の記載のほか、「NAKATOMI CO.,LTD」の文字が記載されたシールが貼付されていることが認められる。洗濯ネームには「(有)中富商店」の記載及びロット番号として「AC-A22」の記載が認められる。
(5)乙第8号証の1は、中富商店からフィアックへの2011年10月12日付け納品書(控)(2通)であり、「AC-T14」を各色、各サイズ合計150枚、「AC-T13」を各色、各サイズ合計140枚を納品したことが記載されている。
乙第8号証の2は、中富商店からフィアックへの納品書(控)(2通)であり、同年10月20日付けで「AC-P04」を各色、各サイズ合計20枚等を納品し、同年11月16日付けで「AC-T14」を各色、各サイズ合計240枚を納品したことが記載されている。
乙第8号証の3は、中富商店からフィアックへの納品書(控)(2通)であり、上記同日付けで「AC-T13」を各色、各サイズ合計200枚を納品し、同年11月23日付けで「AC-P04」を各色、各サイズ合計50枚等を納品したことが記載されている。
エ 乙第28号証の1は、中富商店から馬場重への平成23年10月21日付け納品書(控)であり、「AC-A23」を各色合計30枚等を納品したことが記載されている。
乙第28号証の2は、中富商店から馬場重への上記同日付け納品書(控)であり、「AC-A22」を各色合計78枚等を納品したことが記載されている。

2 上記1によれば、次の事実が認められる。
(1)通常使用権者について
被請求人は、中富商店に本件商標を紳士・婦人用品に使用することについて、平成17年8月1日に許諾し、その契約は、その後も継続しているものと認められるから、中富商店は、本件商標に係る通常使用権者と認められる。
(2)本件商標の使用について
中富商店(通常使用権者)は、フィアックに2011(平成23)年10月12日、使用商標が表示された下げ札や織りネームを付けてなるシャツ(AC-T14)を150枚及びズボン(AC-T13)を140枚販売したことが認められ、同じく同月20日に使用商標が表示された下げ札や織りネームを付けてなるシャツ(AC-P04)を20枚販売したことが認められ、同じく同年11月16日に使用商標が表示された下げ札や織りネームを付けてなるシャツ(AC-T14)を240枚及びズボン(AC-T13)を200枚販売したことが認められ、同じく同月23日に使用商標が表示された下げ札や織りネームを付けてなるシャツ(AC-P04)を50枚販売したことが認められる。
また、中富商店(通常使用権者)は、馬場重に、平成23年10月21日、使用商標が表示された下げ札や織りネームを付けてなるニットベスト(AC-A23)を30枚及びニットベスト(AC-A22)を78枚販売したことが認められる。
そして、上記販売日は、いずれも本件審判請求の登録前3年以内である。
また、使用商標は、「ABERCRO」の文字を書してなり、本件商標とその構成文字が同じであるから、社会通念上同一の商標と認められ、さらに、使用商標が付されたシャツ、ズボン、ニットベストは、本件審判請求に係る指定商品中の「被服」の範ちゅうの商品と認められる。

3 請求人の主張について
(1)請求人は、被請求人の主張する本件商標登録の取得の経緯(事実)の存否は、本件商標の使用の事実の存否に大きく影響するが、その供述内容は、その大手量販店の行為として考えにくい行為であり、存在のがい然性が極めて低い事実に関するものであるから、かかる供述内容は証明を要するものであると主張し、また、シールの作成及び下げ札への貼付、織りネーム等の付け替え及び納品書の作成等はいずれも容易であり、販売の様子を示す写真も不自然であるから、提出された証拠方法について改ざんが行われたのではないかとの疑念は払拭されないし、中富商店から販売された商品の単価(原価)は、廉価品と銘打つほどの安さではなく、フィアックが中富商品から仕入れた960点もの商品を販売する販売ルートが不況の日本に存在するとは思われず、その販売ルートの立証がされていないから、証拠方法の証明力に疑念があると主張し、さらに、納品書と本件商標が付されたシャツ、ズボン、ニット製品との関連性を単に説明している(すり合わせている)だけで、何ら両者の関連を立証していないなどとして、これらを総合的に判断すると、要証事実の存在を認定するに足る立証はなされていない旨主張している。
しかしながら、乙第11号証ないし乙第18号証のシャツ、ズボン、ニットベストの織りネーム等は、縫製後付け替えられたものであることは明らかであり、下げ札(貼付されたシールを含む。)が実在するものである。さらに、請求人の主張も憶測の域を出ないものであり、納品書(乙8、乙28)が不自然であるとはいえない。そして、本件商標について、前記2のとおり、その使用の事実が認められるから、請求人の上記主張は採用できない。
(2)請求人は、調査会社等による本件商標の使用についての調査結果を元に本件商標の使用の事実を否定しているが、このような調査結果が事実を常に完全に正しくなされているとはいえず、本件商標に係る商品は、一般的な商品ルートとはいえない流通の形態の商品であるから、当該調査結果によって、本件商標の使用を否定することはできない。
なお、請求人は、乙第6号証及び乙第7号証による下げ札等の発注、納品枚数からすると、例えば、2010年11月からの1年間の売上高は、約2100万円と予測されるが、上記調査において、中富商店の従業員がこのような主力商品について知らないということは不自然であると主張しているが、商標権者と中富商店の間の下げ札等の「副資材」については、前記1(3)によれば、発注する下げ札等が予定販売数量とは必ずしもリンクしてなされるものでないことからすると、請求人の主張する売上高はその根拠がないものといえる。

4 まとめ
以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を本件商標の指定商品中の「被服」に属する商品「カジュアルシャツ,ズボン、ニットベスト」について、通常使用権者が使用していたことを証明したというべきである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2013-03-27 
結審通知日 2013-03-29 
審決日 2013-04-11 
出願番号 商願平11-87087 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (Z25)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 田中 亨子 
特許庁審判長 内山 進
特許庁審判官 田中 亨子
酒井 福造
登録日 2000-08-25 
登録番号 商標登録第4411103号(T4411103) 
商標の称呼 アバークロ、アベルクロ 
代理人 野田 幸裕 
代理人 鈴木 礼至 

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