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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
異議2012900254 審決 商標
異議2013900044 審決 商標
異議2012900369 審決 商標
異議2012900371 審決 商標
異議2013900080 審決 商標

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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W14
管理番号 1274084 
異議申立番号 異議2012-900341 
総通号数 162 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2013-06-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2012-11-21 
確定日 2013-05-27 
異議申立件数
事件の表示 登録第5521924号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5521924号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5521924号商標(以下「本件商標」という。)は、「Pregence」の欧文字を標準文字で表してなり、平成24年3月19日に登録出願、第14類「身飾品,貴金属,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,キーホルダー,宝石箱,記念カップ,記念たて,貴金属製靴飾り」を指定商品として,同年8月3日に登録査定され、同年9月14日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第2116387号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、昭和61年5月2日に登録出願され、第23類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成元年2月21日に設定登録され、その後、同21年5月13日に指定商品を第9類「眼鏡,眼鏡の部品及び附属品」及び第14類「時計,時計の部品及び附属品」とする指定商品の書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。

3 登録異議申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号によって取り消されるべきである、としてその理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第12号証を提出した。
(1)本件商標と引用商標との類否について
ア 称呼について
本件商標からは、全体として自然に「プレジェンス」との称呼が生じ、引用商標からは,全体として自然に「プレゼンス」の称呼が生じる。
両商標を比較すると、両者は「ジェ」と「ゼ」の差異は存在するものの、聴者の注意の行き届きにくい商標の中程に位置しており、かつ、「ジェ」と「ゼ」とは称呼上区別がつきにくい類似した音であることを考慮すれば、両者を一連に称呼するときは,その語調・語感が近似し相紛れてしまうものである。
イ 外観について
本件商標と引用商標は,綴り上、冒頭の大文字「P」を共通にし、2文字目以降の小文字について「re○ence」と7文字中の6文字を共通にし、3文字目が「g」か「s」の差異は存在するものの、看者の注意の行き届きにくい商標の中程に位置していることから、その外観は近似し相紛れてしまうものである。
ウ 以上のとおり、本件商標と引用商標は、称呼上及び外観上酷似する商標である。
(2)商標法第4条第1項第15号該当性について
本件商標の指定商品は、それがその最終需要者に販売される場合には、「宝飾・時計売場」「宝石・貴金属・時計売場」「時計・宝石売場」「ジュエリー&ウォッチ売場」「宝飾品・時計売場」とのまとまりで、「時計」と同じ売場にて「時計」と共に取り扱われて販売されているのが取引の実情である(甲7ないし甲11)。
本件商標と引用商標は、上記(1)で述べたとおり、称呼上も外観上も酷似する商標であり、その取引の実情を考え併せれば、本件商標を付した指定商品が、引用商標を付した申立人の「腕時計」(甲12)の近辺に陳列され販売されるとなると、本件商標を付した該商品は、あたかも申立人の業務に係る商品であるかのごとく受け取られてしまい、業務の混同を生ずるおそれが非常に高いものといわざるをえない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

4 当審の判断
(1)引用商標の周知・著名性について
申立人が提出した証拠によれば、「GENERAL CATALOGUE2012/2013」(甲12)の「2012コレクションストラクチャー」に「Presence」(3文字目の「e」にはアクサンテギュ記号が付されている。)及び「プレゼンス」の標章を付した「腕時計」(以下「使用商品」という。)を掲載していることは認められるが、このカタログの配布数、配布先、当該商品の販売量等については一切明らかにされておらず、この証拠のみによっては、本件商標の出願時及び査定時において、引用商標が、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものであると認めることはできない。
(2)本件商標及び引用商標について
本件商標は、前記1のとおり、「Pregence」の欧文字からなるものであるから、その構成文字に相応して「プレジェンス」の称呼が生じ、特定の意味を有するものでないから、観念は生じないものである。
また、引用商標は、別掲のとおり、「存在すること」等の意味を有するフランス語「Presence」(3文字目の「e」にはアクサンテギュ記号が付されている。以下同じ。)の欧文字を筆記体で表してなるものであるから、その構成文字に相応して「プレゼンス」の称呼が生じ、「存在すること」等の観念を生じるものである。
そこで、本件商標と引用商標との類似性についてみるに、称呼においては、本件商標から生じる「プレジェンス」と、引用商標から生じる「プレゼンス」は、共に5音からなり、第3音目における「ジェ」と「ゼ」の音に差異を有するのみであり、該差異音も母音(e)を同じくし、かつその子音が有声摩擦音であって音質が近似したものであり、さらに中間に位置するため明確に聴別しがたいものであるから、類似するものといえる。
外観においては、両商標は、標準文字と筆記体の違いはあるものの、共に欧文字8文字からなり、そのうちの6文字を共通にするものである。そして、その差異は、中間に位置する3文字目「e」におけるアクサンテギュ記号の有無及び4文字目における「g」と「s」の相違にすぎないものであるから、両商標は、相紛れるおそれのあるものといえる。
なお、観念については、本件商標から特定の観念は生じないことから比較することができない。
してみれば、本件商標と引用商標は、観念において比較できないものであるが、称呼、外観において類似する商標といえる。
(3)出所の混同について
引用商標は、上記(1)のとおり、本件商標の出願時及び査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているとはいい難いものであり、かつ、辞書に掲載されている語であって、創造性を有するものではないことに照らすと、たとえ、引用商標が本件商標と類似するものであって、その使用商品と本件商標の指定商品が、デパート等の売場において、「時計・宝石売場」のように販売されている事実を考慮したとしても、本件商標は、これをその指定商品について使用しても、申立人又は申立人と経済的・組織的に何らかの関係のある者の業務に係る商品であるかのごとく、商品の出所について混同を生ずるおそれはないものといわざるを得ない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(4)結び
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものということができないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲(引用商標)





異議決定日 2013-05-17 
出願番号 商願2012-20973(T2012-20973) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (W14)
最終処分 維持  
前審関与審査官 岩本 和雄 
特許庁審判長 村上 照美
特許庁審判官 梶原 良子
冨澤 武志
登録日 2012-09-14 
登録番号 商標登録第5521924号(T5521924) 
権利者 株式会社エフ・ディ・シィ・プロダクツ
商標の称呼 プレジェンス 
代理人 吉村 仁 
代理人 小暮 君平 
代理人 加藤 あい 
代理人 長谷川 芳樹 
代理人 工藤 莞司 

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