• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
異議2013900030 審決 商標
異議2012900220 審決 商標
異議2012900265 審決 商標
異議2012900307 審決 商標
異議2012900206 審決 商標

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W16
管理番号 1274078 
異議申立番号 異議2013-900035 
総通号数 162 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2013-06-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2013-02-01 
確定日 2013-05-10 
異議申立件数
事件の表示 登録第5532202号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5532202号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5532202号商標(以下「本件商標」という。)は、「さくら姫」の文字を標準文字で表してなり、平成24年3月21日に登録出願、第16類「文房具類,紙製包装用容器,マグネット画鋲」を指定商品として、同年9月26日に登録査定、同年11月2日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由
本件異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に該当し、その登録は、同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第48号証を提出した。
(1)「サクラ」の片仮名の著名性について
日本でも有数の文具メーカーであるぺんてる株式会社のウェブサイトにおいて、申立人を「サクラ」と略称している(甲第1号証)。
株式会社オフィスマガジンが発行し、日本全国に頒布される文具や事務機器関係の業界紙である「オフィスマガジン」、株式会社ステイショナーが発行し、文具・事務用品・事務機器関連の専門誌であって、文房具小売店、メーカー、卸売店の他、百貨店や量販店のバイヤー等を読者とする「旬刊ステイショナー」、株式会社ザ・トピックス社が発行する文具・事務用品・紙製品・事務機関係の業界紙である「ザ・トピックス」、紙製品新聞社が発行する紙業関係の業界紙である「CLIPS」及び関西文具時報社が発行する業界紙である「関西文具時報」等の記事の見出しや本文中において、申立人を「サクラ」と略称している(甲第2号証ないし甲第48号証)。
以上のとおり、申立人以外の者によって、申立人を指して頻繁に「サクラ」と略称されており、これらの読者にとって、「サクラ」といえば申立人を指す、ということが認識されていることからすれば、「サクラ」は、申立人の著名な略称である。
少なくともぺんてる株式会社のウェブサイト、「オフィスマガジン」、「旬刊ステイショナー」の読者は日本全国に及ぶことから、申立人の著名な略称「サクラ」は日本全国に知られている(甲第1号証ないし甲第35号証)。
「オフィスマガジン」、「旬刊ステイショナー」、「ザ・トピックス」、「CLIPS」、「関西文具時報」等は、文具等に関する業界紙であり、ぺんてる株式会社は、文具事務用品等のメーカーであるから、文具業界において「サクラ」が申立人の著名な略称であることは、顕著な事実である。
本件商標の指定商品中、「文房具類,マグネット画鋲」は文具であり、この取引者・需要者は、文具業界の者と一般需要者である。
また、本件商標の指定商品中、「紙製包装用容器」を取り扱う業界は、文具業界とは近接した業界であり、製紙業界のニュースを掲載する前述の「CLIPS」の記事の見出しにおいても、申立人を「サクラ」と略称している(甲第37号証ないし甲第41号証)。
そうすると、本件商標の指定商品中、「紙製包装用容器」についても、人格権保護の制度趣旨から、文具業界で著名な略称である「サクラ」が参酌されるべきである。
上記各証拠は、本件商標の登録出願日以前に掲載又は発行されたもの(甲第1号証ないし甲第20号証、甲第23号証ないし甲第34号証、甲第36号証ないし甲第46号証)及び本件商標の登録査定日以前に発行されたもの(甲第21号証、甲第22号証、甲第35号証、甲第47号証、甲第48号証)である。
したがって、本件商標の登録出願時及び登録査定時のいずれにおいても、「サクラ」は、申立人を指し示す著名な略称である。
(2)本件商標について
本件商標は、「さくら姫」を標準文字で表したものであり、上記著名な略称「サクラ」を含むものである。
なお、本件商標は、平仮名で「さくら」であるのに対し、著名な略称「サクラ」は片仮名であるが、平仮名/片仮名程度の違いは社会通念上同一である。
また、「さくら」と同一といえる略称「サクラ」には、文具業界において特定人(申立人)を認識させる機能があり、文具業界における申立人の人格権を保護すべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に該当する。

3 当審の判断
(1)「サクラ」の片仮名の周知著名性について
ア 申立人提出の証拠によれば、日本全国に頒布される文具や事務機器関係の業界紙である「オフィスマガジン」(甲第2号証ないし甲第22号証)、「旬刊ステイショナー」(甲第23号証ないし甲第35号証)、「ザ・トピックス」(甲第36号証)、「CLIPS」(甲第37号証ないし甲第41号証)及び「関西文具時報」(甲第42号証ないし甲第48号証)等の申立人に関する記事の見出しにおいて、「サクラ」の片仮名が用いられている。
イ 上記アの事実からすれば、「サクラ」の片仮名は、本件商標の登録出願日前(平成22年1月25日)より、文具等に関する業界紙において記事の見出し語として使用しているものと認めることができる。
しかしながら、申立人は、「サクラ」の片仮名が、本件商標の登録出願時及び登録査定時のいずれにおいても、申立人の著名な略称として知られており、本件商標は著名な略称を含む商標である旨主張するが、商標法第4条第1項第8号の趣旨は、他人の人格権を保護するものであり、同号が、他人の名称について著名性を要件としていないのに対し、他人の略称についてはこれを要件としているのは、略称については、これを使用する者がある程度恣意的に選択する余地があること、そして、著名な略称であって初めて名称と同様に特定人を指し示すことが明らかとなり、氏名と同様に略称が保護されるべきことによるものと解される(東京高裁平成13年(行ケ)第387号参照)ところ、申立人の名称が「株式会社サクラクレパス」であって、その略称は、会社の種類を表す「株式会社」の文字部分を捨象した「サクラクレパス」の文字部分というのが相当であることに加え、「サクラ」の文字は、看者をして、容易に「(花木の)桜」を片仮名で表したものとして認識され得るものである。
また、申立人の提出に係る証拠において、会社を指すことを明らかにする「社」の文字を付した「サクラ社」(甲第1号証)、申立人の略称といえる「サクラクレパス」(甲第2号証、甲第21号証,甲第23号証ないし甲第41号証、甲第45号証、甲第47号証)が使用され、また、文具等に関する業界紙においては、「サクラクレパス」に関する記事内容とともに見出し語に「サクラ」(甲第3号証ないし甲第20号証、甲第22号証ないし甲第44号証、甲第46号証、甲第48号証)が使用されていることからすると
、直ちに「サクラ」の片仮名が申立人の略称として取引者、需要者に広く認識されているとは認め難い。
(2)本件商標について
本件商標は、「さくら姫」の文字を標準文字で表してなるところ、該文字は同書、同大、同間隔で、外観上まとまりよく一体的に表されているものであり、また、その構成全体から生ずる「サクラヒメ」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものであって、容易に「さくらという名の姫」程の意味合いを理解させるものであり、その構成全体をもって一体不可分のものとして認識されるとみるのが相当である。
そして、本件商標は、その構成中に「さくら」の平仮名を有しているものの、上記(1)のとおり、「サクラ」は、申立人の著名な略称と認められないものであるから、他人(申立人)の著名な略称を含む商標ということはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に該当するものではない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第8号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2013-04-30 
出願番号 商願2012-26103(T2012-26103) 
審決分類 T 1 651・ 23- Y (W16)
最終処分 維持  
前審関与審査官 村上 照美小出 浩子 
特許庁審判長 寺光 幸子
特許庁審判官 山田 和彦
原田 信彦
登録日 2012-11-02 
登録番号 商標登録第5532202号(T5532202) 
権利者 星合成株式会社
商標の称呼 サクラヒメ 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ