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審判番号(事件番号) | データベース | 権利 |
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異議2012900307 | 審決 | 商標 |
異議2012900220 | 審決 | 商標 |
異議2012900265 | 審決 | 商標 |
異議2012900206 | 審決 | 商標 |
異議2012900292 | 審決 | 商標 |
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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 W03 審判 全部申立て 登録を維持 W03 審判 全部申立て 登録を維持 W03 |
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管理番号 | 1274073 |
異議申立番号 | 異議2012-900357 |
総通号数 | 162 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2013-06-28 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2012-12-12 |
確定日 | 2013-05-07 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5522233号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5522233号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5522233号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成24年4月17日に登録出願、第3類「化粧品,スキンケア用化粧品,メイクアップ用化粧品,せっけん類,化粧水,乳液,美容液,ファンデーション,紫外線防止効果のある化粧品,パック化粧品,クリーム状の洗顔せっけん,洗顔石鹸,クレンジングクリーム,クレンジングオイル,クレンジングミルク」を指定商品として、同年9月3日に登録査定、同月14日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下のとおりである。 (1)登録第2627668号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成2年10月26日に登録出願、第4類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同6年2月28日に設定登録、その後、指定商品については、同17年10月19日に第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品(香水類,オーデコロン,アフターシェーブローション,その他の化粧水を除く。)」を指定商品とする書換登録がなされているものである。 (2)登録第3187927号商標(以下「引用商標2」という。)は、「INSTITUT ESTHEDERM」の欧文字及び「アンスティテュ-ト エステダム」の片仮名を上下二段に表してなり、平成4年9月11日に登録出願、第3類「化粧品(香水,オ-デコロン,オ-ドトワレ,アフタ-シェイブロ-ションを除く)」を指定商品として、同8年8月30日に設定登録されているものである。 (3)国際登録第815392号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲3のとおりの構成からなり、2004年(平成16年)12月9日に国際商標登録出願(事後指定)、第3類「Bleaching preparations and other substances for laundry use; cleaning, polishing, grease removing and abrasive preparations; soaps; essential oils;cosmetics; hair lotions; dentifrices, all the above goods are of French origin.」を指定商品として、平成18年6月23日に設定登録されているものである。 上記引用商標1ないし3は、いずれも現に有効に存続するものであり、以下、これらを一括して「引用商標」ということがある。 3 登録異議申立ての理由の要旨 (1)商標法第4条第1項第11号について ア 本件商標と引用商標1との対比 本件商標は、「ESTHEMED」と「LABORATORIES」の欧文字を横書きし、上下二段に配し、その前に図形を表してなるものであるが、「ESTHEMED」が「LABORATORIES」に比べて極めて大きく表されている。また、図形は、四角形に白抜きで線を表す単純なものであり識別力が弱いことから、「ESTHEMED」が外観において需要者の注意を引く部分である。 他方、引用商標1は、「INSTITUT」と「ESTHEDERM」の欧文字を横書きし、上下二段に配してなるものであるが、「INSTITUT」は、「学会、研究会」を意味するフランス語であり、指定商品について識別力が弱いことから、「ESTHEDERM」が、外観において需要者の注意を引く部分である。 そこで、「ESTHEMED」と「ESTHEDERM」とを比較すると、「ESTHEMED」は8文字の欧文字からなり、他方、「ESTHEDERM」は、9文字の欧文字からなり、その差は1文字のみである。また、大文字のみで構成されている点が共通している。さらに、比較的印象が強い語頭にある「ESTHE」部分が共通し、残りの文字「MED」と「DERM」には、いずれも構成する文字に「M」、「E」、「D」が含まれており、異なる文字は「R」のみである。 よって、本件商標と引用商標1とは、外観において類似する商標である。 本件商標は、二段に配されていることから、「エステメド」及び「ラボラトリーズ」の称呼が別々に生じるものである。 他方、引用商標1は、二段に配されていることから、「アンスティテュート」及び「エステダム」の称呼が別々に生じるものである。 そこで、「エステメド」と「エステダム」とを比較すると、いずれも5音節からなり、比較的印象の強い語頭にある3音節「エステ」を共通にする。比較的印象の弱い語尾の2音節を異にするが、5音節という比較的短い称呼において、その差が与える影響は弱いものである。 よって、本件商標と引用商標1とは、称呼において類似する商標である。 本件商標中「ESTHEMED」は、特定の観念が生じない造語である。「LABORATORIES」からは、「実験室、研究室」といった観念が生じる。 他方、引用商標1の構成中「ESTHEDERM」は、特定の観念が生じない造語である。「INSTITUT」からは、「学会、研究会」といった観念が生じる。 よって、本件商標と引用商標1とは、観念において類似する部分を含む商標である。 そして、本件商標と引用商標1の指定商品は、前記1及び2(1)のとおりであるから、同一又は類似のものである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものである。 イ 本件商標と引用商標2との対比 本件商標は、「ESTHEMED」と「LABORATORIES」の欧文字を横書きし、上下二段に配し、その前に図形を表してなるものであるが、「ESTHEMED」が「LABORATORIES」に比べて極めて大きく表されている。また、図形は、四角形に白抜きで線を表す単純なものであり識別力が弱いことから、「ESTHEMED」が外観において需要者の注意を引く部分である。 他方、引用商標2は、「INSTITUT ESTHEDERM」の欧文字と「アンスティテュート エステダム」の片仮名を横書きし、二段に配してなるものであるが、「INSTITUT」は、「学会、研究会」を意味するフランス語であり、指定商品について識別力が弱いことから、「ESTHEDERM」が、外観において需要者の注意を引く部分である。 そこで、「ESTHEMED」と「ESTHEDERM」とを比較すると、「ESTHEMED」は8文字の欧文字からなり、他方、「ESTHEDERM」は、9文字の欧文字からなり、その差は1文字のみである。また、大文字のみで構成されている点が共通している。さらに、比較的印象が強い語頭にある「ESTHE」部分が共通し、残りの文字「MED」と「DERM」には、いずれも構成する文字に「M」、「E」、「D」が含まれており、異なる文字は「R」のみである。 よって、本件商標と引用商標2とは、外観において類似する商標である。 本件商標は、二段に配されていることから、「エステメド」及び「ラボラトリーズ」の称呼が別々に生じるものである。 他方、引用商標2から生じる「アンスティテュート エステダム」の称呼は、10音節を超える比較的長い称呼であり、区切って称呼されることが自然であるから、「アンスティテュート」及び「エステダム」の称呼が別々に生じるものである。 そこで、「エステメド」と「エステダム」とを比較すると、いずれも5音節からなり、比較的印象の強い語頭にある3音節「エステ」を共通にする。比較的印象の弱い語尾の2音節を異にするが、5音節という比較的短い称呼において、その差が与える影響は弱いものである。 よって、本件商標と引用商標2とは、称呼において類似する商標である。 本件商標中「ESTHEMED」は、特定の観念が生じない造語である。「LABORATORIES」からは、「実験室、研究室」といった観念が生じる。 他方、引用商標2の構成中「ESTHEDERM」は、特定の観念が生じない造語である。「INSTITUT」からは、「学会、研究会」といった観念が生じる。 よって、本件商標と引用商標2とは、観念において類似する部分を含む商標である。 そして、本件商標と引用商標2の指定商品は、前記1及び2(2)のとおりであるから、同一又は類似のものである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものである。 ウ 本件商標と引用商標3との対比 本件商標は、「ESTHEMED」と「LABORATORIES」の欧文字を横書きし、上下二段に配し、その前に図形を表してなるものであるが、「ESTHEMED」が「LABORATORIES」に比べて極めて大きく表されている。また、図形は、四角形に白抜きで線を表す単純なものであり識別力が弱いことから、「ESTHEMED」が外観において需要者の注意を引く部分である。 他方、引用商標3は、「INSTITUT」、「ESTHEDERM」及び「PARIS」の欧文字を横書きし、三段に配してなるものであるが、「INSTITUT」は、「学会、研究会」を意味するフランス語及び「PARIS」は都市名であり、指定商品について識別力が弱いことから、「ESTHEDERM」が、外観において需要者の注意を引く部分である。 そこで、「ESTHEMED」と「ESTHEDERM」とを比較すると、「ESTHEMED」は8文字の欧文字からなり、他方、「ESTHEDERM」は、9文字の欧文字からなり、その差は1文字のみである。また、大文字のみで構成されている点が共通している。さらに、比較的印象が強い語頭にある「ESTHE」部分が共通し、残りの文字「MED」と「DERM」には、いずれも構成する文字に「M」、「E」、「D」が含まれており、異なる文字は「R」のみである。 よって、本件商標と引用商標3とは、外観において類似する商標である。 本件商標は、二段に配されていることから、「エステメド」及び「ラボラトリーズ」の称呼が別々に生じるものである。 他方、引用商標3は、三段に配されていることから、「アンスティテュート」、「エステダム」及び「パリス」の称呼が別々に生じるものである。 そこで、「エステメド」と「エステダム」とを比較すると、いずれも5音節からなり、比較的印象の強い語頭にある3音節「エステ」を共通にする。比較的印象の弱い語尾の2音節を異にするが、5音節という比較的短い称呼において、その差が与える影響は弱いものである。 よって、本件商標と引用商標3とは、称呼において類似する商標である。 本件商標中「ESTHEMED」は、特定の観念が生じない造語である。「LABORATORIES」からは、「実験室、研究室」といった観念が生じる。 他方、引用商標3の構成中「ESTHEDERM」は、特定の観念が生じない造語である。「INSTITUT」からは、「学会、研究会」といった観念が生じる。 よって、本件商標と引用商標3とは、観念において類似する部分を含む商標である。 そして、本件商標と引用商標3は、前記1及び2(3)のとおりであるから、同一又は類似のものである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものである。 (2)むすび 本件商標は、引用商標1ないし3と類似のものであり、また、その指定商品も同一又は類似のものである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、商標法第43条の2第1号により取り消されるべきものである。 4 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号について ア 本件商標 本件商標は、別掲1のとおり、図形を表し、その右の上段に大きい「ESTHEMED」の欧文字を、下段に小さい「LABORATORIES」の欧文字を二段に表してなるところ、図形とこれらの文字とは、視覚上、分離して把握されるばかりでなく、両者が常に一体不可分のものとして認識される格別の理由も見出せないものであるから、図形部分と文字部分がそれぞれ独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものであって、読みやすい文字部分から生じる称呼、観念をもって、取引に資される場合が少なくないものといえる。 してみれば、本件商標は、文字部分全体より「エステメドラボラトリーズ」の称呼を生じ、特に観念を生じないというべきである。 また、本件商標は、その構成中、下段に小さく表示された「LABORATORIES」の欧文字部分が「実験室.研究室.(薬品などの)製造所.」の意味を有する我が国において親しまれた英語であるところ、本件商標の指定商品中には、実験室、研究室で開発された化粧品等が存在することも知られているから、該欧文字部分は、自他商品の識別標識としての機能を果たさないか、極めて弱い部分ということができる。 そうとすると、本件商標は、上段に顕著に表された「ESTHEMED」の欧文字部分が、取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与える部分ということができることから、該欧文字部分より「エステメド」の称呼を生じ、特に観念を生じないというべきである。 イ 引用商標 (ア)引用商標1は、別掲2のとおり、「INSTITUT」の欧文字を上に湾曲させて表し、その下に、該欧文字と同じ曲率で中央部分のみを上に湾曲させた横線、「ESTHEDERM」の欧文字及び直線を表してなるところ、これらは構成全体として、まとまりよく一体的に表されてなるものであって、「INSTITUT」又は「ESTHEDERM」の文字部分が、それぞれ独立して、取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものとは認められないものである。 そうすると、引用商標1は、その構成に照らし「インスティテュートエステダーム」の称呼を生じ、特に観念を生じないというべきである。 (イ)引用商標2は、「INSTITUT ESTHEDERM」の欧文字及び「アンスティテュート エステダム」の片仮名を上下二段に表してなるから、欧文字及び片仮名部分より、それぞれ「インスティテュートエステダーム」又は「アンスティテュートエステダム」の称呼を生じ、特に観念を生じないというべきである。 (ウ)引用商標3は、別掲3のとおり、大きい「INSTITUT」の欧文字を上に湾曲させて表し、その下に曲線、大きい「ESTHEDERM」の欧文字及び小さい「PARIS」の欧文字を三段に表してなるから、その構成全体より、「インスティテュートエステダームパリス」の称呼を生じ、特に観念を生じないというべきである。 また、引用商標3は、その構成中、下段に小さく表示された「PARIS」の欧文字がフランス国の首都である「パリ」を表し、商品の産地又は販売地を表す部分と認められ、自他商品の識別標識としての機能を果たさない部分であるから、その構成に照らし「インスティテュートエステダーム」の称呼を生じ、特に観念を生じないというべきである。 ウ 本件商標と引用商標との類否 本件商標と引用商標について比較するに、両者は、それぞれ前記のとおりの構成よりなるから、外観上、明らかに区別し得るものである。 本件商標より生ずる「エステメドラボラトリーズ」の称呼と引用商標より生ずる「インスティテュートエステダーム」、「アンスティテュートエステダム」又は「インスティテュートエステダームパリス」の称呼とを対比すると、両称呼は、称呼の識別上重要な要素を占める語頭部分における「エステメド」と「インスティテュート」又は「アンスティテュート」という顕著な差異を有することにより、それぞれを一連に称呼するときは、全体の音感・音調が明らかに異なり、容易に聴別することができるものである。 また、本件商標より生ずる「エステメド」の称呼と引用商標より生ずる「インスティテュートエステダーム」、「アンスティテュートエステダム」又は「インスティテュートエステダームパリス」の称呼とを対比すると、両称呼は、構成音数が異なるばかりでなく、称呼の識別上重要な要素を占める語頭部分における「インスティテュート」又は「アンスティテュート」の音の有無という顕著な差異及び語尾部分における前者の「メド」の音と後者の「ダーム」、「ダム」又は「ダームパリス」の音の差異を有することにより、それぞれを一連に称呼するときは、全体の音感・音調が明らかに異なり、容易に聴別することができるものである。 さらに、本件商標と引用商標は、いずれも特定の観念を生じないから、観念上、類似するとはいえないものである。 してみれば、本件商標と引用商標は、外観、称呼及び観念のいずれの点についても互いに相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。 したがって、本件商標が引用商標と類似し商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。 (2)むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲1 本件商標 別掲2 引用商標1 別掲3 引用商標3 |
異議決定日 | 2013-04-25 |
出願番号 | 商願2012-30277(T2012-30277) |
審決分類 |
T
1
651・
262-
Y
(W03)
T 1 651・ 263- Y (W03) T 1 651・ 261- Y (W03) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 加園 英明 |
特許庁審判長 |
渡邉 健司 |
特許庁審判官 |
大森 健司 前山 るり子 |
登録日 | 2012-09-14 |
登録番号 | 商標登録第5522233号(T5522233) |
権利者 | 株式会社セレブ |
商標の称呼 | エステメドラボラトリーズ、エステメド、エステメッド、ラボラトリーズ、エステメッドラボラトリーズ |
代理人 | 長谷 玲子 |
代理人 | 奥山 尚一 |
代理人 | 野中 剛 |
代理人 | 松島 鉄男 |
代理人 | 河村 英文 |
代理人 | 有原 幸一 |