• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
異議2012900307 審決 商標
異議2012900220 審決 商標
異議2012900265 審決 商標
異議2012900206 審決 商標
異議2012900292 審決 商標

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X39
審判 全部申立て  登録を維持 X39
管理番号 1272696 
異議申立番号 異議2012-900261 
総通号数 161 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2013-05-31 
種別 異議の決定 
異議申立日 2012-09-07 
確定日 2013-04-18 
異議申立件数
事件の表示 登録第5498838号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第5498838号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5498838号商標(以下「本件商標」という。)は,平成23年12月26日に登録出願,「エルフ」の文字を標準文字により表してなり,第39類「電気の供給」を指定役務として,平成24年5月2日に登録査定,同年6月8日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は,以下(1)?(5)のとおりであり,いずれも有効に存続しているものである。
(1)登録第1666019号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:別掲(1)のとおり
登録出願日:昭和56年4月3日
設定登録日:昭和59年3月22日
書換登録日:平成18年6月14日
指定商品 :第1類「燃料用添加剤(化学品に属するものに限る。),潤滑剤用添加剤(化学品に属するものに限る。),トランスミッション液(化学品に属するものに限る。),液圧用作動液(化学品に属するものに限る。),不凍液,自動車用冷却液,その他の化学品」
(2)登録第1680449号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:別掲(1)のとおり
登録出願日:昭和56年4月3日
設定登録日:昭和59年4月20日
書換登録日:平成17年6月15日
指定商品 :第1類「ブレーキ液」及び第4類「内燃機関用燃料,液化石油ガス,その他の燃料,潤滑油,その他の工業用油,工業用油脂」
(3)登録第4390377号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の構成:別掲(2)のとおり
登録出願日:平成10年11月25日
設定登録日:平成12年6月9日
指定商品 :第1類「自動車用ガラスの曇り除去剤,自動車ガラスの曇り防止剤,氷結除去剤,ラジエーター液,タイヤのパンク応急修理用剤,冷却剤,エンジン燃料用添加剤,その他の化学品」及び第4類「潤滑油用添加剤(化学品に属するものを除く),潤滑油,工業用グリース,その他の工業用油,工業用油脂,燃料用添加剤(化学品に属するものを除く),液体燃料,その他の燃料,ろう,靴油,固形潤滑剤,保革油」
(4)登録第5133968号商標(以下「引用商標4」という。)
商標の構成:別掲(3)のとおり
登録出願日:平成19年3月28日
設定登録日:平成20年5月9日
指定商品・役務:第1類「自動車燃料用添加剤・潤滑剤用添加剤・燃料用添加剤(化学品に属するものに限る。),不凍剤,油圧回路液・トランスミッション液,ブレーキ液」,第4類「石油(精製されたものであるか否かを問わない。),固体燃料・液体燃料・気体燃料,自動車用燃料,レーシングカー用燃料,天然ガス・石油ガス・液化石油ガス,潤滑剤,工業用油・工業用油脂,自動車燃料・燃料及び潤滑剤用添加剤(化学品を除く。),燃料」,第25類「被服,履物,帽子,運動用特殊衣服,運動用特殊靴,ティーシャツ,スウェットシャツ,スウェットパンツ,綿製のシャツ,セーター,下着,ジャケット,パンツ,スカーフ,ベルト」及び第37類「ガソリンスタンドにおける自動車・二輪自動車などの整備,乗物及びそれらの部品の整備・洗浄及び修理,ガソリンスタンドにおける自動車・二輪自動車などの整備(燃料補給作業・修理),自動車のエンジンオイルの交換,自動車用エンジンの修理・整備または保守,モーターの修理または保守,航空機・自動車・二輪自動車のタイヤの交換及び修理」
(5)登録第3351314号商標(以下「引用商標5」という。)
商標の構成:別掲(4)のとおり
優先権主張:1993年5月25日(フランス共和国)
登録出願日:平成5年10月13日
設定登録日:平成9年10月9日
指定商品 :第4類「工業用グリース,潤滑油,その他の工業用油,工業用油脂,燃料,固形潤滑剤」
以下,引用商標1?5をまとめて「引用商標」ということがある。

3 登録異議の申立ての理由(要旨)
申立人は,本件商標は,商標法第4条第1項第11号及び同第10号に該当するから,その登録を取り消すべきものである旨主張し,その理由(要旨)を以下のように述べ,証拠方法として,甲第1号証ないし甲第15号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は,引用商標と外観及び称呼において類似する。
また,本件商標の指定役務である第39類「電気の供給」は,引用商標の指定商品及び指定役務中の第1類及び第4類の商品並びに第37類の役務と「自動車の燃料」及び「その供給」において類似する。
すなわち,今日,石油ガソリン燃料に加えて,電気を燃料とする電気自動車が普及していることは公知であり,現在日本市場でも電気自動車が需要者間で広く普及し,ガソリンスタンドにおいても自動車の燃料として電気が供給されている(甲3)。
さらに,引用商標4の指定商品・指定役務中の第37類「ガソリンスタンドにおける自動車・二輪自動車などの整備(燃料補給作業・修理)」には,石油燃料と電気燃料が含まれることは明らかである(甲2)。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第10号について
本件商標は,申立人がその自動車の燃料の販売及び供給の業務で使用することが日本を含む世界中において広く認識されている著名な商標「elf」と同一ないし類似するものであり,その商品又は役務に類似する役務に使用するものであるから,商標法第4条第1項第10号に該当する。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 商標の類否について
本件商標は,「エルフ」の文字を標準文字により表してなるところ,これは,「小妖精」の意味を有する英語「elf」の読みを表したものと認められるから,「エルフ」の称呼及び「小妖精」の観念を生じるものである。
一方,引用商標は,「elf」と「エルフ」の文字の二段書き,「elf」の文字のみ又は,構成中に「elf」の文字を含むものであるから,それぞれの構成文字に相応し,「エルフ」の称呼及び「小妖精」の観念を生じるものである。
そうすると,本件商標と引用商標は,「エルフ」の称呼及び「小妖精」の観念を共通にする類似の商標である。
イ 指定役務及び指定商品の類否について
(ア)本件商標の指定役務
本件商標の指定役務は第39類「電気の供給」であるところ,これは,一般の需要や特定の供給地点の需要等に応じて電気を供給する役務であって,主として,電気事業法において規定された電気事業者によって提供される役務である。
(イ)本件商標の指定役務と引用商標の指定商品との類否
申立人が「電気の供給」と類似すると主張する商品は,引用商標の指定商品中の第1類,第4類の商品であり,そのうちの第1類の商品は,主として燃料用添加剤,潤滑剤用添加剤,トランスミッション液等の車関連の化学品とブレーキ液であり,また,第4類の商品は,主として,自動車用燃料,レーシングカー用燃料,内燃機関用燃料等の燃料であるところ,これら商品を製造・販売する事業者が電気事業法において規定された電気事業者でないことは明らかであり,また,これら商品の用途,販売場所その他,取引形態,流通経路等も「電気の供給」と一致するところはなく,需要者の範囲も必ずしも一致するともいえないから,これら取引の実情を合わせ考慮すれば,両者を類似のものと判断することはできない。
(ウ)本件商標の指定役務と引用商標の指定役務との類否
申立人が「電気の供給」と類似すると主張する役務は,引用商標4の指定役務である第37類「ガソリンスタンドにおける自動車・二輪自動車などの整備,乗物及びそれらの部品の整備・洗浄及び修理,ガソリンスタンドにおける自動車・二輪自動車などの整備(燃料補給作業・修理),自動車のエンジンオイルの交換,自動車用エンジンの修理・整備または保守,モーターの修理または保守,航空機・自動車・二輪自動車のタイヤの交換及び修理」であるところ,これらの役務を提供する事業者が電気事業法において規定された電気事業者でないことは明らかであり,その他,本件商標と引用商標4の指定役務において,役務の提供の手段,目的又は場所,役務に関連する物品,業種等において一致するところはなく,需要者の範囲も必ずしも一致するともいえないから,これら取引の実情を合わせ考慮すれば,両者を類似のものと判断することはできない。
なお,申立人は,引用商標4の指定役務中の「ガソリンスタンドにおける自動車・二輪自動車などの整備(燃料補給作業・修理)」の表示のうちの「燃料」には,石油燃料のみならず,電気燃料も含まれるとして,これが「電気の供給」と類似する旨主張する。
しかしながら,「燃料」とは,「燃焼させて熱源とする材料。薪・木炭・石炭・石油・天然ガスなど(広辞苑)」を意味し,語義からはこれに電気が含まれるものとはいえず,また,申立人の提出した甲第3号証にあるように,電気自動車については,充電,充電ステーションの語が使用されていることからしても,「ガソリンスタンドにおける…」と表示された前記役務における「燃料」に申立人のいう「電気燃料」が含まれるものとはいえない。
よって,請求人の主張は,その前提を欠くものであって採用することはできない。
(エ)したがって,本件商標の指定役務は,引用商標の指定商品及び指定役務と同一又は類似するものではない。
ウ 小括
以上のとおり,本件商標は,引用商標と商標において類似するものであるとしても,その指定役務において引用商標の指定商品及び指定役務と同一又は類似するものではないから,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第10号について
申立人の提出に係る証拠によれば,「elf」商標は,申立人が自動車用潤滑油等に使用し,少なくとも自動車関連の取引者,需要者間においては相当程度認識されていたものといえる。また,本件商標が「elf」の文字からなる商標と類似するものであることは前記(1)のとおりである。
しかしながら,商標法第4条第1項第10号は,「商品若しくは役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用をするもの」を要件の一とするところ,本件商標の指定役務が,自動車用潤滑油を含む引用商標の指定商品である第1類及び第4類の商品並びに引用商標の指定役務と類似しないことは,前記(1)のとおりである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第10号に該当しない。
(3)むすび
以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第11号,同第10号に違反してされたものではないから,商標法第43条の3第4項の規定により,維持すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲 別掲(1)引用商標1及び引用商標2


別掲(2)引用商標3


別掲(3)引用商標4

(色彩については原本参照のこと)

別掲(4)引用商標5


(色彩については原本参照のこと)


異議決定日 2013-04-08 
出願番号 商願2011-95281(T2011-95281) 
審決分類 T 1 651・ 26- Y (X39)
T 1 651・ 25- Y (X39)
最終処分 維持  
前審関与審査官 大森 健司 
特許庁審判長 小林 由美子
特許庁審判官 小川 きみえ
冨澤 武志
登録日 2012-06-08 
登録番号 商標登録第5498838号(T5498838) 
権利者 北陸電力株式会社
商標の称呼 エルフ 
代理人 古木 睦美 
代理人 佐藤 雅巳 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ