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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
異議2012900307 審決 商標
異議2012900220 審決 商標
異議2012900265 審決 商標
異議2012900206 審決 商標
異議2012900292 審決 商標

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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X21
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管理番号 1272688 
異議申立番号 異議2012-900322 
総通号数 161 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2013-05-31 
種別 異議の決定 
異議申立日 2012-10-26 
確定日 2013-04-06 
異議申立件数
事件の表示 登録第5516201号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5516201号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5516201号商標(以下「本件商標」という。)は、「NARUMI & NARUMI」の文字を標準文字で表してなり、平成24年3月9日に登録出願、第21類「化粧用具」を指定商品として、同年7月5日に登録査定され、同年8月17日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由
(1)商標法第3条第1項第3号又は同第6号該当性
本件商標中の「NARUMI」は、愛知県名古屋市内の地名「鳴海」を表す語であるから、「NARUMI」を「&」で挟んで連続して表記したにすぎない本件商標は、商標法第3条第1項第3号又は同第6号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第8号該当性
本件商標は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の著名な略称を表す「NARUMI」を含むから、商標法第4条第1項第8号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第11号該当性
ア 引用商標
申立人の引用する登録第5355690号商標(以下「引用商標」という。)は、「DIECI GINZA NARUMI」の文字を標準文字で表してなり、平成21年10月29日に登録出願、第21類及び第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成22年9月24日に設定登録されたものである。
イ 本件商標と引用商標の類似性
本件商標と引用商標は、いずれも「NARUMI」の文字部分が独立して把握、認識されるから、「ナルミ」の称呼及び外観を共通し、申立人の著名商標を想起させる。
また、本件商標の指定商品と引用商標の指定役務中の「身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、同一又は類似の商品・役務である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(4)商標法第4条第1項第15号該当性
申立人は、ボーンチャイナのリーディングカンパニーであり、高品質な商品を作り続け市場で高く評価されており、「NARUMI」、「ナルミ」の文字よりなる商標(以下「申立人商標」という。)は、申立人の業務に係る商品「ボーンチャイナ」を表示するものとして、本件商標の登録出願前より広く知られている(甲1?甲375、甲378?甲380、甲389)。
本件商標は、申立人商標と類似する商標であり、かつ、その指定商品は、申立人商標が使用される商品と密接に関連するものであり、需要者も共通にするから、本件商標をその指定商品について使用するときは、該商品が申立人の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(5)商標法第4条第1項第19号該当性
前記(4)のとおり、申立人商標は、本件商標の登録出願前より日本国内で著名であった。
申立人商標をその構成中に含む本件商標を登録することは、申立人商標の著名性、顧客吸引力にただ乗りし、また、申立人商標の出所識別力を稀釈化させるものであり、不正な目的があったことは明らかである。
したがって、本件商標は、仮に商標法第4条第1項第8号、同第11号、同第15号に該当しなくても、同第19号に該当する。
(6)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号又は同第6号、同法第4条第1項第8号、同第11号、同第15号又は同第19号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。

3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号又は同第6号について
本件商標は、前記1のとおり、「NARUMI & NARUMI」の文字を標準文字で表してなるものであるところ、該文字は、同一の書体・大きさをもって、構成全体の外観がまとまりよく表されているばかりか、その構成中の「&」の部分は、「?と?」の意味を有する英語「and」(等位接続詞)の略語として、我が国においても極めてよく知られているものであるから、その前後に位置する「NARUMI」の文字部分を並列的に結合したものと理解され、「NARUMI」のどちらか一方のみに印象づけられるものではない。また、本件商標の構成文字全体より生ずると認められる「ナルミアンドナルミ」の称呼は、無理なく称呼し得るものである。
そうすると、上記構成よりなる本件商標が、その指定商品である「化粧用具」の産地又は販売地を表したと認識させるものではなく、本件商標は、その構成文字に相応して、「ナルミアンドナルミ」とのみ称呼される一体不可分の造語を表したと認識されるとみるのが相当である。
してみると、本件商標は、その指定商品の産地又は販売地を普通に用いられる方法で表示する標章ということはできないのみならず、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標ということもできない。
したがって、本件商標は、その指定商品について、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであるから、その登録査定時(平成24年7月5日)において、商標法第3条第1項第3号又は同第6号に該当する商標であったと認めることはできない。
(2)商標法第4条第1項第8号について
本件商標は、前記(1)認定のとおり、構成文字全体をもって、一体不可分の造語を表したと認識されるとみるのが相当である。
一方、申立人が提出した証拠(甲20?甲375(ただし「レディー・ガガ」に関する記事は除く。)、甲378)によれば、後記(4)認定のとおり、申立人は、商品「陶磁器製の食器類、耐熱ガラス製の食器類」等の製造販売を主たる業務とし、ボーンチャイナのリーディングカンパニーとして、本件商標の登録出願日前には、我が国の食器関連の分野において広く知られていたといえるところ、新聞や雑誌等に掲載された申立人の名称は、「鳴海製陶(株)」ないし「鳴海製陶」と表記されているものが圧倒的に多いといえる一方で、「NARUMI」と表記されている事例が全くないわけではないが、その場合、「鳴海製陶株式会社(以下 NARUMI)」などと断り書きをしたものや、あるいは、申立人の略称を表しているのか又はブランド名を表しているのか明確ではないものが多く存在する。
してみると、「NARUMI」が、申立人の略称を表示するものとして、本件商標の登録出願日及び登録査定日の時点において、需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
したがって、本件商標は、他人の著名な略称を含む商標ということはできないから、その登録出願日及び登録査定日において、商標法第4条第1項第8号に該当する商標であったと認めることはできない。
(3)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、前記(1)認定のとおり、構成文字全体をもって、一体不可分の造語を表したと認識されるとみるのが相当であるから、その構成文字に相応して、「ナルミアンドナルミ」の一連の称呼のみを生ずるものであって、特定の観念を有しない造語よりなるものである。
してみると、本件商標より前後いずれかの「NARUMI」の文字部分のみを分離、抽出し、これを前提として、本件商標と引用商標とが「NARUMI」の文字を共通にし、外観、称呼及び観念において類似する商標であるとする申立人の主張は、前提において誤りがあるというべきであり、採用することができない。他に本件商標と引用商標とが類似するとみるべき特段の理由は見出せない。
したがって、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点についても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきであるから、本件商標は、その登録査定時において、商標法第4条第1項第11号に該当する商標であったと認めることはできない。
(4)商標法第4条第1項第15号について
ア 申立人商標の著名性
申立人の提出した証拠(甲1?甲17、甲20?甲284、甲288、甲289、甲293、甲306、甲307、甲310?甲312、甲316、甲322、甲323、甲325?甲375、甲378)を総合すると、申立人は、昭和25年12月1日に住友金属工業株式会社の子会社として、名古屋市緑区鳴海町に設立された企業であり、商品「陶磁器製の食器類、耐熱ガラス製の食器類」等の製造販売を主たる業務とすること、申立人は、1956年(昭和31年)に、ボーンチャイナの量産化に成功し、以来、ボーンチャイナのリーディングカンパニーとして、本件商標の登録出願日に至るまで、製陶業界紙や地元紙をはじめ、様々な雑誌等に、主として「鳴海製陶(株)」ないし「鳴海製陶」と表記されて取り上げられ、紹介されてきたこと、また、申立人の製造販売に係る陶磁器製の食器類等は、洗練されたデザインで高級感あふれる商品として、新聞や雑誌で紹介・広告され、これら商品に使用される「NARUMI」及びその片仮名表記である「ナルミ」の文字よりなる商標(申立人商標)も、本件商標の登録出願前には、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、食器等の関連分野の取引者、需要者の間に認知されるようになったこと、などを認めることができる。
してみると、申立人商標は、申立人の業務に係る商品「陶磁器製の食器類、耐熱ガラス製の食器類」等を表示するものとして、本件商標の登録出願前より、その関連分野の取引者、需要者の間に広く認識されていたということができ、その著名性は、本件商標の登録査定時においても継続していたものと推認することができる。
イ 本件商標と申立人商標の類似性
本件商標は、前記(1)認定のとおり、その構成文字全体より、「ナルミアンドナルミ」の一連の称呼のみを生ずるものであって、特定の観念を有しない造語よりなるものである。
これに対して、申立人商標は、「NARUMI」又は「ナルミ」の文字よりなるものであるから、これより、「ナルミ」の称呼を生ずるものであって、陶磁器製の食器類等について使用するときは、申立人の使用する商標を想起する場合が多いといえる。
そうすると、本件商標と申立人商標は、外観上相紛れるおそれがないばかりか、称呼及び観念においても顕著な差異を有するものであるから、外観、称呼及び観念を総合的に考察すれば、その類似性は高いものとはいえない。
ウ 本件商標の指定商品と申立人商標が使用される商品との関連性
本件商標の指定商品は、「化粧用具」である。これに対し、申立人商標が使用される商品は、主として「陶磁器製の食器類、耐熱ガラス製の食器類」等である。
そうすると、本件商標の指定商品と申立人商標が使用される商品とは、需要者を共通にする場合があるとしても、商品の目的、用途、原材料、品質等において大きく相違するばかりでなく、生産者、取引系統、販売場所等をも相違する場合が多い商品というべきであって、取引の実情、社会通念に照らしても、これら商品が同一の出所から流出した商品であると認識されるものとは、およそ考えられないというべきである。
したがって、本件商標の指定商品と申立人商標が使用される商品との関連性は極めて低いといわなければならない。
エ 以上によれば、申立人商標の著名性は、食器等の関連分野の範囲を超えてなお、化粧用具の分野にまで及ぶものとはいえないというべきであるから、本件商標に接する取引者、需要者は、申立人商標を想起又は連想することはないとみるべきであって、本件商標は、これをその指定商品について使用しても、該商品が申立人又はこれと何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれのない商標というべきである。
したがって、本件商標は、その登録出願日及び登録査定日において、商標法第4条第1項第15号に該当する商標であったと認めることはできない。
(5)商標法第4条第1項第19号について
申立人商標が、本件商標の登録出願前より、我が国の食器等の関連分野の取引者、需要者の間に広く認識されていた商標であることは、提出された証拠により認め得るところである。
しかし、前記(4)認定のとおり、本件商標と申立人商標は、外観、称呼及び観念のいずれの点についても非類似の商標というべきものである。
してみれば、本件商標は、申立人商標の著名性へのただ乗りをする等、不正の目的をもって使用されるものということはできない。
したがって、本件商標は、その登録出願日及び登録査定日において、商標法第4条第1項第19号に該当する商標であったと認めることはできない。
(6)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号又は同第6号並びに同法第4条第1項第8号、同第11号、同第15号及び同第19号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2013-03-29 
出願番号 商願2012-18220(T2012-18220) 
審決分類 T 1 651・ 13- Y (X21)
T 1 651・ 222- Y (X21)
T 1 651・ 271- Y (X21)
T 1 651・ 16- Y (X21)
T 1 651・ 23- Y (X21)
T 1 651・ 261- Y (X21)
T 1 651・ 262- Y (X21)
T 1 651・ 263- Y (X21)
最終処分 維持  
前審関与審査官 小出 浩子 
特許庁審判長 大橋 信彦
特許庁審判官 前山 るり子
渡邉 健司
登録日 2012-08-17 
登録番号 商標登録第5516201号(T5516201) 
権利者 有限会社ナルミジャパンコーポレーション
商標の称呼 ナルミアンドナルミ、ナルミナルミ、ナルミ 
代理人 青木 博通 
代理人 柳生 征男 
代理人 中田 和博 

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