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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 1141821
管理番号 1272638 
審判番号 取消2012-300394 
総通号数 161 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2013-05-31 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2012-05-16 
確定日 2013-04-05 
事件の表示 上記当事者間の登録第2481383号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第2481383号商標(以下「本件商標」という。)は、「BRUNO ROSSI」の文字を横書きしてなり、平成2年11月29日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として平成4年11月30日に設定登録され、平成15年11月26日に指定商品を第14類「貴金属製の財布,貴金属製のがま口」、第18類「かばん類,袋物,書類入れかばん,折りかばん,手提げかばん,肩掛けかばん,ランドセル,ハンドバッグ,トランク,スーツケース,グラッドストン,ボストンバッグ,こうり,リュックサック,財布(貴金属製のものを除く。),がまぐち(貴金属製のものを除く。),パス入れ,名刺入れ,お守り入れ,信玄袋,買物袋(車付きのものを含む。)」、第21類「洗面用具入れ」をはじめとする第3類、第6類、第8類、第10類、第14類、第18類、第21類、第25類及び第26類に属する商標登録原簿に記載の商品とする指定商品の書換登録がなされているものである。

第2 請求人の主張
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中「第14類 貴金属製の財布,貴金属製のがま口」「第18類 かばん類,袋物,書類入れかばん,折りかばん,手提げかばん,肩掛けかばん,ランドセル,ハンドバッグ,トランク,スーツケース,グラッドストン,ボストンバッグ,こうり,リュックサック,財布(貴金属製のものを除く。),がまぐち(貴金属製のものを除く。),パス入れ,名刺入れ,お守り入れ,信玄袋,買物袋(車付きのものを含む。)」「第21類 洗面用具入れ」についての登録を取消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由及び弁駁の理由を要旨次のように述べ、甲第1号証を提出している。
1 請求の理由
被請求人は、継続して3年以上日本国内において本件商標を、その指定商品中本件審判の請求に係る上記指定商品について使用していない。また、本件商標に係る商標登録原簿(甲第1号証)によれば、この商標権に関する専用使用権者及び通常使用権者は存在しないから、これらの者による本件商標の使用はあり得ない。
したがって、本件商標は、継続して3年以上、日本国内において、商標権者、専用使用権者及び通常使用権者のいずれによっても、その指定商品中の上記商品についての使用がなされていない。
よって、本件商標は、その指定商品中の上記商品についての登録を取り消すべきものである。
2 弁駁の理由
(1)乙第1号証について
ア 製造委託メーカーの株式会社アイティエム(以下「アイティエム社」という。)からの仕入伝票においては、社店名欄に「(株)富士様」の記載があるものの、検収印欄に「富士カバン」の受領印が押捺されている。したがって、この仕入伝票によっては、アイティエム社から被請求人へ商品が販売されたことは立証されない。
また、この仕入伝票においては、品名として「ブルーノロッシ2590」が記載されているが、これがいかなる商品であるのかは立証されていない。
さらに、この仕入伝票において品名欄に記載されている「ブルーノロッシ2590」が仮に商標であるとすれば、この商標がいかなる商品に関し使用されたものかの立証はなされていない。
イ 製造委託メーカーの有限会社トラスト・リーグ(以下「トラスト・リーグ社」という。)からの納品書においては、商品名として「BRUNO ROSSI」が記載されているが、これがいかなる商品であるのかは立証されていない。
また、この納品書において商品名欄に記載されている「BRUNO ROSSI」が仮に商標であるとすれば、この商標がいかなる商品に関し使用されたものかの立証はなされていない。
ウ なお、答弁書によれば、被請求人は、これらの仕入伝票及び納品書に係る商品が製造委託メーカーであるアイティエム社及びトラスト・リーグ社から被請求人に納品されたものであると述べている。仮にそうであるとすれば、このような製造委託メーカーから被請求人への商品販売が、被請求人による本件商標の使用の立証に資するものでないことは明白である。
(2)乙第2号証について
この商品カラータグについては、「いつ」使用されたものであるか、「どこで」使用されたものであるか、及び「誰が」使用したものであるか、についての立証が全くなされていない。
したがって、この商品カラータグが被請求人による日本国内での本件商標の使用を立証するものでないことは明白である。
なお、商品カラータグには、商品がベトナム製であると記載されている。よって、この商品カラータグに係る商品と上記乙第1号証で製造委託メーカーとして示されるアイティエム社及びトラスト・リーグ社から納品された商品とは、無関係である。
(3)乙第3号証について
これらの売上伝票においては、品名欄に「ブルーノロッシビジネスDP」「ブルーノロッシビジネス3WAY」及び「ブルーノロッシ牛ビジネス」が記載されている。
しかし、これらがいかなる商品であるのかは立証されていない。
また、これらの売上伝票において品名欄に記載されているものが仮に商標であるとすれば、これらの商標がいかなる商品に関し使用されたものかの立証はなされていない。
(4)結び
以上要するに、乙第1号証ないし乙第3号証によっては、被請求人が、本件商標を、本件審判請求の登録前3年以内に、日本国内において、本件請求に係る指定商品のいずれかにつき使用したことの立証は、なされていない。
かくして、被請求人の答弁理由には根拠がない。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を「本件商標の商標権者は、継続して本件商標を使用し、全国の鞄専門店等に対し販売活動継続中である。」旨述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第3号証を提出している。

第4 当審の判断
1 被請求人の提出の乙各号証によれば、次のとおりである。
(1)トラスト・リーグ社が被請求人(商標権者)あてに発行したものと認められる2012年1月24日付け「納品書」(乙第1号証)には、「品番」欄に「9104」「2527」及び「2528」の数字が記載され、これに対応する「商品名」欄に「BRUNO ROSSI」の文字が記載されているほか、それぞれに対応する色、数量、単価及び金額が記入されている。
(2)「商品カラータグ」(乙第2号証)は、両面印刷で二つ折りにされるものであり、その裏表紙部分には、上部に「バッグ使用上のご注意」として6つの注意事項が、最下部に「Produced by FUJI」及び電話番号が記載され、表紙部分には中央に大きく「Bruno Rossi」の文字(以下「使用商標」という。)が表示されている。また、二つ折りされる内側には、「No.9104 リュック」及び「No.2527 シングル2ウエイビジネス」「No.2528 2ルーム3ウエイビジネス」の記載とともに、リュックサック及びバッグの写真が掲載され、それぞれの説明が記載されている。
そして、該「商品カラータグ」は、これに記載された「Produced by FUJI」の「FUJI」が被請求人の名称中の「富士」に通じ、電話番号が答弁書に記載された被請求人の電話番号と一致することから、被請求人(商標権者)によって作成されたものとみるのが自然である。
(3)商標権者が顧客あてに発行したものと認められる8通の「売上伝票」(乙第3号証)のうち、右上に「319886」と記載された「(株)多津屋 本店」あての売上伝票には、「発行日付 2012.02.20」の記載があり、「品番」欄に「9104」「2527」及び「2528」と記載され、それぞれに対応した「品名」欄に「ブルーノロッシ ビジネス DP」又は「ブルーノロッシ ビジネス 3WAY」の記載とともに、数量、単価、金額の各欄に記載がある。
同じく右上に「317040」と記載された「(株)大隈鞄店」あての売上伝票には、「発行日付 2012.01.25」の記載があり、「品番」欄に「9104」「2528」及び「2527」と記載され、それぞれに対応した「品名」欄に「ブルーノロッシ ビジネス DP」又は「ブルーノロッシ ビジネス 3WAY」の記載とともに、数量、単価、金額の各欄に記載がある。
さらに、同じく右上に「317161」と記載された「サンペー鞄店 茂原店」あての売上伝票には、「発行日付 2012.01.26」の記載があり、「品番」欄に「2527」「2528」及び「9104」と記載され、それぞれに対応した「品名」欄に「ブルーノロッシ ビジネス DP」又は「ブルーノロッシ ビジネス 3WAY」の記載とともに、数量、単価、金額の各欄に記載がある。
2 上記1からすれば、次の事実を認めることができる。
(1)商標権者は、トラスト・リーグ社から、2012年(平成24年)1月24日に品番が「9104」「2527」及び「2528」の、商品名を「BRUNO ROSSI」とするものを90個又は91個納品を受けた(受領した)。(上記1(1))
(2)商標権者は、品番が「9104」「2527」及び「2528」で、品名を「ブルーノロッシ ビジネス DP」又は「ブルーノロッシ ビジネス 3WAY」とするものを、2012年(平成24年)2月20日に「(株)多津屋 本店」に、同年1月25日に「(株)大隈鞄店」に、及び同月26日に「サンペー鞄店 茂原店」に、各1個販売した(上記1(3))。
(3)そして、乙第1号証及び乙第3号証に記載された品番「9104」「2527」及び「2528」並びに商品名「BRUNO ROSSI」及び品名中の「ブルーノロッシ」は、乙第2号証に記載された「No.9104」「No.2527」及び「No.2528」並びに「Bruno Rossi」と一致するといえることから、上記(1)の納品を受けたもの、及び上記(2)の販売したものは、乙第2号証の「商品カラータグ」に掲載されている「No.9104」「No.2527」及び「No.2528」のリュックサック及びバッグ(以下、これらをあわせて「使用商品」という。)とみるのが相当である。
(4)また、バッグ類の取引においては、その商品の手入れ方法など取り扱い上の注意点を記載した書面を同梱することが一般に行われていることからすれば、上記「商品カラータグ」は、その記載内容や体裁からみて、使用商品に同梱される書面とみるのが相当であり、さらに、使用商品は上記「商品カラータグ」が同梱され取引されていたと推認することができる。
(5)してみれば、商標権者は、トラスト・リーグ社から2012年(平成24年)1月24日に使用商品を受領し、また、同年1月25日、26日及び2月20日に、上記「商品カラータグ」を付した使用商品を譲渡したということができる。
3 判断
(1)使用時期
上記(5)の使用商品を譲渡した平成24年1月25日、26日及び2月20日は、いずれも本件審判請求の登録(登録日は平成24年5月31日)前3年以内である。
(2)使用商品
使用商品「リュックサック」及び「バッグ」は、本件審判の請求に係る指定商品中「第18類 かばん類」の範ちゅうに含まれる商品である。
(3)使用商標
上記1(2)のとおり「Bruno Rossi」の文字からなる使用商標は、上記第1のとおり「BRUNO ROSSI」の文字からなる本件商標と、大文字と小文字の差異があるものの、構成文字を同じくし、「ブルーノロッシ」の称呼を共通にするから、使用商標は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標といえる。
(4)小括
してみれば、商標権者は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内においてその請求に係る指定商品中「第18類 かばん類」の範ちゅうに含まれる「リュックサック」及び「バッグ」に、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付して譲渡した(商標法第2条第3項第2号)というべきである。
なお、乙第3号証の「売上伝票」の品名欄の記載中「ブルーノロッシ」の文字部分は、商品を特定するとともに、自他商品の識別標識たる商標としても機能するものであり、かつ、本件商標と称呼が一致するものであって、社会通念上同一といえるものである。そして、該「売上伝票」は、商品の取引において用いられるものであり取引書類の範ちゅうに含まれるものといえ、かつ、各取引ごとに使用されるものであるから、商標権者は、使用商品に関する取引書類に本件商標を付して頒布した(商標法第2条第3項第8号)ともいうことができる。
4 まとめ
以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者がその請求に係る指定商品について本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)の使用をしていることを証明したというべきである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すべきではない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2012-11-13 
結審通知日 2012-11-15 
審決日 2012-11-27 
出願番号 商願平2-133112 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (1141821)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 森吉 正美
特許庁審判官 梶原 良子
堀内 仁子
登録日 1992-11-30 
登録番号 商標登録第2481383号(T2481383) 
商標の称呼 ブルーノロッシー 
代理人 仲野 孝雅 
代理人 永井 道雄 

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