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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない X25
管理番号 1272637 
審判番号 取消2012-300364 
総通号数 161 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2013-05-31 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2012-05-09 
確定日 2013-04-05 
事件の表示 上記当事者間の登録第1319336号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第1319336号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、昭和49年1月14日に登録出願、第22類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同53年1月13日に設定登録され、その後、同62年12月14日、平成9年9月24日及び同19年10月30日の3回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、同20年5月28日に指定商品を第6類「つえ用金属製石突き」、第14類「貴金属製靴飾り」、第18類「傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄」、第21類「靴ブラシ,靴べら,靴磨き布,軽便靴クリーナー,シューツリー」、第22類「靴用ろう引き縫糸」、第25類「履物」及び第26類「靴飾り(貴金属製のものとを除く。),靴はとめ,靴ひも,靴ひも代用金具」とする指定商品の書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録は、平成24年5月25日にされたものである。

2 請求人の主張
請求人は、本件商標の指定商品中、第25類「履物(「靴会わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具」を除く。)」(以下「請求に係る商品」という。)についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求めると申し立て、その理由を次のように述べた。
本件商標は、その指定商品中、請求に係る商品について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。

3 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁(平成24年7月6日付け答弁書)し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第10号証(枝番を含む。)を提出した。
(1)本件商標の使用の事実
ア 使用者
「商品カタログ」(乙第1号証及び乙第2号証)、「中日フォーラム」(乙第3号証及び乙第4号証)、「売上伝票(控)」(乙第5号証)並びに「2012年暑中特集号発刊のご案内とお願い」(乙第6号証)には、いずれも「株式会社ニシベケミカル」、「御所市元町375」が表示されており、該住所表示は、商標権者の住所と同一である。
また、株式会社中日フォーラムから株式会社ニシベケミカル(以下「ニシベケミカル」という。)にあてた書状(乙第6号証)には、被請求人(商標権者)がニシベケミカルの社長である旨の記載があり、ニシベケミカルの「履歴事項全部証明書」(乙第7号証の1)には、被請求人(商標権者)がニシベケミカルの代表取締役であることが記載されている。
本件商標は、商標権者が個人会社の経営者であった時から継続的に使用され、ニシベケミカル設立後は、同社にて製造販売を行っているものであって、その間、他社に使用許諾等を行わず専用的にニシベケミカルが使用を行ってきた。一方、ニシベケミカルの代表取締役社長は、創業時より商標権者であるから、商標権者とニシベケミカルは、同一のものであり、同一視できない場合であっても、商標権者が代表取締役であるニシベケミカルが長年にわたって本件商標を使用しており、その使用に対して商標権者が異を唱えていない事実がある以上、商標権者がニシベケミカルに対し、商標権使用許諾契約を締結していないとしても、実質的に使用権を許諾していることにほかならない。
イ 使用に係る商品
商品カタログ(乙第1号証)には、請求に係る商品の製品名である「VIC」及びその品番「No.600」が記載されており、そこには、「VIC&Charming」と記載されているところ、「VIC」は、男性用履物全体を示すシリーズの名称であり、「Charming」(登録第1655001号商標)は、女性用履物全体を示すシリーズの名称である。
また、商品カタログ(乙第2号証)には、請求に係る商品の製品名である「VIC」及びその品番「No.510」、「No.550」、「No.607」、「No.803」及び「No.1200」が記載され、「本商標使用写真」(乙第8号証)には、前記品番の男性用履物「VIC」製品表面に「VIC」の商標が成型時に刻印されている。
ウ 使用に係る商標
乙第1号証ないし乙第4号証及び乙第6号証には、本件商標が記載されている。
乙第8号証からは、製品表面に本件商標が成型刻印されていること、「製品製造工程写真」(乙第9号証)及び「金型写真」(乙第10号証)からは、金型表面に本件商標が加工されていることがわかる。
エ 使用の時期
乙第3号証には、「発行日 平成23年1月11日」と記載され、乙第4号証には、「発行日 平成24年2月11日」と記載されている。
乙第5号証は、本件商標が使用された男性用履物の「No.510」に係る売上伝票(控)であり、「2009年6月15日」、「2010年7月3日」、「2011年6月2日」、「2012年4月3日」及び「2012年6月26日」と記載されている。
乙第6号証は、平成24年6月19日付けの消印の封筒と書状であって、その書状には、「参考までに、昨年同時期(前回)に頂戴しました広告原稿を添付いたしました。ご加筆訂正いただければ幸いです。」の記載があり、該文面から判断すれば、平成23年6月には、本件商標が使用されていたことを示すものである。
(2)むすび
以上のとおり、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者及び商標権者と同一視できるニシベケミカル、あるいは、事実上商標権者より本件商標の使用について許諾されているニシベケミカルにより請求に係る商品について使用されていたものである。

4 当審の判断
(1)被請求人の提出に係る平成24年7月6日付け答弁書における乙各号証によれば、以下の事実を認めることができる。
ア 乙第7号証の1は、ニシベケミカルの「履歴事項全部証明書」(平成24年7月3日付け奈良地方法務局葛城支局登記官証明)であるところ、該証明書には、本店所在地として「奈良県御所市大字元町375番地」の記載があり、また、「西辺豊彦」が、代表取締役として、平成19年3月7日、同21年3月11日及び同23年3月9日に重任登記されている。
イ 乙第2号証は、商品カタログであって、「株式会社ニシベケミカル」及び「奈良県御所市元町375」の記載とともに、「2012 SPRING&SUMMER」、「抗菌衛生サンダル」の記載があり、「紳士」欄に掲げられた各商品中の「No.510」に係る商品については、「Aセット」及び「Bセット」(「A」及び「B」は、○の中に記載されている。)、「(S・LL・3Lもあります)」の記載がある。
ウ 乙第5号証は、ニシベケミカル発行の「(株)イマムラ」にあてた「売上伝票(控)」(5通)であり、それらには、「09年6月15日」、「10年7月3日」、「11年6月2日」、「12年4月3日」及び「12年6月26日」の日付の記載及び商品名の欄に「No.510 B LL」や「No.510B」の記載がある。
エ 乙第8号証の中央には、「品番 No.510」の成型された製品としての写真があり、本件商標が刻印され、その構成中「I.C」の上部に「SANDAL」の文字が付されている。
(2)上記(1)で認定した事実によれば、以下のとおり判断するのが相当である。
ア 商標権者は、少なくとも平成19年3月ないし同23年3月の間、ニシベケミカルの代表取締役を努めており、また、ニシベケミカルによる本件商標の使用について商標権者が異を唱えていないことからすれば、商標権者は、少なくとも当該期間において、ニシベケミカルに対し、本件商標の使用について、黙示的に通常使用権を許諾していたと推認できる。
してみれば、ニシベケミカルは、本件商標の通常使用権者であるといえる。
イ ニシベケミカルは、本件審判の請求の登録前3年以内の「2009年6月15日」、「2010年7月3日」、「2011年6月2日」及び「2012年4月3日」に、「(株)イマムラ」に対して「No.510」のサンダルを販売したものといえる。
ウ 「No.510」のサンダルには、本件商標と外観において同視できる商標及びその構成中「I.C」の上部に「SANDAL」の文字が付されているところ、該「SANDAL」の文字は、請求に係る商品中の「サンダル」を表示する語であるから、「No.510」のサンダルに付された商標は、本件商標と社会通念上同一といえる。
(3)以上によれば、通常使用権者は、本件審判の請求の登録(平成24年5月25日)前3年以内に日本国内において、請求に係る商品中の「サンダル」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付して販売したものと認めることができる。
(4)むすび
以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者が本件審判の請求に係る指定商品中の「サンダル」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしていたことを証明したと認め得るところである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
本件商標



審理終結日 2012-11-12 
結審通知日 2012-11-15 
審決日 2012-11-28 
出願番号 商願昭49-7046 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (X25)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 寺光 幸子
特許庁審判官 田中 敬規
吉野 晃弘
登録日 1978-01-13 
登録番号 商標登録第1319336号(T1319336) 
商標の称呼 ブイアイシイ 
代理人 日比 紀彦 
代理人 松村 直都 
代理人 岸本 瑛之助 
代理人 渡辺 彰 
代理人 吉川 俊雄 

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