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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
異議2012900292 審決 商標
異議2012900220 審決 商標
異議2012900307 審決 商標
異議2012900265 審決 商標
異議2012900206 審決 商標

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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X09
管理番号 1271292 
異議申立番号 異議2012-900309 
総通号数 160 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2013-04-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2012-10-29 
確定日 2013-03-22 
異議申立件数
事件の表示 登録第5509659号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5509659号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5509659号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成23年12月13日に登録出願、第9類「コンピュータシステムによる監視とプロセス制御(製造、生産、発電などの工業プロセス。水、石油、ガス、送電網、通信システムなどの社会インフラ。ビルディング、空港、船舶、宇宙ステーションなどの設備における空調、アクセス、エネルギー消費などの監視。)のための、高度携帯情報端末を用いた、一連のコンピュータシステム用ソフトウエア」を指定商品として、同24年6月20日に登録査定、同年7月27日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由
(1)商標法第3条第1項第3号該当性
本件商標は、別掲のとおり、「スマート・スキャダ」、「スマートスキャダ」、「スマートSCADA」、「Smart SCADA」及び「SMART SCADA」の各文字を5段に書してなるところ、該各文字を構成する「スマート」及び「Smart(SMART)」の文字は、「コンピュータ制御により状況に応じた対応をする」等の意味を有するものであり(甲第1号証ないし甲第3号証)、同じく、「スキャダ」及び「SCADA」の文字は、「監視制御システム」等の意味を有するものである(甲第4号証ないし甲第7号証)ことからすれば、上記各文字からは、いずれも「コンピュータ制御による監視制御システム」といった一連の意味を容易に看取し得るものである。
また、本件商標の指定商品は、前記1のとおりであるところ、そのうちの「コンピュータシステムによる監視とプロセス制御(製造、生産、発電などの工業プロセス。水、石油、ガス、送電網、通信システムなどの社会インフラ。ビルディング、空港、船舶、宇宙ステーションなどの設備における空調、アクセス、エネルギー消費などの監視。)のための、高度携帯情報端末を用いた、一連のコンピュータシステム」とは、上記「スキャダ」及び「SCADA」の文字が有する意味に合致するものであるから、該指定商品は、「SCADA用ソフトウェア」にほかならないものである。
さらに、上記「SCADA」に該当するシステムを構築する機能を有するソフトウェア、換言すれば、同システムを用途とするソフトウェアは、「SCADAソフトウェア」あるいは「SCADAソフト」などと称されて、種々の事業者により取り扱われている実情がある(甲第8号証ないし甲第13号証)。
加えて、別の審査事案においては、「SmartSCADA」の語は、「SCADAシステム用のコンピュータ及びコンピュータプログラム」といった商品との関係では、単に商品の品質、機能を表示するにすぎないとの拒絶の理由をもって、拒絶査定がされている(甲第14号証)。
してみれば、本件商標をその指定商品について使用しても、これに接する取引者、需要者は、単にその商品が「コンピュータ制御による監視制御システムを構築する機能を有するソフトウェア又はかかるシステム用のソフトウェア」であることを表したものとして認識し、単に商品の品質(機能)又は用途を直接的に表す語のみからなるものと理解するにとどまるから、本件商標は、その全体として、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものである。
(2)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、その登録は、同法第43条の2第1号により、取り消されるべきものである。

3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本件商標は、別掲のとおり、「スマート・スキャダ」、「スマートスキャダ」、「スマートSCADA」、「Smart SCADA」及び「SMART SCADA」の各文字を5段に書してなるところ、各段を構成する文字は、それぞれ同じ書体及び大きさをもって表されており、また、各段の文字の配置と相まって、「スマート」の片仮名は「Smart(SMART)」の欧文字の読みを、「スキャダ」の片仮名は「SCADA」の欧文字の読みを、それぞれ表したものと容易に理解されるものであることからすれば、本件商標は、上記5段からなる文字構成全体が、視覚上、一体的にまとまりのあるものとして看取、把握され得るとみるのが相当であり、いずれかの文字部分をもって分離して観察されるとはいい難いものである。
また、「スマート」及び「Smart(SMART)」の各語は、申立人の提出に係る甲第1号証ないし甲第3号証にも記載されているとおり、多種多様な意味を有する外来語及び英語として、一般に広く慣れ親しまれているものである。
そうとすると、たとえ本件商標の構成中の「スマート」及び「Smart(SMART)」の各文字が、「コンピュータ制御により状況に応じた対応をする」の意味を有するものとして、同じく、「スキャダ」及び「SCADA」の各文字が、「リモート監視・制御システム」を指称する「Supervisory Control And Data Acquisition」の略語として、それぞれ一般に用いられることがあるとしても、上記のとおり、これらを一体的にまとまりよく表してなる本件商標について、これに接する者が、直ちに申立人が述べるような具体的な品質、用途を表示するものとして認識するとまではいい難く、むしろ、その構成全体をもって、特定の意味合いを想起させることのない一種の造語からなるものとして認識するとみるのが相当である。
してみれば、本件商標をその指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、これが商品の品質、用途を表示したものとして認識することはないといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものではない。
(2)申立人の主張について
申立人は、本件商標を構成する「スマート」及び「Smart(SMART)」並びに「スキャダ」及び「SCADA」の各文字の意味に照らせば、「コンピュータ制御による監視制御システム」といった一連の意味を容易に看取し得るものであり、また、該「SCADA」に該当するシステムを用途とするソフトウェアが「SCADAソフトウェア」あるいは「SCADAソフト」などと称されて取り扱われている実情からすれば、本件商標は、商品の品質(機能)又は用途を直接的に表す語のみからなるにすぎない旨主張し、甲第1号証ないし甲第13号証を提出しているところ、該甲各号証において、本件商標の構成全体はもとより、その構成中の各段の文字と同一の文字構成からなる表示が使用されている事実は見いだせず、「スマート」及び「Smart(SMART)」並びに「スキャダ」及び「SCADA」の各文字の意味を看取できるにとどまることからすれば、その構成全体をもって、一体的にまとまりのあるものとして看取、把握され得る本件商標から、申立人の主張するような意味を容易に看取するとは認められない。
また、申立人は、自己の登録出願に係る「SmartSCADA」が「SCADAシステム用のコンピュータ及びコンピュータプログラム」といった商品との関係では、単に商品の品質、機能を表示するにすぎないとの拒絶の理由をもって拒絶査定がされたとして、該登録出願に対する拒絶理由通知書(甲第14号証)を提出しているところ、職権をもって調査した結果によれば、該登録出願は、その後、意見書の提出もなく、拒絶をすべき旨の査定が確定しているものであり、法的な最終判断を経ているものではないから、このような審査における一例が、本件商標についての識別性の有無の判断にそのまま当てはまるものとはいい難い。
そして、申立人の提出に係る証拠を総合してみても、本件商標が、その指定商品との関係において、商品の品質、用途を表すものであることを認めるに足る事実は見いだせない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
本件商標


異議決定日 2013-03-13 
出願番号 商願2011-93892(T2011-93892) 
審決分類 T 1 651・ 13- Y (X09)
最終処分 維持  
前審関与審査官 海老名 友子 
特許庁審判長 寺光 幸子
特許庁審判官 酒井 福造
田中 敬規
登録日 2012-07-27 
登録番号 商標登録第5509659号(T5509659) 
権利者 ファーストシステム株式会社
商標の称呼 スマートスキャダ、スマートスカダ 
代理人 加藤 恒 

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