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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
異議2012900307 審決 商標
異議2012900220 審決 商標
異議2012900265 審決 商標
異議2012900206 審決 商標
異議2012900292 審決 商標

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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X30
審判 全部申立て  登録を維持 X30
管理番号 1271282 
異議申立番号 異議2012-900250 
総通号数 160 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2013-04-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2012-08-27 
確定日 2013-03-07 
異議申立件数
事件の表示 登録第5495845号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第5495845号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5495845号商標(以下「本件商標」という。)は,「清太のたまじ」の文字を標準文字で表してなり,平成23年11月14日に登録出願,第30類「コーヒー及びココア,茶,米,脱穀済のえん麦,脱穀済の大麦,食用粉類,穀物の加工品,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,菓子及びパン,即席菓子のもと」を指定商品として,同24年4月11日に登録査定,同年5月25日に設定登録されたものである。

2 本件登録異議申立ての理由
本件登録異議申立人(以下「申立人」という。)は,その理由を以下のように述べ,証拠方法として,甲第1号証ないし甲第7号証(枝番号を含む)を提出した。
(1)商標法第3条第1項第3号について
本件商標は,「清太のたまじ」の文字からなるものであって,「セイダノタマジ」の称呼を生ずるものである。「せいだのたまじ」は,山梨県上野原市おける「小粒のジャガイモを味噌で煮詰めた料理」の名称として広く知られているものであり(甲2?7),「清太のたまじ」の「清太」は,江戸時代の武士「中井清太夫」からきている。「中井清太夫」は,飢饉に備え「じゃがいも」の栽培を督励して地域社会に貢献したことから,その芋が「清太夫芋」とよばれ,転じて「清太芋」から「せいだいも」になったのである。
このように,「清太のたまじ」は,「せいだのたまじ」のことである。
(2)商標法第4条第1項第16号について
前記のとおり,「せいだのたまじ」は,山梨県上野原市おける「小粒のジャガイモを味噌で煮詰めた料理」の名称として広く知られているから,これと類似する本件商標がその指定商品に使用された場合,商品の出所について混同するおそれがある。

3 当審の判断
(1)本件商標は,「清太のたまじ」の文字からなるところ,その構成中の「清太」の部分は,人の名前を表したものであって,「セイタ」又は「キヨタ」と読まれるものとみるのが自然である。
そうすると,本件商標は,「セイタノタマジ」又は「キヨタノタマジ」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものとみるのが相当である。
(2)これに対し,申立人は,本件商標が山梨県上野原市に伝わる「小粒のジャガイモを味噌で煮詰めた料理」を意味する「せいだのたまじ」と同義であることを前提に,本件商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する旨主張する。
そこで以下,当該申立人の主張について検討する。
申立人の提出した証拠及び職権による調査によれば,「せいだのたまじ」は,山梨県上野原市に江戸時代から伝わる「小粒のジャガイモを味噌で煮詰めた料理」を表したものであって,そのうちの「せいだ」は,飢饉に苦しむ農民にジャガイモの栽培を広めた名代官中井清太夫(なかいせいだゆう)の名前にちなんで名付けられたものであること,また,「たまじ」は,主に上野原市の棡原地区や西原地区などで呼ばれていた小粒のジャガイモのことであることが認められる。
そして,その「せいだのたまじ」と称する料理が「せいだ」と「たまじ」の語の由来と共に,山梨県や上野原市のホームぺージのほか,ふるさと紹介や料理に関する各種のテレビ番組,雑誌,新聞などで紹介され,公立小学校・中学校のメニューとしても取り上げられていることなどが認められる。
そうすると,「せいだのたまじ」は,「小粒のジャガイモを味噌で煮詰めた料理」の名称として,本件商標の登録時において,地元である山梨県民に限らず,一般の人達にも相当程度知られていたものということができる。
しかしながら,その使用例は,いずれも「せいだのたまじ」の平仮名のみであって,本件商標と同じ「清太のたまじ」の使用例は皆無である。
そして,「せいだ」は,中井清太夫にちなんで名付けられたとされるが,中井清太夫の広めたジャガイモが「清太芋」と呼ばれ,これが転じて「せいだ」となったとあるように,その名前から直接由来するものではない。
また,「清太」は,そもそも中井清太夫の名前「清太夫」と相違し,前記のとおり,人の名前として一般に「セイタ」又は「キヨタ」と読まれるものであることから,これから「清太夫(せいだゆう)」の読みの一部である「セイダ」の読みが連想・想起されるとは言い難い。
してみれば,本件商標は,これから,直ちに料理名である「せいだのたまじ」を認識するとはいえない。
また,仮に,本件商標から料理名である「せいだのたまじ」を連想する場合があるとしても,本件商標の指定商品は,「コーヒー及びココア,茶,米,脱穀済のえん麦,脱穀済の大麦,食用粉類,穀物の加工品,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,菓子及びパン,即席菓子のもと」であって,いずれの商品も「小粒のジャガイモを味噌で煮詰めた料理」との関連を見いだすことはできない。
してみれば,本件商標は,これをいずれの指定商品について使用しても,その取引者,需要者が商品の品質等を表したと認識するものではなく,自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであり,また,商品の品質について誤認を生じさせるおそれもないものといわなければならない。
したがって,本件商標は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当しない。
(3)以上のとおり,本件商標は,商標法第3条第1項第3号,同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものではないから,同法第43条の3第4項の規定により,その登録を維持すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
異議決定日 2013-02-27 
出願番号 商願2011-81585(T2011-81585) 
審決分類 T 1 651・ 272- Y (X30)
T 1 651・ 13- Y (X30)
最終処分 維持  
前審関与審査官 藤平 良二 
特許庁審判長 鈴木 修
特許庁審判官 小林 由美子
小川 きみえ
登録日 2012-05-25 
登録番号 商標登録第5495845号(T5495845) 
権利者 株式会社桔梗屋
商標の称呼 セーダノタマジ、セータノタマジ、セーダ、セータ、タマジ、キヨタノタマジ 
代理人 土橋 博司 

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