ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 査定不服 商4条1項15号出所の混同 取り消して登録 X0620 |
---|---|
管理番号 | 1271240 |
審判番号 | 不服2012-19705 |
総通号数 | 160 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2013-04-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2012-10-05 |
確定日 | 2013-03-27 |
事件の表示 | 商願2011- 86274拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、第6類「金属製郵便受け」及び第20類「郵便受け(金属製又は石製のものを除く。)」を指定商品として、平成23年12月1日に登録出願されたものである。 2 原査定の拒絶の理由の要点 原査定は、「本願商標は、『D‐ALL』の文字をややデザイン化して表してなるところ、その構成文字全体よりは、『ディーオール』の称呼を生ずるものであるが、該称呼は、ファッション関連商品で有名なフランスのクリスチャン ディオール クチュール(フランス国75008 パリ アヴニュ モンテーニュ 30)の所有する著名な商標である『Dior』より生じる『ディオール』の称呼と酷似するものである。してみれば、このような商標を出願人が本願指定商品に使用する場合、取引者・需要者が上記企業もしくはこれと何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものと認める。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 本願商標は、別掲のとおりの構成よりなるところ、その態様はややデザイン化されたものであるとしても、この程度のデザイン化技法は普通に用いられているものであり、容易に「D」及び「ALL」の欧文字及び「‐」(ハイフン)よりなるものと看取されるところ、その構成態様は、統一感のあるデザインで外観上まとまりよく一体的に構成されているものであって、その構成文字に相応して、「ディーオール」の称呼を生じ、特定の観念は生じない一種の造語というのが相当である。 他方、原審が引用する「クリスチャン ディオール」の商標である「Dior」(以下「引用商標」という場合がある。)は、「被服、香水」等の商品に使用されて世界的にも著名な商標であると認められるものである。 そして、引用商標は、「Dior」の欧文字よりなるところ、これよりは、その構成文字に相応して、「ディオール」の称呼を生じ、その著名性から「クリスチャン ディオール」というブランド名の観念を生じるものというのが相当である。 そこで、本願商標と引用商標とを対比するに、外観においては、本願商標は、「D‐ALL」の構成態様が統一感のあるデザインで特徴的にまとまりよく表されているものであって、これに接する取引者、需要者は、その外観に強い印象を受け、その構成態様の「D‐ALL」として記憶されるということができる。他方、引用商標は、「Dior」の文字のつづりからなるものである。 そうとすれば、両者は、外観において明らかに相違し顕著な差異を有するものであるから、互いに区別し得る別異の商標と認められる。 次に、称呼においては、本願商標からは、「ディーオール」の称呼を生じ、他方、引用商標からは、「ディオール」の称呼を生ずるものであるから、両者は、語頭の「ディ」の音に続く長音「ー」の有無において相違するものであって、その差は微差にすぎないものであるから、称呼上互いに類似するものである。 さらに、観念においては、本願商標は、特定の観念が生じないものであるから、引用商標とは観念において比較することができない。 そうすると、本願商標と引用商標とが称呼上類似する場合があるとしても、両商標は、文字構成を異にするばかりでなく、外観において顕著な差異があり、全く異なる印象を有するものであって、観念上も十分識別が可能なものである。 そして、本願商標をその指定商品に使用した場合、該商品が「クリスチャン ディオール」又は同社と関係のある者の業務に係る商品であるかのごとく、商品の出所について混同を生ずるか否かについて判断するに、本願商標と引用商標とは、上記のとおり、別異の商標として認識されるものであるから、本願商標をその指定商品に使用しても、引用商標を連想し、想起するものということはできないから、商品の出所について混同を生ずるおそれはないものと判断するのが相当である。 したがって、本願商標が、商標法第4条第1項第15号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当でなく、取り消しを免れない。 その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲(本願商標) |
審決日 | 2013-03-11 |
出願番号 | 商願2011-86274(T2011-86274) |
審決分類 |
T
1
8・
271-
WY
(X0620)
|
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 蛭川 一治 |
特許庁審判長 |
関根 文昭 |
特許庁審判官 |
山田 和彦 井出 英一郎 |
商標の称呼 | デイオール、オール、エイエルエル |
代理人 | 若林 擴 |