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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X33 審判 全部申立て 登録を維持 X33 審判 全部申立て 登録を維持 X33 |
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管理番号 | 1269693 |
異議申立番号 | 異議2012-900270 |
総通号数 | 159 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2013-03-29 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2012-09-05 |
確定日 | 2013-02-08 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5500108号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5500108号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5500108号商標(以下「本件商標」という。)は、「玉雫」の漢字を大きく縦書きにし、その右側に「たましずく」の平仮名を縦書きしてなるものであり、平成23年10月21日に登録出願、第33類「日本酒,洋酒,果実酒(ぶどう酒を除く。),玉しずく種のぶどうを使用したぶどう酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として、平成24年4月6日に登録査定、同年6月15日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人が引用する、登録第5462691号商標(以下「引用商標」という。)は、上段に「珠の雫」の文字を大きく横書きし、下段に「たまのしずく」の平仮名を横書きしてなるものであり、平成23年8月9日に登録出願、第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として、平成24年1月13日に設定登録されたものである。 3 登録異議の申立ての理由 (1)本件商標の構成中の「玉」の文字は、「美しい宝石類」「真珠。しらたま。」「美しいもの。大切なもの。」「まるいもの。球形のもの。」「手段に使用するもの」等の意味を有する多義語として我が国で親しまれた語であるが(甲3の1)、「水などの、液体がしたたり落ちる粒」の意味で親しまれた「雫」「しずく」の語(甲3の2)と組み合わされるときには、「まるいもの。球形のもの。まるい形をした露・涙などの一しずく」を意味するものとして理解、認識されるものである。 したがって、「玉雫」の文字と「たましずく」の平仮名を二列に縦書きしてなる本件商標は、その構成全体から「まるい形をした露・涙などの液体がしたたり落ちる粒」ほどの意味合いを生じるものである。 よって、本件商標は,その構成文字に相応して「タマシズク」の称呼を生じ、「まるい形をした露・涙などの液体がしたたり落ちる粒」の観念を生じるものである。 (2)引用商標は、その構成中の「珠」の文字が、広辞苑において、本件商標を構成する「玉」の語と同じ項目に並列して記載されていることからも明らかなように、「玉」の語の同義語として我が国では親しまれているものである。 したがって、「玉」の語は、「水などの、液体がしたたり落ちる粒」の意味で親しまれた「雫」「しずく」の語と組み合わされるときには、「まるいもの。球形のもの。まるい形をした露・涙などの一しずく」を意味するものとして理解、認識されるものであるため、引用商標は、本件商標と同様に「まるい形をした露・涙などの液体がしたたり落ちる粒」ほどの意味合いを生じるものである。 よって、引用商標は,その構成文字に相応して「タマノシズク」の称呼を生じ、「まるい形をした露・涙などの液体がしたたり落ちる粒」の観念を生じるものである。 (3)本件商標と引用商標の比較 まず、本件商標と引用商標の外観についてみると、両商標は、その構成において大きく顕著に表された「雫」の漢字及び「たま」「しずく」の平仮名を共通にしているため、その外観において近似した印象を与えるものであり、相紛らわしく類似する。 また、本件商標の「タマシズク」の称呼と引用商標の「タマノシズク」の称呼とは、5音を共通にし、わずかに中間にある「ノ」の音の有無の差異にすぎず、この差異が両称呼全体に及ぼす影響は小さいものであって、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、全体の語感、語調が極めて近似したものとなり、相紛らわしく類似する。 さらに、本件商標と引用商標は、「まるい形をした露・涙などの液体がしたたり落ちる粒」の観念を共通にするものである したがって、本件商標と引用商標は、その外観及び称呼において相紛らわしく類似し、観念を共通にする類似の商標である。 そして、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品は、同一又は類似である。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、その登録は、同法43条の2第1号により取り消されるべきものである。 4 当審の判断 (1)本件商標は、「玉雫」の文字を大きく表し、その読みを特定するものであるように「たましずく」の文字をやや小さく書してなるものであるから、「タマシズク」の称呼を生ずる。そして、「玉雫」の文字は、成語ではないものの、「玉」及び「雫」の各漢字の意味合いから、「まるい形をしたしずく(露・涙などの液体がしたたり落ちる粒)」ほどの観念を生じさせるものである。 (2)引用商標は、「珠の雫」の文字を大きく表し、その読みを特定するものであるように「たまのしずく」の文字をやや小さく書してなるものであるから、「タマノシズク」の称呼を生ずる。そして、観念については、広辞苑第6版(甲3の1)の「たま【玉・珠・球】」の項に「(1)美しい宝石類。(2)真珠。しらたま。(3)美しいもの。大切なもの。(4)まるいもの。球形のもの。ア)まり。ボール。イ)鉄砲の弾丸 ウ)・・・カ)そろばんの、動かす部分 キ)・・・*一般には「玉」と書き、(1)(2)(4)カ)では、「珠」も用いる。」などと記載されているように、「珠」の文字は、美しい宝石類や真珠等を意味する場合に使用される語(漢字)であるから、「美しい宝石(真珠)のようなしずく」(露・涙などの液体がしたたり落ちる粒)」ほどの観念を生じさせるものである。 (3)本件商標と引用商標の類否について まず、外観について検討するに、本件商標の「玉雫」と引用商標の「珠の雫」(以下、両者の前記部分を「漢字部分」という。)とは、「雫」の文字を共通にするが「玉」の部分と「珠の」の文字において顕著に相違するものであり、また、本件商標の「たましずく」と引用商標の「たまのしずく」とは、「の」の文字を除いて共通する文字よりなるものであるが、上記漢字部分が顕著に大きく表され、両商標の平仮名部分は、上記漢字部分の読みを特定する程度のものと印象されるものであることからすると上記漢字部分の相違が外観上の印象に与える影響は大きく、本件商標と引用商標とは、外観上、明確に区別できるものである。 また、本件商標から生ずる「タマシズク」の称呼と引用商標から生ずる「タマノシズク」の称呼とは、「タ」「マ」「シ」「ズ」「ク」の5音を共通にし、後者の称呼中の中間に位置する「ノ」の音の有無の差異を有するが、当該音は、助詞「の」の音であり、助詞であることにより明確に発音される場合が多いから、両者は、称呼上、相紛れるおそれはないものといえる。 そして、本件商標は、「まるい形をしたしずく」の観念を生じ、引用商標は、「美しい宝石(真珠)のようなしずく」の観念を生じるものであるから、観念において、両者は、相紛れるおそれはない。 その他、本件商標と引用商標とが類似するとみるべき特段の事由は存しない。 してみれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。 したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2013-01-31 |
出願番号 | 商願2011-79494(T2011-79494) |
審決分類 |
T
1
651・
261-
Y
(X33)
T 1 651・ 262- Y (X33) T 1 651・ 263- Y (X33) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 薩摩 純一、冨澤 美加 |
特許庁審判長 |
内山 進 |
特許庁審判官 |
梶原 良子 小俣 克巳 |
登録日 | 2012-06-15 |
登録番号 | 商標登録第5500108号(T5500108) |
権利者 | 神結酒造株式会社 |
商標の称呼 | タマシズク |
代理人 | 東尾 正博 |
代理人 | 小山 義之 |
代理人 | 鎌田 文二 |