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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
異議2013900089 審決 商標
異議2013900041 審決 商標
異議2012900292 審決 商標
異議2012900372 審決 商標
異議2012900296 審決 商標

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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X01
管理番号 1269691 
異議申立番号 異議2012-900245 
総通号数 159 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2013-03-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2012-08-22 
確定日 2013-02-02 
異議申立件数
事件の表示 登録第5495517号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5495517号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
登録第5495517号商標(以下「本件商標」という。)は、「アースパワー」の片仮名を標準文字で表してなり、平成23年12月19日に登録出願、第1類「肥料,堆肥,馬糞を主原料とする堆肥」を指定商品として、同24年4月19日に登録査定、同年5月25日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当するから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきものであると申立て、その理由を以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第21号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第15号について
ア 「パワー」の文字について
「パワー」の文字部分は、「力、能力、体力」等を意味するありふれた一般的な日常語であり、肥料の分野では「生育を促進する力がある」等の意味を表すために、従来の商標に形容詞的に付加して使用されることもしばしば見受けられるところであるから、識別標識としての機能があるとは認められない。そして、「パワー」の文字は、これを商品に使用するときは、単に「力、効果のあるもの」程度の意味を想起させるにすぎず、識別機能は有しない語として認識されるものである。
イ 「アース」の著名性について
「アース」の文字からなる標章は、申立人が所有する登録第2353757号の防護標章として登録されている(甲2)ことから、「アース」の文字からなる商標(以下「申立人商標」という。別掲)は、商品や役務が類似していなくとも、商品役務の出所の混同を来す程の強い識別力を備えていること、すなわち、そのような程度に至るまでの著名性を有している商標であるといえる。
また、申立人商標は、同人が商品「殺虫剤、蚊取線香」に使用して、本件商標の登録出願前から取引者、需要者間に広く認識されている商標(ブランドロゴ)であることは顕著な事実であって、かつ、その状態が現時点においても継続しているものである。
ウ 出所の混同のおそれについて
本件商標は「アースパワー」の文字からなるところ、その構成全体をもって、特定の意味合いを想起させるものとは認められないこと、構成後半部の「パワー」部分は、前記のとおり、識別標識としての機能があるとは認められず、また、構成前半部の「アース」の文字は、申立人(アース製薬株式会社)が本件商標の登録出願前から取引者、需要者間に広く認識されている商標を理解するものであることからすると、構成全体を常に一体不可分のものとしてのみ把握しなければならない特別の事情も見出せないものである。
そうすると、本件商標に接する取引者、需要者は、本件商標構成後半の「パワー」の文字部分を単に形容詞的な表示として認識し、自他商品の識別標識としての機能を有しないか、極めてか弱い語であると捉え、構成前半部の「アース」の文字に注目し、当該「アース」の文字を周知著名な商標(登録防護商標と類似の商標)として認識するものである。
してみれば、本件商標をその指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、その構成中前半部の「アース」の文字部分に強く印象づけられ、周知著名な商標「アース」を連想、想起し、その商品が申立人あるいは同人と経済的又は組織的に何等かの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
そうすると、本件商標は、他人の著名な商標を一部に有する商標であり、商標法第4条第1項第15号に該当する。

3 当審の判断
(1)本件商標について
本件商標は、前記1のとおり、「アースパワー」の文字を標準文字により、同書、同大、等間隔に外観上まとまりよく一体的に表されているものであり、これより生ずる「アースパワー」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。
そして、「アース」の文字は「大地、土」等を意味する語として一般に知られているものであり、「パワー」の文字は「力、能力」等を意味する語として、日常的に使用されている語であること、また、指定商品との関係においては、肥料は、作物を育てるために耕作地の地力回復・向上のために使用されるものであることからすると、「アースパワー」の文字は、「大地の力」程度の一体的な意味合いを容易に認識させるものといえる。
しかして、本件商標中の「パワー」の文字が捨象され、「アース」の文字部分が要部であるとすべき理由があるということもできず、また、他に構成中の「アース」の文字部分のみが独立して認識されるとみるべき特段の理由や事情は見いだせない。
そうとすれば、本件商標は、その構成全体をもって一体のものとして認識されるものであって、構成文字全体に相応して「アースパワー」の称呼のみを生ずるというのが相当であり、「大地の力」の観念を生ずるものといえる。
この点について、申立人は、「パワー」の文字部分は、「力、能力、体力」等を意味するありふれた一般的な日常語であり、肥料の分野では「生育を促進する力がある」等の意味を表すために、従来の商標に形容詞的に付加して使用されることもしばしば見受けられるところであるから、これを商品に使用するときは、単に「力、効果のあるもの」程度の意味を想起させるにすぎず、識別機能は有しないなどとして、本件商標は、一体不可分の商標でない旨主張している。
しかしながら、「パワー」の語は「力、能力」の意味を有し、「○○パワー」のように使用され、「○○の力」というような一体的な意味合いを認識させるものであり、本件商標においても「大地の力」という意味合いを容易に認識させるものであり、本件商標は、構成全体をもって一体不可分の商標とみるのが相当であるから、申立人の主張は採用できない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人商標は、「アース」の文字よりなるものであり、「アースパワー」と表してなる本件商標とは、商標自体が異なるばかりでなく、「アース」の語が「大地、土」等を意味する語として一般に知られている語であることからすれば、「アース」が申立人の業務に係る商標として需要者に広く知られていることを前提にしたとしても、本件商標がその指定商品に使用された場合、これに接する取引者、需要者が、申立人商標を連想又は想起するものとは認めがたく、その商品が申立人又は同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
なお、申立人は、申立人商標が、取引者、需要者間に広く認識されている商標であることは顕著な事実である旨主張しているが、その主張を立証する証拠は、引用商標の書誌的事項を印刷した公報(甲2)以外は、何ら提出していない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものとはいえない。
3 むすび
以上のとおり、本件商標は、登録異議の申立てに係る指定商品について、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲 申立人商標(登録第2353757号商標)




異議決定日 2013-01-25 
出願番号 商願2011-94885(T2011-94885) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (X01)
最終処分 維持  
前審関与審査官 津金 純子 
特許庁審判長 内山 進
特許庁審判官 小俣 克巳
梶原 良子
登録日 2012-05-25 
登録番号 商標登録第5495517号(T5495517) 
権利者 有限会社トンデンファーム
商標の称呼 アースパワー 

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