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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない X1719
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない X1719
管理番号 1269538 
審判番号 不服2012-7866 
総通号数 159 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2013-03-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-04-27 
確定日 2013-01-07 
事件の表示 商願2011-37401拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「パネルタックテープ」の文字を標準文字で表してなり、第17類「両面粘着テープ(文房具類及び家庭用及び医療用のものを除く),文房具以外の粘着テープ(医療用のもの及び家庭用のものを除く。),文房具以外の接着テープ(医療用のもの及び家庭用のものを除く。)」及び第19類「建築用両面テープ,建築用粘着テープ」を指定商品として、平成23年6月1日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、『パネルタックテープ』の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中『パネル』の文字は、『壁。鏡板。羽目板。』の意味を有する外来語として広く親しまれており、『タック』の文字は、本願指定商品との関係において『(ガムテープなどの)粘着性。』の意味を有する語である。また、市場において、『パネルの接着に使用する粘着性を有するテープ』を『パネルテープ』と、『粘着性を有するテープ』を『タックテープ』と、それぞれ一般に称している実情があることを勘案すると、本願商標は、その構成文字より、「壁・鏡板・羽目板用の粘着テープ」程の意味合いを容易に認識させるものであり、これを本願指定商品に使用するときは、需要者は、商品の品質を表示したものと理解するにとどまり、自他商品の識別標識とは認識しないと判断するのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号について
本願商標は、「パネルタックテープ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「パネル」の文字は、「鏡板。羽目板。」等の意味を有し、「タック」の文字は、本願指定商品との関係において、「粘着剤の主要性質の一つで、軽い力で短時間に被着体に粘着する力」(JIS工業用語大辞典【第5版】:財団法人日本規格協会発行)等の意味を有する語であり、「テープ」の文字は、本願指定商品との関係において、「粘着テープ」、「接着テープ」等を指称するものと認められるものであるから、これよりは、全体として「羽目板等、パネル状の商品に使用する、軽い力で短時間に粘着する力を有する粘着テープ」程の意味合いを有するものとして、取引者、需要者に認識されるものとみるのが相当である。
また、原審の拒絶理由通知及び拒絶査定において示したインターネット情報に加えて、当審における職権調査によれば、「パネル用」であることを謳った「粘着テープ」が市場に流通していることが、別掲1よりうかがえるものである。
さらに、原審の拒絶理由通知及び拒絶査定において示したインターネット情報に加えて、当審における職権調査によれば、「タック」の語は、「粘着テープ・粘着シート用語」であり、「粘着テープ」の特長を表す語として、「強タック」、「高初期タック」、「高タック」であることを謳った商品が販売されていること、また、「タックテープ」の文字を付した「粘着テープ」が少なからず販売されていることが、別掲2よりうかがえるものである。
加えて、「最新紙加工便覧」(テックタイムス:1988年8月発行)においても、「3.接着剤」の見出しの下、「3.4.2 ブロックゴム系ホットメルト」の項において、「(4)用途 タックラベル,タックテープなど。」の記載がある(537頁)。
してみれば、本願商標をその指定商品について使用しても、上記意味合いからして、「パネル状の商品に使用する、軽い力で短時間に粘着する力を有する粘着テープ」であることを理解、認識させるものであって、その商品の品質、用途を表示してなるにすぎないものであるから、自他商品の識別標識としての機能を有しないものであり、かつ、前記商品以外の商品について使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるというべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の「テープ」について使用するときは、同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標は、商品の特定の品質等を表すものであると理解されることのない商標であり、十分に自他商品識別力を有するものである旨主張する。
しかしながら、本願商標は、前述のとおり、全体として「パネル状の商品に使用する、軽い力で短時間に粘着する力を有する粘着テープ」程の意味合いを生じる文字を記述的に表したものと認められるものであるから、特定の品質等を理解することのできない商標を表しているとはいえない。
イ 請求人は、「パネルタックテープ」の語が、本願出願人以外に広く一般に使用されている事実は存在しない旨主張する。
しかしながら、当該商標が商品の品質を表すものであるか否かの判断に当たっては、その語の意味合い及び指定商品を取り扱う業界における取引の実情等よりみて、その語を当該商品に表示した場合における、取引者、需要者の理解、認識の度合いをもって、その語が品質を表示するものであるか否かを判断すべきものである。
してみれば、たとえ、実際の商取引において「パネルタックテープ」の語が一般に使用されていないとしても、原審及び当審において示した使用事実によれば、市場において、「パネル用」であることを謳った「粘着テープ」が流通しており、また、「タック」の語が商品の特長として用いられ、「タックテープ」の文字を付した「粘着テープ」が少なからず販売されている実情が認められることからすると、本願商標に接する取引者、需要者は、これが「パネル状の商品に使用する、軽い力で短時間に粘着する力を有する粘着テープ」であることを認識するものといい得るものであるから、請求人の上記主張は採用することができない。
ウ 請求人は、審決例を挙示して、本願商標もこれと同様に判断されて然るべきものである旨主張する。
しかしながら、それらの審決例は、商標の構成や指定商品において本願商標とは事案を異にするものであり、しかも、登録出願に係る商標が、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるかどうかの判断は、当該商標の構成態様に基づいて、個別具体的に判断されるべきものであるから、その審決例に拘束されるべき理由はない。
よって、上記請求人の主張は、採用することができない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 (別掲1)本願指定商品について、粘着テープとの関係において、「パネル」の文字が、用途表示として使用されている事例について

(1)「配管部品.com」のウェブサイトにおいて、「作業用品」の項において、「パネルテープ・・・【特長】●初期接着、低温接着に優れていますので、圧着により、高い粘着力を保ちます。【用途】●石こうボード、ケイカル板、ベニア板、建築ボードの仮固定。・・・」の記載がある(http://www.haikanbuhin.com/shopping/detail/16507/?gclid=CKvchrXT86wCFWZNpgodOw7rRg)。
(2)「楽天/ICHIBA」の「パネルSHOPアイピーエス」のウェブサイトにおいて、「パネルテープ」の項において、「パネルテープ 30mm幅 緑 1個入・・・」の記載がある(http://item.rakuten.co.jp/ips21/panel-30midori/)。
(3)「ホーマーズ」のウェブサイトにおいて、「消耗品・福資材」の項において、「コニシ キッチンパネルテープ・・・/●用途 キッチンパネル施工用両面テープ(一次接着用)鏡・装飾ガラスと下地材との接着(接着剤または釘・ビス併用)銘板・パネル・モールの接着・・・」の記載がある(http://www.homerz.jp/shops/item/441)。
(4)「東急ハンズオンラインショップ/HANDS NET ハンズネット」のウェブサイトにおいて、「壁材用道具」の項において、「アサヒペン 壁面用タイルパネル TP-98 両面テープ/タイルパネルを貼る時に使用する専用両面テープです。・・・」の記載がある(http://hands.net/goods/33375)。
(5)「楽天/ICHIBA」の「家FAN!」のウェブサイトにおいて、「両面テープ」の項において、「・・・MF エムエフ株式会社【発泡両面テープ】/キッチンパネルの仮固定に最適!・・・」の記載がある(http://item.rakuten.co.jp/jugoro/mf-ryoumentape-25/)。
(6)「カッティングシート/WEB SHOP」のウェブサイトにおいて、「STマット」の項において、「パネル固定用両面テープ【STマット(エスティマット)】・・・/・両面テープです。・・・パネル、表示板の固定やカーペットのズレ防止などに最適です。・・・」の記載がある(http://www.cuttingsheet.com/SHOP/STMAT20.html)。
(7)「楽天/ICHIBA」の「丸久金物」のウェブサイトにおいて、「両面テープ・ビニルテープ・マーキングテープ」の項において、「・・・ニトムズ/建材ボード・パネル仮止め用両面テープ・・・【住宅内装用 強力両面テープキッチンパネルテープ】・・・【用途】/●キッチンパネルなどの各種建材ボード・パネルの仮止め/●石膏ボード・板(ケイ酸カルシウム板・合板・ベニヤ・木材などの仮固定に。・・・」の記載がある(http://item.rakuten.co.jp/maru9/nitomuzu_g0210/)。
(8)「楽天/ICHIBA」の「ホームセンターヤマユウ」のウェブサイトにおいて、「接着材」の項において、「アイカ製キッチンパネルの接着に!/アイカキッチンパネル用仮留め用テープ・・・」の記載がある(http://item.rakuten.co.jp/yamayuu/aika-tapex1/)。
(9)「楽天/ICHIBA」の「ケンチクボーイ」のウェブサイトにおいて、「キッチンパネル用両面テープ」の見出しの下、「ファースト/FIRST 粗面用両面テープ/キッチンパネルに!/パネフィット/・・・☆キッチンパネル、珪酸カルシウム板、石膏ボード等の仮固定に!・・・」の記載がある(http://www.rakuten.co.jp/kentikuboy/806158/811926/812032/1845331/)。
(10)「YAHOO!JAPANショッピング」の「コンパネ屋」のウェブサイトにおいて、「【大建】スピーデル工法用テープ」の見出しの下、「【大建】キッチンパネル用テープスピーデル工法用テープ・・・」の記載がある(http://store.shopping.yahoo.co.jp/conpaneya/wf30bt00.html)。

(別掲2)本願指定商品について、粘着テープとの関係において、「タック」の文字が、「粘着性」を表す用語であって、品質表示として使用されている事例について

(1)「積水化学工業株式会社」のウェブサイトにおいて、「両面テープ」の見出しの下、「ダブルタックテープ・・・凡用の不織布両面テープに比べてテープの厚みが厚いため、粗面接着性に優れています。また基材の強度が高いため、スプライス用途にも御使用頂いております。」の記載がある(http://www.tutuminet.com/product/type/wtack/doc/1181206_4267.html)。
(2)「わくわく用語ショップ」のウェブサイトにおいて、「粘着材付きシート・テープ」の項において、「商品名:タックテープ・・・点字を打ったテープの裏紙をはがして貼る粘着テープです。・・・」の記載がある(http://yougu.nittento.or.jp/product728_95.html)。
(3)「Biz蔵?ビズクラ?」のウェブサイトにおいて、「粘着テープ(セロテープ・両面テープ)」の項において、「両面タックテープ・・・1面にアクリル系粘着剤、2面にゴム系粘着剤を塗工した両面粘着テープです。・・・」の記載がある(http://www.bizkura.jp/detail/gcode/0019-0021-01)。
(4)「TILEMENT」のウェブサイトにおいて、「商品一覧」の項において、「TT工法/壁ボード類用特殊粘着両面テープ/ボードタック・・・化粧硅カル板、石こうボード、化粧合板を石こうボード、合板などの乾式ボード下地へ接着施工するのに適しています。・・・」の記載がある(http://www.tilement.co.jp/products/construction/other/25.html?cat=5)。
(5)「Net建材屋」のウェブサイトにおいて、「片面・片面テープ・養生材・接着剤」の項において、「■【種類】強力両面テープ|布・多用途・タックテープ・構造用・・・」の記載がある(http://net-kenzai.jp/item/tape/double_tape.html)。
(6)「コニシ株式会社」のウェブサイトにおいて、「粘着テープ商品」の見出しの下、「不織布支持体」の項において、品名「WF004N」の特長として「汎用強タックタイプ」、品名「WF023」の特長として「強タック」の記載がある(http://www.bond.co.jp/bond/business/tape/product.php)。
(7)「住友スリーエム株式会社」のウェブサイトにおいて、「テープ・接着剤製品」の見出しの下、「3MTM(「TM」は、「3M」の右上に小さく表示)接着剤転写テープ」の項において、製品番号「927」の特長として「高タック」、製品番号「9626」の特長として「高初期タック・・・」、製品番号「9628FL」の特長として「初期タック良好・・・」の記載がある(http://www.mmm.co.jp/tape-adh/prdlist/bonding/thin.html)。
(8)「ブリヂストン株式会社」のウェブサイトにおいて、「AHテープ」の見出しの下、「高タックタイプ」の項において、品番「T-200」の特徴として「初期接着性の高い両面テープ。・・・」の記載がある(http://www.bridgestone.co.jp/business/dp/icp/kaseihin/product/ah-tape.html)。


審理終結日 2012-11-13 
結審通知日 2012-11-14 
審決日 2012-11-27 
出願番号 商願2011-37401(T2011-37401) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (X1719)
T 1 8・ 272- Z (X1719)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 佐々木 悠源岩本 和雄 
特許庁審判長 水茎 弥
特許庁審判官 井出 英一郎
小林 正和
商標の称呼 パネルタックテープ、パネルタック、タックテープ、タック 
代理人 特許業務法人 ユニアス国際特許事務所 

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