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審決分類 審判 査定不服 商4条1項15号出所の混同 登録しない X30
管理番号 1268472 
審判番号 不服2011-21869 
総通号数 158 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2013-02-22 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-10-11 
確定日 2013-01-04 
事件の表示 商願2010-99885拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は、「東京バナナクランチ」の文字を標準文字で表してなり、第30類「菓子及びパン,茶,コーヒー及びココア,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,穀物の加工品,即席菓子のもと,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類」を指定商品として、平成22年12月24日に登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『東京ばな奈』の文字よりなる登録第4239432号商標、同第4338973号商標及び同第4778493号商標、その構成中に『TOKYO・BANANA』の文字を顕著に有する登録第4392241号商標及び同第4721703号商標、その構成中に「東京ばな奈」の文字を顕著に有する登録第4336742号商標、同第4370239号商標、同第4380300号商標、同第4614424号商標、同第4642385号商標、同第4689054号商標、同第4796028号商標、同第4796029号商標、同第4796030号商標、同第4796031号商標、同第4860809号商標、同第4882194号商標、同第4882195号商標、同第4917440号商標、同第4926378号商標、同第4944845号商標、同第4957781号商標、同第4965553号商標、同第4976033号商標、同第4976034号商標、同第4985857号商標、同第4985865号商標、同第4985866号商標、同第4985867号商標、同第5037175号商標、同第5062314号商標、同第5069395号商標、同第5100018号商標、同第5135072号商標、同第5135074号商標、同第5233498号商標、同第5248935号商標、同第5271448号商標(いずれも現に有効に存続しているものである。)と、『トーキョーバナナ』の称呼を共通にする、称呼上類似する商標であって、同一又は類似の商品について使用をするものであるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審における拒絶理由
本願商標は、『東京バナナクランチ』の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中に、株式会社グレープストーン(東京都杉並区)の業務に係る商標『東京ばな奈』と類似する『東京バナナ』をその構成中に顕著に有してなるものである。
しかして、前記『東京ばな奈』は、『菓子』の商標として、本願商標の出願時において、その取引者、需要者間に広く認識されているものである。
そして、本願商標に係る指定商品は、『菓子及びパン』のほか、飲料や食材といった商品であって、商品『菓子』と関連性の程度が高い商品であり、取引者、需要者も共通にする商品である。
そうすると、本願商標と前記『東京ばな奈』商標との類似性、前記『東京ばな奈』商標の周知著名性、両商標の商品同士の関連性、取引者、需要者の共通性などの取引の実情などを踏まえて、本願商標の指定商品の取引者及び需要者において普通に払われる注意力を基準として、総合的に判断すると、本願商標は、前記株式会社グレープストーンないし同社と経済的又は組織的に何らかの関連を有する者の業務に係る商品と混同を生ずるおそれのある商標といわざるを得ない。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第15号について
商標法第4条第1項第15号にいう「他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標」には、当該商標をその指定商品又は指定役務(以下「指定商品等」という。)に使用したときに、当該商品等が他人の商品又は役務(以下「商品等」という。)に係るものであると誤信されるおそれがある商標のみならず、当該商品等が右他人との間にいわゆる親子会社や系列会社等の緊密な営業上の関係又は同一の表示による商品化事業を営むグループに属する関係にある営業主の業務に係る商品等であると誤信されるおそれ(以下「広義の混同を生ずるおそれ」という。)がある商標を含むものと解するのが相当である。けだし、同号の規定は、周知表示又は著名表示へのただ乗り(いわゆるフリーライド)及び当該表示の希釈化(いわゆるダイリューション)を防止し、商標の自他識別機能を保護することによって、商標を使用する者の業務上の信用の維持を図り、需要者の利益を保護することを目的とするものであるところ、その趣旨からすれば、企業経営の多角化、同一の表示による商品化事業を通して結束する企業グループの形成、有名ブランドの成立等、企業や市場の変化に応じて、周知又は著名な商品等の表示を使用する者の正当な利益を保護するためには、広義の混同を生ずるおそれがある商標をも商標登録を受けることができないものとすべきであるからである。また、同号にいう「混同を生ずるおそれ」の有無は、当該商標と他人の表示との類似性の程度、他人の表示の周知著名性及び独創性の程度や、当該商標の指定商品等と他人の業務に係る商品等との間の性質、用途又は目的における関連性の程度並びに商品等の取引者及び需要者の共通性その他取引の実情などに照らし、当該商標の指定商品等の取引者及び需要者において普通に払われる注意力を基準として、総合的に判断されるべきであるとの判例(最高裁判所第三小法廷 平成10年(行ヒ)第85号 平成12年7月11日判決言渡し)がある。
以下、この判例の判示する観点から本件を検討する。

2 検討
(1)引用商標の周知著名性及び独創性について
当審における拒絶理由の引用する商標は、「東京ばな奈」の文字よりなるものであり(以下「引用商標」という。)、「株式会社グレープストーン」(以下「引用商標権利者」という。)が、「菓子」に使用する商標として、下記において示す事実より、我が国の取引者、需要者に広く親しまれ、知られているものということができる。
そして、引用商標は、「日本の首都」を表す「東京」の文字に、平仮名の「ばな」と漢字の「奈」を連綴した構成よりなるところ、いわゆる「果物の一種」である「バナナ」又は「ばなな」とはやや異なる造語よりなるものであるから、その商標としての独創性の程度は高いものというべきである。
(2)本願商標と引用商標の類似性の程度
本願商標は、前記1のとおり、「東京バナナクランチ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「東京」の文字は「日本の首都」を、「バナナ」の文字は「果物の一種」を、また、「クランチ」の文字は「噛んだとき砕けるような歯触りが特徴の洋菓子」を、それぞれ表す語であると認められるところ、構成文字全体に相応して「トーキョーバナナクランチ」の一連の称呼を生ずるものであるが、その構成中後半に表された「クランチ」の文字は、本願指定商品中「菓子及びパン」との関係においては、上記したとおり、自他商品の識別力が極めて弱いものであって、「東京バナナ」の文字部分が、取引者、需要者の注意を強く引きつけるものである。
他方、引用商標である「東京ばな奈」は、先の当審における拒絶理由において示したとおり、「菓子」の商標として、本願商標の出願時において、その取引者、需要者間に広く認識されているものである。
また、引用商標の構成中、「ばな奈」の文字は、「奈」という漢字を含み、「果物の一種」である「バナナ」又は「ばなな」とはやや異なるものの、発音が同一であること及び表記の類似性からして上記の「バナナ」を想起させるものであって、「東京のバナナ」の観念を生ずるものというのが相当である。
してみれば、本願商標と引用商標は、全体の外観及び全体の称呼において、相違があるとしても、本願商標の構成中の「東京バナナ」の部分と引用商標とは、「トーキョーバナナ」の称呼及び「東京のバナナ」の観念を共通にするものであるから、全体を比較してみても、称呼及び観念について、一定の共通性が認められる。
(3)引用商標権利者の事業内容
当審拒絶理由説示のとおり、引用商標権利者のインターネットウェブサイト(http://www.tokyobanana.jp/products/index.html#products01)によれば、引用商標は、本願の指定商品と関連性の高い商品である「菓子」に使用されているものである。
(4)商品の関連性及び需要者の共通性について
本願の指定商品と引用商標の使用される商品である「菓子」とは、共に食品であるところの「菓子」を共通にし、販売店、販売場所においても、共に「食料品店」「食品売場」で扱われる商品であることをも合わせ勘案すれば、取引者、需要者が重複する相当に近似し、密接な関連性を有する商品であるということができるものである。
(5)小括
本願の指定商品の取引者、需要者において普通に払われる注意力を基準として、以上の(1)ないし(4)を総合的に判断するならば、本願商標を請求人が本願の指定商品について使用するときは、これに接する取引者、需要者が、周知著名性を有する引用商標を想起、連想し、その商品が、あたかも引用商標の権利者又は同社と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるというべきである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

3 請求人の主張について
(1)請求人は、本願商標は、全体として外観上まとまりよく一体的に表示された造語からなるものであり、該構成文字から生ずる「トウキョウバナナクランチ」の称呼も一連に称呼し得るものであるから、本願商標と引用商標とは、その外観、称呼、観念のいずれの点においても相紛れることはない非類似の商標である旨主張する。
しかしながら、本件の争点である商標法第4条第1項第15号は、対比する商標同士が類似することを要件とするものではなく、本願商標が出所の混同を生ずるおそれがあるものであるかどうかを要件とするものであって、その要件の判断の要素の一として対比する商標の類似性が検討されるものである。そして、本願商標の構成が、請求人主張のように構成上の一体性のあるものとしても、本願の指定商品について使用されるときは、その構成中の「東京バナナ」が、取引者、需要者の注意を強く引きつけるものというのは前記2のとおりであるから、本願商標は、出所の混同を生ずるおそれがあるものである。
(2)請求人は、当審が、前記拒絶理由において、引用商標が全国的に周知であると述べているところ、その点についての立証がなされておらず、また、引用商標は、東京を中心とした関東のみで周知であり、全国的には決して周知ではない旨主張する。
しかしながら、引用商標が全国的に周知である事実は、例えば、引用商標が全国紙の地方版や地方新聞の記事において紹介される等、以下の新聞記事においても見受けられる。
ア 「変わる百貨店 1階にスイーツ売り場 デパイチ登場」の見出しの下、「・・・大丸が東京店(東京都千代田区)をリニューアルオープンしたのは平成19年11月。・・・駅直結を意識し、『ひよこ』『東京ばな奈』など定番モノの東京土産も押さえている。・・・」の記載がある(2010.02.23 産経新聞大阪朝刊 17頁)。
イ 「【食は関西にあり】豚まんの『551蓬莱』お土産ランキング、常にトップ」の見出しの下、「・・・『もらって喜ばれるお土産』ランキングでも、551の豚まんは東京ばな奈と並び、常にトップに上げられる。・・・」の記載がある(2005.11.06 FujiSankei Business i. 19頁)。
ウ 「県内製菓メーカーが生んだ、たまご『兄弟』人気者/岩手」の見出しの下、「・・・JR東京駅・・・昨年11月の同駅の土産の売上高で、ごまたまごは東京ばな奈、舟和芋ようかん、ひよ子に次ぐ4位。・・・」の記載がある(2004.01.14 朝日新聞東京地方版/岩手 27頁)。
エ 「【われら通勤族】東西お土産比較 <即売特別版>」の見出しの下、「・・・東日本キヨスクによると、東京駅では(1)東京ばな奈(2)銘菓ひよこ(3)ごまたまご(4)舟和芋ようかん(5)草加せんべい-がベスト5。・・・」との記載がある(2002.05.07 産経新聞大阪朝刊 25頁)。
オ 「【東京名産ものがたり】東京ばな奈『見ぃつけたっ』(杉並区)」の見出しの下、「・・・『東京ばな奈』は、そのユニークな名前やかわいいパッケージ、さらには税込みで八個入り千円、十六個入り二千円という手軽な値段も手伝って、今や東京土産の“定番”となった。・・・すっかり東京の土産として定着した『東京ばな奈』は、全国にも多くのファンを持つようになった。・・・」の記載がある(1998.03.11 産経新聞東京朝刊 25頁)。
カ 「特報 東京土産、異変あり 昔『雷おこし』今は『キティ人形焼』『トップスのケーキ』・・・新顔台頭、人気はカワイイ系」の見出しの下、「・・・昔からの東京土産というと、浅草の『雷おこし』が知られているが、今、羽田空港での『東京土産』の“横綱”は、『東京ばな奈』という変わった名の商品だ。スポンジケーキにバナナクリームが入った洋菓子。一九九二(平成四)年に同空港で販売したところ、爆発的なヒット商品となり、ここ数年は空港売り上げのトップを独走している。・・・」の記載がある(1998.03.10 中日新聞夕刊 12頁)。
キ 「大阪土産(休日探検)【大阪】」の見出しの下、「・・・大丸東京店・・・のトップ商品は、二年半前に売り出した洋菓子『東京ばな奈』。・・・製造元の『グレープ・ストーン』(東京都杉並区)は・・・手ごろな値段、地方の人にも喜ばれると想像できる安心感、東京にしか売っていない希少価値。そして、明るくかわいく女性が飛びつくようなイメージがヒットの秘けつという。・・・」の記載がある(1994.05.07 朝日新聞大阪夕刊 10頁)。
(3)請求人は、本願商標は、「東京バナナクランチ」の構成よりなり、かつ、「トウキョウバナナクランチ」と一連に称呼される以上、本願商標の使用により引用商標の使用される商品と出所の混同が生ずることはあり得ない旨主張する。
しかしながら、本願商標の構成は、その構成中の「東京バナナ」の文字部分が、引用商標の周知性と相俟って、取引者、需要者の注意を強く引きつけ、印象づけられるものであるから、本願商標は、出所の混同を生ずるおそれがあるものである。
また、引用商標権利者のインターネットウェブサイト(http://www.tokyobanana.jp/products/index.html#products01)によれば、引用商標権利者は、引用商標を「スポンジケーキ」のほか、「バウムクーヘン」、「クッキー」、「レーズンサンド」、「パイ」、「ゴーフレット」に使用していることが認められる。
そうとすると、本願商標をその指定商品について使用した場合は、これに接する取引者、需要者は、「東京ばな奈」を連想、想起することは明らかであり、該商品が「東京ばな奈」の商品の一種であるとの誤解を生ずるか、あるいは引用商標権利者、又はその関連会社と組織的、経済的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのように認識する蓋然性が極めて高いというべきであるから、本願商標は、出所の混同を生ずるおそれがあるものである。
(4)請求人は、その主張の正当性を立証するものとして、審決例を挙げる(甲16)。
しかしながら、本願商標が出所の混同を生ずるおそれのあるものか否かの判断は、本願商標及びその指定商品と引用商標及び引用商標の使用される商品、その著名性など前記1の判例の観点から、個別・具体的に判断されるべきものであって、他の異議決定の存在により、本件の判断が左右されるべきものではない。
(5)小括
前記のとおり、請求人の主張は、いずれも理由がないものであるから採用することができない。

4 結語
以上からすれば、本願商標は商標法第4条第1項第15号に該当するものであるから、登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
審理終結日 2012-10-26 
結審通知日 2012-11-02 
審決日 2012-11-13 
出願番号 商願2010-99885(T2010-99885) 
審決分類 T 1 8・ 271- Z (X30)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 薩摩 純一 
特許庁審判長 水茎 弥
特許庁審判官 小林 正和
井出 英一郎
商標の称呼 トーキョーバナナクランチ、トーキョーバナナ、トーキョークランチ 
代理人 藤本 昇 
代理人 辻本 一義 
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