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審決分類 審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 取り消して登録 X30
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 取り消して登録 X30
管理番号 1268467 
審判番号 不服2011-4746 
総通号数 158 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2013-02-22 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-03-02 
確定日 2013-01-23 
事件の表示 商願2008-68332拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲のとおり、「碁石茶」の文字を表してなり、第30類及び第32類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成20年8月20日に登録出願されたものである。
その後、本願の指定商品については、原審における平成22年9月29日付け並びに当審における同23年9月30日付け及び同24年4月27日付けの手続補正書により、本願に係る指定商品が補正された結果、最終的に、第30類「顆粒状の後発酵茶その他の後発酵茶,後発酵茶飲料」となったものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、後発酵茶の一種である高知県でつくられている『碁石茶』の文字を普通に用いられる方法の範囲で書してなるものであるから、これを本願指定商品中、『碁石茶又は碁石茶を原材料等とする商品』に使用するときは、単に商品の品質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。また、本願商標は、商標法第3条第2項の要件を具備しているとも認められない。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)本願商標は、別掲のとおり、「碁石茶」の文字を極太の毛筆体と思しき書体で縦書きに表してなるものである。
ところで、各種辞書・事典等によれば、「碁石茶」については、例えば、「土佐地方でつくられる後発酵茶」(「丸善食品総合辞典」、平成10年(1998年)3月25日丸善株式会社発行)といった記述がある一方、「古い伝統を維持してきた碁石茶であるが、現在は高知県長岡郡大豊町でわずか一農家が生産するに止まっている。」(「日本茶全書-生産から賞味まで-」1999年4月10日社団法人農山漁村文化協会発行)といった記述もあることが認められる。
(2)また、「碁石茶」について、当審において提出された甲各号証(甲1?194)によれば、以下のような事実が認められる。
ア 歴史
「碁石茶」は、そのルーツがアジア(ミャンマー、中国・雲南省)にあるといわれ、その独特な製法が高知県の嶺北地方(現在の大豊町を含む吉野川源流域一帯)に伝わり、古くから生産されていた微生物発酵茶である。江戸後期の土佐藩の地誌には当時200軒もの生産農家があったと記されており、土佐藩の特産品として瀬戸内地方を中心に出荷され、塩と交換されていた。
なお、「碁石茶」の名の由来は、生産工程において、茶葉を天日干しにした様子が遠目から碁石のように見えたことからといわれている。
イ 製法
「碁石茶」は、蒸す、寝かす(1段階・好気発酵)、漬ける(2段階・嫌気発酵)、切る、干すという2段階発酵を伴う独特の工程を経て生産されるものであり、この製法は、生産者によって代々承継されてきた伝統的製法である。また、上記発酵には、生産者の土間(むしろ)に住みつく「カビ」が不可欠といわれている。
ウ 近代ないし現代における生産及び販売の状況
(ア)「碁石茶」は、昭和初期には相当数生産されていたが、生産工程が複雑で採算が悪いため、その後は生産者が減少していき、昭和50年代には、大豊町に居住する小笠原氏が唯一の生産者となった。
(イ)小笠原氏(5代目小笠原正春氏及び、その継承者であって、本願の出願人「大豊町碁石茶協同組合」の代表理事である、6代目小笠原章富氏。)は、上記のとおり、唯一の生産者として、「碁石茶」の生産を継続していたところ、平成14年にテレビ番組で、「碁石茶は、美容に良く、便秘にも良い。」といった紹介がされたことをきっかけとして、全国から注文が相次ぎ、需要が急増した。
(ウ)上記の需要急増を受けて、大豊町は、平成16年度後半から、高知大学や高知県農業技術センター茶業試験場等と協力して、小笠原氏による「碁石茶」の製法について科学的に検証を進めた。また、平成17年には、「大豊町碁石茶生産組合」が設立され、小笠原氏から新たな生産者に対し、「碁石茶」の生産に必須の「カビ」が分け与えられたり、品質のばらつきを防ぐための審査を行う「目慣らし会」を年1回開催する等、「碁石茶」の安定した生産に向けた取組が進められた。
(エ)平成18年度には、財団法人食品産業センターの地域食品ブランド「本場の本物」に認定され、翌19年度には、国の都市再生本部の「都市再生プロジェクト推進調査委託事業」に採択された。さらに、高知大学や信州大学等から、「碁石茶」に関する研究成果として、生活習慣病予防のほか、花粉症や感染症(インフルエンザ)の緩和への有効性が認められる旨の発表がされた。
(オ)平成20年10月には、「碁石茶」の商品パッケージの統一が図られ、全国販売が開始されたところ、平成20年度の出荷高は、前年度比2.5倍に増加した。その後、上記「大豊町碁石茶生産組合」は、平成22年に法人格を有する「大豊町碁石茶協同組合」に組織変更をし、全国各地におけるイベントへの参加や新聞、雑誌等への記事掲載等により、「碁石茶」の普及活動を行っている。
(3)上記認定した事実によれば、「碁石茶」は、昭和初期には複数の生産者が存在していたものの、昭和50年代には、大豊町に居住する小笠原氏が唯一の生産者となっていたものであり、その後の生産及び販売の拡大にあたっても、同氏及び同氏と密接な関連を有する者により構成される団体が主体となって、そのための活動を行ってきたものである。
また、需要者においては、マスコミを通じて提供される情報等により、「碁石茶」が健康によい効能を有するものであることのほか、その独特の製法や生産状況等についても、ある程度知り得ていたといえる。
さらに、辞書類においても、「碁石茶」について、その生産者が大豊町の一農家にとどまるなど、概ね正確な記載がされたものも見受けられる。
してみれば、各種辞書等において、「碁石茶」について、原審説示のような意味合いの記載があるとしても、その記載のみをもって、「碁石茶」の文字が、本願の指定商品との関係において、その商品の品質等を表したものであるということはできない。
(4)以上のとおり、本願商標は、これを本願の指定商品に使用しても、自他商品の識別標識としての機能を十分に果たし得るものであり、また、商品の品質の誤認を生ずるおそれはないと判断するのが相当である。
なお、本願商標は、上記のとおり、自他商品の識別標識としての機能を十分に果たし得るものであるから、商標法第3条第2項については判断するまでもない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、かつ、同法第3条第2項の要件を具備しないとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲 (本願商標)


審決日 2013-01-11 
出願番号 商願2008-68332(T2008-68332) 
審決分類 T 1 8・ 13- WY (X30)
T 1 8・ 272- WY (X30)
最終処分 成立 
前審関与審査官 小松 孝 
特許庁審判長 酒井 福造
特許庁審判官 田中 敬規
池田 佐代子
商標の称呼 ゴイシチャ 
代理人 橋本 克彦 
代理人 橋本 京子 
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