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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服20129876 審決 商標
不服201216233 審決 商標
不服201221596 審決 商標
不服201217711 審決 商標
不服20128234 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 取り消して登録 X31
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 取り消して登録 X31
管理番号 1268423 
審判番号 不服2012-9869 
総通号数 158 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2013-02-22 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-05-28 
確定日 2013-01-15 
事件の表示 商願2011-33199拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、「メイディランド」の片仮名及び「Meidiland」の欧文字を二段に横書きしてなり、第31類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成23年5月16日に登録出願され、その後、指定商品については、原審における同24年1月17日付け手続補正書により、第31類「バラ及びバラの苗,バラの苗木,バラの木,バラの花,バラを使用したドライフラワー,バラを使用した生花の花輪,バラを使用した生花の花束,バラの種子類,バラのさし木用の切り枝,バラの接ぎ枝,バラの盾芽用の接ぎ木」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、その指定商品との関係において、『バラの一品種』を看取させる『メイディランド』『Meidiland』の各文字を上下二段に書してなることから、これをその指定商品中前記文字に照応する商品、例えば『バラの苗木』について使用しても、本願商標に接する取引者、需要者をして、本願商標は、単に商品の品質を表示したものと認識させるにすぎず自他商品識別機能を果たさないものである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、上記1のとおり、「メイディランド」の片仮名及び「Meidiland」の欧文字を書してなるものである。
そして、請求人の提出した証拠資料などによれば、以下の事実が認められる。
請求人は、19世紀半ばからバラの育種を行っているフランスを代表する育種会社であり、「メイアン社」又は「メイアン」の略称で親しまれている(甲13(枝番号含む。以下、枝番号の全てを引用する場合は、その枝番号を省略する。))。
我が国においては、1964年(昭和39年)以来、京成バラ園芸株式会社(以下「京成バラ園芸」という。)が、請求人作出のバラ種苗についての国内販売総代理店・販売元となっており(甲14)、本願商標である「メイディランド(Meidiland)」の文字を販売名中に含むバラ(以下「メイディランド(Meidiland)シリーズのバラ」という。)についても、1990年(平成2年)から現在に至るまで、該会社により独占的に販売されている(甲6、甲9及び甲17)。
そして、京成バラ園芸が発行するバラのカタログ(甲17)によれば、メイディランド(Meidiland)シリーズのバラは、請求人と認められるフランスのメイアン社の作出に係るものであることが明記されている。
また、バラの図鑑等(甲25)においても、メイディランド(Meidiland)シリーズのバラが請求人作出のものである旨が明記されている。 なお、種苗法(平成10年法律第83号)第18条第1項の規定による品種登録を受けた品種、例えば、「スカーレット メイディランド(Scarlet Meidiland)」を販売名とするバラについては、「品種登録第2842号(メイクロタール)」、あるいは「ホワイト メイディランド(White Meidiland)」を販売名とするバラについては、「品種登録第2846号(メイコーブラン)」というように、販売名とは別の項目に、品種登録番号及び品種名が明記されている(甲9の2、甲9の3、甲17の3及び甲17の4等)。
さらに、本願指定商品を取り扱う業界における取引の実情について、「農林水産省品種登録ホームページ(http://www.hinsyu.maff.go.jp/help/pics.html)」(甲5の1)には、「登録されている品種名称と販売時の名称(商品名)が異なる場合がありますので、注意が必要です。」との記載や、「日本花名鑑 4 日本花名鑑刊行会発行」X頁(甲5の3)には、「販売促進的な意味合いから正式な園芸品種小名を用いずに販売名(trade designation)や商品名で流通・販売されることが少なくない。」との記載があり、また、当審における職権調査によれば、「A-Z園芸植物百科事典 株式会社誠文堂新光社 2003年6月10日発行」第888頁には、「多くのモダンローズの品種は登録名よりむしろ商標名でよく知られている。」との記載がある。
以上の事実を総合すれば、本願指定商品を取り扱う業界においては、品種名とは異なる販売名によって取引されることが普通一般に行われている実情があり、そして、メイディランド(Meidiland)シリーズのバラは、京成バラ園芸が発行するカタログ、図鑑等において、請求人作出に係るバラの販売名(シリーズ名)であることを明記して、販売が行われているものである。
そうとすれば、本願商標「メイディランド(Meidiland)」の語は、取引者、需要者においてバラの品種名を表すものとして理解され認識されているというよりは、むしろ、請求人作出のバラの販売名(シリーズ名)として認識されているというのが相当であるから、これをその指定商品に使用しても、自他商品の識別標識としての機能を十分に果たし得るものであり、商品の品質について誤認を生じさせるおそれもないというべきである。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当でなく取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決日 2012-12-26 
出願番号 商願2011-33199(T2011-33199) 
審決分類 T 1 8・ 13- WY (X31)
T 1 8・ 272- WY (X31)
最終処分 成立  
前審関与審査官 薩摩 純一 
特許庁審判長 野口 美代子
特許庁審判官 豊瀬 京太郎
堀内 仁子
商標の称呼 メイディランド 
代理人 特許業務法人篠原国際特許事務所 

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