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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X05
審判 全部申立て  登録を維持 X05
審判 全部申立て  登録を維持 X05
審判 全部申立て  登録を維持 X05
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管理番号 1267205 
異議申立番号 異議2012-900166 
総通号数 157 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2013-01-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2012-06-08 
確定日 2012-12-06 
異議申立件数
事件の表示 登録第5484017号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5484017号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5484017号商標(以下「本件商標」という。)は、「ネオキシ」の片仮名と「NEOXY」の欧文字とを上下2段に書してなり、平成23年11月9日に登録出願、第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,創傷被覆材,失禁用おしめ,はえ取り紙,防虫紙,乳糖,乳幼児用粉乳」を指定商品として、同24年3月22日に登録査定、同年4月6日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する国際登録第1095865号商標(以下「引用商標1」という。)は、「OXYNEO」の欧文字を横書きしてなり、2011年8月3日にSwitzerlandにおいてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、2011年(平成23年)9月19日に国際商標登録出願され、第5類「Pharmaceutical products and substances, particularly analgesics, excluding cosmetic and dermatological pharmaceutical preparations.」を指定商品として、平成24年7月27日に設定登録されたものである。
同じく、登録5479557号商標(以下「引用商標2」という。)は、「オキシネオ」の片仮名を標準文字により表してなり、平成23年9月9日に登録出願、第5類「鎮痛剤,その他の薬剤」を指定商品として、平成24年3月16日に設定登録されたものであり、同じく、登録5479556号商標(以下「引用商標3」という。)は、「オキネオ」の片仮名を標準文字により表してなり、平成23年9月9日に登録出願、第5類「鎮痛剤,その他の薬剤」を指定商品として、平成24年3月16日に設定登録されたものである。
以下、引用商標1ないし3を一括して、単に「引用商標」ということがある。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、その申立ての理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第17号証を提出している。
1 引用商標に関連する背景事情について
(1)申立人及び申立人の提携先企業の事業について
申立人は、1957年にスイス国バーゼルで設立された後、その活動の範囲を広げ、ムンディファーマ ラボラトリーズ社とムンディファーマ メディカル社とともに、独立関連企業であるパーデューファーマ(米国、カナダ)/ムンディファーマ(ドイツ)/ナップ・ファーマシティカル(英国)を含む慢性疼痛、呼吸器疾患の治療薬、消毒薬等を専門領域とする製薬企業グループのための国際貿易とライセンス関連の業務を行う会社として機能するようになった。
日本においては、1998年にムンディファーマ・ファーマシューティカルズGmbHが日本事務所を開設し、2002年には、日本法人であるムンディファーマ株式会社を発足させ、臨床開発・承認申請・マーケティングまでを独自に一貫して行う体制を構築し、我が国の有力な製薬会社と業務提携を行い、企業間の協力関係において、慢性疼痛治療薬等の主力商品の製造・販売を行っている。
例えば、ムンディファーマ株式会社発足前の1989年より、塩野義製薬株式会社(以下「塩野義製薬」という。)との業務提携を通じて持続性癌疼痛治療剤(硫酸モルヒネ徐放錠「MSコンチン」)を長年にわたって製造・販売し、2003年には、同じく塩野義製薬を通じて持続性癌疼痛治療剤(硫酸オキシコドン徐放錠、商品名「OxyContin(オキシコンチン)」)の製造・販売を開始した。後者については、モルヒネ以外で初の経口徐放製剤という画期的な商品であり、鎮痛剤(医薬用麻薬)としての効能はそのままに、副作用が比較的軽い等のすぐれた効果があることも手伝い、売上げも急拡大し、癌疼痛治療薬のスタンダードであった「MSコンチン」に取って代わる主力商品に成長するに至り、「OxyContin(オキシコンチン)」は、癌疼痛治療を必要とする多くの癌患者のクオリティ・オブ・ライフ改善に貢献することができるようになった(甲第9号証)。
(2)癌疼痛治療薬(鎮痛薬)に関する取引の実情について
「MSコンチン」や「OxyContin(オキシコンチン)」の主原料であるモルヒネ、オキシコドンやフェンタニル物質は、医療用麻薬の一種であって、医療用鎮痛剤として知られており、これらは総称としてオピオイド鎮痛薬とも呼ばれる(甲第10号証)。
ア 鎮痛薬「OxyContin(オキシコンチン)」について
「OxyContin(オキシコンチン)」は、「塩酸オキシコドン」を有効成分とするものであって、幻覚症状が出にくいという優れた点があることから、「モルヒネ」を有効成分とする癌疼痛治療薬に代わるオピオイド治療薬の主役になっていった(甲第11号証)。
2009年度の日本における「OxyContin(オキシコンチン)」について、オピオイド鎮痛薬全体に対するマ-ケットシェアは、25.7%であり、また、年間の売上高は、発売当初の2003年度には、約9億円程であったものが、2010年度においては、96億円に達し、2011年度においても89億円となっている(甲第12号証及び甲第13号証)。
イ 「OxyContin(オキシコンチン)」の商品ラインナップ拡充
申立人は、さらに「塩酸オキシコドン」を含有する癌疼痛治療薬のラインナップを拡充するべく、塩野義製薬との提携の下、「オキシコンチン(OxyContin)」では対応できなかった、癌患者に突然発現する痛みを速やかに治療する薬である「オキノーム(OxiNorm)」を開発し、2006年10月20日に製造販売承認を取得して、2007年2月5日に発売した(甲第14号証)。
「がんサポート情報センター」のホームページ内の「痛み緩和\鎮痛薬全書」(甲第15号証)によれば、オピオイド鎮痛薬のなかでも、オキシコドンは、近年、使用頻度が飛躍的に増加しているとの記述があり、商品名として「オキシコンチン(OxyContin)」と「オキノーム(OxiNorm)」のみが記載されているが、これらはいずれもムンディファーマと塩野義製薬との業務提携により発売している商品である。
また、「がんサポート情報センター」のホームページ内の「薬剤\患者のためのがんの薬事典」(甲第16号証)によれば、「がんの疼痛緩和に最も多く用いられている麻薬」である「オキシコドン」の代表的な商品としてムンディファーマ及び提携先企業である塩野義製薬の製造、販売に係る「オキシコンチン(OxyContin)」と「オキノーム(OxiNorm)」が挙げられている。
してみると、ムンディファーマ及び提携先企業である塩野義製薬の製造、販売に係る「オキシコンチン(OxyContin)」と「オキノーム(OxiNorm)」は、鎮痛薬の名称として、我が国で広く認知されていたものと考えられる。
ウ OxyContin(オキシコンチン)関連の新商品開発
OxyContin(オキシコンチン)の新たな商品ラインナップは、OxyContin(オキシコンチン)の問題点を解消するための商品として開発したものであって、万が一、錠剤の粉砕等がなされた場合であっても、有効成分で麻薬の一種であるオキシコドンの抽出が困難な構造を特徴とするものである。該新商品の名称として採択したものが、引用商標1であり、その日本名として採択したのが、引用商標2又は引用商標3である。
2 本件商標と引用商標の類否について
(1)本件商標について
本件商標は、「ネオキシ」の片仮名を上段に配し、下段には「NEOXY」の欧文字を配した2段書きの構成からなるところ、その構成中、欧文字の読みを表すとみられる片仮名から、「ネオキシ」の称呼が生ずる。
そして、前半部を構成する「NEO(ネオ)」は、「(外来語の上に付いて、)新しい」という意を表す語であり、その余の「XY」は、何らの観念を有しないローマ字2文字であるところ、該「NEO」が、通常、他の外来語と結合して造語化されて「新しい○○」のように理解される点に鑑みれば、「NEO」の文字が記号・符号等を表す類型として知られる「XY」のような単なるローマ字2文字が付されたとは理解し難いものであり、むしろ、「XY」は、元来、直前に位置する他の文字「NEO」に含まれる欧文字「O」が重複して記載されていたものが省略されたと理解するのが自然である。
しかして、「NEO」と「OXY」の両語は、その意味合い又は語法上において、もっぱら一方が他方を修飾するというような主従・軽重の差は見いだせないから、かかる場合、本件商標に接する取引者、需要者は、該構成を上記2語の任意的組合せとして把握するとともに、熟語的な意味合いを直ちに想起し得ないが、「新しいオキシ(シリーズ)」のような漠然とした連想、印象を生じさせる場合も少なくないといえる。
(2)引用商標について
引用商標1は、「OXYNEO」の欧文字、引用商標2は、「オキシネオ」の片仮名、引用商標3は、「オキネオ」の片仮名からなり、それぞれ「オキシネオ」、「オキネオ」の称呼が生ずるものであるところ、引用商標2「オキシネオ」及び引用商標3「オキネオ」は、引用商標1「OXYNEO」の音訳として採択されたものである。
そして、引用商標を構成する文字も「OXY(オキシ、オキ)」と「NEO(ネオ)」とからなるといえるので、本件商標と同様の理由により、引用商標に接する取引者、需要者は、該構成を上記「OXY(オキシ、オキ)」と「NEO(ネオ)」の任意的組合せとして把握するとともに、熟語的な意味合いを直ちに想起し得ないが、前記1のとおりの取引の実情から、「新しいオキシ(シリーズ)」のような漠然とした連想、印象を生じさせる。
(3)本件商標と引用商標との比較
本件商標と引用商標1及び2の類否についてみるに、両商標は、音の配列順と、本件商標において「オキシ」の「オ」が埋没している点で相違しているが、主として「ネオ」と「オキシ」の音節よりなる点で同じである。
また、本件商標と引用商標3の類否についても、両商標は、音の配列順と、本件商標において「オキシ」の「オ」が埋没している点、引用商標3において「オキシ」の「シ」が埋没している点で相違しているが、主として「ネオ」と「オキシ」の音節よりなる点で同じである。
そうすると、本件商標と引用商標は、主に「ネオ」と「オキシ」の音節を前後に置き換えてなる点に差異を有しているにすぎず、ともに一定の熟語的意味を持たない一種の造語であり、観念上の明確な差異により音節の前後を正確に理解し、記憶することもできないものであることよりすれば、取引者、需要者が時と所を異にして両商標に接するときは、いずれが前節あるいは後節であったかを判別することが極めて困難であるといわざるを得ない。
また、観念においては、いずれの商標も一定の熟語的意味を持たない一種の造語であり、観念上の明確な差異があるとはいえないが、ともに「(外来語の上に付いて、)新しい」という意を表す語「NEO(ネオ)」と「OXY」の語の組合せからなり、「新しいオキシ(シリーズ)」のような漠然とした連想、印象を生じさせる点において関連性が認められるものである。
さらに、外観においては、本件商標は、その欧文字部分において、引用商標1との関係で「N」、「E」、「O」、「X」及び「Y」の各文字すべてが共通しており、また、その片仮名部分において、引用商標2との関係で「ネ」、「オ」、「キ」及び「シ」の各文字すべてが、引用商標3との関係で「ネ」、「オ」及び「キ」が共通しており、しかもこれら文字を「NEO」と「OXY」の塊としてこれら2語を任意的に配列したものとして認識し把握されるものであり、取引者、需要者が時と所を異にして両商標に接するときは、外観上も明確に峻別することは容易なことではない。
そうすると、本件商標と引用商標とを時と所を異にして離隔的に観察した場合は、いずれもありふれた書体の欧文字・片仮名で一連に書され、その主たる構成2語を共通にし、各語から漠然と生ずる意味合いから受ける印象を同じくする点で、外観及び観念上、相紛らわしいものであり、かつ、称呼の点においても、前記事情よりして、構成2語の先後が記憶印象上、必ずしも確然としないために、「ネオ(オ)キシ」、「オキシネオ(オキネオ)」のいずれであったのかの識別を困難ならしめる結果、彼此聞き誤るおそれが少なからずあるといわなければならない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、その外観、観念及び称呼において互いに紛らわしいものというべきであるから、両者は、その出所について混同を生ずるおそれのある類似のものである。
3 商標法第4条第1項第11号及び同法第8条第1項について
上記のとおり、本件商標は、引用商標と称呼、外観、観念において類似する商標であって、指定商品において、引用商標と抵触するものを含んでいるところ、その指定商品は「薬剤」とその関連商品「創傷被覆材」に関するものであって、とり違えて投与すると人間の命に関わる医薬等を含むものである。
よって、本件商標は、その登録出願の日前の他人の登録商標である引用商標2及び3との関係において、商標法第4条第1項第11号に該当し、その登録出願の日前に出願された引用商標1との関係において、同法第8条第1項に該当する。
4 商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、申立人及びその提携先企業である塩野義製薬が、長年にわたって我が国における市場を開拓し、大きなマーケットシェアを誇るオピオイド鎮痛薬「OxyContin(オキシコンチン)」をはじめとする「OXY(OXI)オキシ(オキ)」シリーズ鎮痛薬の新たなラインナップの商品を表示するものとして採択された引用商標との比較では、単に「NEO」と「OXY」の前後を置き換えたにすぎないものであり、ともに「新しいオキシ(シリーズ)」のような漠然とした連想、印象を想起させるものであって、彼此紛れるおそれの高い商標である。
よって、本件商標がその指定商品に使用された場合、取引者、需要者をして、その商品が申立人の提供に係るものであるかのように誤認をする、あるいは、申立人による技術供与又は商標に関する使用許諾を受けた商品であるかのように、商品の出所について混同を生じ、ひいてはその品質についても誤認を生ぜしめる蓋然性が高いといわざるを得ない。
しかも、本件商標に係る指定商品中の「薬剤」に含まれる「鎮痛剤」は、申立人の所有に係る引用商標が使用される商品であるから、本件商標が指定商品に使用された場合には、申立人の業務に係る商品との間に混同が生じるおそれが高いといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
5 結び
以上より、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号並びに同法第8条第1項に該当するものであるから、その登録は、商標法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきである。

第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号及び同法第8条第1項該当性について
(1)本件商標
本件商標は、「ネオキシ」の片仮名及び「NEOXY」の欧文字を上下2段に書した構成からなるところ、上段の「ネオキシ」は、下段の「NEOXY」の読みを特定する部分と無理なく理解されるから、本件商標は、「ネオキシ」の称呼を生じるものであり、また、各構成文字は、辞書等に成語として掲載されていないものであるから、特定の意味を有することのない造語として看取、把握されるとみるのが自然である。
(2)引用商標
引用商標1は、「OXYNEO」の欧文字を書してなり、引用商標2は、「オキシネオ」の片仮名を書してなるから、両商標は、ともに「オキシネオ」の称呼を生じるものであり、また、引用商標3は、「オキネオ」の片仮名を書してなるから、これより「オキネオ」の称呼を生じるものである。そして、上記各文字は、いずれも辞書等に成語として掲載されていないものであるから、特定の意味を有することのない造語として看取、把握されるとみるのが自然である。
(3)本件商標と引用商標との対比
ア 外観
本件商標は、上記(1)のとおりの構成からなるのに対し、引用商標は、上記(2)のとおりの構成からなるところ、両商標は、各構成文字の相違により、外観上、区別できる差異を有するものであるから、これらが互いに紛れるおそれはない。
イ 称呼
本件商標から生ずる「ネオキシ」の称呼と引用商標1及び2から生ずる「オキシネオ」の称呼とは、いずれも「ネ」、「オ」、「キ」及び「シ」の音を含むものであるとしても、4音と5音という構成音数の相違に加え、語頭からの音構成をすべて異にするものであるから、それぞれの称呼を全体として称呼した場合には、その語調、語感が相違したものとなり、互いに聴き誤るおそれはない。
また、本件商標から生ずる「ネオキシ」の称呼と引用商標3から生ずる「オキネオ」の称呼とは、ともに4音構成であって、いずれも「ネ」、「オ」及び「キ」の音を含むものであるとしても、語頭からの音構成をすべて異にするものであるから、それぞれの称呼を全体として称呼した場合には、その語調、語感が相違したものとなり、互いに聴き誤るおそれはない。
ウ 観念
本件商標及び引用商標は、ともに特定の意味を有することのない造語からなるものであるから、観念上、両商標を比較することができない。
エ 以上によれば、本件商標と引用商標とは、観念においては、比較することができないとしても、外観及び称呼において、相紛れるおそれのないものであるから、両商標は、非類似の商標というべきである。
(4)したがって、本件商標は、引用商標2及び3との関係において、商標法第4条第1項第11号に該当するものではなく、また、本件商標は、引用商標1との関係において、同法第8条第1項に該当するものではない。
2 商標法第4条第1項第15号該当性について
申立人は、我が国において、提携先企業である塩野義製薬との業務に係る商品(オピオイド鎮痛薬)について使用する「オキシコンチン(OxyContin)」が取引者、需要者の間に広く認識されていることに依拠しつつ、該商品の新たなラインナップとして開発した商品を表示するために引用商標を採択したこと、並びに本件商標及び引用商標は、ともに「新しいオキシ(シリーズ)」程の漠然とした連想、印象を想起させるものであって、彼此紛れるおそれがあることから、本件商標をその指定商品について使用した場合、申立人の業務に係る商品との間で、出所の混同を生じるおそれがある旨主張している。
しかしながら、申立人の提出に係る甲各号証をみても、カナダの「パーデュファーマ」のホームページとされるもの(甲第17号証)において、本件商標の登録出願後である2012年(平成24年)2月27日付けの「オキシコンチンの代替としてOXYNEOの導入に関するパーデュ・ファーマカナダの声明」の表題の下、カナダ全土において、「オキシコンチン」の中止及び「OxyNEO」への置き換えに係る移行をスムーズに行うことを目指す旨の記載があるにすぎず、これをもって、引用商標が、本件商標の登録出願時に既に、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたとはいい得ない。
また、本件商標と引用商標とは、上記1のとおり、ともに特定の意味を有することのない造語からなるものと認められるものであって、その外観及び称呼における差異をも総合勘案すれば、相紛れるおそれのない別異の商標というべきものである。
そうとすれば、たとえ「オキシコンチン(OxyContin)」が、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人及び塩野義製薬の業務に係る商品(オピオイド鎮痛薬)について使用する商標として、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたとしても、本件商標をその指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者が、該商品を申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように連想、想起することはなく、その出所について混同を生ずるおそれはないとみるのが相当である。
そして、申立人の主張及びその提出に係る証拠のすべてを総合してみても、本件商標をその指定商品について使用した場合に、申立人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがあると認めるに足る事実は見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。
3 むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号並びに同法第8条第1項のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2012-11-27 
出願番号 商願2011-80469(T2011-80469) 
審決分類 T 1 651・ 262- Y (X05)
T 1 651・ 4- Y (X05)
T 1 651・ 271- Y (X05)
T 1 651・ 263- Y (X05)
T 1 651・ 261- Y (X05)
最終処分 維持  
前審関与審査官 山田 正樹 
特許庁審判長 寺光 幸子
特許庁審判官 田中 敬規
酒井 福造
登録日 2012-04-06 
登録番号 商標登録第5484017号(T5484017) 
権利者 久光製薬株式会社
商標の称呼 ネオキシ、ネオキシー、ネオクシー 
代理人 小暮 君平 
代理人 長谷川 芳樹 
代理人 稲葉 良幸 
代理人 工藤 莞司 
代理人 石田 昌彦 
代理人 田中 克郎 

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