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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X28
管理番号 1266144 
異議申立番号 異議2012-900068 
総通号数 156 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2012-12-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2012-03-19 
確定日 2012-11-07 
異議申立件数
事件の表示 登録第5458316号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5458316号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5458316号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成23年3月31日に登録出願、第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同年11月30日に登録査定、同年12月16日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標はその全指定商品について、商標法第4条第1項第11号に該当し、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第5号証を提出した。
1 申立人が引用する商標
申立人が引用する商標は次のとおり(以下、それらをまとめて「引用商標」という。)であり、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。
(1)登録第1402747号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の態様 別掲2のとおり
指定商品 第28類及び第31類に属する商標登録原簿に記載の商品
出願日 昭和50年6月24日
設定登録日 昭和54年12月27日
(2)登録第1497469号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の態様 別掲3のとおり
指定商品 第20類、第28類及び第31類に属する商標登録原簿に記載の商品
出願日 昭和47年1月6日
設定登録日 昭和57年1月29日
(3)登録第1811713号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の態様 EAGLE
指定商品 第20類、第28類及び第31類に属する商標登録原簿に記載の商品
出願日 昭和57年12月29日
設定登録日 昭和60年10月31日
(4)登録第1811714号商標(以下「引用商標4」という。)
商標の態様 イーグル
指定商品 第20類、第28類及び第31類に属する商標登録原簿に記載の商品
出願日 昭和57年12月29日
設定登録日 昭和60年10月31日
2 具体的な理由
(1)本件商標と引用商標1との対比
ア 本件商標は、極めて写実的な描法で描かれ、その特徴からワシと明瞭に判別可能な鳥が両足に魚をつかんで羽を広げて羽ばたいている図形からなるものである。
そして、「ワシ」が英単語で「EAGLE」であり、これを「イ-グル」と発音し、また、「魚」は英単語で「FISH」であり、これを「フィッシュ」と発音することは我が国においても広く一般的に知られているものであって、本件商標の構成からは両者を結合した「イーグルフィッシュ」の称呼を生じるとともに、「ワシと魚」の観念が生じるものである。
イ 引用商標1は、やや大まかな描法ながらその特徴より明らかにワシと判別可能な鳥が両足に魚をつかんで羽を広げて羽ばたいている図形の下に「THE EAGLE FISH BRAND」の文字を表記してなるものであり、その文字部分は「EAGLE FISH」を要部とするから「イーグルフィッシュ」の称呼が生じるとともに、「ワシと魚」の観念が生じるものであり、更には外観も類似性があると印象付けられるものである。
ウ したがって、本件商標と引用商標1は、「イーグルフィッシュ」の称呼を共通にするとともに、図形も互いに類似する。また、本件商標の指定商品は個々詳細に記載されているものの、これら全ての上位概念となる指定商品は「釣り具」であって、引用商標1の指定商品と同一又は類似のものである。
(2)本件商標と引用商標2との対比
ア 本件商標は、極めて写実的な描法で描かれ、その特徴からワシと明瞭に判別可能な鳥が両足に魚をつかんで羽を広げて羽ばたいている図形からなるものである。
そして、この図形中のワシの図形は魚に比して圧倒的に大きく印象的に表されており、看者にはその印象が強く刻み込まれるものであるから、この部分から「ワシ」の単独の観念が生じ、直結する英単語として「イーグル」の称呼を生じるものである。
イ 引用商標2は、明らかに羽を広げて羽ばたいているワシの図形の上下に「-EAGLE-」と「-BRAND-」の文字を表記してなるものであり、その文字部分は「EAGLE」を要部とするから「イーグル」の称呼が生じるものである。
ウ したがって、本件商標と引用商標2は、「イーグル」の称呼を共通にするとともに、図形も互いに類似する。また、本件商標の指定商品は、引用商標2の指定商品と同一又は類似のものである。
(3)本件商標と引用商標3及び引用商標4との対比
ア 本件商標は、前記(2)アのとおり「イーグル」の称呼を生じるものである。
イ 引用商標3は、「EAGLE」の欧文字を横書きしてなるものであり、「イーグル」の称呼を生じるものである。
ウ 引用商標4は、「イーグル」の片仮名を横書きしてなるものであり、「イーグル」の称呼を生じるものである。
エ したがって、本件商標と引用商標3及び4は、「イーグル」の称呼を共通にする類似のものである。また、本件商標の指定商品は、引用商標3及び4の指定商品と同一又は類似のものである。
3 まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。

第3 当審の判断
1 本件商標
本件商標は、別掲1のとおり、極めて写実的な描法で、魚の背を両足でつかみ羽を上方に大きく羽ばたき右下方を向いた猛禽類を描いた図形からなるものであって、全体としてまとまりよく一体に表されているものでる。
そうとすれば、本願商標は、看者をして、その構成全体が一体不可分のものと認識されるものと判断するのが相当であり、かつ、該図形が特定の称呼及び観念を有するものとして我が国において親しまれたものとはいえないから、本願商標は、特定の称呼及び観念を生じないものというべきである。
2 本件商標と引用商標1との類否
(1)引用商標1は、別掲2のとおり、大まかな描法で、大きな魚の腹をつかみ羽を大きく左右に広げた左向きの猛禽類と思われる図形、及びその下に「THE EAGLE FISH BRAND」の欧文字を横書きした構成からなるものであり、その図形部分及び文字部分は、それぞれ独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものとみるのが相当である。
そして、該文字中「BRAND」の文字は「銘柄、商標」の意味を有するものであるから、引用商標1は、その構成文字から「ザイーグルフィッシュブランド」及び「ザイーグルフィッシュ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものであり、また、構成中の図形部分からは本件商標と同様の理由により特定の称呼及び観念を生じないものというべきである。
(2)そこで、まず、本件商標と引用商標1の図形部分とを比較すると、両者は、それぞれ、上記1及び2(1)のとおりの構成からなり、その描法及び構成態様において明らかな差異を有するものであるから、外観において十分区別し得るものである。また、本件商標は特定の称呼及び観念を生じないから、両者は称呼及び観念においても相紛れるおそれはない。
(3)そうとすれば、本件商標は、引用商標1の全体及び文字部分との比較においても相紛れるおそれのないこと明らかである。
(4)したがって、本件商標と引用商標1とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
3 本件商標と引用商標2との類否
(1)引用商標2は、別掲3のとおり、頭部を上方に向けて羽を広げた左向きの猛禽類を表してなる図形の上下に、「-EAGLE-」及び「-BRAND-」の文字を配した構成からなり、その構成中の図形は「EAGLE」の文字と相まって「ワシ」を描いたものと認識されるものと見るのが自然である。
そして、上記文字中「BRAND」の文字は「銘柄、商標」の意味を有するものであるから、引用商標2は、「イーグルブランド」「イーグル」の称呼及び「ワシ(イーグル)印」「ワシ」の観念を生じるものというべきである。
(2)そこで、本件商標と引用商標2を比較すると、本件商標は特定の称呼及び観念を生じないから、両者は称呼及び観念において相紛れるおそれのないものである。また、両者は、それぞれ、上記1及び3(1)のとおりの構成からなるものであり、本件商標と引用商標2の図形部分との比較においても、魚の有無など両者の構成態様に明らかな差異を有するから、外観上相紛れるおそれはないものである。
(3)したがって、本件商標と引用商標2とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
4 本件商標と引用商標3及び引用商標4との類否
(1)引用商標3及び引用商標4は、それぞれ、「EAGLE」及び「イーグル」の文字からなるものであるから、いずれも、その構成文字に相応して「イーグル」の称呼、「ワシ」の観念を生じるものである。
(2)そこで、本件商標と引用商標3及び4を比較すると、本件商標は特定の称呼及び観念を生じないから、両者は称呼及び観念において相紛れるおそれのないものである。また、両者は、その構成上記1及び4(1)のとおりであるから、外観において明らかに区別し得るものである。
(3)したがって、本件商標と引用商標3及び4とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
5 まとめ
以上のとおり、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきであり、かつ、他に出所の混同を生じさせるおそれがあるなど、両者が類似するというべき理由は見いだせないから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
したがって、本件商標は、その指定商品について商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲1(本件商標)


別掲2(引用商標1)



別掲3(引用商標2)



異議決定日 2012-10-29 
出願番号 商願2011-22803(T2011-22803) 
審決分類 T 1 651・ 26- Y (X28)
最終処分 維持  
前審関与審査官 鈴木 斎 
特許庁審判長 森吉 正美
特許庁審判官 堀内 仁子
梶原 良子
登録日 2011-12-16 
登録番号 商標登録第5458316号(T5458316) 
権利者 ライト アンド マックギル カンパニー
代理人 藤田 邦彦 
代理人 藤田 典彦 

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