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審決分類 |
審判 査定不服 商6条一商標一出願 取り消して登録 X12 審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 X12 審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 X12 |
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管理番号 | 1265987 |
審判番号 | 不服2012-307 |
総通号数 | 156 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2012-12-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2012-01-06 |
確定日 | 2012-11-12 |
事件の表示 | 商願2010-88277拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「REX」の欧文字を標準文字で表してなり、第12類「運動性に関係した障害のある人のために多面的機能を提供するロボティックビークル及び装置を含む電動式パーソナルモビリィティビークル及び装置」を指定商品として、2010年(平成22年)5月31日ニュージーランド国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成22年11月12日に登録出願されたものである。 その後、本願の指定商品については、当審における平成24年10月9日受付の手続補正書により、第12類「装置本体に備えられたジョイスティックにより操作するものであって事故等で下半身不随となった人の脚部及び腰部に装着して歩行の動作を補助するための装置,障がい者が操縦可能な多機能制御機能を有する電動式車椅子,障がい者が操縦可能な多機能制御機能を有する電動式スクーター」と補正されたものである。 2 原査定の拒絶の理由の要点 原査定は、以下の(1)及び(2)の拒絶の理由をもって、本願を拒絶したものである。 (1)商標法第6条第1項及び第2項について 本願に係る指定商品は、その内容及び範囲を明確に指定したものとは認められないものであり、また、そのため、本願は、政令で定める商品及び役務の区分に従って第12類の商品を指定したものと認めることもできない。したがって、本願は、商標法第6条第1項及び第2項の要件を具備しない。 (2) 商標法第4条第1項第11号について 本願商標は、以下の登録商標と同一又は類似の商標であって、その商標に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。 ア 登録第593582号の2商標(以下「引用商標1」という。)は、「REX」の欧文字を書してなり、昭和36年4月1日に登録出願、第12類「自動車、自動車の部品および附属品(但しタイヤ、チユ-ブを除く)」を指定商品として、同37年7月17日に設定登録され、その後、5回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされているものであり、さらに、平成15年7月30日に指定商品を第9類「消防車,自動車用シガーライター」、第12類「自動車並びにその部品及び附属品(但しタイヤ、チューブを除く。)」及び第13類「戦車」とする指定商品の書換登録がされたものである。 イ 登録第4826470号商標(以下「引用商標2」という。)は、「REX」の欧文字を書してなり、平成15年6月23日に登録出願、「乳母車,人力車,そり,手押し車,荷車,馬車,リヤカー」を含む第12類、第7類ないし第11類、第16類、第17類及び第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同16年12月17日に設定登録され、その後、登録異議の申立てにより、その指定商品中、第8類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品について取り消すべき旨の決定がされ、同18年6月23日にその確定決定の登録がされ、さらに、商標登録の取消し審判により、その指定商品中、第12類「乳母車,人力車,そり,手押し車,荷車,馬車,リヤカー」について取り消すべき旨の審決がされ、同24年7月13日にその確定審決の登録がされたものである。 ウ 登録第5416817号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成21年9月2日に登録出願、「車いす,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品」を含む第12類、「二輪自動車の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,自転車の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を含む第35類、第9類、第14類ないし第16類、第18類、第20類、第25類、第28類、第37類及び第40類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同23年6月10日に設定登録されたものである。 3 当審の判断 (1)商標法第6条第1項及び第2項について 本願に係る指定商品は、前記1のとおり補正された結果、商品の内容及び範囲について明確なものとなり、かつ、本願は、政令で定める商品及び役務の区分に従って第12類の商品を指定したものと認められるから、本願は、商標法第6条第1項及び第2項の要件を具備するものとなった。 (2)商標法第4条第1項第11号について ア 本願商標と引用商標1及び2との類否 本願の指定商品は、前記1のとおり補正された結果、引用商標1及び2の指定商品と非類似の商品になったと認められるものである。 したがって、本願商標と引用商標1及び2とは、商標の類否について論ずるまでもなく、その指定商品において互いに抵触しないものとなったから、本願商標が引用商標1及び2との関係において商標法第4条第1項第11号に該当するとした拒絶の理由は、解消した。 イ 本願商標と引用商標3との類否 (ア)本願商標 本願商標は、前記1のとおり、「REX」の欧文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、辞典類においては、成語として掲載されているものの、特定の意味を有する語として認識されるほど一般に広く親しまれているとまではいい難いことからすれば、特定の意味を有しない造語として認識されるとみるのが相当である。 そうとすると、本願商標は、その構成文字に相応して、「レックス」の称呼を称じ、特定の観念を生じることのないものである。 (イ)引用商標3 引用商標3は、別掲のとおり、太線の矢印をもって表された円状の図形内の中央に、「Wonder」及び「REX」の欧文字を上下二段に表してなるところ、その構成中の「REX」の文字は、「Wonder」の文字に比して大きく表されているものの、両文字は、それぞれの横幅が揃うように配置され、かつ、同一の書体をもって表されていることから、視覚上、まとまりよく一体的なものとして看取、把握されるとみるのが相当である。 また、上記両文字から生ずると認められる「ワンダーレックス」の称呼も、よどみなく一連に称呼し得るものである。 さらに、「Wonder」の文字が、引用商標3に係る指定商品との関係において、商品の品質等を表示する等、自他商品の識別標識としての機能を有しないものということはできないし、上記構成態様からなる引用商標3において、「REX」の文字部分のみに着目し、当該文字部分のみをもって取引に資するというべき特段の事情も見いだし得ない。 してみれば、引用商標3は、その構成中の欧文字部分全体に相応する「ワンダーレックス」の称呼のみを生ずるものであり、また、該欧文字部分は、それ自体特定の意味合いを有するものとして認識されるとはいい難いことから、特定の観念を生じることのないものである。 (ウ)本願商標と引用商標3との対比 本願商標と引用商標3とを比較すると、両者は、それぞれ上記のとおりの構成からなるものであるから、外観上、明らかに区別し得るものである。 次に、本願商標から生ずる称呼「レックス」と引用商標3から生ずる称呼「ワンダーレックス」とを比較すると、両称呼は、その音構成及び構成音数において明確な差異を有するものであるから、それぞれ一連に称呼するときは、語調、語感が異なり、互いに聞き誤るおそれはない。 さらに、本願商標と引用商標3とは、上記のとおり、ともに特定の観念を生じることのないものであるから、観念上、両者を比較することはできない。 (エ)小括 以上によれば、本願商標と引用商標3とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。 したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。 (3)まとめ 以上のとおり、本願が商標法第6条第1項及び第2項の要件を具備しないものとし、また、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。 その他、本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 引用商標3(登録第5416817号商標) |
審決日 | 2012-10-31 |
出願番号 | 商願2010-88277(T2010-88277) |
審決分類 |
T
1
8・
91-
WY
(X12)
T 1 8・ 261- WY (X12) T 1 8・ 262- WY (X12) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 冨澤 美加 |
特許庁審判長 |
酒井 福造 |
特許庁審判官 |
池田 佐代子 田中 敬規 |
商標の称呼 | レックス、アアルイイエックス |
代理人 | 石田 昌彦 |
代理人 | 稲葉 良幸 |
代理人 | 田中 克郎 |