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審判番号(事件番号) | データベース | 権利 |
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不服201212746 | 審決 | 商標 |
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審決分類 |
審判 査定不服 称呼類似 登録しない X4142 審判 査定不服 観念類似 登録しない X4142 審判 査定不服 外観類似 登録しない X4142 |
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管理番号 | 1265981 |
審判番号 | 不服2012-3765 |
総通号数 | 156 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2012-12-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2012-02-27 |
確定日 | 2012-10-15 |
事件の表示 | 商願2011- 8351拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「ラッテ」の片仮名と「latte」の欧文字を二段に書してなり、第41類及び第42類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務とし、平成23年2月8日に登録出願されたものである。そして、願書記載の指定役務については、審判請求と同時提出の手続補正書により、第42類「インターネットにおける会員制チャットルーム用サーバーの記憶領域の貸与又はこれに関する情報の提供,インターネットにおける会員同士のコミュニケーションを目的としたウェブサイト用コンピュータプログラムの提供又はこれに関する情報の提供,インターネットにおける会員同士のコミュニケーションを目的としたウェブサイト用サーバーの記憶領域の貸与又はこれに関する情報の提供,インターネットにおいて利用者が交流するためのソーシャルネットワーキング用サーバーの記憶領域の貸与及びこれに関する情報の提供,コンピュータ通信ネットワークを介した電子掲示板・電子会議室・チャットルーム用のサーバのエリア貸与,インターネット上での学生と社会人との意見交流のための電子掲示板・電子会議室・チャットルーム用のサーバのエリア貸与」に補正されたものである。 2 引用商標 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5309737号商標(以下「引用商標」という。)は、「Latte ラテ」の文字を標準文字で表してなり、平成21年10月16日に登録出願、第35類「求人情報の提供」、第38類「電気通信(放送を除く。),電子掲示板による通信」、第42類「インターネットにおいて利用者が交流するためのソーシャルネットワーキング用サーバーの記憶領域の貸与」、第44類「美容,エステティック及び美容に関する情報の提供,理容,あん摩・マッサージ及び指圧,カイロプラクティック,きゅう,柔道整復,はり,医業,医療情報の提供」及び第45類「ファッション情報の提供,新聞記事情報の提供,占い,身の上相談」を指定役務として、同22年3月19日に設定登録がなされ、現に有効に存続しているものである。 3 当審の判断 (1)本願商標と引用商標の類否について 本願商標は、前記1のとおり、「ラッテ」の片仮名と「latte」の欧文字を二段に書してなるところ、欧文字「latte」は、「ミルク、乳、牛乳」などの意味を有するイタリア語(小学館「伊和中辞典第2版」)であって、「ラッテ」と発音されるものであるから、片仮名「ラッテ」は、欧文字「latte」の読みを特定しているものと認められる。 してみれば、本願商標からは、構成文字に相応して、「ラッテ」の称呼及び「ミルク」の観念を生ずるものと認められる。 他方、引用商標は、前記2のとおり、「Latte ラテ」の文字を標準文字で、同書、同大、等間隔に横一列に表してなるところ、欧文字「Latte」は、上記のとおり、「ミルク、乳、牛乳」などの意味を有するイタリア語(小学館「伊和中辞典第2版」)であるから、「ミルク」の観念を生ずるものと認められる。 ところで、「latte」の文字は、これに「caffe」を冠した「caffe latte」(カフェラテ)の語が、「温めた牛乳を加えたエスプレッソコーヒー」(広辞苑第六版)や「エスプレッソに牛乳を加えた飲み物」(2012年「現代用語の基礎知識」)の意味を有し、「カフェラテ」ないし「カフェラッテ」(三省堂「コンサイスカタカナ語辞典第3版」、学習研究社「大きな字のカタカナ新語辞典第2版」)、あるいは単に「ラテ」(2012年「現代用語の基礎知識」)とも呼ばれていることが認められる。 してみれば、引用商標は、構成中の「Latte」の欧文字部分は、上記の「caffe latte」の発音に倣って、「ラテ」又は「ラッテ」と称呼し得るものであるが、その構成中には、その読みを特定したものと無理なく認識し得る「ラテ」の文字を有するから、「ラテ」の称呼のみを生ずるものと認められる。 そうとすれば、引用商標は、構成文字に相応して「ラテ」の称呼並びに「ミルク」及び「エスプレッソに牛乳を加えた飲み物」の観念を生ずるものと認められる。 そこで、本願商標から生ずる「ラテ」の称呼と引用商標から生ずる「ラッテ」の称呼についてみると、両称呼は、共に促音を含めて3音構成からなり、そのうち「ラ」「テ」の2音を共通にし、相違するのは、語頭音「ラ」における促音の有無のみである。 そして、該差異音である促音は、それ自体が独立した1音として明確に発音され、かつ、聴取されるとはいえないものであるところ、その前音である語頭の「ラ」が舌の先で上歯茎を弾くようにして発する音(弾音)でもあり、強く発音されために、これに続く促音は「ラ」に吸収されて、明確には聴取され難い微弱音となるものである。 そうすると、該促音の有無が、称呼全体に及ぼす影響は決して大きいものとはいえず、両称呼をそれぞれ一連に称呼した場合には、全体としての語調、語感が近似し、互いに聞き誤るおそれがある称呼上類似のものと判断するのが相当である。 次に、観念についてみるに、本願商標と引用商標とは、「ミルク」の観念を同じくするものである。 また、外観についてみると、前記のとおり、本願商標は、「ラッテ」及び「latte」の文字を2段に表してなるが、引用商標は、「Latte ラテ」と一連に横書きしてなるから、本願商標中の片仮名「ラッテ」と引用商標中の「ラテ」の文字は、2文字を同じくするものであって、かつ、本願商標中の欧文字「latte」と引用商標中の欧文字「Latte」は、文字綴りを同じくするものであるから、これらを、時と処を異にして離隔的に観察した場合には、前記構成文字よりみて、外観上も近似した印象、記憶、連想等を、取引者、需要者に与えるものであるといわざるを得ない。 してみれば、本願商標と引用商標とは、前記のとおり、観念を同じくし、外観においては近似した印象、記憶、連想等を与え、称呼においては類似するものであることから、全体として互いに相紛れるおそれのある類似する商標というのが相当であって、また、本願商標の指定役務は引用商標の指定役務と同一又は類似する役務を含むものであるから、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。 (2)請求人の主張について 請求人は、「引用商標の称呼は、商標権者の意図として二段併記で構成せず、標準文字『Latte ラテ』を採用していることから、『ラテ』の称呼は生じず、『ラテラテ』『ラッテラテ』の一連の称呼のみ発生するものである。そうとすれば、本願商標から生ずる『ラッテ』の称呼とは、2音以上相違するため、称呼において非類似の関係にある。」旨主張し、登録例を提示している。 しかしながら、引用商標は、前記2のとおり、「Latte ラテ」の文字を書してなるところ、「Latte」と「ラテ」の文字は、1文字程度の間隔を有してなるから、構成上分離して看取されるものであるところ、欧文字部分は、「caffe latte」の略語として認識されるから「ミルク」及び「エスプレッソに牛乳を加えた飲み物」の観念を生ずるものと認められる。 また、片仮名部分は、前記のとおり、欧文字部分と相互互換的な関係にあるから、簡易迅速を尊ぶ商取引の実際にあっては、「caffe latte」(カフェラテ)を略称する称呼を特定しているものと無理なく認識されるものであるから、「ラテ」の称呼を生ずるものである。 そうとすれば、引用商標から「ラテラテ」「ラッテラテ」の一連の称呼のみを生ずることを前提とする請求人の主張は、採用の限りでない。 また、請求人は、過去に登録された事例を提出しているが、いずれの事案もその構成態様が本願とは異なることから、同列に論じるのは適切ではなく、また、商標の類否の判断においては、当該出願に係る商標と他人の登録商標(引用商標)との対比において、個別、具体的に判断されるべきところ、前記のとおり本願商標と引用商標とが類似するものである以上、請求人の主張は採用することができない。 (3)まとめ 以上のとおり、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2012-08-07 |
結審通知日 | 2012-08-10 |
審決日 | 2012-09-04 |
出願番号 | 商願2011-8351(T2011-8351) |
審決分類 |
T
1
8・
263-
Z
(X4142)
T 1 8・ 262- Z (X4142) T 1 8・ 261- Z (X4142) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 田中 瑠美 |
特許庁審判長 |
鈴木 修 |
特許庁審判官 |
田中 亨子 瀬戸 俊晶 |
商標の称呼 | ラッテ、ラテ |
代理人 | 押本 泰彦 |